※2019年6月19日:最新の情報をもとに更新
リスティング広告で成果を最大化するには新規ユーザーの訪問がかかせませんが、リスティング広告施策を継続的に行っていると集客やコンバージョンの「伸び悩み」に困るケースがありませんか?そこでお勧めしたいのが「類似ユーザー」を活用したターゲティングです。類似ユーザーは成果に繋がりやすい新規ユーザーを効率的に集められる非常に有効なターゲティング手法です。
目次
類似ユーザーとは?
「類似ユーザー」とは、ウェブサイトを訪問したユーザーと共通する特徴を持ったユーザーをターゲティングすることが出来る手法で、Google ディスプレイネットワーク(以下、GDN)とYahoo! ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)で利用することができます。
類似ユーザーをうまく活用すれば成果につながる有望な見込み顧客にアピールすることができます。
類似ユーザーを使用するメリットって?
1. 成果につながりやすい新規ユーザーへターゲティングができる
類似ユーザーを利用すると、対象となるリストと近しい興味・関心を持っている、または行動や属性を持つユーザーに向けて広告配信が可能になります。
また、類似ユーザーは原則として新規ユーザーになります。その為、新規ユーザーにアプローチしたい場合などの”新たな一手”として重宝できるプロダクトの代表格です。
2.利用が簡単
GDNの類似ユーザーはリマーケティングリストを基に自動作成されるため、既にリマーケティングを活用されている方が新たにリストを作成する必要はありません。そのため実施が簡単です。
これに対しYDNの類似ユーザーはリストを手動で作成する必要があります。この点がGDNの類似ユーザーと異なりますが、リストの作成自体は簡単に行えますので効果のありそうなリターゲティングリストを基に手動で作成していきましょう。
※YDNの類似ユーザーリストの作成方法は後の工程で説明します。
成果につながりやすいオススメの類似ユーザーリスト
類似ユーザーへの配信を実施する上で、どのリストを活用すればよいのか悩むことがあると思います。多くの場合、成果が期待できて最もリスクの小さいリストは「コンバージョン」を基にしたリストです。
コンバージョン済みユーザーリストの類似ユーザーであれば、過去にコンバージョンにつながったユーザーの興味関心や行動等を元に広告を配信できるため、コンバージョンに至る可能性が高くなります。
例えば、「トップページ」やドメイン全体でくくられている膨大なリマーケティングリストよりも、よりセグメントされた「カート訪問者」や「コンバージョンユーザー」を基にしたリマーケティングリストの方が、モチベーションが高く質の高いユーザーリストになります。
そのため、類似ユーザーを初めて行う場合には、質の高いコンバージョンを基にした類似ユーザーリストから試してみることをおすすめします。
類似ユーザーの設定方法
【Google編】
まずは、類似ユーザーリストが作成されているか確認を行ないます。
①キャンペーン画面へ移動
② 画面上部にある「ツールと設定」をクリック
③「オーディエンスマネージャー」をクリックして移動
④ユーザーリストの中で「〇〇〇〇〇の類似(〇〇は基となるリスト名)」となっているものが類似ユーザーリストになります。
あとは通常のリマーケティング同様、広告グループにユーザーリストを設定します。
① 広告グループに移動したら、左メニューの「オーディエンス」を選択
② 青の編集ボタンをクリック
③ オーディエンスの編集画面に移ったら、広告のターゲットの選択は、通常のリマーケティング同様に「ターゲティング」を選択
④ 「閲覧」項目をクリック
⑤ 「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法(リマーケティングリストと類似ユーザー)」を選択(「検索」や「候補数」からでも設定可能)
⑥ 類似ユーザーリストが表示されるので、ターゲットに設定する類似ユーザーオーディエンスを選択します。
