Metaリード獲得広告とは?特徴や設定方法、成果を上げるポイント

Metaリード獲得広告とは?特徴や設定方法、成果を上げるポイント

今や、スマートフォンをはじめとしたモバイル機器でのインターネット利用が当たり前となっています。Metaによると、モバイルでのフォーム入力時間はデスクトップと比較すると40%も長くかかり、入力途中での離脱も生じやすいそうです。また、ウェブサイトの「読み込みの遅さ」もフォーム離脱の大きな原因となっています。

参考:リード獲得広告: これまでの実績と改良点、そしてこれから|Meta for Business

これらの課題を解決し、効率よくリードを獲得していく手法の一つが、Metaリード獲得広告です。

今回は、Metaリード獲得広告の特徴から設定方法、成果を上げるポイントまでをお伝えします。


リード獲得広告とは?

リード獲得とは、自社の商品やサービスを利用してくれそうな見込み顧客の情報を獲得することをいいます。会員登録や見積もり依頼などの施策を用いて、名前・メールアドレス・電話番号などの連絡先情報を収集します。

参考:リード獲得広告について | Metaビジネスヘルプセンター

また、Metaのリード獲得広告が表示される場所は、下記の通りです。

  • Facebookフィード
  • Facebookストーリーズ
  • Facebookリール
  • Facebook検索結果
  • インスタント記事
  • インストリーム動画
  • Marketplace
  • Instagramフィード
  • Instagramストーリーズ
  • Instagramリール
  • Instagram発見タブ
  • Audience Network

Metaのリード獲得広告の特徴

ランディングページがなくてもリード獲得をはじめられる

Metaのリード獲得広告は、広告をクリックした先のFacebookやInstagram上のフォームで入力がすべて完結するため、ランディングページ(以下、LP)がなくてもすぐにリード獲得をはじめることができます。

フォーム入力の煩わしさの軽減を図れる

「定型の質問」を利用すれば、ユーザーのFacebookやInstagramのプロフィールに設定している情報をあらかじめ入力された状態でフォームが表示されます。そのため、ユーザーがフォーム入力時に感じる煩わしさの軽減を図れます。

「定型の質問」の自動入力を利用できる項目は以下のとおりです。

  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 住所
  • 市区町村
  • 都道府県
  • 郵便番号
  • フルネーム
  • 生年月日(※)
  • 性別
  • 既婚/未婚
  • 交際ステータス
  • 兵役経験
  • 役職
  • 職場の電話番号
  • 仕事用メールアドレス
  • 会社名

自動入力といっても、あくまで入力されるだけで、ユーザーの許可なく情報を取得することではありません。生年月日以外の情報は編集できます。ユーザーのFacebookやInstagramのプロフィールに情報がない場合は、手動入力で質問に回答するようメッセージが表示されます。

また、生年月日に関する質問がある場合、Instagram広告面には表示されないので注意しましょう。

参考:インスタントフォームで利用できる定型の質問 | Metaビジネスヘルプセンター

Metaのリード獲得広告の設定方法

では、リード獲得広告の設定方法を解説していきます。Meta Business Suite上からもリード獲得広告を作成できますが、この記事ではMeta広告マネージャから作成する手順を紹介します。

参考:Facebook Business Suiteからリード獲得広告を作成する|Metaビジネスヘルプセンター

広告マネージャを開き、[+作成]をクリックします。

キャンペーンの目的は[リード]にチェック入れて[次へ]をクリック。これでキャンペーンの作成は完了です。

コンバージョンの場所ごとの設定方法

次は広告セットの設定方法を解説します。

Metaのリード獲得広告では、リード獲得したい場所の選択によってこの後の設定が変わります。

  • ウェブサイト:ウェブ上でのコンバージョンを促進。ピクセルを設定する必要がある。
  • インスタントフォーム: FacebookやInstagramのフォームで、ユーザーに情報を入力しリードを獲得。ピクセルやウェブサイトの準備は不要。
  • Messenger::Messengerの自動の質問・回答フローにユーザーを誘導。
  • Instagram: メッセージの自動の質問・回答フローにユーザーを誘導。
  • 電話: 注文、問い合わせ、予約のための電話をユーザーに促す。
  • アプリ: アプリ内購入をユーザーに促す。Facebookでアプリを登録&モバイルアプリストアを選択する必要がある。

