
2025年9月はGoogle・Yahoo!・Meta・Microsoft・X・Pinterestといった主要媒体で動きがありました。
生成AIの適用拡大と媒体統合の動きが同時に進んだ9月。GoogleではAI MaxなどAIによる制作支援や最適化が本格化し、Yahoo!はLINE広告との統合発表とともに機能改修が相次ぎました。Metaは除外ワード設定などブランドコントロールを強化し、Microsoftはフィード運用・計測基盤を刷新。


Google広告
Google広告は、生成AIを活用したクリエイティブ生成や運用支援がさらに拡大しました。検索キャンペーン向けの「AI Max」ベータ提供、Asset Studioによる画像・動画生成機能強化、パフォーマンスプランナーやプロモーション用の新予算管理テストなど、広告運用の現場を支えるAIツール群が拡充されています。
また、「AI モード」に広告表示テストが開始され、検索回答内に広告を同時表示するテストが180か国以上で展開されました。
P-MAXでは入札範囲の拡大機能や除外キーワードリストの実装など、スマート自動入札の柔軟化と掲載対象の管理性が向上しました。総じて、AIに任せる領域は広がる一方で、広告運用者には細かな設計力がより一層求められていくと感じた月でした。
更新内容 | 概要 |
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AI Max(ベータ版)グローバル提供開始 | 検索キャンペーンのAI最適化設定を世界展開、日本でもβ提供開始 |
テキストガイドライン試用開始 | AI生成の広告テキストに含めたくない語句やメッセージを制限可能 |
AIモードに広告表示テスト | 検索回答内に広告を同時表示するテストを180か国以上で展開 |
不実表示ポリシー更新(10/28施行) | 料金や条件の明記義務を追加、透明性向上へ |
P-MAX:アセット・チャネルレポート機能強化 | デバイス・時間・コンバージョン・ネットワーク別のセグメント、費用可視化、ROI列追加など |
P-MAX:スマート自動入札の入札範囲拡大(ベータ版) | より柔軟な入札調整で機会損失を防止 |
P-MAX:除外キーワードリストが利用可能に | 複数キャンペーン横断での除外キーワード管理が可能 |
パフォーマンスプランナーの新提案機能 | 目標別の最適予算・成果シナリオを自動提示 |
デマンドジェネレーションのYouTubeチャネルがより詳細に分類可能に | YouTubeの配信面別のパフォーマンス指標を確認できるように |
AI Max(ベータ版) がすべての広告主へ提供開始

検索キャンペーン向けのAI最大化設定「AI Max for Search campaigns(以降、AI Max)」がベータ版としてすべての広告主に提供を開始、日本でも利用可能になりました。この機能は、検索キャンペーンの設定を包括的にAIが最適化する仕組みで、入札戦略・ターゲティング・アセット管理などを自動調整します。
AI Maxを有効にすると、Googleのアルゴリズムがキャンペーン全体を最適化し、人手による細かな調整の負担を軽減します。特に運用リソースが限られている中小規模の広告主や、複数アカウントを管理する代理店にとって選択肢となります。
ただし、完全自動化により制御性が低下する側面もあるため、ブランドセーフティやCPA目標が厳格な案件では、慎重に導入を検討する必要があります。
あわせてGoogle AIによって自動作成される広告テキストに含めたくない語句やメッセージを制限できるテキストガイドラインの試用も開始されているため、もし広告アカウントで利用が可能になっていればあわせてチェックしたいですね。
まずはテストキャンペーンで効果を検証してから本格導入することをおすすめします。
参考:
Get greater control and smarter optimization with AI Max as it expands globally.
検索キャンペーン向け AI 最大化設定(ベータ版)について - Google 広告 ヘルプ
AI モードに広告表示テスト
Google検索のAI機能「AI Mode」において、検索回答内に広告を同時表示するテストが180か国以上で展開されています。従来の検索結果ページとは異なり、AI生成の回答テキスト内に広告が組み込まれる新しいフォーマットです。
この変更により、ユーザーがAI回答を読む際に広告が自然に表示され、クリック機会が増える可能性があります。一方で、広告表示の文脈やタイミングがこれまでと大きく異なるため、成果への影響を注意深く観察する必要があります。
現時点ではテスト段階ですが、今後AI検索が主流になるにつれて、このような広告フォーマットが標準化される可能性があります。検索広告の成果指標に変化が見られた場合は、AI Mode広告の影響を考慮しましょう。
参考:How retailers can win over today’s consumer
不実表示ポリシー更新、料金や条件の明記義務が追加(10/28施行)
Google広告ポリシーが更新され、料金や条件の明記義務が追加されます。2025年10月28日から施行される新ポリシーでは、広告内で価格や条件を提示する際に、誤解を招く表現や不明確な表示がこれまで以上に厳しく制限されます。
例えば、「月額100円〜」といった表記の場合、最低料金だけでなく標準的な料金帯や追加条件も明示する必要があります。透明性の向上により、ユーザーが正確な情報に基づいて意思決定できる環境を整備する狙いです。
金融商品、サブスクリプションサービス、不動産など、料金体系が複雑な業種では特に注意が必要です。施行日までに広告文やランディングページを見直し、不実表示に該当する箇所がないか確認しましょう。
参考:不実表示に関するポリシーの更新について(2025 年 9 月) - Google 広告ポリシー ヘルプ
P-MAX、アセット・チャネルレポート機能が大幅強化
P-MAXのレポート機能を大幅に強化されました。透明性が向上し、何が実際に成果を生んでいるのかをより明確に把握できるようになります。
アセットレポートの分類機能が追加され、デバイス、時間、コンバージョン、ネットワーク別にアセットのパフォーマンスを分析できます。ネットワークでセグメントすると、検索、ディスプレイ、Discover、Gmail、YouTubeといった各配信面でのアセット成果を確認できます。

