2021年に更新される Google Merchant Center 商品データ仕様の変更点とそのポイント

2021年に更新される Google Merchant Center 商品データ仕様の変更点とそのポイント
この記事は最終更新日から約3年が経過しています。

記事提供元:sem-insight

Google Merchant Center はオンラインで商品を探しているユーザーの利便性を高めるため、Google Merchant Center で使用される商品データ(商品フィード)の仕様を毎年更新しています。

2021年に行われる仕様変更についてもGoogleから内容が発表されましたので、変更点とそのポイントについて簡単に解説してみます。

参考:2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ


2021年4月6日より適用される変更点

購入手続き時の不適切な価格設定に対する違反措置

Merchant Center の商品データとランディング ページ間における価格の正確さを確保するための既存プロセスに加え、購入手続きプロセス全体にわたっても価格の正確さを審査し、違反に対して措置を実施する運びとなりました。アカウント審査の際、ある商品の購入手続き時の価格がランディング ページに表示されている価格より高いことが判明した場合、こうした不一致を 28 日以内に解消するよう求める警告が発行されます。不一致が解消されない場合は、アカウントが停止されます。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

今回の変更でアカウントの審査(定期的に実施されます)の際に、ある商品の購入手続き時の価格がランディングページに表示されている価格と一致するかチェックされるようになります。

これまでは、商品データに設定された price [価格] 属性 の商品価格(日本では税込み価格)と、同じく link [商品リンク] 属性 で指定された商品ページに記載されている商品価格との整合性のみ確認していましたが、今回の変更により、カート内や購入完了までの一連のプロセス内で提示される商品価格との整合性まで確認されるようになりました。

詳細については下記の記事も参考にしてみてください。

Google Merchant Center、価格設定の不一致に対して利用停止の警告を開始へ

地域ごとの配送所要日数

配送サービスを作成せずに、地域ごとの配送所要日数を商品アイテムレベルでカスタマイズするには、shipping [配送] 属性の新しいサブ属性である min_handling_time [最短発送準備時間] / max_handling_time [最長発送準備時間] および max_transit_time [最短お届け日数] / max_transit_time [最長お届け日数] を使用します。新しい shipping [配送] サブ属性は、ショッピング広告と無料リスティングに適用され、「Google で購入」には適用されません。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

これにより、商品フィード上でも地域ごとにお届け日数と発送準備時間を設定できるようになります。これまでは Google Merchant Center の配送設定でのみ可能でした。

ただし、shipping [配送] 属性で指定できる地域は1つなので、複数の配送地域を指定する場合はカラムやフィールドを設定したい地域分追加(上限は最大100個)する必要があるため注意です。基本的にはGoogle Merchant Center上で設定しておき、特定の商品だけ直接指定したい場合などに利用するにとどめましょう。

商品の在庫状況を「入荷待ち」に変更

availability [在庫状況] 属性を使用する場合に、商品が入荷待ちであることを指定できるようになりました。これを行うには、availability_date [入荷予定日] 属性で、入荷待ちの商品の入荷予定日を指定する必要があります。商品の在庫状況が「予約」に設定されている場合も、availability_date [入荷予定日] 属性を指定する必要があります。このことは、ショッピング広告と無料リスティングに適用され、「Google で購入」で掲載される商品には適用されません。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

availability [在庫状況] 属性で指定できた値はこれまで in_stock [在庫あり]、out of stock [在庫なし]、preorder [予約]の3つでしたが、ここに backorder [取り寄せ] という値が指定できるよう追加されました。

availability [在庫状況] 属性で指定できる属性値

  • in_stock [在庫あり]
  • out of stock [在庫なし]
  • preorder [予約]
  • backorder [取り寄せ] ← 今回追加された値

backorder [取り寄せ]

商品の在庫は現時点ではありませんが、注文は受け付けており、商品が入荷され次第、発送される予定です。availability_date [入荷予定日] 属性を使用して、商品が発送可能になる日付を指定する必要があります。