以上でGDNの類似ユーザーを活用したリマーケティングの設定は完了です。
【YDN編】
YDNで類似ユーザーに広告を配信するには、まず類似ユーザーリストを手動で作成する必要があります。
手順は、リターゲティング作成の手順同様に「広告管理:YDN」タブの「ツール」タブから「ターゲットリスト管理」に移動します。
ターゲットリスト管理画面に移動したら、基になるリストを選択して「選択したターゲットリストを基に類似を作成」を押し、ターゲットリスト作成(類似)のページに進みます。
ターゲットリスト作成(類似)画面に進んだら、
① 「ターゲットリスト名」を決めて、
② ターゲットリストのサイズを10段階の中から設定、
③ リストを保存します。
次に設定したい広告グループにターゲットリストの設定を行います。
① 広告グループの編集画面に移動
② ターゲティング設定のオーディエンス「サイトリターゲティング」の
③ 「設定する」を選択
④ ターゲットとする類似ユーザーリストを選択し「配信」を押す
⑤ 編集内容を保存
以上で、YDNの類似ユーザーの設定は完了です。
類似ユーザーの注意点
Google とYDNの類似ユーザーの違いは発動条件
Googleの類似ユーザー発動条件
- GDNでは基のリマーケティングリストに追加されているユーザーの数が100以上でなければ類似ユーザー機能は発動しない。
- 類似ユーザーリストは、基となるリマーケティングリストに載っているユーザーは自動的に除外される。
- 類似ユーザーの自動生成条件はユーザーの属性やサイトの属性などが関係しており、全てのリマーケティングリストの類似ユーザーが生成されるわけではない。
YDNの類似ユーザー発動条件
- YDNの類似ユーザーリストは基となるターゲットリストの過去28日間のリーチ数が100件に満たないと抽出されない。その場合、類似ユーザーリストの活用は実質できない仕組み(リストの作成自体は可能)になっている。
- YDNの「類似のターゲットリスト」には「訪問者」のユーザーも含まれる場合があります。これは、下記の図でいう円が重なる部分のユーザーになります。すでに訪問したことのあるユーザーもYDNの類似ユーザーには含まれるという意味です。
重なる部分の「訪問者」を除外するには、前述の広告グループのオーディエンス設定で除外を行うか、「類似ターゲットリスト作成(組み合わせ)」を使い「類似ユーザー」から「訪問者」を除外する必要があります。
設定方法はコンバージョンユーザーの除外設定と同様の考え方です。
① 「いずれかのターゲットリストに一致(OR)」を選択
② 類似ユーザーのターゲットリストを選択
③ 「選択したターゲットリスト以外に一致」を選択
④ 訪問者となる基のリストを選択して保存
これで、「類似ユーザーリスト」から「訪問済みユーザー」の除外設定は完了です。
YDNの類似ユーザーについてはこちらの記事もご覧ください。
参考:YDN、類似ユーザーのターゲットリストのサイズを10段階で調整できる機能を提供
まとめ
類似ユーザーはリスティング広告運用においての「次なる一手」の代表格とも言える効果的なプロダクトの1つです。
特に、この記事でも紹介したようなコンバージョンしているユーザーと似た行動をしているユーザーであれば、多くのコンバージョンが期待できるため、使わない手はありません。
ただし、類似ユーザーへの広告配信の成果を左右するのは類似ユーザーリストの元になっている実際のユーザーリストの質に依存することを頭に留めておきましょう。コンバージョン済みユーザーの類似ユーザーリストへの広告配信はコンバージョンへの寄与度が高いと予想されても、配信対象のユーザー数が少ないとそれだけ配信ボリュームを稼ぐことは難しくなります。このあたりはトレードオフの関係ですから、自社にちょうど良い質とボリュームの見極めが重要と言えますね。
最後になりますが、類似ユーザーはGoogleのテクノロジーの凄みをもっとも感じられる機能でもあると筆者は思います。類似ユーザーは登場以来、改善が行われ続けていますから、昔利用してイマイチだったことがある場合でも、再度トライすることをお薦めしています。