LINE「ビジネスマネージャー」の提供を開始。LINE内のデータと広告主のデータをまとめて管理可能に

LINE「ビジネスマネージャー」の提供を開始。LINE内のデータと広告主のデータをまとめて管理可能に
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

LINEは2021年10月、LINEや広告主が保有するデータを広告主単位でまとめて管理できるサービス「ビジネスマネージャー」の提供開始を発表しました。

参考:LINE、LINEのデータと広告主が持つ自社データなどを統合管理して広告配信に活用可能な「ビジネスマネージャー」の提供を開始

ここ数年サードパーティCookieの規制やiOS14.5における計測環境の変化について耳にすることが多くなりました。Safariは2020年3月にサードパーティCookieを完全にブロックし、Chromeも2022年3月までにサードパーティCookieを段階的に廃止することを発表しています。

またiOS14からはプライバシーポリシーの保護機能が強化され、広告の効果測定やオーディエンスデータの取得が厳しくなりました。

各広告プラットフォームが影響を受けている中、様々な対応策が講じられてています。

このような背景がある中で、LINEは企業とユーザーの双方にとって透明性のあるデータ活用の仕組みが必要であるという考えからプラットフォームやサービスの改善を進めており、その一環として今回のビジネスマネージャーがリリースされました。

本記事では、LINEビジネスマネージャーの詳細や活用方法について解説します。

LINE内のデータと広告主が持つデータを使った広告配信や分析が可能に

LINEビジネスマネージャーは、LINE公式アカウントやLINE広告などLINEの法人サービスを通じてユーザーの許諾を得て取得したデータと、広告主が持つ自社データをまとめて管理できるサービスです。複数の広告サービスのアカウントデータを、LINE公式アカウントやLINE広告での配信に利用することができます。

LINEは2019年12月にLINE内の各サービスを横断して広告配信に活用する「クロスターゲティング」をリリースしましたが、クロスターゲティングはLINEポイントAD、LINE公式アカウント、LINE広告の3つのデータを横断して活用するもので、LINEが持つすべてのサービスを横断した広告配信や配信後の分析はできませんでした。

参考:LINE、広告サービスにおける横断的データ活用によって最適な広告配信を実現する機能「クロスターゲティング」の提供を開始

この課題を受けて、LINEのユーザーIDに紐づくデータ収集、データ統合・連携、分析・レポート、オーディエンス活用までLINE内外のサービスを横断した広告配信や分析を一気通貫で利用できるように提供されたのが今回のビジネスマネージャーです。

2021年12月現在ではすべての機能が揃っておらず、オーディエンスやLINE Tagで取得したデータを共有するためには、ビジネスマネージャーを保有している広告主の認証と各広告サービスのアカウントごとの接続認証が必要です。

画像引用元:LINE、LINEのデータと広告主が持つ自社データなどを統合管理して広告配信に活用可能な「ビジネスマネージャー」の提供を開始

またリリース時点から接続可能なデータはTalk Head View、LINE公式アカウント、LINE広告、LINE NEWS TOP ADの4つで、各サービスのアカウント上のオーディエンスとLINE Tagを互いに共有することで利用できます。

将来的にはZホールディング傘下のグループ企業が提供している各サービスのデータについても、広告主単位で統合可能になるよう検討しているとのことです。この前段階としてまずは、Yahoo!JAPANへの広告配信や複数の広告サービスでのリーチ計測やアトリビューション分析など、サービスを横断した広告配信の効果を可視化して分析できるように機能改善が進められています。

今後は下図のような体系になる予定です。

画像引用元:LINE、LINEのデータと広告主が持つ自社データなどを統合管理して広告配信に活用可能な「ビジネスマネージャー」の提供を開始

LINEビジネスマネージャーの活用例

ビジネスマネージャーは実際どう活用できるのか、具体的な活用事例を紹介します。

ブランド横断施策によって効率的に顧客を獲得

複数のブランドを横断したキャンペーンの動画広告を配信した後、動画広告の視聴データをそれぞれのブランドで活用します。例えばそれぞれのLINE公式アカウントでメッセージ配信する際や、それぞれのLINE広告配信時に視聴データを使い、効率的に顧客獲得を狙うことができます。

既存ブランドのデータを使い、効率的に別ブランドの友だちを増やす

既存ブランドのLINE公式アカウントで反応の良い友だちと類似するユーザーに、別ブランドの友だち追加広告を配信します。友だち追加見込みの高いユーザーに配信することで、効率的に友だちを増やすことに繋がります。

Talk Head Viewの接触ユーザーへリターゲティング配信を行い、効率的にコンバージョンを獲得

Talk Head Viewの動画を視聴したユーザーに対してLINE広告とLINE公式アカウントでリターゲティング配信を行います。動画視聴ユーザーは自社キャンペーンや自社商品に興味を持っているユーザーである場合が多いと考えられるため、効率的なコンバージョン獲得が見込めます。

まとめ

今年の8月に開催された「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」で発表されたビジネスマネージャーが、正式にリリースされました。9月にはYDAからLINEアプリ上への配信がスタートし、着々とリリースが進んでいます。

参考:LINE広告が進化! Yahoo!広告との相互配信を含めた2022年までの主なアップデートを公開

LINE内外のデータをまとめて管理して活用できるようになると、ユーザーとの接点を作ってからゴールまで導くために様々な手法を取り入れることができるようになり、広告配信の幅が広がります。2022年以降にはYahoo!JAPANのサービスとの接続やグローバルでのリリースを計画しているとのことなので、今後のアップデートにも注目していきたいですね。

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