以下、コンバージョンの場所ごとに注意すべき設定内容を中心に説明していきます。

ウェブサイトとアプリ

リード獲得したい場所で「ウェブサイト」を選択した場合は[パフォーマンスの目標] [ピクセル]を設定、リード獲得をしたい場所「アプリ」を選択した場合は[パフォーマンスの目標] [モバイルアプリストア] [アプリ]を設定します。その他 [予算や掲載期間]など広告セットを設定し、広告を作成しましょう。

MessengerとInstagram

次に、リード獲得したい場所で「Facebook」や「Instagram」を選択した場合の設定です。

広告セット設定後、「広告」のメッセージテンプレートの項目で[フォームを作成]をクリックします。

「ウェルカムメッセージ」や「質問」を作成できます。質問で選択した回答によって次の質問に進むかどうかを設定できる仕組みです。

作成したチャットの保存後は再編集ができないため注意しましょう。また、作成したチャットは別の広告作成時にそのまま利用できます。

公開したフォームは再編集ができないため、編集する可能性がある場合は[下書きを保存]しておきましょう。また、作成したフォームは別の広告作成時にそのまま利用できます。

電話

次に、リード獲得したい場所で「電話」を選択した場合の設定です。

広告セット設定後、「広告」のリンク先の項目で[いますぐ電話]に問い合わせ先の電話番号を入力します。[折り返しをリクエスト]の「Messemgerで折り返しのリクエストを受け取る」にチェックを入れると広告にアクセスしたユーザーがすぐに電話できない場合、代わりにMessengerで折り返しをリクエストできます。

インスタントフォーム

最後は、リード獲得したい場所で「インスタントフォーム」を選択した場合の設定を解説します。

初めてリード獲得広告を利用するアカウントの場合、利用規約に同意する必要があるため、「Facebookページ」の項目にて[利用規約を確認]をクリックします。

リード獲得広告利用規約を読み、[同意する]をクリックします。広告セットでは、その他「予算や掲載期間」などを設定し、広告の作成に移ります。

ここからは、広告のフォームを作成していきます。

①「広告」のインスタントフォームの項目で [フォームを作成]をクリックします。

②「設定」タブを選択し、言語とシェアの範囲を設定します。

シェアの範囲は、目的に合わせて選択しましょう。

制限広告が配信されたユーザーのみフォームを閲覧、送信できます
公開広告にシェアボタンが追加され、友達をタグ付けするかフォームをシェアすること

で、広告が配信されたユーザー以外にもフォームを送信できます。

使い分けとしては、広告を拡散してもらいたい場合は、[公開]を選択します。たとえばフォーム送信後に割引チケットがもらえる広告を公開設定にしておけば、ターゲットとなったユーザーが家族や友人にその広告をおすすめできますよね。

なお、[公開]を選択した広告で獲得したターゲットユーザー以外が送信したリードは、広告マネージャ上の数字には反映されません。ただし、ダウンロードしたCSVファイルには含まれます。

詳しくは後述いたしますが、Metaリード獲得広告はCRM (顧客関係管理)ツールと連携することもできます。

仮にCRMツールとの連携をしており、デフォルトの列名を変更したい場合には、設定タブの [フィールド名]から任意変更できます。CRMツールと同じ列名に変更しておくことで、ユーザーがフォームに入力した情報をCRM上でも管理できるようになります。

③ コンテンツタブを開き、[フォーム名]を入力します。
④ [フォームタイプ]を選択します。

デフォルトは、[大量用]が選択されています。 [大量用]は、モバイルでのフォーム入力や送信が簡単にできるように設定されているため、[高い意向]よりはリードの数が大きくなります。

[高い意向]は、送信前の確認画面でユーザーに考える機会を与えるなどの設定があるため、「お問い合わせ」や「申し込み」に対する関心が低いユーザーからの送信を防げます。

[リッチクリエイティブ]は、[イントロ]の[ストーリーを構築]でビジネスに関してより詳しく設定できるため、広告以外でユーザーにより多くのビジネスの情報を提供できます。ただし、[リッチクリエイティブ]が配信されるのは、モバイルデバイスのFacebookアプリのみのため注意しましょう。

⑤ [イントロ]を作成します。省略することも可能ですが、作成することでユーザーに対して広告の目的や受け取れる特典を伝えることができるため、出来る限り作成することをおすすめします。

