環境負荷の小さい有機農業を行う農家さんと提携し、お野菜をオンラインショップで販売することで、持続可能な農業の普及を目指す坂ノ途中さま。主力事業であるお野菜セットの定期宅配の広告をインハウスで運用されていましたが、さらなる売上拡大のために7~8年ほど前に弊社にお問い合わせいただいてから、弊社とは現在まで長い間、お取り組みをさせていただいていています。
定期宅配の新規ユーザーの獲得はもちろん、目の前のCPAだけではなく継続率を加味したLTVの観点から売上のトップラインを引き上げていく提案まで、坂ノ途中さまとの長年のお取り組みの一部を紹介します。
また、これまでのお取り組みを通じて、弊社にご依頼し続けていただけている理由についてもお話を伺いました。そこには、事業拡大のための提案以上に、介在価値を感じてくださっていることがありました。
このインタビューは、2024年8月に行われました。
聞き手:アナグラム株式会社
代表取締役 小山 純弥
広告運用事業部 信原 有希
クリエイティブチーム 坂倉 桃花(執筆者)
ご利用サービス: リスティング広告運用 , SNS広告運用 , 動画広告運用 , クリエイティブ制作支援
持続可能な農業の推進を目指しながら、生産者と消費者を繋ぐ坂ノ途中さん。単なる利益追求型のビジネスモデルではなく、社会的な課題解決を中心に据えている点が非常にユニークですよね。
丸山:坂ノ途中は、「100年先もつづく、農業を。」をミッションに、環境負荷の小さい農業に取り組む生産者と消費者をつなぐ「仲介役」として、旬の野菜を詰め合わせたお野菜セットをお届けするサブスクリプションサービスを中心に、環境に配慮してつくられた農産物や加工品を販売しています。
また、坂ノ途中は持続可能な農業や暮らし、野菜に関する情報の発信も積極的に行っています。たとえば、旬のお野菜を通じて季節の移り変わりを感じていただけるだけではなく、ウェブサイトやSNSを通じて、有機農業や生産者さんに関する情報、環境負荷の小さい暮らしを考えるコラムの発信をしています。
そうすることで、お客さまに有機農業に対する理解を深めていただいたり、持続可能な暮らしを考えるきっかけとなったり、お届けするお野菜との出会いを楽しんでいただけるように工夫をしています。
坂ノ途中さんでは新規で就農された農家の方を中心に提携しているとのことですが、その理由も伺いたいです。
丸山:新たに農業をはじめたいと考える方の多くが、環境負荷の小さい有機農業を志しています。ただ、安定した収量を育てられるまで時間がかかったり、そんな不安定さのなかでは販売先を見つけるのに苦労したり、せっかく持続可能な農業をはじめても、営農が継続しないという課題があります。
一方で、農業が大変なことを分かったうえで就農した方たちなので、おいしい野菜を育てるために色んな生産地に行って勉強したり、その土地に合った栽培方法を見つけるために様々に挑戦したり、熱意を持っている方がとても多いです。そういう方たちが育てるお野菜は、「野菜そのものの味が濃くておいしい」と、多くのお客さまにご満足いただいています。
坂ノ途中は、環境負荷の小さな農業に取り組む人を増やし、持続可能な農業を続けていける流通の仕組みをつくることを目指しています。
返信の速さが事業主側の安心感や信頼に繋がる
弊社とは2017年からのお付き合いですが、当時、お問い合わせいただいたきっかけはなんだったのでしょう。
丸山:2017年当時は、お野菜のお試しセットを中心に販売していました。週に100件ほど注文が入るようになり、お野菜セットの売上を今後さらに伸ばしていくために、お野菜セットの定期宅配の販売を強化することになったんです。
最初はインハウスで広告運用を行っていたのですが、 社内で広告運用専任担当がいるわけでもなければ、広告運用に深い知見がある人がいるわけでもありませんでした。
そのため、今以上に売上を伸ばすためには広告運用のプロにご依頼させていただくほうがよいのではと考え、代表の小野からアナグラムさんにご相談させていただきました。
数ある代理店の中でアナグラムにお任せいただいた理由をお聞かせいただけますか。
丸山:まだ私は入社していなかったのですが、お問い合わせさせていただいた当時のことを確認したところ、アナグラムさんが周囲からの評判も高く、問い合わせへの返信も早かったことが決め手だったと聞いています。
実際に私もアナグラムさんとお仕事するようになって、どの担当の方も丁寧で且つ、連絡のスピード感も早く、信頼ができるパートナーさんだと感じます。