チャネルパフォーマンスレポートには以下の機能が追加されました。
- アカウントレベルでの一括レポート・ダウンロード:全てのP-MAXキャンペーンのチャネルパフォーマンスレポートを一括で取得可能
- チャネル可視化に費用を追加:「費用」トグルをオンにすると、各チャネルの費用配分を確認できます
- ROI列の追加:レポートテーブルにROI指標を追加でき、より透明性の高いレポーティングが可能
- コンバージョンアクション別・広告イベントタイプ別のセグメンテーション:エンゲージビューコンバージョンなど、イベントタイプ別に結果を分析可能
- 診断機能の追加:制限的な入札目標による配信制限など、パフォーマンスに影響する要因を特定できます

これらの新機能により、P-MAXの配信実態が可視化され、予算最適化や成果改善のための具体的なアクションを取りやすくなります。特に、どのチャネルに費用が配分され、どのアセットが効果的かを把握することで、より精度の高い運用判断が可能になりますね。
Googleは今後もレポート機能の改善を続けるとしており、広告主からのフィードバックを求めているとのこと。
参考:
Get more visibility in Performance Max with new asset and channel reporting improvements.
Google Ads Performance Max gets asset and channel reporting
P-MAX、スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)を導入へ
5月のGoogle Marketing Live 2025で検索キャンペーン向けに導入が発表されていた入札範囲拡大機能(Smart Bidding Exploration)がP-MAXでも利用可能になる見込みです。

入札範囲の拡張により、Googleのアルゴリズムがより柔軟に入札額を調整できるようになり、機会損失を防げます。また、除外キーワード共有リストにより、ブランド保護や無駄な配信の削減を効率的に管理できます。
参考:
Google brings Smart Bidding Exploration to Performance Max(Search Engine Land)
スマート自動入札の入札範囲拡大機能を設定する - Google 広告 ヘルプ
P-MAX、除外キーワードリストが利用可能に

今年8月にアナウンスされていたP-MAXにおける除外キーワードリストが利用できるようになっています。
特に大規模アカウントでは、除外キーワードの管理工数が大幅に削減されます。定期的に検索語句レポートを確認し、不要なキーワードをリストに追加していくことで、配信品質を継続的に改善が期待できますね。
参考:P-MAX の可視性と管理性を向上 - Google 広告 ヘルプ
パフォーマンスプランナーの新提案機能

パフォーマンスプランナーに目標別の最適予算・成果シナリオを自動提示する機能が追加されました。キャンペーン目標(コンバージョン数、売上、ROASなど)を設定すると、AIが最適な予算配分と期待成果を複数パターン提示します。
これにより、予算計画の精度が向上し、クライアントへの提案資料も作成しやすくなります。特に四半期予算の策定や、繁忙期の予算増額を検討する際に有効です。
ただし、提案はあくまで過去データに基づく予測であり、市場環境の急変や競合状況の変化には対応できません。提案を参考にしつつ、実際の成果を継続的にモニタリングすることが重要です。
参考:Google Ads rolls out Suggested plans in Performance Planner(Search Engine Land)
デマンドジェネレーションのYouTubeチャネルがより詳細に分類可能に

