運用型広告で陥りがちな100個のミス(1/3)

運用型広告で陥りがちな100個のミス(1/3)

運用型広告で陥りがちなミスを100個まとめてみました。

網羅性は高いと思うので、広告運用初心者の方は一読しておくとミスを防ぐのに役立つと思います。また上級者の方も「あるある、分かる~」のように楽しく読めるはずです。

こんなミスありえるの?と感じるものもあるかもしれませんが、いずれも見たり聞いたりしたものです。※すべて私がやらかしたミスというわけではありません

4万字を超えてしまったので全3回でお送りします。


Contents

アカウント編

まずはアカウント設定に関するミスを紹介していきます。

1. 手数料/消費税の有無の勘違い(全媒体)

会社の予算管理方法などにより、「代理店への手数料」「消費税」を予算に含むかが異なり、認識の齟齬になることがあります。

例えば、「今月の予算は100万円(手数料20%分と消費税10%分込み)でお願いします」と言われたのを、「100万円(手数料、消費税含まず)」のつもりで受け取ってしまうと、本来約757,600円(100万円/1.2/1.1)を上限に運用するべきところ、100万円利用してしまい24万円近く予算超過する可能性があります。

大きなトラブルになりかねないので、手数料/消費税の有無は必ずすり合わせることが重要です。

また、運用型広告は性質上ピッタリの金額を利用できないことがあるので、予算上限に対して数%はバッファーを持つよう事前にすり合わせられるとスムーズです。

2. 外掛け内掛け認識あわず(全媒体)

広告代理店の手数料は「20%」などコミッションの場合が多いですが、実は2種類「内掛け」「外掛け」が存在し、それぞれ実質の料率が異なります。

「内掛け」は広告実費から料率を計算しますが、「外掛け」は総予算から料率を計算します。

例えば、手数料込みの総予算120万円の見積もりを作るとして、120万円に対し20%で算出するのが「外掛け」。手数料は24万円となります。(120*0.2)

対して、120万円のうち、手数料を除いた広告実費に対し20%で算出するのが「内掛け」。手数料は20万円となります。(120/1.2*0.2)

つまり、「外掛け20%」を内掛け20%と勘違いしていると、内掛け換算の料率は24%なので、数字がズレてしまい、トラブルになりかねません。

はじめましての打ち合わせでは、内掛け・外掛けの認識は合わせておくことをおすすめします。(アナグラムでは原則「内掛け」計算でお見積りをお出ししています。)

3. クレジットカードの上限で広告が掲載停止(全媒体)

多くの広告主・広告アカウントでは法人クレジットカードで決済がされていますが、クレジットカードの利用上限金額に引っかかり、広告が停止、機会損失となることがあります。

例えば、せっかく売上がどんどん伸びてきて今月は広告費をかけて勝負だ!というタイミングで、法人クレジットカードが停止…。やむを得ず社長の個人クレジットカードで決済……というのは機会損失になりますしめんどくさいですよね。

広告費を継続的に掛けていく場合は、クレジットカードを複数枚準備する、前入金や交渉で上限金額を上げられるカードを準備するなど、事前に対応しておけるといいです。

4. 二段階認証を掛けない(Google 広告, Meta広告)

Google 広告やMeta広告では、二段階認証を掛けることが推奨されていて、これを怠ったばかりにアカウントが乗っ取られることも多発しています。

例えば、会社のクレジットカードが設定してあるMeta広告アカウントにログインできるFacebookアカウントが乗っ取られて、悪用されてしまったら、ちょっと洒落になりません。

ちょっとめんどくさいと思っても、二段階認証はしっかり設定することをおすすめします。

5. 二段階認証を掛けたままスマホを紛失する(Google 広告, Meta広告)

二段階認証はセキュリティ上重要なのですが、スマホでの認証が必要なケースだと、スマホを無くした・壊れたときに、ログイン不能状態に陥る恐れがあります。最悪、Facebookアカウントに二度とログインできなくなることも。

