たとえばセール期間などでコンバージョン率がいつもよりも高くなったり、逆に何らかの要因で低くなったりすることがありますよね。広告運用に自動入札を利用している場合、入札価格は予測されるコンバージョン率をもとに調整を行うため、普段とは異なる短期間のコンバージョン率の変動が自動入札の精度にも影響して、思うような成果を出せなくなってしまう可能性があります。
このような短期間の変化が予想される場合、自動入札を適切に利用するにはどうしたらいいか困ったことのある方も少なくないのではないでしょうか?
今回はYahoo!検索広告で、1週間ほどの短期間のコンバージョン率の変動に対応して自動入札の調整が可能となる「自動入札のスポット調整」機能をご紹介します。
目次
自動入札のスポット調整とは?
画像引用元:【検索広告】自動入札のスポット調整の提供について - Yahoo!広告
Yahoo!広告の検索広告の「自動入札のスポット調整」は、短期間のコンバージョン率の変動を予測し、それに応じて自動入札の設定を調整する機能です。
たとえば以下のようなケースで自動入札の学習効果を保ちつつ、短期的な変動にも迅速に対応することができます。
- 短期間のセールにより普段よりもコンバージョン率が大幅に上昇
- 新聞やTVCMなどメディアへの露出によりコンバージョン率の向上が見込まれる
- 商品の新モデル発売前のため、コンバージョン率の低下が見込まれる
これらのシーンで、スポット調整を利用することで、自動入札の学習効果を保ちつつ、短期的な変動にも迅速に対応することができます。
自動入札のスポット調整のメリット
自動入札では、過去の実績や予測によるコンバージョン率を基に入札価格が自動的に調整されます。そのため、短期的に普段とは大きく異なるコンバージョン率の実績が出ると、変動が収まっても自動入札の機械学習に影響が出て、適正な入札価格に調整されない可能性があります。
これまでは自動入札が意図通りに働かないようであれば、一定期間だけ変動を許容するか自動入札の目標値や種類を変更する、あるいは手動入札に切り替えるなどの方法でしか対処ができませんでした。当然、これらの変更によっても自動入札へ影響がでることが少なくありません。
「自動入札のスポット調整」を利用することで、コンバージョン率の短期間の変動にも自動入札の設定を変えること無くスムーズな対応が期待できます。
「自動入札のスポット調整」の設定方法
「自動入札のスポット調整」は運用支援ツールのひとつとして用意されています。それでは設定方法を確認していきましょう。
「ツール」より「自動入札のスポット調整」を選択します。
「+スポット調整を作成」をクリックします。
- スポット調整名
具体的な調整内容を設定していきます。まずは分かりやすい名称(例:「日付_イベント名」など)を入力しましょう。
- 適用期間
スポット調整の開始日時、終了日時を設定します。最大14日間までの期間を指定可能です。
7日以内が推奨されていますので、これ以上の期間となる場合は、自動入札を前提とするのであれば、自動入札の学習がされ緩やかに調整を図るのがよいかと思います。変動が読めなかったりするのであれば、場合によっては一時的に手動での入札に切り替えるなどの判断も必要となってきますね。
- 対象のキャンペーン
キャンペーンを選択し一部へのみ調整を適用させられます。たとえばCMの影響で社名やブランド名への影響が大きく出る見込みの場合などに利用するのがよいでしょう。
「標準キャンペーン」および「動的検索連動型広告キャンペーン」で利用でき、「アプリ訴求キャンペーン」での利用はできません。
- デバイス
他の広告媒体への出稿のような場合は特定のデバイスへの影響が大きいケースもあります。必要に応じて対象とするデバイスも選択できます。
- コンバージョン率の調整
-90% から +900%で調整率を設定します。通常に比べてコンバージョン率が5%から10%に向上する場合は「+100%」の設定となります。誤って設定しないよう注意しましょう。
作成したスポット調整は一覧に表示されます。該当のスポット調整名をクリックすると編集ができ、チェックを入れて「スポット調整を削除」で削除も可能です。
自動入札のスポット調整の注意点
利用にあたっては、次のような点に注意が必要です。
一部の自動入札の目標を設定したキャンペーンで有効
次の自動入札キャンペーンの目標で利用できます。
- 「コンバージョン単価の目標値」
- 「広告費用対効果の目標値」
それ以外も設定は可能ですが、調整は実施されないため注意しましょう。
アプリキャンペーンでは設定自体ができません。
キャンペーンのデバイス調整率と重複して調整される
自動入札のスポット調整は調整する対象のデバイスをPC・スマートフォン・タブレットから選択して設定します。
その際、キャンペーンですでに入札価格のデバイス調整率を設定している場合には、どちらの調整も重複して行われるため、必要以上に調整されないよう注意しましょう。
まとめ
中長期的な変動であればゆるやかに傾向の変化が学習されて自動入札へ反映されますが、短期間のコンバージョン率の変動はノイズとなってしまいます。
さまざまな要因によって、局所的にパフォーマンスへ変化を及ぼすイベントは発生するかと思いますが、慌てずに「自動入札のスポット」を利用して、素早く対応できるようにまずは機能について知っておきましょう。