私自身が前職では広告代理店に勤務していたこともあり、在籍当時から大事にしていたことの1つが連絡の速さでした。事業会社に転職し、連絡を送る側から受け取る側に変わり、返信の速さがどれだけ事業者側の安心感や信頼につながるかをアナグラムさんとのやり取りを通して実感しています。
そのため、新規の問い合わせにも、懇切丁寧な対応だけではなく、どの会社よりも早い返答をしていただいたアナグラムさんに決めたことは、今振り返ってもいい判断だったと思います。
提案の量だけではなく質も担保。記事LPはF4転換率が15%増加
弊社との長いお取り組みの中で、印象に残っていることはどんなことですか。
丸山:広告の運用代行だけではなく、広告で配信するバナーから、LPや記事などクリエイティブ領域も積極的にご提案をいただけることです。それにより、坂ノ途中とお客さまのコミュニケーションの幅を広げる事ができていると感じます。
アナグラムさんにご支援いただく前は、坂ノ途中としてブランドの世界観を大事にするがゆえに、クリエイティブを多く作ることができていませんでした。
加えて、事業会社だけだと他業種での広告運用やクリエイティブのトレンド情報が入ってきづらく、トレンドを取り入れたクリエイティブを作ることが社内だけでは難しいという課題感がありました。
アナグラムさんは、坂ノ途中の世界観を守りつつも、獲得につながるトレンドも押さえたクリエイティブを制作してくださいました。特に、記事LPは配信後1年間のF4転換率(4回継続利用する割合)が通常LPと比較して15%増加するなど、提案の量だけではなく質も担保されていると感じます。
正直「広告代理店で、ここまでやってくれるんだ」とびっくりしていて、長年の関係性ではありますが、提案が少なくなるどころか、できることが増えていく感覚をとても心強く感じています。
柏崎:クリエイティブに関わる領域は、ブランドイメージや情報の伝わり方にも大きく関わるため、なるべく社内で完結できる形で進めてきた経緯がありました。
クリエイティブを外注する場合、クリエイティブの制作意図やブランドの想い、トンマナを細かくすり合わせる工程が発生します。そのため、デザインや開発リソースがかかるランディングページの作成は制作会社さんに依頼することがあっても、広告を外部の方に依頼することはほとんどありませんでした。
しかし、アナグラムさんは弊社のサービス内容だけではなく、伝えていきたい想いまでを理解した上でクリエイティブのご提案をしてくださります。そのため、細かい修正指示をすることなく、配信まで一貫して進めていただけて、とても助かっています。
これまで、実施してきたクリエイティブ施策の中で、とくに印象に残っているものはありますか?
丸山:アナグラムさんが実際に弊社サービスを利用していただいた中で感じたことを基に制作いただいた記事LPです。1人のお客さまとしての視点で制作頂いたことが嬉しかっただけではなく、弊社を理解しようとする姿勢が伝わり、とてもありがたかったです。
正直な話、アナグラムさんから記事LPの制作を提案いただいた当時は、今まで挑戦したことのない領域だっただけではなく、工数対効果も未知数で成果には懐疑的でした。
しかし、アナグラムさんは、お客さまへのサービス理解や、坂ノ途中の想いを伝えることで、獲得のCPAだけではなく、契約後の継続率にも寄与するので、まずは試してみましょうと、その後の検証のとっかかりを作っていただけたので、とても感謝しています。
坂ノ途中さんのビジョンはもちろん、お野菜セット定期便の魅力は、広告文やバナーだけでは十分に伝えきれないことも多いです。そのため、広告とLPの間に記事LPを挟むことで未来のお客さまの坂ノ途中さんの理解が深まると思い、提案しました。
丸山:実績を見ても、記事LPを挟む方がコンバージョン率が高いこともわかりましたよね。そのおかげで、既存のLPの訴求も変えてみたりなど、クリエイティブの検証の幅を広げるきっかけになったので、とても良い機会になりました。
施策の提案から実行まで一気通貫の体制は、まるで自社の社員かのような安心感
丸山:他にも、まだ坂ノ途中のサービスを知らない方にもアプローチを広げていきたいという目的で、代表の小野のインタビュー動画を広告配信する提案をいただきました。
その際、坂ノ途中の理念や想い、農業に関する社会問題の課題提起など、多くの情報を伝えるための手段にとどまらない、坂ノ途中の世界観を崩さず、広告の成果にも繋げる新しい見せ方だったので、今でも印象に残っています。
坂ノ途中さんの理念や想いを届けるためには、動画の長さではなく、中身が大切だと思い提案させていただきました。
