非営利団体向け広告配信機能、Google Ad Grantsのスベテ

非営利団体向け広告配信機能、Google Ad Grantsのスベテ
この記事は最終更新日から約1年が経過しています。

※2018年1月1日からプログラムポリシーが改定いたしました。詳細は以下の記事をご確認ください。

参考:Google Ad Grantsが大幅なポリシー改定。運用への影響から対処法、注意点まで

Google Ad GrantsとはGoogleが提供する非営利団体向けプログラム(Google for Nonprofits)のサービスの一つです。参加団体はGoogle 広告の仕組みを利用し、Google検索内で広告を無料で掲載できます。

無料での広告出稿ゆえにGoogleの定める多少の規定が存在しますが、上手に利用すれば団体の活動を加速させることができます。

Google Ad GrantsではGoogle 広告と同じプラットフォームで利用できる機能ですが、多くの機能の使用が制限されています。制限を知らず思うようにアカウント設定が出来ずに諦めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、制限を理解することがGoogle Ad Grants攻略の一歩となるためしっかりと把握していきましょう。

1.通貨単位の制限

Google 広告では通貨を自由に選択することができますが、Google Ad Grantでは通貨単位は全て「$」単位で設定・運用する必要があります。

2.入札単価と入札戦略の制限

Google Ad Grantsでは上限「$2」の入札単価制限が設定されています。しかし、目標を達成できるとGoogle 広告が判断した場合は$2を超える場合があるためご留意ください。

参考:予算と入札単価に対する制限

また、キャンペーンでは必ず、「コンバージョン数の最大化」、「コンバージョン値の最大化」、「目標コンバージョン単価」、「目標広告費用対効果」のいずれかを使用する必要があります。「拡張クリック単価」での運用は出来ないので事前にしっかりと把握しておきましょう。

参考:アカウント管理に関するポリシー

3.上限予算の制限

Google Ad Grantsでは上限予算が「$329/日」、月間で「$10,000」程度と決められています。

設定上、1日の予算に$329以上を設定すること自体は可能です。しかし、運用型広告の仕様上、設定した金額ぴったりで停止することは難しいため、$329を多少上回る可能性があります。

参考:AdWords の基本事項

以前は利用額の上限予算を$40,000まで引き上げ可能な「Grantspro」というプログラムがありましたが、現在は申込みの受付は終了しています。

4.配信タイプの制限

Google Ad Grantsでは検索ネットワーク以外のタイプを利用することはできません。つまり、コンテンツターゲットリマーケティングなどGoogleディスプレイネットワークの各種機能や検索広告向けリマーケティング(RLSA)を利用することはできませんが、動的検索広告(DSA)は利用することが可能です。

5.ネットワークの制限

Google Ad Grantsで広告出稿することができるのは、Google検索に対してのみとなります。つまり、BiglobeやgooなどのGoogleの検索エンジンパートナー、Google ディスプレイネットワークに対しては、広告を表示することができません。

6.商用利用の制限

Google Ad Grantsでは商用利用が禁止されています。そして、広告で商品やサービスを宣伝することだけでなく、リンク先ページにGoogleAdSenseやアフィリエイトプログラムのリンクを含んでいる場合にも広告出稿が禁止されています。

参考:ウェブサイトに関するポリシー

7.キーワードの制限

Google Ad Grantsの広告やキーワードは、団体の活動内容やサービスとの関連性が高く、広告を見たユーザーにとって有益なものである必要があります。そのため、出稿するキーワードにも一部制限がかかっています。

制限がかかるキーワードを一覧にまとめました。

禁止のキーワード 具体例
1語のキーワード 運用型広告、リスティング広告、広告 など
一般的すぎるキーワード 面白い動画、電子書籍、今日のニュース、おすすめスポット など
他の団体の名前、地名、歴史上の出来事、人名などの単独での使用 市町村名、アナグラム株式会社 など
品質スコアが1または2のキーワード -

参考:非営利キャンペーン

基本的には、1語のキーワードの出稿は禁止されていますが「寄付・募金」はもちろん、「いじめ」「LGBT」など団体が掲げる理念や取り扱っているテーマに関わる一部のキーワードは例外的に出稿できる場合があります。

キーワード制限の例外となるキーワードの一覧は以下のヘルプをご確認ください。

参考:Ad Grants の 1 語のキーワードに関するポリシーの例外

8.リンク先ページの制限

ソーシャルメディアページ(Twitterやfacebookなど)、サードパーティのサービス(独自ドメインでないGoogleサイトやWordPress.comなど)を使用して作成されたページをリンク先に設定することはできません。

