非営利団体向け広告配信機能、Google Ad Grantsのスベテ

Google Ad Grants

Google Ad Grants(グーグルアドグランツ)とは?

Google Ad GrantsとはGoogleが提供する非営利団体向けプログラム(Google for Nonprofits)のサービスの一つです。参加団体はGoogle アドワーズの仕組みを利用し、Google検索内で広告を無料で掲載することができます。

無料での広告出稿ゆえにGoogleの定める多少の規定が存在しますが、上手に利用すれば団体の活動を加速させることができます。

Google Ad GrantsとGoogle アドワーズの違い

Google Ad Grantsでは多くの機能の使用が制限されています。制限を知らずに思うようにアカウント設定が出来ずに諦めてしまう方もいるので、まずは制限を理解することがGoogle Ad Grants攻略の一歩となります。また、Google アドワーズとは異なる点も多いためしっかり把握しておきましょう。

1.通貨単位の違い

Google アドワーズでは通貨を自由に選択することができます。例えば「日本円」単位で利用可能ですが、Google Ad Grantでは通貨単位は全て「$」単位で設定・運用する必要があります。

2.入札単価の制限

Google アドワーズでは2015年現在であれば内緒ですが10万円以上の入札単価も設定できますが、Google Ad Grantsでは上限「$2」の入札単価制限が設定されています。

※2013年1月28日より上限単価「$2」となり、それ以前は上限単価「$1」でした。

3.上限予算の制限

Google アドワーズでは後払い決済でない限り、入金額(デポジットされた金額)が上限予算ですが、Google Ad Grantsでは上限予算が「$329/日」月間で「$10,000」程度と決められています。

※多少オーバーすることも多々ありますが、原則として上限予算が「$329/日」月間で「$10,000」程度となっています。

Google Ad Grantsヘルプ:https://support.google.com/grants/topic/6225933?hl=ja

4.配信タイプの制限

Google アドワーズとは異なり、Google Ad Grantsでは検索ネットワーク以外のタイプを利用することはできません。つまり、コンテンツターゲットリマーケティングなどGoogleディスプレイネットワークの各種機能や検索広告向けリマーケティング(RLSA)を利用することはできませんが、動的検索広告(DSA)は利用することが可能です。

5.ネットワークの制限

Google Ad Grantsで広告出稿することができるのは、Google検索に対してのみとなります。つまり、BiglobeやgooなどのGoogleの検索エンジンパートナー、Google ディスプレイネットワークに対しては、広告を表示することができません

6.商用利用の制限

Google Ad Grantsでは商用利用が禁止されています。そして、広告で商品やサービスを宣伝することだけでなく、リンク先ページにGoogleAdSenseやアフィリエイトプログラムのリンクを含んでいる場合にも広告出稿が禁止されています。

Google Ad Grants公式ページ Google Ad Grants プログラムへの参加資格を維持する条件:https://www.google.co.jp/intl/ja/grants/eligibility.html

7.広告文・キーワードの制限

ローンやクレジット カードなどの金融商品を提供する広告、または自動車、船舶、財産の寄贈を求める広告、およびこれらに関連するキーワードへの出稿が許可されていません。

Google Ad Grants公式ページ Google Ad Grants プログラムへの参加資格を維持する条件:https://www.google.co.jp/intl/ja/grants/eligibility.html

8.リンク先ページの制限

ソーシャルメディアページ(Twitter,facebookなど)・Googleサイト・WordPressを使用して作成されたページをリンク先に設定することはできません。

AdGrantsヘルプ:https://support.google.com/grants/answer/1689506?hl=ja

9.入札ツール使用の制限

Google アドワーズで利用可能な拡張CPC、入札戦略による自動入札、コンバージョンオプティマイザー、[最適化]タブに表示される入札単価候補の戦略はGoogle Ad Grantsでは使用することができません。

Google Ad Grantsの仕組み

まずはGoogle Ad Grantsのアカウントを開設するために、Google for Nonprofitsという非営利団体向けのプログラムに参加する必要があります。

Google for Nonprofitsへの登録方法

1.https://www.google.co.jp/intl/ja/nonprofits/のサイトからプログラムの申込みをクリック

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2.利用資格を確認してメンバー登録申込みシートへ記入・送信

※利用資格にも記載してありますが、TechSoup Japanのアカウントを持っていないと登録ができないのでアカウントがない団体は予め登録しておきましょう。

3.Google for Nonprofotsに申請内容が承認されれば参加団体としてGoogle Ad Grantsの申請が認められます。尚、審査には数日で終わる場合もあれば、数ヶ月かかっても連絡がない、などといったことがありますが、焦っても、文句をいっても始まりません。Googleの社会貢献のプログラムの1つですから、返信が来るのをじっくりと待ちましょう。

Google Ad Grantsアカウントの作成方法

Google for Nonprofitsへの登録が完了したら次は、Google Ad Grantsアカウントの作成です。

1. Google Ad Grantsのヘルプページ https://support.google.com/grants/answer/1689506 に移動(※このヘルプページからの申込みが必須なので注意しましょう。)

2. 指定されている「アカウントを作成」ボタン経由でアカウント作成を開始

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3. メールアドレスの入力などアカウント作成が完了したらアカウント内の設定へ移行します。

アカウント内の設定方法・審査依頼の方法

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1. 管理画面にログインしたら、上部「キャンペーン」をクリック

2.「+キャンペーン▼」を作成をクリックし、プルダウンで出てくる一覧から「検索ネットワークのみ」を選択。

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3.キャンペーン設定画面になったら、キャンペーン名を入力し、キャンペーンタイプは「すべての機能」を選択、Google Ad Grantsでは検索パートナーへの出稿ができないので「検索パートナーを含める」のチェックを外します。