Google広告のデマンドジェネレーションキャンペーンで、YouTube配信面別のパフォーマンス指標を確認できるようになりました。これまでYouTubeのトラフィックはすべて一括で表示されていましたが、新たに以下の配信面ごとに分けて分析できます。
- YouTube インストリーム
- YouTube インフィード
- YouTube ショート
キャンペーンレベルで利用でき、追加の設定は不要です。これにより、どの配信面が実際にコンバージョンを生んでいるのかが明確になり、クリエイティブ戦略や予算配分を最適化しやすくなります。特にショートとインストリームでは視聴行動が大きく異なるため、それぞれに適したクリエイティブを用意することが重要です。
参考:Google adds YouTube breakdowns for Demand Gen campaigns
Yahoo!広告
Yahoo!広告は、来春のLINE広告との統合が正式に発表され、ディスプレイ領域では「LINEヤフー広告 ディスプレイ広告」への再編が決定しました。これは国内最大級の広告基盤構築を意味し、リーチとターゲティング精度の両面で大きな進化が期待されます。
あわせてYDAではインストリーム広告の提供が開始され、スマートターゲティングの目的追加、スクリプト権限変更など、運用面の改修が多数行われました。検索ショッピング広告(SSA)でも中古品・個人間取引・薬機法関連の制限緩和が進行中です。
さらに、検索広告では半径指定地域ターゲティングが追加され、クイックリンクアセットのAI提案機能も開始されました。YDAの共有予算ロジック改善やCV計測期間の範囲拡大など、細かな最適化機能も拡充されています。
更新内容 | 概要 |
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2026年春:LINE広告と統合発表 | ディスプレイ広告領域を含めた大規模統合。「LINEヤフー広告」へ名称変更予定 |
YDA:インストリーム広告提供開始 | 動画配信サービスの番組内枠に配信可能。9/24設定開始、10月初旬配信開始予定 |
スマートターゲティングが"サイト誘導目的"対応 | コンバージョン最大化に加えクリック最大化も最適化対象に |
検索広告:半径指定地域ターゲティング追加 | 1〜80kmの範囲指定が可能に |
検索ショッピング広告:個人間取引サイト・中古商品・薬機法制限緩和 | 中古販売が解禁、薬機法関連も段階的に緩和 |
YDA:共有予算ロジック改善 | 予算配分最適化でCVR改善・CPA抑止を目指す |
YDA:CV計測期間の範囲拡大(1〜90日) | より柔軟にアトリビューション期間を設定可能に |
商品情報掲載:都道府県別送料表示対応 | shippingInfoフィールド追加(旧項目併用可) |
SSA:旧IPアドレスのフィード取得停止(12/24) | 商品データ提供元の許可リスト更新が必要 |
スクリプトのGoogle連携権限変更 | DriveAppを利用するスクリプトが対象。修正+新権限同意が必要(11/12〜1/7) |
2026年春:LINE広告と統合発表