以前は、ヘルプページにも明記されていましたが、現状同一の記載はなくなっています。(2023年4月現在)

ヘルプページの記載はなくなりましたが、引き続き、広告をクリックしたときに表示されるドメインは、各団体が所有しているものである必要があります。そのため、サードパーティのドメインをリンク先ページとして設定することは許可されない可能性が高いためご注意ください。

上記機能の制限だけでなく、アカウントの継続に必要な条件もいくつかあります。掲載条件を満たしているアカウントだとしても、いざ配信する時に「配信ができない」ということにならないように事前に確認しておきましょう。

1.広告グループは2つ以上

ターゲットや広告文などを設定するだけで、自動的に広告を配信してくれることでリスティング広告を出稿したことがない人でも簡単に配信できるスマートアシストキャンペーンを利用していない場合は、1キャンペーンにつき有効な広告グループが2つ以上必要です。

※スマートアシストキャンペーンとは、キーワードやターゲティングなどの設定をGoogleが自動で設定して運用してくれるモードです。

参考:スマート アシスト キャンペーン

2.広告を2つ以上

1広告グループにつき、2つの有効なレスポンシブ検索広告を含めてください。上記に記載した通り、広告グループは2つ以上必要なため、アカウント単位で4つ以上広告を作成する必要があります。

3.サイトリンク表示オプションを2つ以上

サイトリンク表示オプションはアカウント単位で2つ以上の設定が必要です。

4.コンバージョンを月1回以上

2018年1月1日以降に作成されたアカウント、またはスマート自動入札戦略を使用しているアカウントの場合、「寄付」「ボランティアの登録」「団体への電話による問い合わせ」など、Google Ad Grantsアカウントの配信目的にコンバージョンを作成し、月に1回以上獲得する必要があります。

「サイトへのアクセス」「サイト滞在時間」など団体の活動内容に直接関係がないコンバージョンは、アカウントには追加できますが、アカウント継続に必要なコンバージョンとしてカウントはされないためご注意ください。

5.アンケートへの回答

Googleから非営利団体のニーズやGoogle での支援のあり方についてのアンケートが定期的に送られてくるため、回答いただく必要があります。

6.毎月のクリック率5%以上を維持

Google Ad Grantsでは、アカウント単位で毎月のクリック率を5%に保つ必要があります。この要件を2ヶ月連続で満たせなかった場合、アカウントが一時的に停止される可能性があるためご注意ください。

この条件がGoogle Ad Grantsの利用に伴う注意点の中では、運用のコツが必要になる項目と考えています。そのため、アカウント運用のコツについてはこの後の項で紹介していきます。

参考:アカウント管理に関するポリシー

ここで紹介した注意事項を守れないアカウントは、予告なくアカウントが自動停止されることがあるため、注意しましょう。

まずはGoogle Ad Grantsのアカウントを開設するために、Google for Nonprofitsという非営利団体向けのプログラムに参加する必要があります。

Google for Nonprofitsへの登録方法

利用資格にも記載の通り、Google Ad GrantsはTechSoup Japanのアカウントを持っていないと登録ができないのでアカウントがない団体は予め登録しておきましょう。

また、日本でGoogle Ad Grantsを配信する場合、以下いずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 公益社団法人
  • 公益認定等委員会により認定された公益財団法人
  • 市や都道府県により認定された特定非営利活動法人
  • 市や都道府県または厚生労働省により承認された社会福祉法人
  • 法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人

1.こちらのサイトで「使ってみる」をクリック

2.団体の種類を確認して「次へ」をクリック

3.地域を選択し「次へ」をクリック

4.手続きに必要な情報の準備ができたら「開始」をクリック

5.プライバシーポリシーを確認して問題なければ「次へ」をクリック

6.自身の団体を選択して「次へ」をクリック

7.団体のウェブサイトURLを記入して「次へ」をクリック

8.理念・活動目的を記入し、カテゴリを選択

9.名前・メールアドレスを入力し、「次へ」をクリック

10.チェックボックスにチェックを入れて、「送信」をクリック

11.Google for Nonprofotsに申請内容が承認されれば参加団体としてGoogle Ad Grantsの申請が認められます。

申請から審査完了のメールが来るまで 2〜14営業日かかります。Google Ad Grantsを開始する際は、Google for Nonprofotsの承認期間も加味したスケジュール設定をしておきましょう。

