CriteoのAdaptive Ads(アダプティブ広告)とは?特徴から入稿方法、注意点までを解説

CriteoのAdaptive Ads(アダプティブ広告)とは?特徴から入稿方法、注意点までを解説

みなさんは、Criteoという広告媒体にどんなイメージを持っているでしょうか。

パーソナライズされた商品レコメンドが得意なダイナミック広告媒体であることはご存知の方が多そうです。

一方で、ダイナミック広告には商品カタログフィードが必要なため、なんとなく難しそうと感じたり、そもそもフィードを持っていないから配信できないと悩んでいる広告運用者の方は多いのではないでしょうか?

そんな方々におすすめしたいのが、商品カタログフィードがなくてもCriteoで広告を配信できる「Adaptive Ads(アダプティブ広告)※以下、Adaptive Ads」です。

「商品カタログフィードを持っていないけど、Criteoで広告配信してみたい!」
「すでにCriteoでダイナミック広告を配信しているけど、他の訴求も試してみたい!」

今回の記事では、こんなお悩みをお持ちのみなさんに、Adaptive Adsの特徴から入稿方法、注意点までをご紹介します。


Adaptive Ads(アダプティブ広告)とは

画像引用元:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

Adaptive Adsとは、商品カタログフィードを持たない広告主でも手軽に魅力的なクリエイティブを作成できる広告機能です。

具体的には、ロゴや見出し、イメージ画像など、必要最低限のブランドアセットを入稿するだけで簡単にCriteoのネットワークへの配信をはじめることができます。

Adaptive Ads(アダプティブ広告)の特徴

では、Adaptive Adsにはどんな特徴があるのかを見ていきましょう。

商品カタログフィードが不要

Adaptive Adsの最大の特徴は、商品カタログフィードが不要な点です。

Criteoの主力プロダクトであるダイナミック広告は、商品ごとに必須のカラムを埋めた形のデータフィードを必要とし、商品点数の少ない広告主や、すぐにデータフィードを用意できない広告主は、Criteoの利用にハードルを感じやすかったのではないでしょうか。

しかし、Adaptive Adsは商品カタログフィードが不要なため、データフィードがない広告主でもすぐに広告をはじめられます。

リーチが拡大できる

これまで商品カタログフィードを使わずにCriteoを配信する場合は、「スタティックバナー(静的広告)※以下、スタティックバナー」を利用していたと思います。

スタティックバナーは配信可能なサイズが限定されていましたが、Adaptive Adsは多種多様な広告枠にあわせて広告を表示できるため、リーチを広げたいときに強い味方となってくれるはずです。

そのためCriteoは、Adaptive Adsは、スタティックバナーを用いる場合より18%も多くのドメインにリーチが可能だと言っています。

参考:アダプティブ広告|Criteo ヘルプ

手軽に動的に最適化された広告が配信できる

Adaptive Adsは、ロゴや見出し、イメージ画像など、必要最低限のブランドアセットを入稿するだけで広告配信できます。また、時間の経過とともにキャンペーンで最も効果の良いフォーマットを自動で表示してくれます。

そのため、決まったサイズの画像を使用して配信するスタティックバナーよりもユーザーごとにより成果が良くなると見込まれるクリエイティブを配信することが可能です。

Criteoによると、Adaptive Adsを利用したキャンペーンはスタティックバナーを使用したキャンペーンと比較して、クリック率が+ 14%、広告費用対効果(ROAS)は+ 30%向上したそうです。

参考:アダプティブ広告|Criteo ヘルプ

広告フォーマットの種類

Adaptive Adsには、4つの広告フォーマットが存在します。

画像引用元:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

可能な限りすべての広告フォーマットを入稿することをおすすめします。多くのパターンを入稿しておくことで表示するクリエイティブの幅が広がり、よりユーザーに合わせた広告の表示が可能になります。

Editorial

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Editorial

Editorialは、テキストを中心とした広告フォーマットです。最も多くの文字数でメッセージを伝えられる点が特徴です。入稿する際は、テキスト部分を目立たせたカラーリングを意識しましょう。

Montage1

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Montage1

Montage1は、最大13種類設定できる画像とともに自社サービスを訴求できるクリエイティブフォーマットです。

画像とCTAボタンを大きく表示できるため、視覚的に訴えることができるのが特徴です。

Montage1では、魅力的な画像を入稿することが不可欠です。入稿できるテキストは固定になるため、入稿する画像に様々な訴求パターンを設けることをおすすめします。

Montage2

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Montage2

Montage2では、イメージを13種類設定できるのに加え、画像ごとに小見出しを設定できる点が特徴的です。

スライドショー形式で表示される画像とテキストの組み合わせを用いて、サービスの紹介や企業のストーリーの説明など、より説明的な訴求をするクリエイティブとすることをおすすめします。