注: preorder [予約] 値は、まだ発売されていない新しい商品に対してのみ使用してください。現時点では在庫がなく、後日在庫が補充される既存の商品の注文を受け付けている場合は、backorder [取り寄せ] を代わりに使用する必要があります。

availability [在庫状況] – Google Merchant Center ヘルプ

これまで、一時的な在庫切れの場合は属性値として適切な物が用意されていなかったため、out of stock [在庫なし] を指定するほか無く、指定した結果ショッピング広告や無料リスティングなどには表示されないという状態になっていました。

今回、backorder [取り寄せ] 値が追加されたことによって、一時的に在庫切れ状態だけれども、Webサイト上で購入は行える商品についてもショッピング広告や無料リスティングなどでも商品を表示させることができるようになったため、適切に使えば購入機会の増加(表示回数が増える)が期待できます。

ただし、backorder [取り寄せ] 値を利用する場合は、同時に availability_date [入荷予定日] 属性の設定が必要になりますので入荷予定日は必ずセットで設定するようにしましょう。

追加の値

size_type [サイズの種類] 属性を使用する場合に、値「big」、「tall」、「plus」を追加して、アパレルのサイズを示すことができるようになりました。また、「petite maternity」や「big and tall」など、値を最大 2 つ指定することも可能になりました。size_type [サイズの種類] 属性の値「oversize」は使用できなくなりました。代わりに値「plus」を使用してください。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

これまで size_type [サイズの種類] 属性では、regular [レギュラー サイズ]、petite [小さいサイズ]、oversize [大きいサイズ]、maternity [マタニティ]の4種が指定できましたが、ここに plus [大きいサイズ]、tall [トールサイズ]、big [ビッグサイズ] の3つが加わり、oversize [大きいサイズ] が廃止されることになりました。

これに伴い、oversize [大きいサイズ] を利用している場合は、plus [大きいサイズ] に値を変更しておく必要があります。

また、今回の仕様変更より、2つまで属性値が指定できるようになりました。指定する場合はカラムやフィールドを2つ用意し、それぞれに属性値を1つずつ設定します。1つのカラムやフィールドでカンマ区切りと言った方法によって2つを同時に設定することはできません。

ちなみに、plus [大きいサイズ]、big [ビッグサイズ] の使い分けですが、下記のように考えておけば良さそうです。

What Does Big Mean?

Made with larger measurements though the neck, shoulders and chest.

For Big guys, finding clothes that fit has always been a struggle. Thankfully, many brands are expanding their lines to accommodate larger sizes. This means larger men can rest assured they don’t have to choose between fit and quality – they can have both. And even better than that, “big” sizes are made with the same material and high-quality construction as any other item on the market, even their smaller counterparts.

(DeepLによる和訳)

ビッグとは何か?

首、肩、胸などの寸法が大きく作られていること。

大柄な男性にとって、フィットする服を見つけるのはいつも苦労しています。ありがたいことに、多くのブランドが大きなサイズに対応できるようにラインを拡大しています。つまり、体の大きな男性は、フィット感と品質のどちらかを選ぶ必要はなく、両方を手に入れることができるのです。さらに良いことに、”ビッグ “サイズは、他のアイテムと同じ素材と高品質な構造で作られています(例え小さいサイズでも)。

What are the Differences Between Big, Tall, Big & Tall, and Plus Size? | LogoSportswear Library

What is Plus Size?

Made for women with larger measurements in the bust, waist, and hips.

Plus Sizes encompass clothing for women that commonly fall between size 14W and 24W. They’re usually cut to accommodate curves, and often made with fabric that stretches easily. You’ll sometimes even see “Tall” and “Petite” in relation to plus sizes, which are tailored for women above 5’8″ and below 5’4″, respectively.

But what about those X sizes, like 1X and 2X? According to Size Charter, X sizes encompass more than one numerical size. You’ll almost always find this system in knitwear and other relaxed fits, since it doesn’t offer the exact dimensions required for tailored pieces. For instance, a woven dress or business suit will usually feature a misses’ or women’s size, while a sweater or a pair of pajama pants usually uses the X size.