こういったリスクに備え、特に会社で利用しているアカウントであれば、「1password」や「Microsoft Authenticator」といったパスワード管理アプリを利用し、PCでもワンタイムパスワードを取得・二段階認証ができる状態にしておくことをおすすめします。

6. アカウントをBANされる(Google 広告, Meta広告)

Google 広告やMeta広告では、審査違反などを何度も繰り返すと、アカウントの強制停止、いわゆるBANされることがあります。

BANされると広告自体を出稿できなくなりますし、ペナルティが残っていてアカウントを変えたとしてもそちらも強制停止になってしまうリスクもあります。

BANされる理由は明確ではありませんが、基本的には媒体側のポリシーに則って運用し、審査違反の広告を無理やり何度も入稿したりは避けた方が無難だと思います。

7. 広告主の本人確認依頼を怠る(Google 広告)

Google 広告の透明性の保持の一貫として、2020年4月以降、Google 広告の本人確認が義務付けられました。順次各アカウントに「本人確認」の手続き依頼が届き、登記簿謄本(取得日から3ヶ月以内)など法人の正式名・住所が分かる書類の提出が求められます。

期限までに対応完了していないとアカウントが一時停止となり、広告配信ができなくなるリスクがあるため、必ず対応するようにしましょう。

なお本人確認が完了すると、広告からアクセスできる開示情報に広告主の名前と所在地が表示されるようになります。

8. アカウント配信設定がオフのまま、キャンペーンをオンにする(Yahoo! 広告)

Yahoo! 広告では、キャンペーンのオン・オフの設定とは別に、広告アカウントのオン・オフの設定があるのですが、配信開始日にキャンペーンをオンにしたけれど、広告アカウントがオフなので配信が始まらない……という事故がよく起こります。キャンペーンの入稿時に広告アカウントのオン / オフも必ず確認するようにしましょう。

9. アカウント残高不足、入金されていない(Google 広告, Yahoo! 広告)

Yahoo!広告など入金が必要な媒体では、入金がされていないと広告配信が止まってしまいます。例えば、気づくのが3週間遅れてしまいました……だと大きな機会損失となりえます。

配信状況は毎日追い、しっかり配信がされているかはチェックしましょう。万が一配信が止まっているときは入金漏れの可能性も頭に入れて対応するといいと思います。

キャンペーン編

ここからはキャンペーン設定に関するミスを紹介していきます。

10. キャンペーンの広告のスケジュール設定をミス(全媒体)

Google 広告や、Yahoo!広告、Meta広告などではキャンペーン単位で「平日 9:00-18:00だけ配信する」のようなスケジュール設定が可能なのですが、実はこの作業、ミスが多発しがちでかつ配信への影響が大きいので注意が必要です。

例えば「深夜の時間帯の入札を引き下げるつもりが、深夜だけの配信になっていた」などです。また、「18:00のつもりが6:00になっていた」のようなミスもありえます。

「キャンペーン設定」から詳細に入らないと確認できず、パッと見でミスに気づけ無いのもタチが悪い。用心して設定を進めることをおすすめします。

11. 検索広告キャンペーンの「ディスプレイネットワークを含める」がオンになっている(Google 広告)

検索広告は、キャンペーンの設定の、「ディスプレイネットワークを含める」(Google 広告の場合)にチェックが付いている場合、ディスプレイ広告の配信先まで広告が表示されます。

チェックし配信機会を増やすこと自体ミスではありません。(実際、効率的に獲得を増やせることもあります)しかし、デフォルトでオンになっているため知らず知らずにディスプレイ広告に出稿されてしまうことが多いことは問題です。まずは仕様を把握し、意図通りの配信になっているか確認することをおすすめします。

12. キャンペーンの予算の上限が機会損失になっている(全媒体)

広告配信で、CPAやROASなどの効率も大切ですが、やはり重要なのは成果の最大化です。しかし、キャンペーンの平均日予算(Google 広告「1日の平均予算」、Meta広告「1日の予算」、LINE広告「日予算」など媒体により呼称が異なりますが、本記事では「キャンペーンの平均日予算」と呼びます)の設定により、機会損失になってしまっていることがあります。

