サンスター株式会社

創業以来80年以上に渡り、オーラルケアを中心に美と健康の視点で人々の暮らしを支えてきたサンスターさま。

引き上げ率やLTVを加味した長期的な設計でリスティング広告を軌道に乗せるにあたり、約5年間に渡って広告の運用をご支援させていただいてきました。

このインタビューは2021年6月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
小山 純弥
立原 大輝
坂田 奈穂

みなさんの担当領域について改めてお伺いさせてください。

野原:サンスターは、オーラルケア商品のイメージが強い会社ですが、我々の所属するダイレクト営業部ではおもに化粧品や健康食品の通販事業をおこなっています。代表的なジャンルとしては、化粧品や健康食品などです。

それぞれ具体的にはどのような業務をご担当されているのでしょうか?

野原:ダイレクト営業部の中でもデジタルグループに属するのですが、広告からECシステムの運用、CRM領域までデジタル領域全般を担当しています。

西村:私はそのうち新規顧客の獲得とCRM施策の部分を担当しています。

松崎:入社時から十数年、Web広告立ち上げの時期から広告の成果全般を見てきました。

当社にお問い合わせいただいたときの課題はどのようなものでしたか?

松崎:リスティング広告がずっと伸び悩んでいました。また、他社さんに比べて広告費の規模が少なかったり、獲得ができてもその後の定期購入などへの引き上げに転換する割合やLTV(※)が低かったりして、何とか長期的な設計ができるようにしたいと考えていましたね。

※LTV…Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略。顧客ひとりあたりが生涯を通じて企業にもたらす価値を表す指標

アナグラムへおまかせいただいた決め手は何だったのでしょうか?

松崎:最初のきっかけは、リスティング広告に強い代理店として紹介いただいたことです。実際にお話を伺った際の施策にも納得感がありましたし、何より、伸び悩んできた広告運用が軌道に乗るよう、当社にも知見を貯めながらパートナーとして伴走してくれるビジョンが違和感なく描けたことが大きかったですね。

深い商品理解による仮説検証と結果の共有で、社内に知見が貯まった

実際にお取り組みを始めた際の印象はいかがでしたか?

野原:「リスティング広告に強い代理店」の期待通り、しっかり戦略を持った上で、実行力もあり、細やかなA/Bテストも当然やってくれました。結果として、単月の広告費は最大で800%拡大し、引き上げ率やLTVも改善しています。

松崎:リスティング広告が伸びたのはもちろんですが、やはり知見が貯まるのがよかったです。商品をよく理解した上で仮説検証を行ってくれますし、結果もすべて共有してくれるので、社内のメンバーも広告の成果からお客さまが本当に求めているものを考える癖がつきました。

顧客に寄り添ったクリエイティブの制作、さまざまな手法を駆使

では、リスティング広告の成果も含め想像どおりでしたか?

松崎:クリエイティブ面では、顧客理解を追求する姿勢に驚かされました!SNSでの生の声や検索面から読み取れるニーズを四六時中観察して、訴求を提案してくれることも多かったですよね。広告費が一気に拡大したきっかけも、真意を汲んだ広告文に変えた時です。

小山:従来は商品の「規格」訴求がメインでしたが、より悩みが深い方に向けて、現在の「ベネフィット」訴求に軸を絞ったのもその頃でしたね。

松崎:当時の徹底して顧客を理解しようとする姿勢には衝撃を受けましたし、それは今も変わらないですね。

複数の代理店さんとお取り組みをされていますが、リスティング広告を当社にお任せいただいているのはなぜでしょうか?

野原:まず、検索面はブランドとしてしっかり抑えておきたい部分ですが、CRM領域やLTVまで見据えた運用をしてくれるので、安心してお任せできますね。獲得より先のところまで意識しながら運用してくれる代理店さんはあまり多くはないのかなと思っています。

西村:お任せしているのはリスティング広告ですが、手法や影響範囲はそれに留まらないですよね。動画の活用やLP設計などさまざまな手法を駆使して、ディスプレイ広告との相乗効果で検索面を伸ばしてくれますし、我々も、顧客の意図を汲み取って訴求に活かす考え方をその他の媒体にも応用するようになりました。顧客に寄り添ったクリエイティブ制作は引き続きアナグラムさんに期待する部分でもありますね。

LTVを重視した獲得戦略で顧客層も拡大

複数商材をお任せいただいているのは、どのような理由からですか?

