広告にフォームが含まれる?モバイル時代の課題を乗り越える、Facebookリード獲得広告のキホン

モバイル時代の2つの課題

リード獲得とは、「自社の商品やサービスを利用してくれそうな見込み顧客の情報を獲得すること」を言います。ニュースレターへの登録や価格の見積もりのために、メールアドレスを電話番号といった情報をユーザーへリクエストし収集して、ビジネスの目的に興味や関心のある見込み顧客を獲得していきます。

今や多くの人が、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器でインターネットを利用しています。
総務省によると個人のスマートフォン保有率はここ3年ほどで50%を超え(※1)、その割合は年々増加傾向にあります。モバイル機器が常に手元にあることにより見込み顧客にアプローチできる機会は増えたものの、次のような問題も生じていました。

Facebookによるとモバイルでのフォーム入力時間はデスクトップと比較すると40%も長くかかり、入力途中での離脱も生じやすいとのこと。(※2)また、ウェブサイトの「読み込みの遅さ」も離脱の大きな原因となっています。これらの課題を解決し、効率よくリードを獲得していく手法としてリリースされたのが、Facebookリード獲得広告です。

参考:
※1平成28年通信利用動向調査の結果(PDF)

※2リード獲得広告: これまでの実績と改良点、そしてこれから

今回は、Facebookリード獲得広告の仕組みから設定方法、成果を上げるポイントをお伝えします。



Facebookリード獲得広告の仕組みとメリット


Facebookリード獲得広告では広告のクリックからフォームの送信完了までが、すべてFacebook内で完結するため、サイトに遷移する場合に比べ、即座に読み込まれるフォームはユーザー体験を良いものにします。広告を配信可能な配置は、現時点では「Facebookのフィード」と「Instagramのフィード」のみです。当初はモバイルのみ対応でしたが、現在ではデスクトップへも対応がされ配信が可能です。

また、フォームの一部の項目では、ユーザーのFacebookプロフィールの情報をもとにあらかじめ情報が入力されるため、スマートフォンの狭い画面での情報入力の煩わしさの軽減が図れます。通常WEBサイト上のフォームであれば項目を入力する手間がかかりますが、Facebookリード獲得広告においては、フォームがあらかじめ情報が入力されているタイプの質問のみで構成されている場合、ユーザーはフォームを開くための1回とフォームを送信するための1回、最短2タップでフォームを送信することが可能です。

※あくまで入力されるのみで、ユーザーの許可なく情報を取得することはありません。
※自動入力を利用できる項目は以下を参照ください。

参考:リード獲得広告にはどのような自動入力フィールドとコールトゥアクションボタンを使用できる? | Facebookヘルプセンター

Facebookリード獲得広告の設定方法

広告マネージャでも同様に設定できますが、今回はパワーエディタを利用して、Facebookリード獲得広告の専用キャンペーンを設定していきます。


1. [キャンペーン作成]をクリック後、キャンペーンの目的から[リード獲得]を選択します。


2. 初めてリード獲得広告を利用するアカウントの場合には、利用規約に同意する必要がありますので、「リード規約を確認」をクリックして確認を行います。


リード獲得広告利用規約を読み、「同意する」をクリックします。


3. 広告セットの作成を行い「広告」の階層で、 [リード獲得フォームを作成]をクリックします。


4. [新しいフォーム]を選択し、[次へ]をクリックします。


5. 設定タブから、[フォーム設定]を行います。

[フォームの言語]は[日本語]を選択します。
[シェア]は、目的に合わせて選択することができます。

[制限]を選択した場合は広告が配信されたユーザーのみフォームを閲覧、送信することができます。
[公開]を選択した場合、広告にシェアボタンが追加され、友達をタグ付けするかフォームをシェアすることで実際に広告が配信されたターゲットユーザー以外のユーザーもフォームを送信することができます。

