運用型広告のアカウント分析が上手くできないあなたがハマりがちな9つの落とし穴

運用型広告のアカウント分析が上手くできないあなたがハマりがちな9つの落とし穴
  • 「毎日、管理画面を見ているのにどうして成果があがらないの?」
  • 「アカウント分析の結果、本当に成果につなげられてるの?」

なんて疑問や悩みはありませんか?

筆者自身、初めてリスティング広告の管理画面を見た時には管理画面の無数の指標から、どの数字をどのように見ればいいのか見当もつかず、冒頭のような疑問や悩みをもっていました。現在はさらに高機能となり指標も非常に多くなっているため、運用型広告を携わったばかりの方がアカウント分析に取り組む際の戸惑いは当時を上回るのではないかと思います。

そこで今回は、私自身がその当時に教えてもらいたかった、そしていま知っておきたい、アカウント分析が上手くできないと悩む広告運用者がハマりやすい落とし穴をまとめてみました。

1.近視眼的にアカウントをみている

まだ管理画面の多くの数字に慣れていないときに得に陥りがちな落とし穴です。

たとえば、CPA(コンバージョン単価)を下げたいアカウントのとあるキャンペーンのCPAが目標CPAの2倍だったとき、「まずい、どうしよう」と反射的に慌ててしまいがちですよね。ですが、この広告グループで発生している予算が全体の1%であったらどうでしょう?影響が少ないから全く気にしなくてもいいというわけではありませんが、このキャンペーンよりもっと全体のパフォーマンスに影響を与えている箇所がある可能性が高いです。

当たり前のようですが、アカウント全体において大きなインパクトを与えている要素を把握することが、アカウント分析のファーストステップです。

アカウントを局所的に見てしまっていると、アカウント改善に対して微々たるインパクトしか与えないところばかりに注目してしまい、分析の結果得られた施策も工数の割りに結果に結びつかないなんてことにもなりかねません。そうならないためにも、まずはアカウント全体を俯瞰的に見てインパクトのキャンペーンなどから優先的に分析していくことが、素早く結果につながる施策を生み出すのには重要です。

2.表面的に数字をとらえている

しばらくして管理画面の数字に慣れた頃にやってしまいがちなのが、表面的に数字をとらえてしまうことです。

下記2つのキャンペーンを例にあげて考えてみます

目標CPA:800円


・キーワードA コンバージョン数: 90件 CPA:800円
・キーワードB コンバージョン数: 10件 CPA:1,500円
合計のCPA:870円

このような場合、目標にくらべてCPAが高いからといって、キーワードBを停止してしまうのは時期尚早です。確かにキーワードBを停止すれば、短期的には目標CPAに近づけられるかもしれませんが、コンバージョン数は減少してしまいます。

表面的な数字だけをみて効果を目標にあわせていくのは、一歩間違えるとただの数字あそびになってしまいます。もしかすると100件のコンバージョンを目標CPAに収まるように獲得できる方法があるかもしれませんし、目標CPAの上限を上げて獲得件数を増やせることを広告主に提示したほうがよいかもしれません。表面的に数字をとらえてしまうのは思考停止に陥るワナでもあります。

3.因数分解できていない

前項では表面的に数字をみることの危険性を説明しましたが、ではどうすれば具体的な改善方法を見つけられるのでしょうか?それは、「因数分解」で考えることで見つけられます。

たとえばCPAを因数分解すると、[CPA=CPC(クリック単価)÷ CVR(コンバージョン率)となります。]


一度わかってしまえば簡単なことですが、十分な因数分解ができていないと、「Cost」を下げればCPAは下がると考え、「一日の予算を引き下げる」というような対処に陥ることになります。当たり前の話ですが、Costがいくら下がってもCVも一緒に下がってしまえば、当然CPAは改善に向かいません。「CPA = CPC ÷ CVR」という公式が理解できていれば、「CPCを引き下げる」か「CVRを上げる」ことが必要とわかります。

さらに、実際のCPCがどのように決定されるかまで因数分解できていると、原因を突き止めてどのようなアクションを取ればよいかがより明確になります。

ルールや仕組みを知らなければ土俵にも上がれないため、まずは理解を深めておきたいですね。

参考:広告の掲載順位とランクの仕組み – AdWords ヘルプ

参考:Google アドワーズ、品質スコアと広告ランクについてよくある 6 つの質問

4.現実的な施策に繋がらない

仮にCPAを下げるために、「CPCはもう下げられないからCVRを3倍にすれば達成できる!」と考えたとします。あれ?ちょっと待ってください、コンバージョン率を3倍することは現実的なのでしょうか?

