リスティング広告の管理画面での売上金額の計測方法

リスティング広告の管理画面での売上金額の計測方法
この記事は最終更新日から約4年が経過しています。

ビジネスの目的に応じた正しいKPIを設定することが、リスティング広告運用の成否を分けると言っても過言ではありません。多くの場合では、目標とするCPA(コンバージョン単価)をKPIとして定めますよね。けれど、CPAによるリスティング広告運用がベストではないケースもあります。

※KPI…Key Performance Indicator:重要業績評価指標。目標の達成度を測るための指標。

例えば以下の場合はどうでしょうか。

キーワードA:3,000円の費用で1万円の商品が3つ売れた場合

キーワードB:3,000円の費用で2万円の商品が2つ売れた場合

CPAで見た場合の評価は下記のようになります。

キーワードA:3,000円÷3=CPA 1,000円

キーワードB:3,000円÷2=CPA 1,500円

※キーワードAとBにおけるCPAは目標値の許容内とします。

CPAが安いキーワードAの方が、獲得の効率が良いと判断できます。しかしながら売上金額を踏まえた場合はどうでしょう?

キーワードA:1万円×3=売上金額 3万円

キーワードB:2万円×2=売上金額 4万円

売上金額はキーワードAに比べキーワードBの方が高くなっています。キーワードBはキーワードAと比較し、CPAこそ高いものの、ビジネスの目的が「売上金額を伸ばす」ことである場合、どちらのキーワードの価値が高いかは一目瞭然ですね。CPAだけで判断していた場合にはこのキーワードBの価値は見過ごされてしまいます。

※分かり易くするため、利幅などは加味してません。

このように、コンバージョンの価値がすべて同じではなく、コンバージョンごとに価値の違いがある場合に、Google アドワーズ・Yahoo!プロモーション広告では、単にコンバージョンの発生数だけではなく、それぞれに価値を示す値を割り当てることができます。例えば先ほどの例のようにコンバージョンの対象商品ごとに売上金額を割り当てるのが代表例です。コンバージョンに割り当てた価値によって、広告の費用対効果を把握することができ、ビジネスの目的によりフォーカスした広告運用に役立てていくことができます。

今回は、コンバージョンタグをカスタマイズする必要があり導入のハードルが比較的高い、トランザクションごとに変動する売上金額のリスティング広告の管理画面での計測方法を解説していきます。それでは、それぞれの媒体ごとに設定方法を詳しく見ていきましょう。


Google アドワーズ

コンバージョンタグ取得方法

how-to-measurement-conversion-values_01

①「運用ツール」タブをクリックします。
②「コンバージョントラッキング」を選択します。
③「+コンバージョン」をクリックします。

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④「ウェブサイト」を選択します。

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「設定」画面に遷移し、「名前」の入力や「計測期間」の選択などを行います。売上金額を取得する場合は⑤の「値」で「購入金額などによって、その都度異なる値を割り当てる」を選択します。「値を指定しない場合のデフォルト値の設定」には、値が取得できなかった場合の規定値を入力します。ここには、商品の平均購入単価を入力すると良いでしょう。

how-to-measurement-conversion-values_04
⑥の「カウント」では「すべて」または「1回」を選択します。「1回」を選択すると同じユーザーが商品を2回以上購入した場合1つの値しかカウントされないため、広告の費用対効果を確認して運用する時などはユーザーが購入した商品すべてをカウントする「すべて」を選択することをおすすめします。

コンバージョンタグのカスタマイズ

入力が完了し、「保存」をクリックするとコンバージョンタグが表示されます。この時に表示されるコンバージョンタグを今回はPHPページに設定する場合を例にカスタマイズします。ASPページやJSPページに設定する場合は、下記の公式ヘルプも合わせてご参照ください。

参考:購入や注文ごとに変動する値をコンバージョン値としてトラッキングする

▼コンバージョンタグのサンプル

<!-- Google Code for your Conversion Page -->
<script type="text/javascript">
/* <![CDATA[ */
var google_conversion_id = 1234567890;
var google_conversion_language = "en";
var google_conversion_format = "3";
var google_conversion_color = "ffffff";
var google_conversion_label = "xxxxXXx1xXXX123X1xX";
var google_conversion_value = 1000.00;
var google_conversion_currency = "JPY";
if (<?echo $totalValue ?>) {
var google_conversion_value = <?php echo $totalValue ?>;
var google_conversion_currency = <?php echo $currency ?>;
}
var google_remarketing_only = false;
/* ]]> */
</script>
<script type="text/javascript" src="//www.googleadservices.com/pagead/conversion.js">
</script>
<noscript>
<div style="display:inline;">
<img height="1" width="1" style="border-style:none;" alt="" src="//www.googleadservices.com/pagead/conversion/1234567890/?value=1000.00<?php echo $totalValue ?>&amp;currency_code=JPY<?php echo $currency ?>&amp;label= xxxxXXx1xXXX123X1xX;guid=ON&amp;script=0"/>
</div>
</noscript>