配信開始時だと急激な費用利用に備えキャンペーンの予算を制限しておくことは重要です。しかし、配信が軌道に乗ってくれば、金額を増やすことも忘れないようにしましょう。設定はたったの5秒、見落としはもったいないです。

Google 広告の場合、CPA や ROASが目標値に収まっているキャンペーンで、「有効(制限付き)予算による制限」というアラートが出ていると要注意です。

13. キャンペーンの予算設定を確信しすぎる(Google 広告, Yahoo! 広告)

キャンペーンの1日の予算上限は、1ヶ月(Meta広告の場合1週間)の平均利用金額であって、1日の利用金額上限ではありません。1日単位で見ると平均日予算の2倍、金額を利用してしまうことがあります。

(参考)媒体ごとのキャンペーンの平均日予算上限を超える可能性のある金額

Google 広告:上限200%(日予算の2倍の金額)

Google広告ヘルプ | 費用の上限について

LINE広告:上限200%

LINE for Business | 日予算について

Meta広告:上限125%

Metaビジネスヘルプセンター | 1日の予算について

例えば、月末31日に広告予算の残りが10万円だったとします。そのときGoogle 広告のキャンペーンの平均日予算を「10万円」に設定すれば安心……ではありません。20万円まで利用し予算超過してしまう可能性があるのです。この場合最大限の費用が発生する可能性を見越し「5万円」に設定した方が安全です。

14. 上限クリック単価と目標コンバージョン単価とで「デバイスごとの入札単価調整」の定義の違いを知らずに調整する(Google 広告, Yahoo! 広告)

Google 広告 / Yahoo! 広告(検索広告)では、入札戦略「上限クリック単価」「目標コンバージョン単価」を選択できますが、両者で「デバイスごとの入札単価調整」の意味が変わります。

入札戦略「上限クリック単価」における「デバイスごとの入札単価調整」は、上限クリック単価を、デバイスごとに調整できる機能です。「モバイルの成果がいまいちだから上限クリック単価を-20%にしよう」のように調整できます。

一方、入札戦略「目標コンバージョン単価」における「デバイスごとの入札単価調整」は、目標コンバージョン単価をデバイスごとに調整する機能になります。つまり、モバイルを-20%にするとは「PCの目標CPA5,000円に対して、スマートフォンの目標CPA4,000円で獲得する」という設定になり、入札戦略「上限クリック単価」のときと全く違う意味になります。

入札戦略「目標コンバージョン単価」のキャンペーンで、入札戦略「上限クリック単価」のようなつもりでデバイスごとの入札単価調整を加えてしまうと、意図せず過剰投資または機会損失になってしまうことがあるため、注意が必要です。

15. ブランド指名キャンペーンで入札戦略「目標コンバージョン単価」を選択する(Google 広告, Yahoo! 広告)

入札戦略「目標コンバージョン単価」は、媒体に推奨されている入札戦略で、実際に成果が大きく改善するケースも多いです。

しかし、ブランド指名キャンペーン(ブランド名・社名キーワードを集めたキャンペーン)だと、ムダなコストを増やしてしまう挙動をしてしまうことがあります。

理由は、ブランド指名キャンペーンならではの以下2つです。

  1. 基本的に1位掲載で固定で入札単価の調整で成果が改善する余地が少ない
  2. 他キャンペーンと比べCVRがかなり高いことが多いため、どんなオークションにも無理くり広告を出す挙動になりやすいから

例えば、ブランドキーワード完全一致だけで見ると平均CPC20円で出稿できるとしても、その他の掛け合わせの検索語句や、1回1回のオークション単位で見るとCPCが数百円まで高く付くことはありえます。商品を購入する意図では無い掛け合わせキーワードだったり、検索語句に他社ブランド名を含んでいたり、検索ユーザーが他社のオーディエンスリストで入札強化されていたり…。

そういったオークションで強引に入札し勝ち続けると、たしかにブランド指名キャンペーンのコンバージョンは数%増えるかもしれませんが、その数%のためにコストが30%増える…のような挙動になります。