使い分けとして想定されそうなのは、フォーム送信後割引チケットなどが入手できる広告の場合、[公開]を選択していればターゲットとなったユーザーが家族や友人にそれをおすすめする(広告をシェアする)というパターンなどですね。拡散されたくない場合は前者を、拡散されても良い場合は後者を選択します。なお、[公開]を選択し、ターゲットユーザー以外が送信したリードは、ダウンロードするCSVファイルには含まれますが、広告マネージャ上の数字には反映されません。


6. 設定タブから、[フィールドID]の設定を行います。

後述いたしますが、Facebookリード獲得広告はCRMツールと連携することが出来ます。
仮にCRMツールとの連携をしており、デフォルトの列名を変更したい場合には、 [フィールドID]から任意の項目へ列名を変更しましょう。


7. [ウェルカムスクリーン]を作成します。

ウェルカムスクリーンは省略することも可能ですが、作成することでユーザーに対して広告の目的や受け取れる特典を伝えることができるため、出来る限り作成することをお勧めします。


8. 次に[質問]を作成します。
デフォルトで用意されている項目は以下の通りで、この中から複数項目を選択可能です。


さらに、独自の情報を得たい場合には、短い回答・多肢選択式・条件付きのいずれかの形式でカスタムした質問を最大3つまで追加することが可能です。

  • 短い回答…質問のみ作成。質問に対して、選択肢はなく自由記入で回答する形式。
  • 多肢選択式…質問とそれに対する選択肢を作成。質問に対して、複数の選択肢から回答する形式。
  • 条件付き…前の質問に対する回答によって次の質問の選択肢が変わる形式。

例えば①Tシャツとスウェットシャツのどちらをお探しですか?という質問と②どの色をお探しですか?という二つの質問に対して、①でTシャツを選択した場合は②の選択肢が赤と黄色に、スウェットシャツを選択した場合は②の選択肢が緑と黒になるといった具合です。


9. 広告主の[プライバシーポリシー]を追加します。
リード獲得広告を作成するすべての広告主は、プライバシーポリシーを開示する必要があります。


10. 最後に[感謝スクリーン]の設定を行います。

フォームを送信してくれたユーザーをウェブサイトへ誘導することが可能です。

11.[完了]ボタンをクリックします。

以上で、Facebookリード獲得広告のキャンペーンからフォームの作成まで完了しました。一度完了ボタンをクリックしたフォームは再編集ができないため、編集する可能性がある場合は下書きとして保存しておきましょう。作成したフォームは別の広告作成時にそのまま利用することができます。

獲得したリードの取り扱い

Facebookリード獲得広告はCRMシステムと連携することで、リードを自動でダウンロードしたり、リアルタイムにアクションを行う(サンクスメールを送るなど)ことができます。ただ、必ずしもはじめからCRMツールを用いる必要はありません。まずはエクセルでアドレスや電話番号などをまとめるなど、できるところからはじめるのが良いでしょう。連携可能なCRMツールや連携方法などは下記のリンクをご参考ください。

参考:Facebookリード獲得広告をカスタマーシステムやCRMに統合するには? | Facebookヘルプセンター

CRMシステムやAPIによる自動化を利用していない場合、Facebookページよりリードを手動でダウンロードする必要があります。獲得したリードは90日間有効で、期間を過ぎたリード情報は一切ダウンロードができなくなるため、定期的に手動でダウンロードする必要があります。手動でダウンロードを行う場合には月に1回でよいのか、毎週、毎日行う必要があるのかは、クライアントや社内でよく検討し周期を決めましょう。

なお、リード情報をダウンロードできるのは、Facebookページの管理者(最上位)だけです。リードは多くの場合、見込み顧客の個人情報であるため、特に代理店の方、代理店に配信を依頼している方は取り扱いに注意が必要です。

Facebookページからリード情報をダウンロードする方法


1.Facebookページから[投稿ツール]をクリックします。


2.次に[リード獲得フォーム]をクリックします。

3.作成したリード一覧が表示されますので、ダウンロードしたいリードを選択してダウンロードをクリックします。

前回ダウンロードした後に新たに得たリードをダウンロードする場合は、[新規リードをダウンロード]を、特定の期間に得たリードをダウンロードしたい場合は、[期間を指定してダウンロード]をクリックします。

