Meta広告、エンゲージメントカスタムオーディエンスとは?種類や活用方法、注意点を解説

Meta広告、エンゲージメントカスタムオーディエンスとは?種類や活用方法、注意点を解説
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Facebookページのフォローや動画広告の再生をしたユーザー、Instagramの投稿にいいねをしたユーザーなど、Metaのサービス上のアクションを活かしたカスタムオーディエンスを作成できる機能があることをご存じですか?

自社のMetaのサービス上で何かしらのアクションをした人は、広告主の商品やサービスに興味を持っている可能性が高いと考えられます。エンゲージメントカスタムオーディエンスを活用してアプローチすることで、見込み顧客にアプローチが可能です。

この記事では、エンゲージメントカスタムオーディエンスの活用方法や種類、注意点を解説していきます。


エンゲージメントカスタムオーディエンスとは?

エンゲージメントカスタムオーディエンスとは、オーガニック投稿や動画広告にアクションをしたユーザーや、Instagramの投稿にいいねをしたユーザーなど、Metaのサービス上のアクションを活かしたカスタムオーディエンスを作成できる機能です。

たとえば、Instagramの動画広告を配信したとします。動画広告が配信されると、その動画を再生した人の行動データをMetaが収集します。収集したユーザーの行動履歴は「動画を10秒以上再生した人」など、一定以上の興味を示したオーディエンスをリスト化して、ターゲティングに活用できます。

このようにエンゲージメントカスタムオーディエンスを利用すれば、自社の商品やサービスに対して興味があるであろう人にアプローチが可能です。

利用できるエンゲージメントの種類

すべてのエンゲージメントをカスタムオーディエンスに設定できるわけではありません。FacebookやInstagramで利用している機能やオーガニック投稿の内容、広告配信メニューによって、カスタムオーディエンスに利用できるエンゲージメントは変わってきます。

メニューや機能別に利用できるエンゲージメントの種類は以下のとおりです。

動画

FacebookまたはInstagramのオーガニック動画や動画広告を再生した人にもとづくカスタムオーディエンスです。

  • あなたの動画を3秒以上再生した人
  • あなたの動画を10秒以上再生した人
  • 動画の再生を完了した人、もしくは15秒以上視聴した人の数
  • あなたの動画を25%まで再生した人
  • あなたの動画を50%まで再生した人
  • あなたの動画を75%まで再生した人
  • あなたの動画を95%まで再生した人

リード獲得フォーム

FacebookまたはInstagramでリード獲得広告(※)を利用しているアカウントであれば、フォームへのアクションにもとづくカスタムオーディエンスも作成可能です。

    • このフォームを開いた人
    • このフォームを開いたが、送信しなかった
    • フォームを開いて、送信した

※リード獲得広告とは、自社の商品やサービスを利用してくれそうな見込み顧客の情報(名前やメールアドレスなど)を獲得するための広告です。詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

インスタントエクスペリエンス

インスタントエクスペリエンス(※)を利用している場合のみ作成できるオーディエンスリストです。

    • People who opened this Instant Experience(このインスタントエクスペリエンスを開いた人々)
    • People who clicked any links in this Instant Experience(このインスタントエクスペリエンスでいずれかのリンクをクリックした人々)

※インスタントエクスペリエンスとは、FacebookとInstagramのモバイルアプリ向けに最適化された広告フォーマットです。詳しくは、こちらをご覧ください。

ARエクスペリエンス

ARエクスペリエンス(※)を活用しているアカウントであれば、FacebookまたはInstagramでARエクスペリエンスを開いた人からなるオーディエンスを作成できます。

    • このARエクスペリエンスを開いた人
    • このARエクスペリエンスでいずれかのリンクをクリックした人

※ARエクスペリエンスとは、商品やブランド、エフェクトをインタラクティブに体験できるARエフェクトを使用したインスタントエクスペリエンス(フルスクリーン表示されるモバイルに特化した広告フォーマット)です。

参考:拡張現実広告について|Meta ビジネスヘルプセンター

ショッピング

FacebookまたはInstagramでショッピング機能(※)を活用している場合、自社の商品やショップページ、ショップのコレクションに対してアクションをした人をもとにオーディエンスの作成が行えます。

    • 商品を見た
    • 商品を見てウェブサイトに移動した
    • 商品を保存した
    • ショップページを見た
    • ショップのコレクションを見た
    • カートに商品を追加した
    • いずれかの商品のチェックアウトを開始した
    • いずれかの商品を購入した