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4. 入札戦略は「クリック単価を手動で設定をする」を選択、「デフォルトの単価」「予算」を設定します。

※Google Ad Grantsではクリック単価の上限が$2なのでそれ以上の数値は入力できません。また、入札単価の設定は手動入札のみに限られています。
※予算上限は1日$329以上の設定は可能ですが、原則1日$329以上の広告費を使用することはできません。
※広告表示オプションは原則として利用可能です。必要に応じて設定していきましょう。

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5. キャンペーン設定が完了したら、広告グループ作成画面に進みますので、「広告グループ名」と「広告見出し」「広告文1」「広告文2」(※)、表示URL、最終ページURLの6つを入力して「広告グループを保存」をクリックします。

このとき、広告の見出しの文字数は全角12文字(半角25文字)、広告文1,2の文字数は全角17文字(半角35文字)を超えて入力すると、各テキストボックス横に赤文字で「-1」「-2」といったような文字数オーバーの表記がなされますが、実際は従来のGoogle アドワーズ同様に、見出しは全角15文字(半角30文字)、広告文1,2は全角19文字(半角38文字)まで入力することが可能です。エラー表示のままでも広告を保存することができます。

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6. 広告グループの設定が完了したら、「キーワード」タブをクリック。「+ キーワード」選択してキーワードの設定を行います。

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7. 赤枠内に広告を出稿したいキーワードを記入して「保存」を押します。

また、ここまでの設定以外に注意しなければならない点が2つあります。

①追加したキーワードのステータスは「オン」のままにしておくこと
②お支払情報は設定しない(設定してしまうとアカウントの再作成が必要になります)
Google Ad Grantsヘルプ お支払い情報入力の要請は無視する:https://support.google.com/grants/answer/1332176?hl=ja

8. 以上でアカウントは完成です。次にアカウントの審査のステップへと進みます。

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9. Google for Nonprofitsへログインします。このときGoogle Ad Grants用アカウントとGoogle for Nonprofitsの管理者アカウントが異なっても問題ありません。

10. ログイン後、「今すぐご登録」ボタンをクリック。

11. 非営利団体向けGoogle Ad Grantsの下にある「登録」ボタンをクリック。

12. フォーム内に作成したGoogle Ad Grants用アカウントのお客様IDを入力し、その他の項目へ記入して「登録」ボタンをクリック。

13. 通常5営業日以内にアカウントのお申込みステータスの連絡が来るので、そこで通過していればGoogle Ad Grantsのアカウント開設が完了です。

アカウント開設後の運用のコツ

Google Ad Grantsはその制限の多い特性ゆえに運用にはコツが必要になってきます。コツがわからないゆえに、月額$10,000分の広告費を全く使いきれないといった団体・代理店の声をうかがうことも少なくありません。そんな団体・代理店の方に運用のコツをご紹介します。

動的検索広告(DSA)の活用

動的検索広告とは、Googleがオーガニック検索用にインデックスしたページの情報を利用し、入札したキーワードではなく、そのインデックスされたウェブサイトのコンテンツに基いて自動的に広告を表示する機能です。

たとえば、自然保護の団体のWEBサイトであれば、Googleにインデックスされているページを元に、検索キーワード「森林 伐採」のようなキーワードに動的検索広告が反応して「森林伐採反対のNPO」などの広告を自動出稿してくれます。

メリットとしては、人間がカバーできない意図しないキーワードに動的検索広告が反応することで、本来は広告を表示する機会を損失していたユーザーへのアプローチができることです。設定も容易で表示機会が増えるので予算に余剰のあるアカウントでは特におすすめの機能です。

設定方法や具体的に知りたい方は下記の過去記事をご参考下さい。

月間$10,000分の広告費では足りない団体の方に

実はGoogle Ad Grantsには一定条件を満たした団体のみ、利用額の上限予算が$10,000から$40,000まで引き上げ可能なGrantsproというプログラムが存在します。

参加条件としては以下のように定められています。

  • コンバージョンのトラッキングをしている(ランディングではなく、寄付などのコンバージョンポイントを設ける必要がございます)
  • 過去6ヶ月に2回以上$9,900以上使っていること
  • 過去6ヶ月の平均CTRが1%以上あること
  • 専用の申込みフォーム(https://support.google.com/grants/contact/grantspro_app_form)にて増額した予算分の利用用途を記載・提出すること。
  • Google Ad Grantsのポリシーとガイドラインを遵守していること(https://support.google.com/grants/topic/3500093?vid=1-635774711469363791-325998386)
  • 少なくとも2週間に1回はアカウントを自主的に管理する責任者を団体内に設けること
  • 年一度の調査に全て回答し、Google Ad Grantsの成果やコンバージョンデータの共有に同意すること

上記を満たして、かつGoogleの審査を通過した団体のみ利用が認められていますが、これまで多くの上記の条件をクリアしたGoogle Ad Grantsのアカウントを見てきましたが、日本で利用額の上限予算$40,000まで引き上げられたアカウントは見たことがありません。

まとめ

日本国内ではほとんど情報がなく、制限も多いため敬遠されがちなGoogle Ad Grants。しかし、仕組みを知って運用すれば団体の活動の大きなエンジンとなるはずです。まずは、月額$10,000の広告費を使ってあなたの活動を世の中に広めてみてはいかがでしょうか?

そのきっかけにこの記事が少しでも貢献できれば本望です。

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Daisuke Ikegawa

Daisuke Ikegawa

アナグラム株式会社 クルー。 個人アフィリエイトを大学2年時に始めたことからweb業界に興味を持ち、SEOコンサルティング会社でのインターン、物流を主力事業としたベンチャー企業のweb担当兼、営業を経験して2015年からアナグラムに参画。現職ではリスティング広告の運用やブログの執筆を主に担当しています。