Facebookリード獲得広告で成果を上げるためのポイント

ウェルカムスクリーンで情報提供のメリットを伝える

ウェルカムスクリーンの設定は任意ですが、WEBサイトに遷移しない分、アクションまでにユーザーに与える事前の情報量は相対的に少なくなりがちです。自社の製品やサービスの説明をしたり、フォームを送信することでユーザーにとってどのようなメリットがあるのか、資料ダウンロード、サンプリング、特典チケットなどのインセンティブの内容をしっかりと伝えることで信頼を得ることに役立ちますので、設定しておくことをおすすめします。

フォームの項数は必要最小限にとどめる

先述いたしましたが、選択した質問に対する回答(名前や電話番号など)をユーザーがFacebookのプロフィールとして設定している場合は、あらかじめ項目が入力された状態でフォームが表示されます。一方、プロフィールに設定されていない項目はユーザーに手入力してもらう必要があるため、入力の煩わしさから離脱されてしまう可能性が高まります。例えばウェブサイトなど商品購入の際の登録フォームも同様ですが、色んな情報を得たいのをぐっとこらえて不必要な項目は極力削りましょう。

通常のリンク広告と比較する

例えば、ウェブサイトにもフォームを持っている場合、得られたリードはリード獲得広告のものとウェブサイトのフォームからのものではどちらの成果が高いでしょうか?

これまで述べてきたように、リード獲得広告は広告にフォームが含まれるため、ウェブサイトへ遷移せずともすぐさまリードの獲得に繋げられるメリットがあります。一方で、リード獲得広告から得られる情報量はウェブサイトに比べると少なくなってしまうのは避けられません。ウェブサイトで十分な情報を得てからのほうが、よりリード獲得につながりやすいケースもあります。

まずはターゲットや入札など、できるかぎり近い状況でリード獲得広告と通常のリンク広告とのテストを行うのをおすすめします。

リード獲得フォームにエンゲージメントした人のリストを活用する

1.左上のメニューより「オーディエンス」を選択します。

2.「オーディエンスの作成」から「カスタムオーディエンス」を選びます。

3.「Facebookでのエンゲージメント」をクリックします。

4.次に「リード獲得フォーム」を選択します。

以下の3つの条件からカスタムオーディエンスを

  • このフォームを開いた人
  • フォームを開いたが送信しなかった人
  • フォームを開いて送信した人

最長で過去90日までの期限を設けることが可能です。同一のフォームの広告配信を行うのであれば、「フォームを開いて送信した人」は除外しておくのがよいでしょう。

「フォームを開いたが送信しなかった人」向けに別の広告クリエイティブを見せたり、フォームを変えて広告配信をすることなどでも活用ができますね。

まとめ

リード獲得を目的とした広告配信は、最終的な目的となる購入などと比べると獲得数も多くなる場合が多く、運用者としては楽しいのですが、あくまで見込み顧客の獲得であり、ビジネスの最終的な目的でないことを忘れてはいけません。ビジネスの最終的な目標につなげるには、獲得後のリードナーチャリング(見込み顧客の育成)までをあらかじめ設計できていることが重要になります。

画期的なフォームと高いターゲティング精度を活用し、ユーザー体験を向上させつつ、コンバージョンまでの道筋を見据えてぜひ取り組んで見てくださいね。

Shigehiro Kaku

Shigehiro Kaku

アナグラム株式会社 クルー。大学在学中にリスティング広告に初めて出会い、その魅力に心を奪われる。その後、WEB集客を中心とした広告代理店に入社し、運用型広告のみならず、WEBディレクションや集客全般に関わるコンサルティング業務を経験。2016年にアナグラムに入社し、リスティング広告やFacebook広告のアカウント構築、運用、レポーティング等を行っております。