Yahoo!広告とLINE広告の統合が正式に発表されました。2026年春にディスプレイ広告領域を含めた大規模統合が実施され、「LINEヤフー広告」へ名称変更される予定です。これにより、国内最大級の広告基盤が構築されます。
統合により、Yahoo! JAPANとLINEの膨大なユーザーベースを横断した広告配信が可能になります。リーチの拡大だけでなく、両プラットフォームのデータを活用した高精度なターゲティングも期待されます。
一方で、キャンペーン構造の変更やアカウント管理方式の見直しが必要になる可能性があります。現在Yahoo!広告またはLINE広告を利用している広告主は、今後の公式アナウンスに注目し、移行に備えた準備を進めることが推奨されます。
参考:【重要】広告プラットフォーム統合について|LINEヤフー for Business
YDA:インストリーム広告提供開始へ
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)にインストリーム広告の提供が開始されました。動画配信サービスの番組内枠に配信可能で、9月24日から設定開始、10月初旬から配信開始予定です。ただし、提供対象は一部お客様に限定されています。
インストリーム広告は視聴完了率が比較的高く、ブランド認知向上や商品訴求に効果的とされています。Yahoo! JAPANの動画コンテンツを視聴するユーザーにリーチできるため、新たな接点として活用できます。
動画素材を既にお持ちの場合は、早めに配信テストを開始し、効果を検証することをおすすめします。特に動画マーケティングに注力したい広告主にとって有益な選択肢となります。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】インストリーム広告の開始について|LINEヤフー for Business
YDA:スマートターゲティングが"サイト誘導目的"対応
スマートターゲティングが従来の「コンバージョン数/価値の最大化」に加えて、「サイト誘導」目的にも対応可能になりました。これにより、認知拡大やトラフィック増加を目的とした配信でも、自動最適化の恩恵を受けられます。「サイト誘導」目的のキャンペーンでは、サイト誘導数(広告クリック数)の最大化(入札戦略:クリック数の最大化・拡張クリック単価)を目指して配信対象を最適化します。
コンバージョンデータが十分に蓄積されていない新規キャンペーンや、まずは流入数を増やしたいフェーズで活用できます。ただし、目的に応じて適切な最適化目標を選択しないと成果が分散する可能性があるため、キャンペーン設計時に慎重に検討しましょう。
特にサービス認知度が低い商材や、リード獲得の前段階としてトラフィックを増やしたい場合に有効です。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】スマートターゲティング「サイト誘導」目的への対応開始のお知らせ|LINEヤフー for Business
YDA:共有予算ロジック改善
YDAで共有予算のロジックが改善され、予算配分最適化によりCVR改善・CPA抑制を目指します。複数の広告グループ間で予算を効率的に配分し、成果の出ている広告グループに自動的に予算が配分されます。
共有予算を活用することで、全体のROIを最大化しやすくなります。特に複数の商材やターゲットを同時に配信している場合、手動で予算調整する手間が省けます。
ただし、共有予算は成果の良い広告グループに集中するため、新規広告グループの学習期間が十分に取れない可能性もあります。バランスを見ながら運用しましょう。
参考:【ディスプレイ広告(運用型)】共有予算のロジック改善について|LINEヤフー for Business
YDA:コンバージョン計測期間の範囲拡大(1〜90日)
YDAでコンバージョン計測期間の範囲が1〜90日に拡大され、より柔軟にアトリビューション期間を設定可能になりました。従来は限られた期間設定でしたが、商材の購買サイクルに応じて最適な計測期間を選択できます。
- 変更前:7〜90日間
- 変更後:1〜90日間
短期決済が主流のECサイトでは短い計測期間で精度を高められることが期待されますね。
参考:【ディスプレイ広告】コンバージョン測定の計測期間変更のお知らせ|LINEヤフー for Business
検索広告:半径指定地域ターゲティング追加