Adaptive in-banner video

画像引用元:Preview - Adaptive with In-banner Video test - Adaptive Creative

Adaptive in-banner videoは、最大30秒の動画を使用できるクリエイティブフォーマットです。

動画に盛り込める情報量が多いため、ブランドストーリーをよりしっかりと伝えたいときなどにおすすめです。

服の質感や、車が走り抜ける爽快感など、動画でこそ伝えられる魅力がある商材では特に使いたいフォーマットです。

入稿方法

Adaptive Adsの入稿には、下記2種類の方法があります。入稿したいフォーマットや、広告配信までの期間を踏まえて選択ができると良いでしょう。

1.管理画面から、自分で入稿を行う

管理画面で「キャンペーン」>「クリエイティブ」>「クリエイティブの新規作成」もしくは、「クリエイティブのライブラリ」>「新しいクリエイティブ」から入稿が可能です。

広告運用者自身がクリエイティブを入稿できるため、スピード感を持った対応ができるのがメリットです。

また、Adaptive in-banner videoは管理画面からしか入稿ができません。すぐにAdaptive Adsの入稿をしたいときやAdaptive in-banner videoを利用したいときは、管理画面からの入稿をおすすめします。

2.Criteoの担当者へ入稿依頼を行う

アカウント開設時に利用するヒアリングシートに必要事項を記入し、Criteo担当者へメールで依頼しての入稿も可能です。

たとえば、Montage1かMontage2のどちらかのみを作成したいときには、Criteoへの入稿依頼を利用する必要があります。なぜなら、管理画面からの入稿ではMontage1かMontage2、どちらかを入稿することができないためです。

また、Criteoへバナー制作を依頼するため、広告配信希望日から3~5営業日ほど余裕をもったスケジュールで動く必要があることは留意すべきポイントです。

依頼のコミュニケーションコストなども考えると、Montage1かMontage2のどちらかのみを作成したいとき以外は、基本的に管理画面からの入稿することをおすすめします。

必要なアセット

Adaptive Adsでは、クリエイティブを作成する上で必要なアセットが各フォーマットごとに決まっています。

すべてのフォーマットで必要なアセットと、フォーマットごとに個別に指定するものがあるため、下記表を用いて確認してみてください。

EditorialMontage1Montage2Adaptive
in-banner video
ロゴ
指定URL
CTA文言
見出し
説明文
画像
動画

参考:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

広告フォーマット別アセットの入稿形式詳細

実際の広告フォーマットごとに必要なアセットの詳細規定については、下記でご説明します。

Editorial

Editorialで入稿に必要なアセットと、そのアセットが実際のクリエイティブ上でどのように表示されるかを下記の図と表で示しています。実際の見え方を踏まえ、入稿時の参考としてみてください。

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Editorial のキャプチャをアナグラムで加工
番号必要なブランドアセット入稿形式・詳細
ロゴai, psd, png, jpg
(※1)
Landing URL1種類(※2)
CTA文言全角4文字まで
見出し全角31文字まで(※3)
説明文全角25文字まで(※3)

※1:Criteoへの依頼で入稿する場合、ロゴの利用ガイドラインの指定が可能
※2:計測希望の場合は、パラメー タ付きURLで入稿
※3:上記文字数は最大表示可能数の目安

参考:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

Montage1

Montage1と次に紹介するMontage2の両デザインで必要になるイメージ素材は、1種類につき3サイズが必要になります。

実際に配信される際には、バナーサイズに合わせてイメージの端がカットされる機能のON/OFFを選択することが可能です。画像素材を確認して、どちらの設定がより魅力的なクリエイティブを表示できるか考え、選択をしましょう。

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Montage1 のキャプチャをアナグラムで加工
番号必要なブランドアセット形式・詳細
ロゴai, psd, png, jpg(※1)
指定URL1種類(※2)
CTA文言全角4文字まで
見出し全角17文字まで(※3)
説明文全角19文字まで(※3)
イメージ最大13種類まで、1種類につき3サイズ必須画像比率:1200x628 px / 1200x1200 px / 800x1200 px(バナーサイズに合わせて上下左右を表示する/必ず画像全体を表示する、どちらかの表示形式を選択)

※1:Criteoへの依頼で入稿する場合、ロゴの利用ガイドラインの指定が可能
※2:計測希望の場合は、パラメー タ付きURLで入稿
※3:上記文字数は最大表示可能数の目安

参考:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

Montage2

Montage2では、画像に合わせた小見出しをつけることが可能です。その分追加できるアセットの種類も増えているので、下記の図と表を参考に漏れがないか確認をしましょう。

画像引用元:TEST advertiser JP - Adaptive_Ads_Montage2 のキャプチャをアナグラムで加工
番号必要なブランドアセット形式・詳細
ロゴai, psd, png, jpg(※1)
指定URL1種類(※2)
CTA文言全角4文字まで
見出し全角15文字(※3)
画像の小見出し最大13種類まで、全角18文字(※3)(イメージの種類ごとに設定が可能)
イメージ最大13種類まで、1種類につき3サイズ必須画像比率:1200x628 px / 1200x1200 px / 800x1200 px(バナーサイズに合わせて上下左右を表示する/必ず画像全体を表示する、どちらかの表示形式を選択)

※1:Criteoへの依頼で入稿する場合、ロゴの利用ガイドラインの指定が可能
※2:計測希望の場合は、パラメー タ付きURLで入稿
※3:上記文字数は最大表示可能数の目安

