LINE広告の配信設定をしていると、「1日の予算」と「キャンペーンの上限予算」という予算に関する2種類の用語が出てきます。
両者の違いが分からず迷ってしまったという経験をされた方もいるかもしれません。広い意味で予算を管理するという点では同じですが、予算の管理方法で明確な違いがあります。
そこで今回は似ているようで異なる、「1日の予算」と「キャンペーン上限予算」の違いと活用方法について解説していきます。
目次
「1日の予算」と「キャンペーン上限予算」の違い
「1日の予算」と「キャンペーンの上限予算」にはどのような違いがあるのでしょうか。下記の表は、違いをおおまかにまとめたものです。
1日の予算 | キャンペーン上限予算 | |
設定必須か | 必須 | 任意 |
---|---|---|
設定先 | 広告グループ(「キャンペーン予算の最適化」を使用している場合はキャンペーンでも可) | キャンペーン |
期間 | 1日 | 月単位または配信する全期間 |
予算の超過 | あり | なし(例外あり※) |
下限額 | あり | あり |
※キャンペーン上限予算を設定するタイミングによっては予算を超過する場合があります。詳しくは後述します。
まず最初に押さえておいてほしい違いは、設定が必須かどうかです。広告配信をするうえで、「1日の予算」は設定が必須です。「キャンペーン上限予算」は任意設定のため、用途にあわせて活用する機能といえるでしょう。
では、「1日の予算」と「キャンペーン上限予算」の違いを細かく見ていきましょう。
1日の予算とは?
「1日の予算」は、1日単位で予算をコントロールします。広告配信をするうえで、設定が必須です。「キャンペーン上限予算」を設定している場合も設定する必要があります。
基本的には、広告グループ単位で設定します。「キャンペーン予算の最適化(※)」を使用している場合はキャンペーンでも設定できます。
※キャンペーン予算の最適化とは、キャンペーン単位で設定した1日の予算がパフォーマンスに合わせて配下の広告グループで最適化される機能のことです。
1日の予算を使用する際の注意点
1日の予算を設定するにあたり、いくつか注意点がありますので紹介します。
予算の下限額は、設定内容によって異なる
1日の予算の下限額は、キャンペーンの目的や入札方法、設定単価と広告グループの設定によって異なります。ただし、「キャンペーン予算の最適化」を使用している場合の下限額は5,000円です。
下記の表は、設定内容ごとの1日の予算の下限額です。
設定した予算を超えることがある
1日の予算はあくまで目安の金額です。24時間で効率的に広告配信ができるように自動的に調整されるため、設定した金額を超えて配信される可能性があります。
また、かかった費用のうち、1日の予算の200%未満は請求されます。
例えば、1日の予算を10,000円で設定していて、実際にかかった広告費が25,000円でした。この場合は、1日の予算に設定した金額10,000円の200%にあたる20,000円が請求され、残りの5,000円は請求対象外となります。
なお、1日の予算を1,000円以下で設定した場合は一律1,000円とみなされます。
例えば、1日の予算を800円で設定すると、請求対象は設定額の800円×200%(1,600円)ではなく、最低基準額の1,000円×200%(2,000円)になります。
キャンペーン上限予算とは?
