ひとくちに同じ”コンバージョン”といえども、その価値がさまざまであるケースはないでしょうか?
たとえば複数のホワイトペーパーが用意されている場合、「ホワイトペーパーのダウンロード」がコンバージョンだとしても、AとBのホワイトペーパーではその後の商談化率が違うということはよくありますよね。他にも、ECサイトでは商品の種類やカテゴリによって利益率が異なるということも少なくありません。
それぞれの発生件数が多ければ個別のコンバージョンとして計測するのもひとつですが、同じコンバージョンイベントであればまとめて計測したほうが、配信の最適化という視点ではデータが集まりやすいというメリットもあります。
このように相反するコンバージョン計測のニーズに応えるMeta広告の機能が「イベントパラメーター」です。
この記事では、Meta広告の複雑になりがちなコンバージョン計測に対応できる、イベントパラメーターの活用方法について解説していきます。
目次
Meta広告のイベントパラメーターとは?
イベントパラメーターを利用すると、Metaにユーザーが実行したイベントの情報を送信する際に、一緒に追加の情報を送信できます。これにより、たとえば「購入」の際に「購入価格」や「商品カテゴリ」といった、イベントのより詳しい情報を把握可能になります。
他にも次のような場面での利用が挙げられます。
- 複数のホワイトペーパーありそれぞれのダウンロード数が知りたい
- ECで商品カテゴリや商品ごとの購入数が知りたい
- 「会員登録」と「面談予約」のように登録完了の方法が複数用意されている
イベントごとに利用できるパラメーター
イベントには「標準イベント」と「カスタムイベント」の2種類が用意されています。標準イベントでは、それぞれイベントごとに利用できるパラメーターが細かく決められています。
それぞれの標準イベントごとに利用できるイベントパラメーターについては、こちらの記事あるいは以下の公式ページで確認してみてください。
一方、カスタムイベントでも多くのパラメーターが利用できます。しかしながら標準イベントにしか用意されていないものも多いため、目的に合うものがあれば標準イベントを優先的に利用するのをおすすめします。
パラメータ | 内容 |
---|---|
content_category | ページ/製品のカテゴリ |
content_ids | SKUなど、イベントに関連付けられた商品ID |
content_name | 商品名/コンテンツ名 |
content_type | 商品や商品グループ/コンテンツのタイプ |
contents | 商品IDと商品数/コンテンツ名 |
currency | 通貨パラメータ(日本円は’JPY’) |
num_items | チェックアウトが開始されたときのアイテム数 |
predicted_ltv | 商品の予測LTV |
search_string | 利用者が検索のために入力した文字列。 |
status | 登録のステータス |
value | 商品の価格/価値 |
イベントパラメーターの設定方法
それでは実際にイベントパラメーターの使い方をみていきましょう。
今回は例として、3種類あるホワイトペーパーのダウンロード数を計測する方法を説明します。
イベントコードにパラメータを追加する
ホワイトペーパーのダウンロード数を計測したいので、今回は標準イベント「Lead」を利用します。
「Lead」で使用できるパラメータは次の4種類です。
パラメータ | 内容 |
---|---|
content_category | ページ/製品のカテゴリ |
content_name | ページ/製品の名前 |
currency | 通貨パラメータ(日本円は’JPY’) |
value | 商品の価格 |
今回はホワイトペーパーごとに名前を識別したいので、「content_name」を使用します。
標準ベントコードとパラメータの記述例は次のとおりです。
fbq('track', 'Lead', {content_name: 'xxxxx'});
次に、同一イベントを識別するためのコードを作成します。
ここで決めたパラメータは、広告マネージャに表示されるカスタムコンバージョン名にもなるので、分かりやすい命名ルールにすることをおすすめします。また、今後ホワイトペーパーが増える可能性も踏まえて、数字やアルファベットなどの文字列を使用すると良いでしょう。例えば、ホワイトペーパーAは「whitepaper_a」、ホワイトペーパーBは「whitepaper_b」などです。
作成したコードは、次のように追加します。
ホワイトペーパーA
fbq('track', 'Lead', {
content_name: 'whitepaper_a'
});
ホワイトペーパーB
fbq('track', 'Lead', {
content_name: 'whitepaper_b'
});
ホワイトペーパーC
fbq('track', 'Lead', {
content_name: 'whitepaper_c'
});
イベントコードを設置する
先ほど作成したパラメーター付きの標準イベントコードをサイトに設置します。
サイトに直接コードを埋め込む場合は、こちらの記事を参考にしてください。
Google タグ マネージャー(GTM)でコードを設定する場合は、下記の記事をご覧ください。
カスタムコンバージョンを作成する
イベントコードの設定が完了したら、次はカスタムコンバージョンを作成します。
イベントマネージャを開き、コンバージョンを設定したいピクセルを選択します。
データソースの画面中央の「イベントを追加」をクリックし、「カスタムコンバージョン」を選択します。
カスタムコンバージョンの作成画面が出てきます。
「名前」は、後から見てもわかりやすい名称をつけましょう。「アクションソース」、今回は例として「ウェブサイト」を選択します。
「自分でカテゴリを選択する」をクリックする
「Metaが選んだカテゴリ(おすすめ)」をクリックすると標準イベントの一覧が表示されるので、「リード」を選択します。
ルールの「URL」は「Event Parameters」を選択します。
「Event Parameters」の右隣の欄に「content_name」を、「パラメータの値」にはイベントコードに付けたパラメータの文字列を入力します。
例)ホワイトペーパーAの場合は「whitepaper_a」
カスタムコンバージョンは、パラメータごとに作ります。
あとは広告マネージャの列タブから、表示項目をカスタマイズすれば管理画面でパラメータごとの数値を確認できます。
カスタムコンバージョンは実行されないと選択できない
カスタムコンバージョンは過去に1度でも実行(発火)されていないと、管理画面に表示されず選択できません。イベントコードを設定したら、必ずテストをしてから、カスタムコンバージョンを作成しましょう。タグの実行は広告経由でなくて問題ありません。
すでに標準イベントコードを設置している場合は削除を忘れずに
計測したいコンバージョンにすでに標準イベントコードを設置していて、新たにパラメータ付きの標準イベントを設定する場合は、注意が必要です。
新たに標準イベントコードを追加してしまうと、コンバージョン数が二重に計測されてしまいます。
計測したいコンバージョンにすでに標準イベントコードを設置している場合は、既存の標準イベントコードの削除を忘れずに行いましょう
まとめ
ECサイトであれば、購入数だけでなく購入金額や商品カテゴリなどの情報をあわせて送信することで、より詳しくイベントを計測できるのは想像しやすいですよね。
しかしながら、「Lead」であればリードの獲得方法やきっかけとなったコンテンツによって、売上への貢献度が変わるなどコンバージョンの価値も変わってきます。「value」でコンテンツごとに価値の違いを反映することで、コンバージョンごとに重み付けをした広告の最適化も可能となります。
広告主のサイトやアプリでのユーザー行動を活かしたMeta広告の配信が行いたいという場合には、イベントパラメーターを活用できないか、ぜひ検討してみてください。