検索広告に半径指定地域ターゲティングが追加され、1〜80kmの範囲で配信エリアを設定できるようになりました。特定の地点を中心に、商圏に合わせたピンポイント配信が可能になります。
従来の都道府県や市区町村単位の指定では難しかった、きめ細かなエリア設定が実現します。特に実店舗ビジネスでは、店舗から一定距離内のユーザーに絞った効率的な配信が可能となり、無駄な広告費を削減できます。
ただし、範囲を狭くしすぎると配信量が減る可能性があるため、実際の商圏データや来店実績を参考にしながらバランスを考慮した設計が重要です。
参考:【検索広告】地域ターゲティングにおける半径指定機能の追加|LINEヤフー for Business
検索ショッピング広告:個人間取引サイト・中古商品・薬機法制限緩和
検索ショッピング広告で、フリマ・C2Cサイトでの商品掲載、中古商品販売が解禁され、薬機法関連の制限も段階的に緩和されています。掲載が可能な対象サービスや商品が増加していく見込みです。
- 2025年9月24日(水) 中古商品の制限を解除 ※完了
- 2025年10月中旬 薬機法などの制限を緩和
- 時期未定 個人間取引サイトの制限を解除
リユース市場やヴィンテージ商品を扱う事業者にとって、新たな広告機会となります。また、薬機法関連の緩和により、一部の医薬部外品や健康食品などの広告掲載条件が緩和される見込みです。
ただし、薬機法は依然として厳格な規制があるため、広告文やランディングページの表現には十分注意が必要です。コンプライアンスチームや法務担当者と連携しながら運用しましょう。
参考:【検索広告(ショッピング)】個人間取引サイト、中古品、薬機法などの制限解除について|LINEヤフー for Business
検索ショッピング広告:旧IPアドレスのフィード取得停止(12/24)
検索ショッピング広告(SSA)で、2025年12月24日に旧IPアドレスからのフィード取得が停止されます。商品データ提供元の許可リスト更新が必要です。
フィード連携を行っている広告主は、新しいIPアドレスへの切り替えを確認する必要があります。期限までに対応しないと、商品フィードの更新が停止し、広告配信に影響が出る可能性があります。
早急にシステム担当者と連携し、IPアドレスの許可リスト設定を見直しましょう。特にECサイトを運営している場合、フィード更新が正常に行われないと商品広告の配信が停止するリスクがあります。
参考:【検索広告(ショッピング)】旧IPアドレスから商品フィードへのアクセス停止について|LINEヤフー for Business
商品情報掲載:都道府県別送料表示対応
商品情報掲載において、都道府県別送料表示に対応しました。新たに追加されたshippingInfoフィールドを使用することで、地域ごとに異なる送料を正確に表示できます。旧項目も併用可能です。
地域によって送料が大きく異なるEC事業者にとって、より正確な商品情報を提供できるようになります。特に北海道や沖縄、離島への配送で送料が高額になる場合、事前に明示することでユーザーの混乱を防げます。
フィード設定時に新フィールドを追加し、地域別の送料テーブルを正確に登録しましょう。
参考:【検索広告(ショッピング)】商品情報掲載で都道府県別送料の表示に対応|LINEヤフー for Business
スクリプトのGoogle連携権限変更
広告スクリプトおよびGoogleアカウント連携のアクセス権限が変更されました。DriveAppを利用するスクリプトが対象で、修正および新権限への同意が必要です。対応期間は2025年11月12日〜2026年1月7日です。
この変更に気付かずにスクリプトを実行すると、予期せぬエラーが発生する可能性があります。特に自動レポート生成やデータ連携を行っている場合は、早急に設定を見直し、必要な権限を再取得しましょう。
スクリプトを多用している代理店や大規模アカウントでは、全てのスクリプトを棚卸しし、影響範囲を把握することが推奨されます。期限内に対応しないと、スクリプトが動作しなくなるため注意が必要です。
参考:【Yahoo!広告】Yahoo!広告 スクリプト スクリプトの変更と新しいアクセス権限への同意について|LINEヤフー for Business
Meta広告
Meta広告は、AIを用いた広告生成機能が進化し、Advantage+広告文で除外ワード指定が可能になりました。生成AIが使わない語句を指定できるようになり、ブランドコントロールが強化されました。
クリエイティブテスト機能も強化され、既存広告セット内で複数素材をAB検証できるようになりました。また、Reelsトレンド広告やThreads広告の配信枠が拡大され、短尺フォーマットの活用機会が増えています。
さらに、詳細ターゲティングオプションの一部が統合・削除される動向があり、自動最適化重視への移行が進んでいます。総じて、Metaは自動最適化を軸にしながらも、広告主が最低限コントロールすべき部分を強化する方向性が見えます。
更新内容 | 概要 |
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Advantage+クリエイティブに制限ワードの設定が可能に | 生成AIが使わない語句を指定可能に。ブランドコントロール強化 |
既存広告セット内でのクリエイティブテストが可能に | 広告セット内で複数素材をAB検証可能 |
Reelsトレンド広告・Threads広告拡張 | 短尺フォーマットの配信枠拡大 |
Advantage+クリエイティブで制限ワードの設定が可能に

Advantage+クリエイティブで制限ワードの設定が可能になりました。生成AIが使わない語句を指定できるようになり、ブランドイメージに合わない表現や競合他社名を事前に除外できます。
これにより、ブランド保護と効率化を両立した運用が可能になります。特に金融や医療など規制の厳しい業種では、コンプライアンス上問題となる表現を確実に排除できるため、安心して自動生成機能を活用できます。

制限ワードは広告階層の「名義」パートでの導入が確認できました。アカウントによってはまだ利用できない場合があります。
定期的に見直し、新たなNGワードがあれば追加していくことで、継続的にブランドセーフティを維持できます。
参考:Meta広告マネージャでの広告のブランディングについて | Metaビジネスヘルプセンター
既存広告セット内でのクリエイティブテストが可能に

既存広告セット内で複数素材をAB検証できるようになりました。従来はクリエイティブごとに広告セットを分ける必要があり、オーディエンスの重複や配信条件の差異が結果に影響していました。