もちろん不可能だとはいいません。ただしさまざまな個別の事情から、広告運用者がこの数字を変えていくことは容易いことではないでしょう。アカウント分析から導き出す改善策が、現在のリソースや状況を踏まえて、現実的か否かは常に考える必要があります。

実行に移せない改善策に価値はありません。「それは現実的な施策か」を常に念頭に置いてアカウント分析に取り組む必要があります。

5.仮説がない

CPA高騰の原因を探ろうと思ってアカウント分析を始めたら、要因が見つからないまま数十分が過ぎてしまった、なんて場合は要注意です。

仮説もないままにアカウントを見始めると、入札価格、配信面、オーディエンスリストごとの成果などなど、考えられる原因をしらみ潰しに確認していかなければなりません。原因となりうる要素は無数にありますので、それっぽい数字の変化にいちいち振り回されたりするような状態では時間がいくらあっても足りなさそうです。

自分なりに「これをこうしたらこうなるだろう」という仮説も持って行うと、その仮説が外れたとしても「要因でないもの」が特定できます。仮説は立て続けることによって精度が高まり、経験として蓄積でき、アカウント分析の際に原因に対する ”あたり” をつけられるようになり、問題解決までのスピードも上げられるでしょう。

仮説立てをめんどうくさがってしまうと、いくらかは慣れるかと思いますが、いつまで経っても問題を前にゼロから考えることになるのではないでしょうか。皆さんの時間と労力は有限です。限られたリソースを効率的に使っていくためにもぜひ、仮説立てからアカウント分析を始めてみてください。

6.トレンドを把握できていない

ここでいうトレンドとは、決算期、繁忙期、季節性など広告運用者がコントロールし得ない外部要因を指します。ビジネスを扱う上でこのトレンドの感覚を持っておくことは大切な要素です。

トレンドを把握しないままアカウント分析をした場合、要因はアカウントの外にありますので、答えのない泥沼にハマり続け時間を浪費することにもなりかねません。

運用型広告における数字の変動を真っ先に外部要因と結論付けてしまうことは運用者としてはナンセンスです。しかし、たどり着く結論が同じなのであれば、限られた時間を費やすべきものではありません。広告主の主要なイベントや業界の繁忙期・閑散期など、影響が考えられそうな外部要因はあらかじめ把握して頭の隅においておくと、無駄足を踏む確率を下げられるでしょう。

参考:運用型広告の数値に影響を及ぼす意外な外部要因5選

7.過去の設定を無条件に受け入れている

アプリやプレースメントなどの配信面を過去配信して効率が悪かったからといって除外してしたままにしてはいませんか?他にも、スマートフォンのCPAが高いため、入札金額を下げたままの場合などがあるかもしれません。

ディスプレイネットワークにおけるアプリ面への掲載は、パソコンにくらべ画面の狭いスマートフォンならではの誤タップの多さなどの影響により成果が悪くなりやすいケースがあり、真っ先に除外対象となることも少なくありませんでした。

しかしながら、広告フォーマットや広告配信の技術は日々進歩しており、ユーザー体験を阻害するような広告フォーマットは改善されています。筆者自身もアプリ面でも目標の範囲で成果を出すことが十分可能となり、アプリ面への配信を一律除外しなければならないケースは少ないと感じています。

参考:【実例】ディスプレイ広告のプレースメントの設定、アプリは除外する? しない? ~Google AdWordsで、アプリ除外をしなかったアカウントの成果はいかに!?

また、モバイルファーストと呼ばれユーザーのインターネットに対する態度も、数年前とは全く違うものとなっています。

この例に限らず、アドテクノロジーも広告をみてもらうユーザーの行動も過去とは大きく変化していて、過去の施策が現在では通用しないことが少なくありません。むしろ、施策の陳腐化のスピードはますます早くなっています。過去の成功体験や当たり前を疑い、いま最善な方法が何かを考え続けることは、アカウント分析にも大いに役立つでしょう。

8.細かく調整しすぎている

これは、広告運用に慣れてきた頃に陥りがちです。アカウントに触るのも慣れ、目標単価や入札価格を効率が合わないからと毎日のように変更していたりしませんか?

配信ボリュームが膨大でない限り、どの施策や調整が結果に対してどのように影響したかを把握するには一定のデータ量が必要です。一定期間に何度も変更を加えてしまったら、分析どころではないですよね。掲載し始めなど細かな調整が必要でない限り、「調整しすぎ」はアカウント分析の際にノイズとなってしまいます。

9.管理画面を見すぎている

運用型広告を始めた当初はリアルタイムで変動する数字に怯え、毎分毎分で管理画面を見続けていないと不安なんてことも…。もちろん、何か新しい施策をした直後は細かく管理画面を見ることも必要ですが、改善のアイデアは管理画面を見た時間に比例するものではありません。

施策に行き詰ったら、広告運用者であるとともに、ひとりのユーザーとして、一度管理画面から離れてみてください。自分がどうしてその商品を買ったのか、そのサービスを使ってるのか意識してみるのも、広告運用に活かせることが多いのでおすすめです。

参考:施策に行き詰まったら管理画面から離れてみよう。

最後に

アカウント分析が上手くいかないと感じていた方は、まずはこれら9つの落とし穴にハマっていないかチェックしてみてください。

アカウント分析の目的は、運用型広告を通して広告主のビジネスの成功を実現するためのアクションをみつけて実行することです。そのことを意識するだけでも、いままでの分析とは結果が変わってくると思います。

Miwa Sugiyama

Miwa Sugiyama

アナグラム株式会社 クルー。インターネット広告代理店にて健康食品やコスメ系案件を中心にYDNとFacebook広告の分析・運用を経験後、運用する業種業態の幅を広げ、さらなるスキルアップの為に2017年11月よりアナグラムに参画。

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