Google for Nonprofitsへの登録が完了したら次は、Google Ad Grantsアカウントの作成です。

1. Google Ad Grants エキスパート有効化ガイドに移動

2.指定されている「アカウントを作成」ボタン経由でアカウント作成を開始

3.アカウント選択画面でGoogle for Nonprofitsに登録したアカウントを選択

4.メールアドレスの入力などアカウント作成が完了したらアカウント内の設定へ移行します。

アカウント内の設定方法

1. 管理画面にログインしたら、「+」>「キャンペーン」をクリック

2.キャンペーンの目的は任意のものを選択、キャンペーンタイプで「検索」を選択し、コンバージョンを確認

3.最適化のポイントを選び、入札単価を入力します

4.キーワードの設定を行います

5.広告文の設定を行います

6.予算を入力して「次へ」をクリック

7.これまでの設定を確認したら「キャンペーンを公開」をクリックで入稿完了です!

アカウント開設後の運用のコツ

Google Ad Grantsは制限の多い特性ゆえに運用にはコツが必要になってきます。特に毎月のクリック率5%の維持が難しく、月額$10,000分の広告費を全く使いきれなかった団体・代理店の声を聞くことも少なくありません。

そこで、今回はクリック率5%を維持しながら配信ボリュームを増やすためのGoogle Ad Grants運用のコツをまとめたので、日々のアカウント管理の参考にしてみてください。

指名キーワードへの配信

キーワード出稿の条件として1語のキーワードは制限されていますが、団体が保有するブランド名は例外的に対象外で、配信することが可能です。

団体名はもちろん、行っている活動について知りたい方からの検索は、他キーワードに比べてクリック率は高くなる傾向にあります。そのため、たとえ検索ボリュームが少なくとも、指名キーワードは入稿しておくことをおすすめします。

活動に関連するキーワードから配信する

指名キーワード以外のキーワードに出稿する場合、団体の活動内容に類する言葉を選ぶようにしましょう。

例えば、子ども食堂の運営をしている団体で寄付を募る場合、「寄付」「募金」などのビッグキーワードは他のNGO団体からの出稿も多いことが容易に想像できますよね。そのため、高いクリック率を維持しながら慈善活動という広域の範囲で特定の課題である子ども食堂の寄付につなげるのは難しいことが多いです。

そのため「寄付」「募金」というキーワードよりも、まずは「子ども食堂」など活動に類するキーワードから配信を開始していくことをおすすめします。団体の活動への寄付につながる属性やキーワードに絞って配信した後、クリック率が維持できるようになってから徐々にターゲットやキーワードを広げて毎月のクリック率を維持していきましょう。

非指名キーワードへの配信は事前にターゲット層の条件を絞り込んでおく

寄付をコンバージョンとして配信する場合、キーワードだけでなく性別、年齢なども、すでに寄付をしてくれているユーザーに近い属性に近いターゲット層を絞り配信を開始することをおすすめします。そうすることで、寄付へ興味がないユーザーへの広告表示を減らし、クリック率を担保することに繋がります。

まずは小さな範囲から配信を開始した後、アカウント全体でクリック率が5%を保てそうであれば、徐々に配信するセグメントを広げていくとクリック率低下によるアカウント停止のリスクを下げながら運用することができます。

動的検索広告(DSA)の活用

動的検索広告とは、Googleがオーガニック検索用にインデックスしたページの情報を利用し、入札したキーワードではなく、そのインデックスされたウェブサイトのコンテンツに基いて自動的に広告を表示する機能です。

たとえば、自然保護の団体のWEBサイトであれば、Googleにインデックスされているページを元に、検索キーワード「森林 伐採」のようなキーワードに動的検索広告が反応して「森林伐採反対のNPO」などの広告を自動出稿してくれます。

メリットとしては、人間がカバーできない意図しないキーワードに動的検索広告が反応することで、本来は広告を表示する機会を損失していたユーザーへのアプローチができることです。設定も容易で表示機会が増えるので予算に余剰のあるアカウントでは特におすすめの機能です。

設定方法や具体的に知りたい方は下記の過去記事をご参考下さい。

まとめ

日本国内ではあまり情報がないだけではなく、利用における制限も多いため敬遠されがちなGoogle Ad Grants。

Google Ad Grantsはたしかに有意義な取り組みですが、有料広告よりも出稿に伴う制限が厳し、アカウントの構築や出稿調整にリソースを割いたからといって必ずしも広告配信の目的を達成できるとは限りません。そのため、通常のGoogle広告も合わせての実施を検討できると良さそうですね。

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