参考:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

Adaptive in-banner video

Adaptive in-banner videoは、Criteo広告管理画面からの入稿のみ可能であることに注意しましょう。

必要なブランドアセットを手元に揃えたら、管理画面の「キャンペーン」>「クリエイティブ」>「クリエイティブの新規作成」もしくは、「クリエイティブのライブラリ」>「新しいクリエイティブ」から入稿ができます。

画像引用元:Preview - Adaptive with In-banner Video test - Adaptive Creative のキャプチャをアナグラムで加工
番号必要なブランドアセット形式・詳細
ロゴai, psd, png, jpg(※1)
指定URL1種類(※2)
CTA文言全角6文字(※3)
見出し全角17文字(※3)
説明文全角17文字(※3)
ビデオ最大2種類まで、1種類につき2サイズ必須必要サイズ:縦型(9:16) / 横型(16:9)ファイルタイプ:.mp4  各ファイルのサイズ:最大25M  長さ:最大30秒

※1:Criteoへの依頼で入稿する場合、ロゴの利用ガイドラインの指定が可能
※2:計測希望の場合は、パラメー タ付きURLで入稿
※3:上記文字数は最大表示可能数の目安

参考:Criteo Adaptive Ads 2022年10月(PDF)

色の指定箇所

クリエイティブの各箇所の色は、カラーコードを用いて細かい色味を指定することが可能です。自社サービスのテーマカラーを利用することで、サービスと広告クリエイティブのイメージの乖離を防ぐことにも役立ちます。

色変更が可能な箇所は、下記の図のとおりです。

カラー変更可能箇所EditorialMontage1Montage2Adaptive
in-banner video
①ロゴエリアとタイトル
②テキスト1
③背景
④テキスト2
⑤CTAの背景
⑥CTAテキスト

指定できる色は各箇所につき1色で、フォーマットを横断して適用されるため、入稿時には気をつけるようにしましょう。

Adaptive Ads(アダプティブ広告)の注意点

Adaptive Adsは、ダイナミック広告との併用が可能な広告機能です。

Adaptive Adsとダイナミック広告では、広告訴求において得意な分野が違うところは注目をしておきたいポイントです。

Adaptive Adsはブランドイメージやサービス内容を伝える点に強みがあり、ウェブサイトアクセスなど、よりアッパーファネルの獲得が得意な広告フォーマットです。

一方でダイナミック広告は、商品単位でレコメンドを行い直接商品ページに遷移できるフォーマットのため、商品の購入に繋げやすい特性があると言えます。

それぞれの得意分野が違うからこそ、併用をすることでよりユーザーにマッチしたアプローチができるようになるため、可能な限りAdaptive Adsとダイナミック広告との併用をおすすめします。

併用をする場合、配信割合はエンジンにより自動最適化されます。基本的には、Criteoに蓄積された過去のデータを利用できる「最適化」の配信戦略がおすすめです。

希望があれば、配信戦略は下記を選択することもできます。

  • ローテーション
    入稿されている広告クリエイティブを均等な割合で配信する配信戦略です。表示されるクリエイティブが偏ることがないため、ユーザーの広告疲れを軽減したいときなどにおすすめです。
  • 優先
    特定のクリエイティブを優先して配信する配信戦略です。セール期以前にセールの告知画像広告を優先して配信することで告知を行う、などの使い方がおすすめです。
  • シーケンス
    広告を配信する順序を設定できる配信戦略です。また、1ユーザーあたりに各クリエイティブを表示する上限回数も指定ができます。各クリエイティブでブランドのストーリーを順序立てて訴求していく、といった使い方ができます。

配信戦略は、広告をどのようにユーザーに見せていきたいかに合わせて使い分けをしましょう。

なお、ダイナミック広告との併用の際は、必要な素材を揃えた上でアカウント担当者に相談をするのが確実です。

まだCriteoで配信をしていないという方は、まずは出稿申込みをしてCriteoの審査を通過後、配信を開始できます。

ただ、Criteo広告を配信したいサイトの商材やUU数、配信したいキャンペーンによって最低出稿金額の条件がありますので、どんなサイトでも必ず配信できるわけではない点は留意しましょう。

なお、CriteoのUU数と出稿金額の目安は以下のとおりです。

  • 4万UU(月間)
  • 出稿金額50万円(NET)

その他、Criteoについて不明点がある方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

まとめ

本記事では、Adaptive Adsの特徴から入稿方法、注意点までをご紹介しました。

Adaptive Adsは、画像とテキストのアセットを用いてさまざまな配信面に対応できる広告フォーマットとなっています。規定のサイズの画像を入稿するスタティックバナーでは届かなかった配信面までダイナミック広告と同様にリーチができる点が嬉しいですね。

Criteoは、数年前まではダイナミックリターゲティング配信専門の媒体でしたが、現在はより幅広い配信目的で利用できるようになっています。ダイナミック広告以外の広告も積極的に利用していくことで、自社商品の魅力をより多くのユーザーへ伝えられる広告設計を目指しましょう。

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