以下のように詳しい条件を指定してのテストが可能です。予算の割当が可能なため、全体への大きな影響を抑えて検証できるのは便利ですね。
- テストする広告の数
- テスト予算の割当
- テスト期間
- 比較する指標

作成されたテスト用のクリエイティブは通常と同様に設定を編集できます。変数が多くなるほどテストが複雑となり、なにが作用したが把握しづらくなりますので、できるだけシンプルな要素のテストをするのがおすすめです。
この機能により、同一条件下で純粋にクリエイティブの優劣を判断しやすくなり、効果的な素材の特定がスムーズになります。特にクリエイティブの良し悪しが成果に直結するため、積極的に活用したい機能ですね。
参考:クリエイティブテストについて | Metaビジネスヘルプセンター
なお、キャンペーン内で一度にひとつのみクリエイティブのテストが設定できます。広告セットが別でも、同じキャンペーンは以下で一度に複数のテストは行えない点には注意してください。
クリエイティブ以外の要素をテストする際には、A/Bテストが便利です。
Meta:Brand Building Summitで新しいブランド構築ツールを発表
Metaは年次Brand Building Summitで、広告主が文化的瞬間を捉えるための新しい広告ソリューションを発表しました。主な発表内容は以下の通りです。
リール トレンド広告の拡大展開

クローズドベータ版でのテストを行っていたリールトレンド広告が、全ての広告主および代理店に拡大され、最も人気のあるリールの横にブランドを配置できるようになりました。
初期テストでは、ブランド想起率が20%向上し、YouTube Select(+20%)と同等、TikTok Pulse(+14%)を上回る結果を示したとのこと。1日あたり約50億件のリールが共有され、Instagramの利用時間の約半分がリールに費やされているため、膨大なトレンド広告枠に広告を掲載できるのは魅力的です。
Threads広告フォーマットの拡充

Threadsはカルーセル広告、4:5(縦長)形式の画像・動画表示、簡単なキャンペーン設定をサポートするようになりました。
月間アクティブユーザー4億人を擁し、Threadsユーザーの4人中3人が少なくとも1つのビジネスをフォローしています。広告主はThreadsアカウントを持たなくても、FacebookやInstagramの投稿を広告クリエイティブとして使用できるため、目的に合うと思われる場合には利用を検討してみてください。
値のルール(バリュールール)の拡張
以前は販売キャンペーンとアプリキャンペーンのみで利用可能だったバリュールールが、認知度とエンゲージメント目的にも拡張されました。テストでは、AI搭載のバリュールールを使用したキャンペーンが通常のキャンペーンと比較して2倍高い価値のコンバージョンを達成したとのこと。
ランディングページビュー最適化の強化
Meta ピクセルを設置できない広告主(例:食品メーカーがAmazonや楽天などの小売サイトに誘導する場合など)でも、広告クリック後にページをきちんと読み込む(ランディングページを訪問する)ユーザーに優先的に配信できるようになりました。
この機能により、ランディングページビューあたりのコストが31%低下、直帰率が減少し、ウェブトラフィックの質が向上したと述べられています。
参考:
Search Engine Land - Meta expands Reels, Threads, and AI tools
Marketing Dive - Meta deepens AI focus
Influencer Marketing Hub - Meta's Brand Summit
文化をコンバージョンにつなげるMetaのブランド構築ツール | Meta for Business
Microsoft広告
Microsoft広告は、商品データ補完を行う補助フィード(Supplemental Feeds)をグローバル提供しました。あわせてP-MAXのレポート・予算提案、宿泊キャンペーンの入札一括編集、UETの同意シグナル可視化など、運用支援機能を強化しています。
直接的な9月の大型新機能発表は少ないものの、運用効率を高める細かな改善が積み重ねられており、Google広告との互換性を高めつつ、独自の進化も進めている印象です。
更新内容 | 概要 | 情報元 |
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補助フィードの提供を開始 | 商品データの一部属性のみ更新が可能に。再アップ不要 | Microsoft Ads Blog |
P-MAX関連のレポート・予算提案強化 | AIによる自動提案で最適化を支援 | Microsoft Ads Blog |
宿泊キャンペーン:入札一括編集 | ホテル・旅行業向けの入札管理改善 | Microsoft Ads Blog |
UET:同意シグナル可視化機能追加 | プライバシー同意の状態を可視化 | Microsoft Ads Blog |
補助フィードの提供を開始

