Googleは2021年9月22日(日本時間9月23日)、「広告の透明性」の観点からユーザーが特定の広告主によって過去30日以内に配信された広告が確認できる機能を追加すると発表しました。
参考:Giving users more transparency into their Google ad experience
広告が表示されたとき、広告主の他の広告が確認できるように
今回のアップデートでは、ユーザーにYouTubeとGoogle 検索で広告が表示された際、身元確認済みの特定の広告主が過去30日以内に配信したGoogle 広告を確認可能になります。
数ヶ月以内に米国内、その後2022年中には段階的に多くの国に展開される予定としています。
リリースによれば、Google 広告が表示された際に表示される「i」や「▼」をクリックし、「About this Ad(この広告について)」から「See more ads by this advertiser(この広告主の広告をもっと見る)」をクリックするとその広告主が過去30日以内に配信した複数の形式の Google 広告を確認できるようになるようです。
現状では、たとえばGoogleで検索広告が表示された際、「▼」から「広告の表示について」をクリックすると、広告が表示された理由を確認することができます。また、あわせて興味のない広告の掲載をミュートできたり、「この広告を報告」から問題のある広告を報告することも可能です。
これらに加え、その広告主が過去30日以内に配信した広告を確認できるようになります。
広告の透明性を向上させるために
リリースによると今回の機能追加によってユーザーは下記のようなメリットを得ることができるとしています。
- ユーザーが広告を配信している広告主について詳しく知ることができる
- 信頼できる広告主を選ぶことができる
- 悪意のある広告主が偽った広告を出稿することを抑制することができる
今回のリリースの背景として、上記に挙げた目的に加え、広告業界全体に広告主の透明性をもたせる流れがあることが挙げられます。
リリースによれば、「広告の透明性とコントロール」メニューは全世界で毎日3,000万人以上のユーザーが利用しているといいます。
このようにユーザーが広告の透明性を求めている中、今回のリリースがあったと考えられます。
広告主の身元確認とは
今回のアップデートで広告が表示される広告主は、身元確認済みの広告主です。
身元確認とは、Google 広告を利用している広告主に対してGoogle側から広告主が本人かどうかを確認するプロセスです。
グローバル先行で行われているようですが、日本でも昨年の春頃から一部のアカウントに順次適用されているようです。
本人確認が必要な広告主にはメールと広告管理画面上での通知でお知らせが届く予定です。
詳細の情報や実際の本人確認の手順は下記ヘルプページを参照してください。
参考:広告主様の本人確認と広告開示情報に関するよくある質問 - Google 広告ポリシー ヘルプ
まとめ
今回のアップデートにより、ユーザーは、広告によって訴求に矛盾がある広告主を敬遠したり、場合によってはポリシー違反として報告することもでき、広告体験を高められることが期待されます。
一方で、自分の身近なひとを思い浮かべたとき、これらの機能を利用しているひとは多くないのではないでしょうか。
たしかに広告の透明性を図る機能は必要ですが、ユーザーにアクションを求めるだけではなく、広告運用に携わるひとりひとりがユーザーにとって好ましい体験を提供できる広告なのか、その広告をみて嫌な気分になるひとはいないのか、改めて考えて取り組んでいきたいですね。