そのとき、上限クリック単価(拡張なし)に切り替えCPCを50円等で無理に入札しない設定にすると、ブランド指名キャンペーンで月間50万円利用していて30%のムダコストを削減できるとしたら、毎月15万円、年間180万円のコスト削減になるのです。このような事例を何例も見てきました。

そのため、ブランド指名キャンペーンで入札戦略「目標コンバージョン単価」が適切なのかは一度見直してみてもいいかもしれません。

ただしブランド指名キャンペーンであっても、例えば、以下などだと、必ずしも1位掲載が難しかったり、CVRも高くなかったりするので、目標コンバージョン単価が適している場合もあります。状況に合わせて使い分けられるといいです。

  • 自社内で競合するサービスがあるケース
  • 同じサービスでも異なる上位プラン等をご提案するケース
  • サービス名が一般的に使われる語句で成り立っているケース

16. 入札戦略が目標コンバージョン単価なのに、時間帯やエリアの調整などで調整したつもりになっている(Google 広告, Yahoo! 広告)

入札戦略「目標コンバージョン単価」を選択しているキャンペーンでは、時間帯やエリアごとの入札単価調整は無効になります。(-100%を除く)

例えば、クライアントに「エリアの調整をしました!」と伝えたのに、入札戦略「目標コンバージョン単価」だから実は意図した調整になっていない……これは良くないですね。

仕様は正確に把握しておけるといいです。

17. ターゲット地域が「全世界」になっている(Google 広告)

Google 広告エディターなどで何かの拍子にキャンペーンエリア設定の「日本」を削除してしまうと、全世界配信になってしまいます。

検索キャンペーンはキーワード・広告文が日本語であれば大丈夫かもしれませんが、ディスプレイキャンペーンなどでミスすると大変です。

正しくエリア設定できているかは、全世界と言わないまでも都道府県のミスなどもありえるので、出稿開始前に必ず確認することをおすすめします。

18. ターゲット地域が必要以上に絞られている(全媒体)

ターゲット地域は商圏が限られているビジネスで有効ですが、ユーザーの所在地域が特定できない場合は表示がされにくく、機会損失になるリスクもあります。

「ユーザーの所在地域が特定できない」とはどういうことか。まず仕様を確認しておくと、Google 広告では、ユーザーの所在地の特定に「IP アドレス」と「デバイスの位置情報」の2種類を利用しており、デバイスの位置情報はGPS / WiFi / Bluetooth / Googleの基地局の位置情報データベースなどから推測されています。断言はできませんが、おそらく他の媒体も似たようなシグナルを参考にしていると予想されます。

参考:Google広告ヘルプ | ターゲット地域の設定

ここから言えるのは、まず4G接続などだと所在エリアが特定しづらいということです。屋外で移動中の人が、配信対象から漏れてしまうことがあります。

そのため、ターゲット地域は不必要に絞らない方がいい。例えば、キーワード「自動車学校 池袋」を設定しているのなら、キーワードで地域性が絞られるため、キャンペーンのターゲット地域は「豊島区」ではなく「日本」に設定した方がいいかもしれません。

また、Google 広告やMeta広告だと、ターゲット地域の設定方法が2種類、「千葉市」のような地域の指定と、「千葉駅から半径10km」のような半径の指定とであります。

ここで抑えておきたいことが、「IPアドレス」のシグナルからは市区町村など地域が得られますが、「千葉駅から半径10km」のような情報は分からないということです。

つまり、「千葉駅から半径10km」の指定だと、「IPアドレス」ではなく、もっぱら「デバイスの位置情報」での照合となり、機会損失がより大きいことが予想されるのです。(実際、「半径指定したけれど、市区町村指定のターゲティングと比べ、インプレッションが出ない…」と実感している人も少なくないはずです)

そのため、ターゲット地域を「千葉駅から半径10km」と設定している場合、所在地特定にIPアドレスのシグナルも拾うために、念のため「千葉市」もターゲット地域に含めておくといいかもしれません。