(DeepLによる和訳)

プラスサイズとは?

バスト、ウエスト、ヒップのサイズが大きい女性のために作られています。

プラスサイズは、一般的にサイズ14Wから24Wの間に位置する女性用の服を指します。通常、体のラインに合わせてカットされており、伸びやすい素材を使用しています。プラスサイズに関連して、”Tall “や “Petite “という言葉を目にすることがありますが、これらはそれぞれ身長180cm以上と170cm以下の女性向けに作られています。

では、1Xや2XなどのXサイズはどうでしょうか?サイズ憲章によると、Xサイズは1つ以上の数値のサイズを包含しています。このシステムは、ニットウェアなどのリラックスした着心地のものに多く見られますが、これはテーラード製品に必要な正確な寸法を提供していないからです。例えば、布帛のドレスやビジネススーツにはミスサイズやレディースサイズが使われ、セーターやパジャマのパンツにはXサイズが使われます。

What are the Differences Between Big, Tall, Big & Tall, and Plus Size? | LogoSportswear Library

お支払いプランのある商品の国外掲載の禁止

お支払いプランのある商品(つまり、subscription_cost [定期購入の費用] または installment [分割払い] 属性を使用する商品)を単一のフィードを使用して国外で掲載することはできなくなりました。お支払いプランのある商品を複数の国で掲載するには、商品を複製して、国ごとに個別のフィードで指定する必要があります。お支払いプランのある商品のうち、複数の国を対象としている商品は、すべて不承認となります。このことは、installment [分割払い] または subscription_cost [定期購入の費用] 属性が利用可能なすべての国のショッピング広告と無料リスティングに適用されます。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

日本の場合、subscription_cost [定期購入の費用] または installment [分割払い] 属性google_product_category [Google 商品カテゴリ] 属性で指定されている下記カテゴリに属している商品のうち、モバイルの契約がセットで必要となる端末が、分割払いで購入できる場合にのみ利用ができる属性となります。

  • スマートウォッチ(201)
  • 携帯電話(267)
  • タブレット PC(4745)
  • スマートフォンのプリペイド カードと SIM カード(6030)
  • GPS トラッキング デバイス(6544)

つまり、携帯キャリアなどが契約と同時に端末を販売する場合に使われる属性になるので、日本の場合ではほとんど利用する機会はありません。なので詳説は割愛します。

2021年6月15日以降に適用される変更点

不承認を回避するためにブランドと MPN の固有の組み合わせを指定

商品データ内の複数の商品で同じブランドと MPN の組み合わせが使用されている場合、それらの商品は不承認となる可能性があります。商品は次の場合に不承認となります。

brand [ブランド]mpn [製品番号] の組み合わせは同じだが、item_group_id [商品グループ ID] の値が異なる複数の商品がある場合。
brand [ブランド]mpn [製品番号] の組み合わせが同じで、バリエーション属性が同じである複数の商品がある場合。バリエーション属性には、color [色]material [素材]pattern [柄]size [サイズ]size_type [サイズの種類]unit_pricing_measure [価格の計量単位]gender [性別]product_detail [商品の詳細]condition [状態]multipack [マルチパック] が含まれます。

4 月 6 日より、商品アイテム単位の警告が診断ツールに表示されます。6 月 15 日より、これらの警告は未解決の場合に不承認になります。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

本来は1つのブランド下における商品については、mpn [製品番号] ユニークで複数存在するはずは無いという前提が出発点になっています。

冷静に考えてみれば、1つのブランド下において同一の mpn [製品番号] が割り振られた商品が複数の異なるitem_group_id [商品グループ ID] に渡って存在するということは、つまり重複していると言うことになるので、今後はそういった重複が発生している商品については不承認となる可能性が出てくるというのが変更の趣旨なのかなと思います。

同じくして、色やサイズ展開している商品のうち、brand [ブランド]mpn [製品番号] の組み合わせが同じかつ、バリエーション属性も同じのケースも重複に当たるので、これも不承認になる可能性が高いということになります。

