これまでに導入して明らかに成果を上げた5つの社内での取り組み

これまでに導入して明らかに成果を上げた5つの社内での取り組み
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もうすっかり寒くなってきましたね。「今週さえ乗り切れば楽になれる…」と思ってはや11ヶ月が過ぎまして、気づいたら12月で今年も残すところあと僅か…ですが、みなさんお元気ですか?私は元気です。

さて、最近は面接ばかりしておりまして、その中で「アナグラムで働くことの最大のメリットはなんですか?」と聞かれ、面接で逆質問されるとは思っていませんでしたが、真面目に答えました。アナグラムに限らず、「急成長をするベンチャーや中小企業で働くことによる魅力は何か?」と整理するとこんな感じかなと思います。

  • 経営が近い、創業者が近い
  • 意思決定に参加できる(一部制限有り)
  • 声を上げれば聞いてくれる(はず)
  • 手を上げればなんでもできる、またはやらされる(無茶振りともいう)
  • 生命力が上がる(自信を持って言える)
  • 創業時から駆け上がるさまを間近で見ることができる(希少)
  • 福利厚生が手厚い、及び、社内制度がユニーク(という企業も最近は多い)

などなど、数え上げればキリがないわけではありますが沢山あります。勿論、光と影ではないですが、メリットがあるということはデメリットもある、ということで、それはまた別の機会に。(合コンでモテない、とか、住宅ローンがおりにくい、とかそんなところですが)

そんな話をしますと必ずといっていいほどに「社内制度がユニークだ」、「結構珍しいことをしているよね」と言われ、またよく聞かれますので、こりゃ需要があるようだと思いたち、私どもがこれまでに導入して明らかに成果を上げた5つ(+α)の社内での取り組みを紹介していきたいと思います。

関東ITソフトウェア健康保険組合への加入

「なんだ、ただのITS健保じゃないか…」とお思いのアナタ、そう、アナタ!リスティング広告やFacebook広告を筆頭とする運用型広告専門の代理店、かつ、ベンチャーというポジション上、ITS健保への加入へのハードルはとんでもなく高いということを認識する必要があります。どれほど加入が難しいか、と言われれば、経営者、総務、社労士(超絶優秀な)がタッグを組んで数ヶ月から場合によっては数年かかって初めて加入できる、という代物です。

ITS健保を簡単に説明すると、保険料が安く抑えられ、病気やケガをしたときや出産時などの付加給付金があり、激安で満足度の高い保養施設や宿泊施設を利用したり、最高のお寿司を食べれてしまうという、"とんでも"な健康保険なんです。加入しないなんて意味がわからないほどの保険で、健康保険関連では最強説があるほど。

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※画像はトスラブ箱根 ビオーレ

参考:[ITS]関東ITソフトウェア健康保険組合

もし、今所属している企業がITS健保に加入しているのであれば、過去に目に見えない血の滲むような努力の賜物だと覚えておきましょうね。加入までには変なセミナーとかいったり、膨大な資料を提出したりとかあるんですよ!

ちなみに保養施設や宿泊施設などは事前の予約制であり、抽選です。基本的に土曜などはほぼ取れないと思ったほうが良いほど人気でして、アナグラムのメンバーは金曜に有休を取って泊まりに行くというスタイルが流行っているようでお薦めです。

事務所の電話を18時以降強制的につながらないようにした

元々、企業サイトに電話番号を載せないスタイルを取っていた弊社ですら(現在もよく探さないと見つからない位置においてます)、多くのクライアントさんと取引させて頂いている昨今では、電話でのコミュニケーションもそれなりに増えてきました。それが19時だろうが20時だろうが、要件があれば電話をしてコミュニケーションを取る、という形が当たり前化していったんですね。電話が鳴れば取る、それは一見当たり前の事のように感じますが、私たちはそこに疑問を投げかけました。

公式に発表している労働時間は09-18時(メンバーによって異なります)ですが、帰ろうとしている寸前(18:30などに)になる電話に出て、結果的に1.2時間の残業をしてしまう。朝起きたら特定の案件のチャットワークの未読が100を超えている。これはなんだか変だぞと。