こういった機会損失は目に見えないので分かりやすい「ミス」とは認識されにくいですが、念のため確認してみることをおすすめします。

19. ターゲット地域の「所在地やインタレスト」「所在地」「検索インタレスト」が意図どおり設定できていない(Google 広告)

Google 広告のターゲット地域は以下3種類から設定ができます。

  • 所在地やインタレスト: ターゲット地域にいるユーザー、ターゲット地域をよく訪れるユーザー、ターゲット地域に関心を示したユーザー(推奨)
  • 所在地: ターゲット地域にいるユーザー、ターゲット地域をよく訪れるユーザー
  • 検索インタレスト: ターゲット地域を検索しているユーザー

様々な事情で、ターゲット地域を「所在地」に絞らなければならない状況もありえると思うので、仕様は知っておくといいです。

また、地域Aだけ表示回数が出て地域Bは全然表示されない…と思っていたら、地域Aは「所在地やインタレスト」、地域Bは「所在地」で設定されていた、というミスも地味ながら起きることがあります。念のため意図どおりの設定になっているか、見返してみてもいいかもしれません。

広告グループ編

ここからは広告グループ設定に関するミスを紹介していきます。※Meta広告だと「広告セット」に該当しますが、Google 広告, Yahoo! 広告, LINE広告などに準じて「広告グループ」と呼びたいと思います。

20. 上限クリック単価、目標コンバージョン単価、上限視聴単価、上限CPMなどを入力間違い(全媒体)

上限クリック単価、目標コンバージョン単価、上限視聴単価、上限CPMなど、運用型広告の入札には様々な単位がありますが、入力欄を間違えると悲惨なことになります。

例えば、LINE広告の上限クリック単価に、誤って上限CPMを入力。上限クリック単価は数十円が相場のところ、上限CPMの相場数百円で入力すると大変なことになります。

有名な、ジェイコム株大量誤発注事件では、みずほ証券の担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤って入力したため、最終的にみずほ証券側で407億円の損失を被ったとされていますが、これとも似ていますね。

くれぐれも注意することをおすすめします。

21. 入札金額の桁を間違えている(全媒体)

例えば、12,000円と入力したつもりが120,000円になってるやつです。ちょっとした注意力不足で10倍の誤差になるので、被害が大きくなります。

Google 広告などは、急激な入札単価の変更などにはアラートを出してくれるため、この手のミスは減っているはずですが、Yahoo! 広告などだといまだに健在なミスです。

くれぐれも注意することをおすすめします。

22. 除外と配信を逆に設定してしまう(全媒体)

本来の意図と真逆の配信になってしまうので、要注意です。

特に、Meta広告やLINE広告、Twitter広告などだと、管理画面のUI的に、配信と除外の入力欄が近くにあるので、注意した方がいいと思います。

23. 意図しない配信先(全媒体)

運用型広告の配信先は、媒体社の様々な配信面・パートナー配信面などが含まれるため、配信意図とは異なる配信先に広告が出稿がされてしまうことがあります。

例えば、Meta広告で、Instagramに出稿する意図だったのに、Facebookや、オーディエンスネットワーク(Facebook提携のモバイルアプリ配信先)にも出稿がされてしまっていた…こういったミスはしないようにしたいですね。

また、正しく設定したとしても、意図通りにならないこともあります。例えば、Google 広告の動画アクションキャンペーンで、赤ちゃん・幼児向けの動画に出稿され多くクリックされている…(明らかに赤ちゃんが操作している気配がする)

また、これは実体験ですが、Google 広告のコンテンツターゲットで「じゃがいものレシピ」の配信先に出稿したかったのに、ファストフードチェーン店のポテトに異物混入してた事件のニュース記事にばかり表示がされてしまった…など。

配信開始直後は特に、意図通りになっているか配信先レポートをモニタリングするようにしましょう。

24. 不必要に除外している(エリア、性別、土日、タブレット、モバイルアプリ配信面など)(全媒体)