※ショッピング機能とは、FacebookやInstagram上に無料で開設できるオンラインショップです。詳細は、こちらの記事をご参考ください。

Instagramaアカウント

Instagramを活用していれば、Instagramのプロフィールや投稿、または広告にアクションを実行した人からなるオーディエンスも作成できます。

    • このプロアカウントをフォローし始めた人
    • このプロアカウントにアクションを実行したすべての人
    • このプロアカウントのプロフィールにアクセスしたすべての人
    • 投稿または広告でアクションを実行した
    • 投稿または広告を保存した

なお、Instagramアカウントにアクションをした人のリストを作成するには、Instagramのプロアカウントへの切り替えが必要です。Instagramプロアカウントとは、ビジネスでInstagramを利用するユーザー向けのアカウント設定です。プロアカウントにすると、Instagramアカウントへのアクションをカスタムオーディエンスに活用できます。

参考:プロアカウントについて | Instagramヘルプセンター

イベント

Facebookのイベント機能を利用している場合は、次のオーディエンスリストが作成できます。

    • 参加予定または興味ありと回答した人
    • 参加予定と回答した人
    • 興味ありと回答した人
    • イベントページを見た人
    • アクションを実行した人
    • チケット購入フローを実行した人
    • チケットを購入済みの人
    • チケット購入フローを中止した人

Facebookページ

Facebookページをフォローしている人またはページで何らかのアクションをした人からなるオーディエンスの作成が可能です。

    • ページに「いいね!」またはフォローしている
    • ページでアクションを実行したすべての人
    • ページにアクセスした人
    • 投稿または広告でアクションを実行した
    • コールトゥアクションボタンをクリックした
    • ページまたはいずれかの投稿を保存した

Facebook上の出品

FacebookやInstagramでカタログ(※)を利用してFacebook上に商品を出品している場合は、カタログから登録した商品に対してアクションした人のオーディエンスを作成できます。

    • カタログの商品を見た人
    • カタログの商品についてメッセージを送った人

※カタログとは、FacebookとInstagramで宣伝や販売する商品情報を保持して管理できる機能です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

エンゲージメントカスタムオーディエンスの活用方法

さまざまなエンゲージメントをもとにオーディエンスへ広告を配信できると施策の幅が広がりますよね。では実際にどのような活用方法が考えられるか見ていきましょう。

広告主のFacebookやInstagramにアクションをしたユーザーへ配信

ユーザー行動にもとづくターゲティング手法で代表的なのは、広告主のサイトを訪れたユーザーへのリターゲティング配信ですが、当然のことながらユーザーがサイトに訪れないと行えません。しかしながらSNSを利用しているとき、外部サイトへアクセスしたくないという方も多いのではないでしょうか。

エンゲージメントカスタムオーディエンスであれば、Webサイトへの訪問履歴を使用しなくてもMeta上のサービスに対するアクションにもとづく自社の商品やサービスに興味がある人にアプローチできます。

類似オーディエンスを作成して配信

エンゲージメントカスタムオーディエンスは、類似配信も可能です。

自社のFacebookやInstagramに何かしらのアクションを起こした人と、FacebookやInstagram内での行動が似ていたり、共通の特徴をもっていたりする新規ユーザーに広告を配信できます。

また、Meta広告のターゲティングは、登録したユーザーの性別や年齢、登録情報、趣味・関心などパーソナルな情報をもとに行うため、Meta広告の類似配信は、ターゲティング精度が高いと言われています。

参考:類似オーディエンスについて|Meta ビジネスヘルプセンター

Webサイトへの訪問履歴の類似配信を行ったうえで、さらに配信ユーザーを広げたい場合におすすめです。

類似オーディエンスについての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

お問い合わせや資料請求への引き上げ施策として活用

リード獲得広告を配信している場合は「フォームを開いたが、送信しなかった人」に再アプローチできるため、お問い合わせや資料請求への引き上げに活用できます。

フォーム到達はしたものの、お問い合わせや資料請求にまでは達していないユーザーにアプローチしたい場合は、積極的に活用したい機能です。

エンゲージメントカスタムオーディエンスの設定方法

ここからは、エンゲージメントカスタムオーディエンスの設定方法を解説します。

今回は例として、Facebookページの動画を再生した人にもとづくカスタムオーディエンスの設定手順を説明します。

広告マネージャーを開き、オーディエンス画面の「オーディエンスを作成」から、「カスタムオーディエンス」を選択します。

Meta Sourcesから、「動画」を選択します。

エンゲージメントで「あなたの動画を3秒以上再生した人」を選び、「動画を選択」をクリックします。

オーディエンスを作成したい「動画ソース」を選択します。今回は、Facebookページに投稿した動画にもとづくオーディエンスを作成したいので「Facebookページ」を指定し、対象の動画にチェックを入れ、「実行」をクリックします。