というわけで、18時以降の電話をすべて強制的に留守電として、それ以降のメールやチャットワーク、slackなど連絡のやり取りも"緊急な用事以外は返信する必要なし"と大号令したんですね。

導入後、実際に解約が出たり満足度が下がったかというと、何も起きませんでした。何も起きないんですよ。これまで必要だと思って必死で守り続けてきたり取り組んでいたことが、実はそんなに大切なことではなかった、なんてことは世の常ですよね。世の常であったとしても、まさか自分たちの身に同じようなことが起こっているとは思いもしなかった事案でした。

これにより、かなり健全な環境が生まれたと実感しています。

※地震や台風などによる自然災害による緊急時や、業界特有の大きな事件など、のっぴきならない事象が起こった場合、各チームが上記のようなことを飛び越えて自律的にどんな環境であれ動いてくれてます。

書籍購入時の精算フローを改善

アナグラムでは自身の学習したい!を補助する仕組みとして、創業時より書籍の購入、セミナー・ワークショップなどへの参加などが完全に無料です。そうです、どんなものでもです。過去には数十万の製造業関連のワークショップに参加した強者もいました。

しかし、メンバーが増えるに連れ、書籍の購入頻度が高いのは一部のメンバーのみにある程度固定化されてしまったんですね。書籍の購入頻度が高いメンバーの成長率が高いのは体感ですが理解してましたから、是非とも頻度を上げて欲しい。かといって環境変化と行動変化の関係性から、強制力を働かせても意味がないことは理解してました。その為、購入フローを見直すことにしました。

元々は欲しい書籍があれば、その書籍のAmazonURLを決済権を持っている人間に送ってもらい、まとめて購入するフローを取っていました。これを、自身で購入し、翌月の給与に反映するという形に変えました。購入した書籍の領収書を自身のBOXにいれることで精算する仕組みです。

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※自身で購入し、領収書を自身のネームの入ったBOXへ投入することで翌月の給与に反映される仕組み

これにより実際にどうなったかというと、フロー見直し後の利用率は300%を超える利用率となってます。単純に3倍以上の利用率になりました。なぜこんな単純なことで利用率が上がるのか、何名かにヒアリングすると、「こんな本を今更読むんだ」ですとか「何を勉強しようとしているのか」みたいなものが丸見えになるのがなんとなく恥ずかしいといった何でもないことが理由で購入頻度を上げられなかったようです。

この事案は私どもに大きな反省と仕組みの重要性を改めて理解させてくれました。

掃除の外注化

「ITに来たつもりなのに掃除なんてしたくない」じゃないですか。僕がそう思ってたので、新人に掃除をさせるみたいなのは違和感しかなかったんですね。そこで、目黒区シルバー人材センターに事務所の掃除すべてを委託しています。

参考:目黒区シルバー人材センター

アナグラムの場合は週に2回来てもらって、掃除機と棚などの目立つ汚れ、ゴミのまとめ、流しやトイレ掃除など、ほとんどをお願いして月に1万円後半くらいです。激安すぎて申し訳ない感すらしてます。早朝に来るので僕の話し相手にもなってくれている感もあるので、おかげで人に優しくなれてる気もしてます。おばちゃんはどんどん懐に入ってくるのですごいです。

TGIFの導入

TGIFとは、Googleでも導入されている仕組みの一つで、「Thank God, It's Friday.」(ありがとう神様、今日は金曜日だぜベイビー)の略でして、つまるところ金曜日なんだから楽しいことしようぜ、みたいな感じです。僕らの場合は初期は毎週金曜の午後16時~18時、現在は隔週の午後17時~18時などをフリータイムとして、ケータリングやお酒などを会社で振る舞い、さまざまディスカッションを自由にする場にしています。人によってはそのあと居酒屋に流れ込んでるみたいです。

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※TGIFのフリータイム時の様子

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※TGIFの中で行った各自の自己紹介の様子

ここ数年でメンバーがどんどん増え、チーム制を敷くなどである程度同じメンバーで活動する機会が急激に増加したため、「顔と名字は知っているけど話したことがない人」が増加していきました。