上記の青字の部分を削除し、赤字の部分を追加します。

「<?php echo $totalValue ?>」の部分には、売上金額を動的に出力するためのPHPコードを設定します。(「totalValue」の部分は売上金額を格納していることを示す変数名のため、サイトやカートシステムによって指定すべき変数名は異なります。)また、複数の通貨を受け付けている場合は「<?php echo $currency ?>」を追加して「var google_conversion_currency = "JPY"」を削除します。(日本円のみの場合は、この追加と削除を行う必要はありません。)

Yahoo!スポンサードサーチ

コンバージョンタグ取得方法

how-to-measurement-conversion-values_05
①「ツール」タブをクリックします。
②「コンバージョン測定」を選択します。
③「+コンバージョン測定の新規設定」をクリックします。

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「新規設定」画面に遷移し、必要項目の入力をします。④の「1コンバージョンあたりの価値」には、値が取得できなかった場合の規定値を入力します。ここには、商品の平均購入単価を入力すると良いでしょう。入力が完了し、「保存してタグを取得」をクリックするとコンバージョンタグが表示されます。

コンバージョンタグのカスタマイズ

この時に表示されるコンバージョンタグをカスタマイズします。今回はPHPページに設定する場合を例にします。下記の公式ヘルプも合わせてご参照ください。

参考:コンバージョン測定タグの高度な設定

▼コンバージョンタグのサンプル

<!-- Yahoo Code for your Conversion Page -->
<script type="text/javascript">
/* <![CDATA[ */
var yahoo_conversion_id = 0123456789;
var yahoo_conversion_label = "Xx00XXXwwW";
var yahoo_conversion_value = 1000<?php echo $totalValue ?>;
/* ]]> */
</script>
<script type="text/javascript" src="//s.yimg.jp/images/listing/tool/cv/conversion.js">
</script>
<noscript>
<div style="display:inline;">
<img height="1" width="1" style="border-style:none;" alt="" src="//b91.yahoo.co.jp/pagead/conversion/0123456789/?value=1000<?php echo $totalValue ?>&label= Xx00XXXwwW &guid=ON&script=0&disvt=true"/>
</div>
</noscript>

上記の青字の部分を削除し、赤字の部分を追加します。「<?php echo $totalValue ?>」の部分には、売上金額を動的に出力するためのPHPコードを設定します。(「totalValue」の部分は売上金額を格納していることを示す変数名のため、サイトやカートシステムによって指定すべき変数名は異なります。)

YDN

コンバージョンタグ取得方法

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①「ツール」タブをクリックします。
②「コンバージョン測定」を選択します。
③「+コンバージョン測定の新規設定」をクリックします。

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「新規設定」画面が開き、必要項目を入力します。④の「1コンバージョンあたりの売上金額」には、値が取得できなかった場合の規定値を入力します。ここには、商品の平均購入単価を入力すると良いでしょう。

コンバージョンタグのカスタマイズ方法

入力が完了し、「保存」をクリックするとコンバージョンタグが表示されます。この時に表示されるコンバージョンタグを今回はPHPページに設定する場合を例にカスタマイズします。
▼コンバージョンタグのサンプル

<script type="text/javascript" language="javascript">
/* <![CDATA[ */
var yahoo_ydn_conv_io = "0XXXXxxxxxx";
var yahoo_ydn_conv_label = "00XXxxWWwwYYyy";
var yahoo_ydn_conv_transaction_id = "";
var yahoo_ydn_conv_amount = "1000"<?echo $totalValue ?>;
/* ]]> */
</script>
<script type="text/javascript" language="javascript" charset="UTF-8" src="//b90.yahoo.co.jp/conv.js"></script>

上記の青字の部分を削除し、赤字の部分を追加します。
「<?echo $totalValue ?>」の部分には、売上金額を動的に出力するためのPHPコードを設定します。(「totalValue」の部分は売上金額を格納していることを示す変数名のため、サイトやカートシステムによって指定すべき変数名は異なります。)

 

下記の公式ヘルプも合わせてご参照ください。

参考:コンバージョン測定タグの高度な設定

最後に

冒頭の例のように、同じ1回のコンバージョンでも、ビジネスにもたらす価値はその都度異なることがあります。「コンバージョン数が増えてCPAも改善したけれど売上は思うように伸びていない…。」というようなお悩みをお持ちの場合は、ぜひ今回ご紹介した売上金額の計測で、コンバージョンの価値を可視化することをおすすめします。よりビジネスの成果に直結する広告運用を目指していきましょう!

 

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