これでオーディエンスの作成に利用する動画の選択ができました。

次に、オーディエンスデータの有効期間(リテンション)を設定します。リテンションは、設定必須項目になります。

リテンションでは、何日前までのオーディエンスデータを蓄積するかを入力します。

リテンションの日数は、商品やサービスの購買サイクルに応じて決めれると良いでしょう。たとえば、購買サイクルの短い消耗品などであれば1〜30日間、購買サイクルの長い自動車などであれば、30〜180日間など、広告で取り扱う商品やサービスに合わせて決められるとよいですね。

最後にオーディエンス名を設定し、「オーディエンスを作成」をクリックで設定完了です。

エンゲージメントカスタムオーディエンスの注意点

せっかくエンゲージメントカスタムオーディエンスを設定しても、まったく配信が出ないのでは元も子もありません。利用する際には、次の点を事前に把握しておきましょう。

エンゲージメントが少ないと十分な配信ボリュームを出せない

エンゲージメントが少なくても利用すること自体は可能ですが、リーチできる人数が少なすぎると、十分な広告配信が行えません。さらにコンバージョンの獲得を目標としている場合、広告セット単位で最低限必要なコンバージョン数50件(7日間)を獲得できなければ、機械学習がうまく機能せず結果として配信量の減少につながります。

参考:情報収集期間に関するガイド|Meta

目標から逆算して、利用予定のエンゲージメントカスタムオーディエンスの推定リーチ数が最低限必要なコンバージョン数を獲得するのに十分か確認しておきましょう。

推定リーチ数は、広告セットでターゲティングの設定を行うと確認できます。

もし推定リーチ数が少ない場合は、対象とするエンゲージメントの追加や変更を検討してみると良いでしょう。あるいは、まず他のターゲティングによる配信を行った後に、エンゲージメントカスタムオーディエンスを利用しましょう。

動画にもとづくオーディエンスリスト作成時はリスト数に注意する

オーディエンスリストのもとになる動画が、オーガニック投稿した動画と、最初から広告マネージャにアップロードされていた動画とではオーディエンスのサイズの測り方が次のように違います。

オーディエンスリストのもとになる動画オーディエンスのサイズ
オーガニック投稿の動画動画の再生数(回数)
広告を作成するために(※)広告マネージャにアップロードした動画広告のリーチ数(人)

※動画ファイルが広告の作成中にアップロードされた場合は、その動画にもとづくリストのサイズは広告のリーチ数になります

参考:動画エンゲージメントカスタムオーディエンスを作成する|Meta ビジネスヘルプセンター

また、既存投稿の動画を使用して広告を作成し、その動画をもとに作成したオーディエンスリストのサイズはオーガニック投稿での再生数になります。そのため、広告で反応の良かった動画でオーディエンスリストを作成したら実は既存投稿の動画であまり表示されなかった、なんてことも。そうならないためにも、十分な配信ボリュームが出せる動画なのか、推定リース数を事前に確認しておくことをおすすめします。

広告セット間のオーディエンスの重複にも注意

エンゲージメントカスタムオーディエンスに限らずですが、Meta広告は複数の広告セットでオーディエンスの重複があると、パフォーマンスが最も高い広告以外は配信されません。

たとえば、「動画広告を10秒以上再生した人」と「購入した人」でそれぞれの類似オーディエンスを作成したとします。

基づくオーディエンスリストは異なりますが、何かしらの共通点を持っていることも考えられ、ターゲットの大部分が重複しているかもしれません。

もし「購入した人」の類似オーディエンスを利用している広告セットのパフォーマンスの方が高ければ、「動画広告を10秒以上再生した人」の類似オーディエンスを利用した広告セットは配信されない可能性があります。せっかく設定を進めたのに全く配信出なかったなんてことが起きないように、「購入した人」の類似オーディエンスを利用している広告セットから「動画広告を10秒以上再生した人」の類似オーディエンスを除外したり、、広告セットを統合するなどを行うと良いでしょう。

また、オーディエンスが重複した状態での配信を防ぐために、事前に広告マネージャの「オーディエンス」で、オーディエンスの重複度を確認しておきましょう。オーディエンスの重複度は、広告マネージャの「オーディエンス」より確認できます。

比較したいオーディエンスの横にあるボックスにチェックを入れ、「…」より「オーディエンスの重複を表示」を選択するとオーディエンスの重複度を確認できます。

参考:オーディエンスの重複について|Meta ビジネスヘルプセンター

まとめ

FacebookやInstagramのオーガニック投稿に注力していたり、広告へのエンゲージメントが多かったりする場合は、自社の商品やサービスに興味を持つユーザーのリストを簡単に作成できます。

作成したリストを利用し、類似のユーザーをターゲットにすることで、さらに新しいユーザーへのアプローチも可能です。ぜひ、エンゲージメントカスタムオーディエンスを用いたターゲティングも検討してみることをおすすめします。

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