野原:表面のCPAだけでなく、LTVを重視した獲得戦略で息の長い広告運用をしてくれることが大きいです。単品通販のビジネス理解やブランドセーフティーへの配慮もずば抜けていますし、それに裏打ちされたLP設計や、顧客理解にも余念がなくて、結果としてLTVも数十パーセント上がりました。数字が改善されたことで投資判断をしやすくなっています。

松崎:ある商材では、お取り組みを始めてからお客さまの質が変わりましたね。キーワード軸を変更したことでそれ以前にアプローチできていなかった潜在層まで幅が広がりましたし、LTVを加味してLPを設計したことで本当に商品を必要としていてファンになってくれるお客さまに届けられるようになりました。

西村:あとは、CRM改善の文脈でも貢献いただいています。LTVと引き上げ率向上のためだけに全社でグロースハック(※)を開催してくれましたよね。あれはかなり強く印象に残っています。

※アナグラムの全社での取り組みのひとつ。週に1回、全コンサルタントで同一案件を一斉に分析し、改善案をプレゼンテーションし合う。特別にサンスターのみなさまをお招きさせていただき開催させていただきました。

野原:あそこまでやってもらえるとはさすがに思っていなかったですね。

西村:そうですね。結果的に大幅な収益改善にもつながっています。もともとCRMからの引き上げ率は高い状態だったので、そこからさらに上げるのは難しい中で、それ以上の伸びしろを見つけていただいたのは驚きました。

野原:領域を絞らず事業全体を見てくれていると感じますよね。これからも商品開発にご協力いただきたいし、むしろ一緒に商品開発をしたいとも思うほど信頼を置いています。

ブランドイメージへの理解と徹底した配慮

貴社はお客さま想いで媒体も厳選されている印象です。アフィリエイトに慎重でいらっしゃるのもブランドイメージを大切にされているからでしょうか?

野原:お客さまにアンケートを取ると、「サンスターのブランドに安心感・信頼感があるから」という理由で商品を選んでいただいているケースが非常に多いです。慎重に考える必要があるので、アフィリエイト手法を実施するとしても、なるべく目が届いて、コントロール可能な媒体なのかはとても重要視しています。

西村:LPや動画を作成する際も、自社で丁寧にディレクションする必要がありますよね。その点では、アナグラムさんと作成する際はとても助かっています。そもそもブランドセーフティーはとても気にしていただいているので、ブランド毀損につながるような表現はありませんし、むしろLPについて社内でも見落とすような些細な表現を逆に指摘してもらうこともありますよね。

野原:一緒に設計したLPなどは、それこそサンスターのブランドに相応しい内容になっているのではないかと思います。

プロダクトアウトからマーケットインへ。広告運用が商品設計に与えた影響

これまで約5年間のお取り組みを通して変化はありましたか?今後アナグラムに期待することも併せて教えてください。

西村:定性的な部分にはなりますが、施策を決める前にまずお客さまのニーズや行動を考えるようになりましたね。SNSなど他の媒体を見る際にも良い影響が出ています。

野原:特に、新商品を世に出すときはその姿勢が活きていると感じますね。お取り組みを通してある程度知見が貯まってきているので、既存商品の広告運用データを参考に商品の訴求を決めようとか、そういった考えに至るのかなと。

立原:プロダクトアウトからマーケットインに変わってきたという感じですね。

野原:そうですね。保健機能食品 (特定保健用食品・機能性表示食品・栄養機能食品) は表示する効果・機能性によって訴求の方向性も定まってきます。選定の際にキーワードの視点からポテンシャルをご相談できるのが非常にありがたいですね。これからも引き続き、商品開発の際にはアドバイスいただきたいなと思っています。

Voice Of AdOps担当者の声

約5年間と長いお付き合いのなかで、上手くいっている時期もあれば悪い時期もありました。 さまざまな壁にぶつかりながらも今日までやってこれたのは、私たちアナグラムだけでなく、サンスターさまと一緒に広告の配信方針やコミュニケーション設計を作り上げることができたからだと考えています。

サンスターのみなさまは、お客さまが何を求めているのかを常に真剣に考え、ブランドの安心感や信頼感をとても大事にされています。

長年の研究や開発から生まれた商品はどれも素晴らしいものですが、伝え方を間違えるとお客さまに誤認を与え、積み上げてきた信頼を損ねてしまいます。そのようなことが起こらぬよう、広告表現に対する厳密さ、一貫した姿勢や体制には敬服するばかりで、私自身の仕事へ取り組む姿勢を考え直すきっかけになりました。

運用型広告のプロとして、成果を上げることは当たり前のことだと考えています。しかしながら、インタビューを通して改めて、広告の成果だけではなく、日々のコミュニケーションや広告運用に取り組む姿勢を通して信頼感を持っていただいているのだと感じることができました。

また、私たちの姿勢や行動もサンスターのみなさんに伝播しているとおっしゃっていただけました。一緒にお仕事する方々の仕事への取り組み方や組織文化の形成に影響を与えているということも、忘れずに取り組んでいきたいと思います。


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