フォームタイプで[リッチクリエイティブ]を選ぶと、[ストーリーを構築]を設定できます。

しくみ:商品情報や登録方法などを順序立てて説明できる設定。

商品:画像を用いて商品情報などを説明できる設定。追加できるカード(画像)は最大5枚まで。

ソーシャルプルーフ:画像を用いてレビューやニュース記事を紹介できる設定。追加できるカード(画像)は最大5枚まで。

インセンティブ:ユーザーにとってメリットとなる情報などを伝えられる設定

⑥ [質問]を設定します。ユーザーのFacebookやInstagramのプロフィールに設定している情報を自動入力させたい場合は、[定型の質問]で設定します。

⑦ さらに独自の質問をしたい場合は、[カスタム質問]で設定します。[+質問を追加]をクリックから質問形式を選択します。カスタム質問は、最大3つまで追加できます。

多肢選択式:質問とそれに対する選択肢を作成。質問に対して、複数の選択肢から回答する形式

短い回答:質問のみ作成。質問に対して、選択肢はなく自由記入で回答する形式

条件付き:前の質問に対する回答によって次の質問の選択肢が変わる形式

たとえば、「①Tシャツとスウェットシャツのどちらを探していますか?」という質問での回答でTシャツを選択した場合は②の質問の選択肢が赤と黄色に、スウェットシャツを選択した場合は②の質問の選択肢が緑と黒になるという設定ができます。

予約リクエスト:ユーザーに「希望の日時」を回答してもらう形式。たとえば転職エージェントへのお問い合わせの場合、求職者が回答した時間帯に架電することで通電率の向上が見込めそうですね。

⑧ [プライバシー]を開きます。リード獲得広告を作成するすべての広告主は、プライバシーポリシーを開示する必要があるため必ず入力しましょう。

⑨ 最後に、[リード用メッセージ]でフォーム送信後に表示される画面を作成します。[リンク]より、フォームを送信してくれたユーザーをウェブサイトへ誘導することも可能です。

⑩ [公開]ボタンをクリックで、フォームの作成完了です。公開したフォームは再編集ができないため、編集する可能性がある場合は[下書きを保存]しておきましょう。また、作成したフォームは別の広告作成時にそのまま利用できます。

獲得したリードの取り扱い

Metaのリード獲得広告はCRMシステムと連携することで、リードを自動でダウンロードしたり、リアルタイムにアクションを行うこと(サンクスメールを送るなど)ができます。ただ、必ずしもはじめからCRMツールを用いる必要はありません。まずはエクセルでアドレスや電話番号などをまとめるなど、できるところからはじめるのが良いでしょう。連携可能なCRMツールや連携方法などは下記のリンクをご参考ください。

参考:リード獲得広告に利用可能なCRMシステム統合 | Metaビジネスヘルプセンター

CRMシステムやAPIによる自動化を利用していない場合、Meta Business Suiteより獲得したリードを手動でダウンロードする必要があります。獲得したリードは90日間有効です。期間を過ぎたリード情報は一切ダウンロードができなくなるため、定期的に手動でダウンロードする必要があります。手動でダウンロードを行う場合には月に1回でよいのか、毎週、毎日行う必要があるのかは、クライアントや社内でよく検討し周期を決めましょう。

なお、リード情報をダウンロードできるのは、Meta Business Suiteの管理者(最上位)だけです。リードは多くの場合、見込み顧客の個人情報であるため、特に代理店の方、代理店に配信を依頼している方は取り扱いに注意が必要です。

Meta Business Suiteからリード情報をダウンロードする方法

①Meta Business Suiteのメニューから[すべてのツール]をクリック。
② [インスタントフォーム]をクリックします。

③ 作成したフォーム一覧が表示されますので、フォームを選択してダウンロードします。

前回ダウンロードした後に新たに得たリードをダウンロードする場合は、[新規リードをダウンロード]を、特定の期間に得たリードをダウンロードしたい場合は、[期間を指定してダウンロード]をクリックします。

Metaリード獲得広告で成果を上げるためのポイント

Metaのリード獲得広告は、他の広告フォーマットとは毛色が異なります。以下のようなポイントを押さえることで成果につなげやすくなります。こちらのポイントは、多くのユーザーが使用するコンバージョンの場所「インスタントフォーム」を選択した場合の説明になります。