CPAが高いセグメントを除外することは楽ですし効果的な施策です。しかし、一度除外したセグメントを再開できないか、定期的に検討することも合わせて必要だと思います。

なぜなら、タイミングが変われば成果が見込めることはありえるからです。媒体側のアルゴリズムだったり、自社のビジネス、広告・ランディングページなどの見せ方など、状況は刻々と変化しています。

それに、除外してしまうと当然ながら数字データが全く溜まってこないので、機会損失になっていたとしても全く気が付くことができません。意図的に再開可能性を探る必要があります。

そのため、エリアを隣の都道府県まで広げられないか?性別「不明」からも獲得できないか?土日であっても資料請求は見込めるのではないか?タブレット「-100%」はやりすぎじゃないか?アプリ除外って必要?定期的に問い直すことをおすすめします。

25. 広告グループを分けすぎ(Google 広告, Meta広告, Yahoo! 広告)

Google 広告やMeta広告では、入札単価や、広告の機械学習を進みやすくするため、広告グループはまとめることが推奨されます。できるだけまとめてシンプルに設計した方が運用もしやすいです。

例えば、広告「おすすめプログラミングスクール」「人気のプログラミングスクール」「話題のプログラミングスクール」があったとして、広告グループ「プログラミングスクール_おすすめ」「プログラミングスクール_人気」「プログラミングスクール_テレビ」で細かく分割する必要はありません。

なぜなら、「プログラミングスクール おすすめ」で検索した人が「人気のプログラミングスクール」を好んでクリックすることもありえるからです。

その場合、広告グループを分割し「プログラミングスクール おすすめ」で調べた人に「おすすめプログラミングスクール」という広告文しか表示させないことがむしろ機会損失になる可能性があります。また、広告グループを分けていると、バラバラにデータが溜まっていくため、広告の最適化(レスポンシブ検索広告と、広告のローテーション)も進みづらくなります。

そのため、すべて広告グループ「プログラミングスクール」でまとめて管理した方がいいと思います。

また、別の例も見ていきます。

Meta広告で、「類似1%」と「類似2%」とで広告セットを分けているとすると、表示するべき広告やデバイス・プラットフォームの傾向も似ているはずで、両者1つの広告セットにまとめデータを増やし最適化を早める方がいいと思います。

ただし、例えば「類似2%」を初めて追加するタイミングだと、広告セットを分割しておかないとコンバージョン・CPAなどのデータが確認できないため、一旦「類似2%」だけ分割し予算も分けたうえで配信スタートすることはありえます。その場合、軌道に乗ってきたタイミングで統合をすすめるでいいかと思います。

なお、Facebook / Instagramなど配置ごとに広告セットを分けることも推奨はされません。

広告グループをまとめられないか、検討してみていいかもしれません。

26. 広告グループをまとめすぎ(Google 広告, Yahoo! 広告)

広告グループは、基本的にはまとめてシンプルに設計する方針でいいと思いますが、表示するべき広告が明らかに出し分けるべきだとしたら、広告グループの分割を検討してもいいかもしれません。

例えば広告「○○サロン/梅田店」「○○サロン/池袋店」の2つは、顧客が梅田店と池袋店で迷って検討することはほとんど無いので、広告グループを分割して、検索語句・ターゲティングを分けることは成果改善に有効です。(広告カスタマイザを利用して分割する方法もあります)

また、広告「リスティング広告の運用代行なら」「Meta広告の運用代行なら」があるとるすと、検索語句「リスティング広告 代理店」に対し広告「Meta広告の運用代行なら」が表示されるのは明らかに機会損失なので、広告グループを分割することが検討できます。

マッチングアプリの広告などで、男性向けと女性向けとで表示するべきバナーが明らかに異なるケースなども、はじめから広告グループを分割しておいていいと思います。

Google 広告だと、カスタムレポートで「検索語句」×「広告」を確認してみるのも参考になります。(ただし、レスポンシブ検索広告のアセットごとの数値は確認するこはできません)

27. 下階層の入札設定が漏れる(Google 広告, Yahoo! 広告)

入札は、広告グループやキーワードなど、様々な階層で設定が可能で、基本的には下層の設定が優先されます。しかし、上位階層だけ設定変更し更新したつもりになっていても、下層階層の設定変更漏れで、実際は更新できてない…というミスが起こりがちです。