アナグラムのメンバーは鉄拳の世界大会に出るメンバーや、ガンダムの対戦ゲームの東京都代表、漫画家、書道の師範代、テコンドーの強者、ラッパー、お酒が飲めないのに毎年ワイナリーに通う人など、皆ヒトクセあるメンバーばかりなので話をすれば面白いに決まってるんですね。なのに仕事の話以外をあまり話す機会がなかった。これは実に勿体無い。

そんなこともあり、できるだけ自由にコミュニケーションが取れる場を作りたかった。これがTGIF導入の決め手です。

導入後は導入前と比べればお互いのことを知ることができ、チームを跨いだ相談やディスカッションが行われているんじゃないでしょうかね。

その他の社内制度

「これまでに導入して明らかに成果を上げた5つの社内での取り組み」とか言っておきながら、実は他にもいろいろあります。ベンチャーっぽいでしょ。軽く五月雨式で書いていきますね。

ランチ手当を辞め、住宅手当へ

創業時にいたインターン生(現取締役)が常にお腹をすかせていたのをきっかけに導入した1日千円提供されるランチ制度ですが、メンバーが10名を超えたあたりで「必ず誰かと一緒にランチにいかねばならぬ」みたいな強制力が働きだし、ネガティブなものになっていきました。全然そんなこともないのにね。というわけで撤廃。ただし、月換算すると約2万円の収入減になるのは問題だろうということで、住宅手当として全社員に2万円を出すことに。

改めて、組織は生き物であり、時代や成長フェーズによって常に最適解は異なる、ということを学びました。

バースデイ休暇、パートナーバースデイ休暇、お子さんバースデイ休暇

創業時期より導入しているのでこの制度が良いのか悪いのかの判断は難しいですが、自身の誕生日や奥さんや恋人の誕生日が休めるってのは決して悪いことではないんじゃないかと思うんですよね。というわけで今のところやめる気はないですし、取得率は100%です。お子さんが3人いるメンバーが最近会社にこないな、とか思ってたら6月は誕生日が重なってて長期連休になってた、みたいなこともあるくらいです。

ちなみに、恋人でもパートナーバースデイ休暇とする、というルールなので、仮にパートナーが複数人いるようであればその数だけ休みは取得可能です。まだそういう強者は出てきませんが^^

在宅ワークの許容

アナグラムでは基本的に在宅ワークやリモートワークを推奨してません。しかしながら、のっぴきならない理由ってあるではないですか。お子さんの発熱・急病、家族の問題やその他いろいろあるんですけれど、しっかりとした理由があるのであれば、僕らは可能な限り寄り添いたいと思ってます。仕組み化や同一化ルールの元でのワークは大事です。ただ、僕らはライフサイクルの中で起こり得るイレギュラーにも寄り添っていける組織でいたいと思ってるんですね。

参考:アナグラムがリモートワークを推奨しない理由

ベビーシッター制度

二ヶ月に一度、ベビーシッターを利用し、その間に夫婦で食事や趣味などの共通の時間を作って欲しいという思いで導入されました。子供が出来ると夫婦二人の時間を取ることは思っている以上に困難ですし、夫婦が不仲になる理由の殆どはコミュニケーションのすれ違いによるものです。それをカバーできる仕組みがあるといいなと思いました。

その為、ベビーシッターを利用する費用を会社で負担するので、気兼ねなく食事にでも行って来てね!みたいな制度ですね。

ただこの制度にはまだ問題もありまして、奥様方いわく、「ベビーシッターを利用するには罪悪感が拭えない」というものでした。直ぐに解決できる問題でもないので、これはまぁ時間の問題ですかねぇ。

まとめ

ここにも書けないような社内制度もあるにはあるんですが、またそれは別の機会に。

というわけで、文中でもありますが、組織は生き物であり、時代や成長フェーズによって常に最適な社内制度は異なるので、絶えず観察をし続け、よりよい社内制度を提供していければ良いなと思ってます。

労働環境問題が騒がれている広告代理店界隈では特にだと思うんですが、如何にやりがいがあって、如何に楽しく、それでいて働きやすい環境を作れるか。それが大事だと思うし、僕らはそういった環境ではどの組織にも負けたくないなと思ってます。

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