補助フィード(Supplemental Feeds)のグローバル提供が開始されました。商品データの一部属性のみを更新可能で、メインフィードの再アップロードが不要になります。
特にECサイトでは、在庫状況やセール情報など動的に変化するデータを補助フィードで管理することで、メインフィードの更新頻度を抑えながら最新情報を反映できます。運用効率と情報鮮度の両立に役立つ機能です。
補助フィードの設定方法や対応属性については、Microsoft広告の公式ドキュメントを参照してください。
参考:
Supplemental feeds and other product news for September | Microsoft Advertising
補助フィードの使用
PMAX関連のレポート・予算提案強化

PMAX関連のレポート機能と予算提案が強化されました。AIによる自動提案で最適化を支援し、配信実績や成果予測がより詳細に可視化されます。
従来はブラックボックスだった部分が透明化されることで、クライアントへの説明資料も作成しやすくなります。特に複数キャンペーンを運用している場合、予算の再配分を検討する際の判断材料として活用できます。
Google広告のP-MAXと同様に、徐々に透明性が高まっており、運用者がコントロールできる範囲が広がっています。
参考:Supplemental feeds and other product news for September | Microsoft Advertising
UET:同意シグナル可視化機能が追加

UET(Universal Event Tracker)において、同意シグナルの可視化機能が追加されました。プライバシー同意の状態を可視化でき、ユーザーの同意状況を追跡可能になります。
GDPRなど欧州のプライバシー規制に対応する際、ユーザー同意の有無を正確に把握することが重要です。この機能により、同意を得たユーザーのデータのみを計測に利用するといった運用が実現しやすくなります。
グローバル展開している広告主にとって、プライバシー規制への対応は必須です。早めに設定を確認し、適切な計測環境を整えましょう。
参考:Supplemental feeds and other product news for September | Microsoft Advertising
X広告
X広告は、広告表現ルールが再度見直され、ハッシュタグ・絵文字・URLの使用制限が厳格化されました。特定表現を含む投稿が広告として利用できなくなるなど、ポリシーが厳しくなっています。
一方で、生成AI「Grok」の回答内で広告を表示する新フォーマットもテストされており、新たな広告配信面の開拓が進んでいます。
更新内容 | 概要 | 情報元 |
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広告内ハッシュタグ・絵文字の制限強化 | 特定表現を含む投稿が広告不可に | H-full Marketing+1 |
Grok(AI回答)内広告テスト | AI回答に広告を挿入するテストを実施 | Search Engine Land |
広告内ハッシュタグ・絵文字の制限強化
広告内でのハッシュタグ・絵文字の使用制限が強化されました。特定表現を含む投稿が広告として利用できなくなり、広告ポリシーがより厳格化されています。
>広告本文にハッシュタグやURLを含めてはなりません。
>日本、韓国以外の地域にターゲティングする広告には絵文字を2つ以上含めてはなりません。
現状、絵文字については日本は対象外となっていますが、今後のポリシー変更なども見据えて過度な利用などは控える判断も必要となりそうです。
過度なハッシュタグの使用や、絵文字を多用した広告文は、ユーザー体験を損なうとして制限対象になります。X広告を運用している場合は、既存の広告文を見直し、ポリシーに抵触していないか確認しましょう。
特にエンゲージメント重視の投稿スタイルで運用していた広告主は、広告文の調整が必要になる可能性があります。
参考:広告品質ポリシー
Grok(AI回答)内広告テスト
生成AI「Grok」の回答内に広告を挿入するテストが実施されています。AI回答に広告を組み込む新しいフォーマットで、ユーザーがAIに質問した際の回答内に関連広告が表示されます。
この変更により、AI検索が主流になる将来を見据えた新たな広告配信面が開拓されています。ただし、現時点ではテスト段階であり、広告効果や配信ボリュームは未知数です。
今後、AI検索が普及するにつれて、このような広告フォーマットが標準化される可能性があります。X広告を活用している場合は、新フォーマットの動向に注目しておくと良いでしょう。
参考:
X will put ads inside Grok AI answers
Xのダイナミック広告がアップグレード

Xのダイナミック広告に新たな広告フォーマット(単一、コレクション)が加わり、さらに広告配信アルゴリズムにGrokが搭載されることでターゲティング精度が大幅に向上が発表されました。

