LINE広告「詳細マッチング機能」とは?効果やメリット、設定方法を解説

LINE広告「詳細マッチング機能」とは?効果やメリット、設定方法を解説
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近頃のプライバシー保護を強化する動きを受け、Webにおけるユーザー行動のトラッキングに関する制限が厳しくなってきています。それにより、ウェブサイトに訪問したユーザーから取得できる情報量が減少し、以下のような影響が生じています。

  • 広告配信に利用できるユーザーリストの縮小
  • 計測できるコンバージョン数の減少

これらは広告配信の最適化に利用できるデータの減少によって、広告の費用対効果の悪化を招きかねません。そこで、Cookieだけに頼らない方法でユーザーの情報を取得・計測しようとする動きが拡大しています。

LINE広告でも「詳細マッチング機能」を使うことで、ターゲティング精度の向上やコンバージョン単価の改善が見込めます。

今回は詳細マッチングのメリットや効果、設定方法を紹介していきます。


詳細マッチングとは

詳細マッチングとは、「LINE Tag」と呼ばれるHTMLタグを通してハッシュ化(暗号化)されたユーザーの電話番号やメールアドレスを取得し、その情報とLINEアカウントに登録している情報とマッチングさせて広告配信の最適化、コンバージョン計測精度の向上、オーディエンス蓄積の増加に活用できる機能です。

詳細マッチングでできるようになること

詳細マッチングを導入すると、以下の2つができるようになります。

端末やブラウザを跨いだコンバージョン計測やオーディエンス蓄積

今まではスマートフォンサイト閲覧ユーザーのみでしたが、導入することでスマートフォン、PCサイト閲覧ユーザー両方のオーディエンス蓄積や間接CVの計測も可能になります。

たとえば、初回はスマートフォンから広告経由で流入し、その後PCからコンバージョンした場合の計測ができるようになるといったように、今まで計測できなかったデータが計測、蓄積できるようになります。

クロスドメイントラッキング

詳細マッチング機能を利⽤することで、3rdパーティCookieが使えない場合でもドメインを跨いだ計測が可能になります。たとえば、詳細マッチングを導入していない場合、購入完了ページとLPのドメインが異なるウェブサイトでは、コンバージョンの計測ができないケースがあります。

1stパーティCookieを利用した計測の場合、サブドメインは計測可能ですが、違うドメイン間ではCookieを共有できません。ドメインの違う別サイトに遷移すると途切れてしまい、計測ができなくなってしまうからです。3rdパーティCookieが利用できればドメインを跨いでも計測可能ですが、現在SafariやFirefoxなど主要なブラウザではデフォルトでブロック、Google Chromeでもユーザーのプライバシー保護の観点から3rdパーティCookieのサポートを停止することを発表しています。

参考 :
Chromium Blog: Building a more private web: A path towards making third party cookies obsolete
Full Third-Party Cookie Blocking and More | WebKit
デスクトップ版 Firefox の強化型トラッキング防止 | Firefox ヘルプ

そのため、現在は一部のブラウザや設定下のユーザーのみドメインを跨いだ計測が可能ですが、将来的に主要なブラウザではほとんど計測ができなくなります。それが詳細マッチングを利用することでCookieに頼らなくても、LINE Tagで取得した顧客情報とLINEアカウントの情報が合致すればドメインの違うサイトの成果も計測、蓄積できるようになります。

詳細マッチング導入のメリットや効果

詳細マッチングを実装することによって次のようなメリットがあります。

ターゲティング精度向上によるコンバージョン単価の削減

ユーザー行動に関するデータが増え、コンバージョンが見込めるユーザーにより高い精度での広告配信が見込め、キャンペーンの効率を高めることが期待できます。

コンバージョン計測精度の向上

Cookieだけでは今まで計測できていなかったコンバージョンデータが取得できるようになり、広告の効果をより正確に把握できます。

オーディエンス規模の拡大

サイトの訪問者とLINEユーザーを照合することでデバイスやブラウザを問わず訪問者のデータを蓄積し広告配信に使えるので、オーディエンスを作成して配信する際のリーチ数を拡大できます。

詳細マッチングの設定方法

では実際にどのように設定していけばよいのかを解説していきます。

まずは、「ベースコード」内に取得したい情報を記述します。

以下の例では、電話番号とメールアドレスを取得する設定を行っています。
※こちらのコードはサンプルです。以下のサイトを参考にサイトの仕様に合わせて作成のうえ実装するようお願いします。

参考 :Advanced matching(詳細マッチング)|LINE for Business

_lt('init', {
customerType: 'lap',
tagId: '123abc',
tel: '{{phone number}}',
email: '{{email address}}'

});

詳細マッチング機能で取得できる情報

2020年12月時点では、設定可能なパラメータは以下となります。
※2020年12月時点では、電話番号とメールアドレスのみ取得可能です。

パラメーター 形式
phone number +818012345678 ・国番号を⼊れた電話番号の形式で送信
・ハイフンは不要
email address taroyamada@example.com メールアドレスをそのまま送信

個人情報の取扱には細心の注意を

取得されるデータはLINE Tagで復号できない形に暗号化してから送信されますが、タグに情報を引き渡す前に生の顧客の個人情報をやりとりすることになるため、https通信を利用し第三者に情報が渡らないようにしましょう。​また、利用規約や個人情報の取り扱いに関する規約を変更し、事前にユーザーから同意を得ておく必要もあります。

最後に

詳細マッチングは実装することで、より高い精度でコンバージョン見込みのあるユーザーへアプローチ出来るようになり、結果的に広告効果の向上が見込めます。また、広告がユーザーに与えた影響もより正確に計測できるようになる便利な機能です。将来、更にユーザートラッキングの規制が厳しくなっていくことを考えても実装しない手はありません。ただし、実装する際は個人情報の取り扱いに十分注意した上で行いましょう。

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