「キャンペーン上限予算」は、キャンペーン単位で予算の上限を設定したい場合に使用します。
キャンペーン上限予算で設定した金額を超えて広告が配信されることは基本的にありません。費用が設定した上限に達すると、自動的に広告配信が停止されます。
また、キャンペーン上限予算の期間は、次の2つから選択できます。
- 月単位:月
- 全期間:配信期間
毎月継続的に広告配信したい場合は「月単位」を使用し、期間が定められたスポット配信は配信期間で予算が決まっている「全期間」を選択すると良いでしょう。
キャンペーン上限予算を使用する際の注意点
キャンペーン上限予算を設定するにあたり、いくつか注意しておきたい点があります。
月初に設定している上限予算を確認する
キャンペーン上限予算の期間を「月単位」を選択している場合、金額の設定を手動で変更しない限り同様の金額が次月に引き継がれます。
月ごとに予算の変更がある場合は、月初に金額の変更を行いましょう。金額の変更を忘れて広告の配信が月の途中で止まってしまう、または予算を超過して配信してしまう可能性があるため注意が必要です。
キャンペーンの終了日は25時間前に設定する
キャンペーン上限予算で設定した金額を超えて広告が配信されることは基本的にありません。しかし、例外もあります。それは、ユーザーの端末に残っていた広告のキャッシュをクリックして発生した費用です。LINE広告のシステム仕様上、キャンペーン終了時刻の24時間以内に、広告のキャッシュをクリックして発生した費用は広告管理画面に数値として反映されます。
また、広告のキャッシュから発生した費用が請求対象になるかどうかは、キャンペーンの終了日をいつ設定したかによって変わります。キャンペーンの終了日を25時間以上前に設定をすれば、キャンペーン終了日以降に発生した費用は請求対象になりません。
2つの例をあげて見ていきましょう。
キャンペーンの配信期間:2022年10月15日9:00~2022年10月31日23:59
例1)終了時刻の34時間前に、終了日を「2022年10月31日23:59」に設定する
例2)終了時刻の7時間前に、終了日を「2022年10月31日23:59」に設定する
例1は、キャンペーン終了時刻の25時間以上前に終了日を設定したため、自動でマイナス調整されてキャッシュから発生した費用は請求対象にはなりません。
一方で例2は、キャンペーン終了時刻の7時間前に終了日を設定したため、終了日以降、24時間以内に発声したキャッシュは請求対象になります。
なお、手動でキャンペーンを停止した場合も、停止後24時間以内にキャッシュから発生した費用は請求対象になります。
参考:キャンペーン予算について|LINE for Business
予算の下限額は、「すでに配信している費用+10,000円」
キャンペーン上限予算を配信期間中に変更する場合は、「すでに配信している費用+10,000円」が下限額です。すでに10,000円配信している場合は、20,000円以上の金額を設定する必要があります。
そのため、配信期間の途中での予算変更が柔軟にできないので注意が必要です。
たとえば、配信期間中に予算が30,000円から50,000円に変わった際に、すでに41,000円配信していた場合は51,000円(すでに配信している費用41,000円+10,000円)が下限額になり、キャンペーン上限予算を50,000円に変更することはできません。広告費を50,000円に収めたい場合は、キャンペーン上限予算の設定を削除して1日の予算で運用するなど、他の方法で予算のコントロールを行いましょう。
なお、キャンペーン上限予算を利用したキャンペーンを開始するには、10,000円以上の金額を設定する必要があります。
参考:キャンペーン上限予算を変更する際に「予算を変更する場合は¥〇〇〇〇以上を入力してください。」と表示されるのはなぜですか?
キャンペーン上限予算の使いどき
広告配信をするうえで「1日の予算」は設定が必須ですが、「キャンペーン上限予算」は任意です。では、「キャンペーン上限予算」はどのような場面で使うと良いのでしょうか。
「キャンペーン上限予算」は、必ず10,000円余裕をもたせて予算設定をしないといけない、終了時刻の25時間以上前までに終了日を設定することが推奨されていることから、次のような予算管理をしたい場合におすすめです。
- 配信期間中に予算の変更があまり発生しない
- 配信期間が明確に決まっている
- 設定した予算を超えないように配信したい
まとめ
「1日の予算」と「キャンペーンの上限予算」の違いをここまで紹介してきました。
どちらも「予算」に関わるものですが、予算をコントロールする期間や予算超過の有無という点で大きく違いますね。
「1日の予算」はある程度決められた予算の中で進捗状況にあわせて予算を調整したい場合に使用します。一方で「キャンペーン上限予算」は、配信期間と予算が明確に決まっていて期間中に予算の変更がないなどの条件は多いものの、基本的には設定した金額を超えて請求されないため予算の超過を防げます。
また、広告の予算は収益の最大化を目指して管理するものですよね。予算の管理というと予算の設定に目がいきがちかもしれませんが、費用対効果が低い配信先の入札単価を引き下げたり、除外したりする手段もあります。
それぞれの状況に応じた手段を使って、効率よく予算を管理していきたいですね。