Grokとは、xAI社によって開発されたX の対話型AIです。ユーザーの質問に回答したり、最新情報に基づいた要約を生成したり、画像生成やプログラミングの支援なども可能で、広告掲載においても高い成果が出ていると述べられています。
Xが商品・サービスを購入のきっかけになっているケースもあり、EC事業者であればチェックしておきたい広告プロダクトのひとつですね。
参考:
キーワード広告の提供を終了
2023年より導入されていたXの検索連動型広告「キーワード広告」がひっそりと提供を終了しています。提供終了の理由は定かではありませんが、Grok AIによる最適化がパフォーマンス向上に貢献しているとのアナウンスも出ているため、ターゲティング方法を指定せずともユーザー行動や興味関心にあわせた広告配信が精度高くできているのかもしれません。
なお、ちょっとややこしいですが、キーワードによるターゲティングは引き続き利用が可能です。
その他の広告
Pinterestアド、トップ検索アド(ベータ版)の提供を開始

Pinterestは毎年開催している広告主サミット「Pinterest Presents」で、新たな広告ソリューションの発表を行いました。
トップ検索アドのベータ提供を全ての広告主へ提供を開始しました。この広告は検索結果の上位10件と関連するピン内に表示され、ショッピングジャーニーが始まる最も重要な場所でブランド商品を表示します。
Pinterestのテストによると、トップ検索アドは通常のキャンペーンと比較して平均29%高いクリック率を記録し、新規クリッカーを獲得する可能性が32%高くなっています。初期テスターのWayfairは、通常のキャンペーンと比較してわずか2週間でクリック率が237%増加したと報告しています。
Pinterestでのショッピングでは、検索結果の上位10件で45%のクリックが発生。さらに、トップ検索の96%がブランド名を含まない検索。検索結果は重要なプレースメントで、広告の対象となることで、さらに用途が広がりパフォーマンスの向上も見込めそうですね。
その他の新機能:
- ローカル在庫広告の拡大:買い物客の近隣店舗の在庫商品のリアルタイム価格を表示できる、ローカル在庫広告が利用可能に。
- Pinterest メディアネットワークコネクト:Pinterest アドマネージャー内のセルフサービスツールで、メディアネットワークがファーストパーティオーディエンス、商品カタログ、コンバージョンデータを広告パートナーと安全に共有できます。米国のKroger Precision MarketingやInstacart Adsなどのパートナーと提携しており、今後拡大予定とのことです。日本での展開も期待されますね。
Pinterestでは、Z世代の39%が検索をPinterestから開始することを好むと回答しており、視覚的に商品を発見する重要なプラットフォームとなっています。広告主にとって、購買意欲の高いユーザーが商品を探し始める瞬間を捉える新たな機会としての活用も検討できますね。
参考:
Pinterest がビジュアルショッピングを後押しする機能、トップ検索アドと新しい広告ツールを導入 | Pinterest ニュースルーム
Search Engine Land - Pinterest tests Top of Search ads
Amazon Ads:エージェントAIクリエイティブツール(ベータ版)を発表

Amazon広告はCreative Studio内で利用できる新しいエージェントAIツールを発表しました。会話型インターフェースを通じて、商品リサーチからアイデア出し、ストーリーボード作成、動画・ディスプレイ広告の制作まで対応します。Amazonの小売インサイトとカスタマーシグナルを活用し、商品ページやブランドストアの情報から、顧客に響くクリエイティブを自動生成が可能です。
主な機能:
- オーディエンスシグナルと商品情報を分析した広告テーマの自動生成
- マルチシーン動画スクリプト、画像生成、アニメーション、ボイスオーバー、音楽の追加まで自動対応
- 開発の各段階で詳細なフィードバックが可能
- Amazon DSP、スポンサーディスプレイ広告、スポンサーブランド広告など複数フォーマットに対応
参考:Amazon Adsが新しいエージェントAIクリエイティブツールを発表 | Amazon Ads
私の環境では、現状はウェイティングリストへの登録が表示され、まだ利用することはできませんでした。
以上、2025年9月の主要広告プラットフォームのアップデートまとめでした!
免責事項:上記は本記事作成時点での情報に基づいています。最新かつ詳細な情報については、必ず各広告プラットフォームの公式サイトやヘルプドキュメントをご参照ください。また、一部解説には一般的な広告運用の観点からの推測や考察が含まれています。