日時属性にタイムゾーンを追加

日時属性(availability_date [入荷予定日]expiration_date [有効期限]sale_price_effective_date [セール価格有効期間])でタイムゾーンが指定されていない場合、その属性は UTC タイムゾーンにあるものとみなされます。日時属性がどのように指定されているかを確認し、タイムゾーンと時刻が欠落している場合は明示的に追加することをおすすめします。このことは、promotion_effective_dates [プロモーション有効期間] や promotion_display_dates [プロモーション表示期間] など、プロモーション固有の属性には適用されません。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

これまで日時を指定する属性では、タイムゾーンを明示しなくとも商品フィードで一番最初に設定されたメインの販売国のタイムゾーンに自動修正されていましたが、今後はタイムゾーンがUTCとみなされるため、商品フィード上でタイムゾーンの明示が必要になります。

日本国内向けのタイムゾーンを加味した日時属性を設定する場合は、下記のように日時の後ろに +0900(UTC+09:00の意味)を必ず付与する必要があります。

日付のみ指定する場合

例:日本時間 2021年4月8日

2021-04-08T+0900

※時刻を省略した場合は、同日の23:59:59とみなされる

日付と時刻を指定する場合

例:日本時間 2021年4月8日13時00分00秒

2021-04-08T13:00:00+0900

期間を指定する場合

例:日本時間 2021年4月8日13時00分00秒から2021年4月14日10時00分00秒まで

2021-04-08T13:00:00+0900/2021-04-14T10:00:00+0900

※この場合は /(スラッシュ)で開始日と終了日を区切る

2021年9月15日以降に適用される変更点

配送先国のサブ属性が欠落している場合の指定

複数の販売先の国で商品を表示する場合は、メインフィードの設定でメインの販売先以外の国を追加するか、個々の商品の shipping [送料] 属性を使用してください。shipping [送料] 属性を指定するときは、商品が対象の国で表示されるように、配送先国のサブ属性を指定することが必要となりました。指定しない場合、9 月 15 日以降、商品は不承認となります。商品アイテム単位の警告(「country [国](shipping [送料] のサブ属性)のサブ属性がありません」)は [診断] ページに表示されるようになっているため、不承認となる可能性がある商品をご確認いただけます。

2021 年 Merchant Center 商品データ仕様の更新のお知らせ – Google Merchant Center ヘルプ

これまでは、shipping [送料] 属性 のサブ属性である country [国] を指定しな忘れた場合は、警告が表示され shipping [送料] 属性 で設定された内容が無効となる措置がとられていましたが、今後は警告ではなく不承認となります。

今後不承認となるアイテムは既に Google Merchant Center の [商品] メニュー下の [診断] ページから確認できるので、今のうちから修正の対応しておきましょう。

2021年の変更は地味だけれども大きな変更が多い

今回の変更点をざっと読み返してみると、おおよそ3種類に分類できます。

  • 値の一貫性に関するチェック(購買プロセスにおける価格の一貫性や重複商品データの排除)
  • 属性値の追加(指定できる属性値が増えた)
  • 属性値の明示(これまで省略できた物ができなくなった)

個人的には、availability [在庫状況] 属性 でbackorder 値が指定できるようになったことは大きな変更かなと思います。一方で availability_date [入荷予定日] 属性 をセットで設定する必要があるので、使いやすいか使いにくいかで言うと使いにくい物だと思います。

しかしながら、購入が可能な入荷待ちの商品に対して out of stock 値を割り当てて非表示にならざるを得ないケースが減る分、ショッピング広告や無料リスティングにおいて表示機会が増えることは間違ありません。正しく設定できれば在庫切れと入荷待ちを頻繁に繰り返すような商品であっても集客のチャンスを逃すことが無いようにしたいですね。

その他の変更点に関しても、対応しておかないといけない変更点は複数出てくるかと思いますので、今のうちからしっかりと備えましょう。

これを知って対応できるのと知らずに放置するのとでは、そこに大きな差が出るかも?と言うのが個人的な感想です。

※本記事は下記の提供元より許可をいただいて転載しています
記事提供元:sem-insight

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