LINE広告でできるCookieレス対策(効果計測編)Advanced matchingとLINE Conversion API

LINE広告でできるCookieレス対策(効果計測編)Advanced matchingとLINE Conversion API
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Web広告に携わる方はもちろんですが、それ以外インターネット関連に携わる方であればCookieに対する制限について近ごろ話題になっているのはご存知かと思います。

例えば、*1Google広告の拡張コンバージョンや、*2Facebook広告のコンバージョンAPIなど各社Cookieレス対策のための開発を進めています。

本記事ではLINE広告でできる2つのCookieレス対策(計測編)についてご紹介します。

*1Google広告の拡張コンバージョンについてはこちら

*2Facebook広告のコンバージョンAPIについてはこちら



対策①|Advanced matching(詳細マッチング)

Advanced matchingとは、LINE Tag を通してハッシュ化された1st party data(電話番号/メールアドレス)をLINEに送ることで、配信の最適化やコンバージョン計測精度の向上と、オーディエンス蓄積を増加させる機能です。

具体的に、LINE Tagにより取得した電話番号やメールアドレスとLINEに登録されているデータとを照合しデータの精度を補完出来る仕組みとなっております。

画像引用元:LINE広告(LINE Ads) Advanced matching(詳細マッチング)マニュアル|LINE for Business

Advanced matchingの活用により期待できる効果

Advanced matchingを導入することで以下2点の効果が期待されます。

1.端末やブラウザを跨いだコンバージョン計測やオーディエンス蓄積が可能に

スマートフォンでの閲覧ユーザーだけでなく、PCサイト閲覧ユーザーのオーディエンス蓄積や間接CVの計測も可能になります。

2.クロスドメイントラッキング

これまで、サブドメインが共通の場合のみ計測可能でしたが、詳細マッチング機能を利用することでドメインを跨いでの計測も可能になります。

Advanced matchingの設定方法

LINE Tagのベースコードへ、以下の赤文字部分を追加で記述してください。

画像引用元:LINE広告(LINE Ads) Advanced matching(詳細マッチング)マニュアル|LINE for Business

※例に記載の [tagid:123abc ]には、アカウント固有のIDが記載されています

※customerTypeはLINE公式アカウント管理画面より発行したタグの場合は「'account'」になります

※phone numberやemail addressは動的に返るように実装してください。

LINE Tag 詳細マッチングでは以下の2つのパラメーターに対応しています。

パラメーター形式
phone number+818012345678・国番号を⼊れた電話番号の形式で送信・ハイフンは不要
email addresstaroyamada@example.comメールアドレスをそのまま送信

※電話番号、およびメールアドレスを LINE Tagで利用する際には、https通信を利用し第三者に情報が渡らないよう十分に注意して実装してください。

詳細はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

対策②|LINE Conversion API

2022年09月29日に広告主がサーバーに保有するデータをLINEへ送信可能にする機能「LINE Conversion API」の提供が開始されました。

参考:LINE、広告主がサーバーに保有するデータをLINEへ送信可能にする機能「LINE Conversion API」の提供を開始

これまでの「LINE Tag」を通じたデータ取得のみならず、広告主側のサーバーで保有しているユーザーデータ*3を、広告主のサーバー経由で直接LINEに送信することが可能になるため、LINEの運用型プラットフォーム「LINE広告」のコンバージョン計測や最適化の精度向上が期待できます。

*3 広告主からLINEへの送信に関して、ユーザーから同意を得ているデータのみ連携可能です。

画像引用元:LINE、広告主がサーバーに保有するデータをLINEへ送信可能にする機能「LINE Conversion API」の提供を開始

LINE Conversion APIの活用により期待できる効果

LINE Conversion APIの導入は簡単ではありませんが、次のように活用できます。

レポーティング改善

LINE Tagで取得したデータに加え、サーバー経由での計測により、今まで欠損していたデータを補完できるためより精度の高い計測が可能になります。

オーディエンス活用

1.に付随しますが、これまで計測できていなかったデータを取得できるため、サーバー経由で流入したユーザーのオーディエンスも蓄積が可能になります。

最適化の精度向上

コンバージョンやイベントなどの取得データの増加により、機械学習による最適化の質が高まりパフォーマンスの改善が期待できます。

(2022年11月現在、機能は未実装。今後ローンチ予定)

現在はまだ使えない機能もありますが、今後を見据えて実装を検討してもよさそうです。

LINE Conversion APIの設定方法

実装に際しては各サイトの仕様により作業内容が大きく変わってきます。まずは大まかに全体の流れを把握していきましょう。

1.ビジネスマネージャーの組織作成(広告主対応)

利用予定の企業で*ビジネスマネージャーの組織を作成する(既に作成済みの場合はスキップ)

※ビジネスマネージャーとは?

2.組織への広告アカウントの紐付け(広告主 or 代理店 対応)

LINE広告アカウントにビジネスマネージャーの組織IDを紐付ける(既に対応済みの場合はスキップ)

3.アクセストークン発行(広告主)

ビジネスマネージャー内、「データ」>「LINE Tag」より作業が可能です。

コンバージョンAPIを利用するには、組織の管理者がコンバージョンAPI利用規約に同意する必要があります。

同意が完了するとコンバージョンAPIのトークン発行や管理が可能になります。

ページ最下部までスクロールすると、アクセストークンを発行出来ます。

※このトークンはブラウザを閉じるか他のページに遷移すると確認できなくなるため、必ずコピーして保存しておいてください。

4.実装・運用開始

下記、実装ガイドを参照の上、代理店さまやシステム会社さんと連携し実装が完了できたらLINE Conversion APIの運用開始となります。

参考:LINE Conversion API v1 (1.0.0)

まとめ

昨年のiOSアップデートや2024年後半に控えているGoogle ChromeのサードパーティーCookie廃止によりLINE広告も例外なくデータ欠損の影響を受ける事になります。

今できる計測周りの対策を実施することで、広告配信の幅を狭めることなく活用出来LINE広告の成果を改善出来ると考えています。

将来的にはAdvanced matchingとConversion APIどちらも実装できるとベストです。

なぜなら、Advanced matchingではTagで取得した情報を補完し、Tagで取得できない情報についてはConversion APIで補完するため、データの欠損をより少なくできるからです。

しかし、Conversion APIはサーバーに保有するデータをLINEに送信するため導入難易度が高い機能です。そのため、もし本日紹介した機能でどちらも未実装でしたら、まずはAdvanced matchingから実装することを検討してみてください。

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