例えば、「今月のCPAが高めだから少し入札を抑えよう」と広告グループの入札を80円から60円に引き下げたとしても、しかし実は該当広告グループのあるキーワードが120円で個別に入札設定されていて、そこで費用のほとんどを利用していたとすると、広告グループの入札引き下げはほとんど意味がありません。「入札を下げたはずなのに全然CPA下がらないなあ……しまった!」という残念な結果になります。

下階層で設定がされていないか必ず確認したうえで運用することをおすすめします。入札は以下階層で設定可能です。

  • 目標コンバージョン単価:キャンペーン単位、広告グループ単位
  • 上限クリック単価:広告グループ単位、キーワード単位、商品グループ単位(ショッピング広告)、ユーザーリスト単位など

28. 「ディスプレイ ネットワークの個別の入札方法」を指定せずに、オーディエンスリストごとに入札する(Google 広告)

「フォーム到達のオーディエンスリストの入札を100円に設定してみよう」と設定しても、広告グループの「ディスプレイ ネットワークの個別の入札方法」を「ユーザーリスト」に設定していないと、入札単価(「100円」など)は反映されません。

参考:Google広告エディターヘルプ | 広告グループのディスプレイ ネットワーク設定

※入札単価調整比(「+30%」など)は反映されます

このあたり分かりづらいのですが、広告管理画面よりもGoogle 広告エディターの方が操作しやすいかなと筆者的には感じているので、エディターでの入稿をおすすめします。

「ディスプレイ ネットワークの個別の入札方法」は添付画像から設定ができます。

29. 入札調整比を重ねて掛けてしまう(Google 広告, Yahoo! 広告)

性別「不明」、年齢「不明」の「不明」は、それぞれユニークなユーザーを指している訳ではなく、単にGoogle アカウントやYahoo! アカウントでログインしていないユーザーのはずなので、けっこうな割合重複していると思います。

それを加味せずに入札単価調整比率を、性別「不明」-30%、年齢「不明」-30%で設定を加えてしまうと、実質-49%(0.7*0.7)で意図せず配信ロスになってしまっているかもしれません。Google 広告のディスプレイキャンペーン、Yahoo! ディスプレイ広告だとこの「不明」の割合もそこそこあったりするので、機会損失にならないよう注意が必要です。

30. ターゲティングの拡張機能が意図せずオンになっている(Google 広告, Meta広告)

Google 広告だと「ターゲットの拡張」「最適化されたオーディエンス」、Meta広告だと「類似オーディエンスの拡大」「詳細ターゲット設定の拡大」など、広告グループ(広告セット)に紐づくターゲティング拡張機能があります。しかし、デフォルトの設定が「オン」のため、本来「オフ」にするべき配信で間違えてオンのままスタートさせてしまうミスが起こりがちです。

例えば、クライアントに「ウェブサイトに訪問したオーディエンスに配信します」と説明したのに、実は「最適化されたオーディエンス」がオンになっていたのに気づかず、対象外のオーディエンスで費用のほとんどを利用してしまった…。しかもコンバージョンが出なかった…となるとこれは手痛いミスです。

ちなみに誤解を招かないよう補足すると「最適化されたオーディエンス」などの拡張機能自体は非常に優秀で、成果につながるケースも多い。ここで問題にしているのは、あくまで意図せずオンになっていることです。

まとめ

アカウントからキャンペーン、広告グループまでまずは30個の陥りがちなミスを紹介してきました。

まずは大きな単位から確認してみるとミスも減らせるのではないかと思います。次回はキーワードや広告など、より詳細な単位でよくあるミスをご紹介しますのでお楽しみに。

続きはこちら!

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Junya Koyama

Junya Koyama

アナグラム株式会社 マネージャー。インターネット広告代理店にてリスティング広告の分析・運用を経験後、2014年8月よりアナグラムに参画。健康食品、アパレル、求人、士業、BtoBなど多岐にわたる商材の広告に携わり事業拡大に貢献。

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