柏崎:ご提案いただいた時は、短尺動画がトレンドの中、1分以上の動画で申し込みまで繋がるのか少し不安に思う気持ちもありました。しかし、実際に配信してみると、視聴時間も既存の動画と同等かそれ以上に長く、静止画クリエイティブでは担保できない情報量を伝えられる動画を制作できてよかったと思いました。
また代表のインタビュー動画とは別に、京都まで足を運んでいただき、農家さんの撮影にも行きましたよね。撮影シーンの事前の洗い出しから農家さんへのアポ取りまで、スムーズな撮影進行でした。
このように、提案から撮影、制作まで一気通貫で行っていただけるため、新しい施策にも挑戦しやすいと感じています。
EC事業部としても、やってみたい施策のアイディアはたくさん出てきます。しかし、施策を進めていく上での根拠付けやリソースなどの課題で実際に動き出しまでに時間を要する場面も少なくありません。
アナグラムさんに入っていただけるお陰で、手が回らずになかなかできていないけど、やった方がいいことを実行まで進めていただけるのでとてもありがたいです。
丸山:動画を制作できただけではなく、しっかりと実績までついてきたお陰で、社内での動画の重要性が高まったのもアナグラムさんのお陰だと感じています。今後さらに、動画にリソースを割いていこうという意識の変化が社内に芽生えたのも、良い変化です。
会社としても、動画を配信したことによって成果が上がったことは、日々の広告数値レポートを見ていて一目瞭然でした。定量的な成果だけではなく、クリエイティブの量も質も高まったことで、社内で制作する制作物にも良い影響を与えている定性的な成果も感じています。
数値報告で終わりではなく、仮説と次のアクションをセットに
クリエイティブ以外で、アナグラムのサポートの中で特に印象的だったことはありますか?
柏崎:アナグラムさんに作成いただいた広告の配信状況レポートは、すごく見やすくていつも助けられています。毎日の運用数値だけではなく、クリエイティブごとの成果も可視化されていて見やすいため、社内の振り返り共有の際にも活用させていただいています。
EC事業部の社内会議でもレポートをそのまま使って議論することもあります。
社内会議にまでご活用いただき、ありがとうございます!ユーザーを獲得して終わりではなく、どの訴求からの申し込みかで、その後の継続率にも影響が出やすいことが多いことから、長期的にデータの基盤を整える必要があると思い、カスタマイズさせていただきました。
丸山:弊社は、お野菜の市況や季節などの外的要因により、数値が左右されるビジネス的側面をもちます。アナグラムさんからは、配信成果を基に、数値変動の仮説をまとめたレポートを毎週、共有していただけます。
数値レポートを共有して終わりではなく、数値から考えられる仮説と、仮説に沿った次の動きまでセットにしてまとめていただけるところに、日々の運用のアナグラムさんの誠実さを感じます。
最後に、アナグラムを検討中の方におすすめできる点を教えていただけると嬉しいです!
丸山:提案から実施に至る施策の数の多さもおすすめのポイントですが、日々のレポートや広告運用を丁寧にやってくださるので、安心して任せられるところが1番おすすめできるところです。
1つ1つの数字の変化を追って、考察をして、報告いただくことは容易ではありません。長い取り組みの中でも、日々の広告運用を確実に、やり続けてくださる誠実な対応が私はとても信頼できると思っています。
柏崎:長い取り組み期間の中で、広告の運用代行からクリエイティブなどご支援いただける幅が広がっています。広告代理店としての提案の枠に収まらない、広告運用からクリエイティブの制作まで、トータルした提案を求めている会社さんにはすごくおすすめしたいです。
アナグラムさんは、ユーザーとしての視点も持ちながら、社内のメンバーと近い感覚をもってスピード感のある施策を実行してくれる点が非常におすすめです。
- Voice Of AdOps担当者の声
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筆者も日頃から坂ノ途中さんの1人のファンとして、季節のお野菜を続けやすい頻度で届けてくれるお野菜定期便を利用させていただいています。
坂ノ途中さんは、お野菜の出荷状況や広告運用のヒントになる業界の動向など、日頃から密にコミュニケーションを取ってくださっています。そのおかげで、LP検証や動画制作など、様々な施策を実施できています。まるで社員のようだとおっしゃっていただき、頼ってくださるのがとてもうれしいです。
今回、インタビューを通じて、長年のお取り組みについて振り返ることができただけではなく、坂ノ途中さんの社内で起こっているポジティブな変化を伺うことができ、大変ありがたく思います。