イントロで情報提供のメリットを伝える

イントロの設定は任意ですが、WEBサイトに遷移しない分、アクションまでにユーザーに与える事前の情報量は相対的に少なくなりがちです。自社の製品やサービスの説明をしたり、フォームを送信することでユーザーにとってどのようなメリットがあるのか、資料ダウンロード、サンプリング、特典チケットなどのインセンティブの内容をしっかりと伝えることで信頼を得ることに役立ちますので、フォームタイプ「リッチクリエイティブ」を選択し詳細に設定しておくことをおすすめします。

フォームの質問数は必要最小限にとどめる

「定型の質問」を利用すれば、質問に対する回答をユーザーがFacebookやInstagramのプロフィールに設定している場合は、あらかじめ項目が入力された状態でフォームが表示されます。

一方、プロフィールに設定されていない項目はユーザーに手入力してもらう必要があるため、入力の煩わしさから離脱されてしまう可能性が高まります。たとえばウェブサイトでの商品購入時の登録フォームも同様ですが、色んな情報を得たいのをぐっとこらえて不必要な項目は極力削ることが大事ですね。

通常のリンク広告と比較する

たとえば、ウェブサイトにもフォームを持っている場合、得られたリードはリード獲得広告のものとウェブサイトのフォームからのものではどちらの成果が高いでしょうか?

これまで述べてきたように、リード獲得広告は広告にフォームが含まれるため、ウェブサイトへ遷移せずともすぐさまリードの獲得につなげられるメリットがあります。

一方で、リード獲得広告から得られる情報量はウェブサイトに比べると少なくなってしまうのは避けられず、ウェブサイトで十分な情報を得てからのほうが、よりリード獲得につながりやすいケースもあります。

まずはターゲットや入札など、できるかぎり近い状況でリード獲得広告と通常のリンク広告とのテストを行うのをおすすめします。

適切なパフォーマンスの目標を選択する

Metaのリード獲得広告のパフォーマンスの目標は「リード数の最大化」と「コンバージョンリード数の最大化」の2つです。

「リード数の最大化」を選択すると、リード数を増やすことに最適化し、リードになる可能性が高いユーザーに広告が表示されます。

「コンバージョンリード数の最大化」はリードの質を高めることに最適化するため、顧客になる可能性の高いユーザーに広告を表示します。 最適化の対象は「クリック」「書き込み」「提出」の3つから選択でき、選択した指標を達成する可能性の高いユーザーに積極的に広告が配信されます。

Meta広告で最適化に最低限必要なイベント数は7日間で週50件を目安にして「リード数の最大化」か「コンバージョンリード数の最大化」かは適宜選択しましょう。

現状、初期値は「リード数の最大化」になっているため、「コンバージョンリード数の最大化」に設定したい場合は、広告セットの[編集]より「パフォーマンスの目標」で変更できます。

参考:リード獲得広告のパフォーマンスの目標について| Metaビジネスヘルプセンター 

リード獲得フォームにエンゲージメントした人のリストを活用する

広告マネージャーより[オーディエンス]を選択します。

② [オーディエンスを作成]から[カスタムオーディエンス]を選択します。

③  [リード獲得フォーム]を選択して[次へ]をクリックします。

以下3つの条件のカスタムオーディエンスを 最長で過去90日までの期限を設けることが可能です。

  • このフォームを開いた人
  • フォームを開いたが、送信しなかった人
  • フォームを開いて、送信した人

同一のフォームの広告配信を行うのであれば、「フォームを開いて、送信した人」は除外しておくのがよいでしょう。

「フォームを開いたが、送信しなかった人」向けに別の広告クリエイティブを見せたり、フォームを変えて広告配信をすることなどでも活用ができますね。

まとめ

リード獲得を目的とした広告配信は、最終的な目的となる購入などと比べると獲得数も多くなる場合が多く、運用者としては楽しいのですが、あくまで見込み顧客の獲得であり、ビジネスの最終的な目的でないことを忘れてはいけません。ビジネスの最終的な目標につなげるには、獲得後のリードの活用の仕方までをあらかじめ設計できていることが重要になります。

画期的なフォームと高いターゲティング精度を活用し、ユーザー体験を向上させつつ、コンバージョンまでの道筋を見据えてぜひ取り組んで見てくださいね。

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