Facebook広告「類似オーディエンス」とは?仕組みから作成方法、効果的な使い方

Facebook広告「類似オーディエンス」とは?仕組みから作成方法、効果的な使い方

ビジネスの成長には新たな顧客の獲得が不可欠ですよね。

EコマースやさまざまなBtoCサービス、はたまたBtoBにおいて広く活用されているFacebook広告(※)ですが、新規顧客の獲得にぜひ検討したいのが「類似オーディエンス(Lookalike Audiences)」です。

今回は、Facebook広告を利用した新規ユーザーへのアプローチには欠かせない、類似オーディエンスの仕組みから作成方法、効果的な使い方までご紹介します。

※現在、一部のヘルプなどでは「Meta広告」と名称が変更されていますが、この記事ではFacebook広告に統一します


Facebook広告の類似オーディエンスとは?

Facebook広告の類似オーディエンスとは、興味・関心や行動など既存顧客と似た特性を持ち、広告主のビジネスに魅力を感じるであろうユーザーへリーチを広げられる機能です。

類似オーディエンス作成には、ソースオーディエンス(ページのファンや作成済みのカスタムオーディエンス)を使用します。類似オーディエンスを活用することで、ソースオーディエンスと共通の興味関心を持つユーザーを探し出し広告を配信してくれます。

類似オーディエンスはどんな時に効果的?

類似オーディエンスは、まだターゲティングができていないFacebookユーザーに対しても広告配信がしたいけれど、既存顧客やFacebookページのファンと共通の特徴を持ち広告主のビジネスに興味を持ってくれる可能性が高いユーザーへアプローチしたい、といったケースが最も実用的で相性がいいでしょう。

指定したソースオーディエンスから自動的に類似すると判断されるFacebookユーザーに対してターゲティングができるので、実際に管理の手間もかからず、それでいて効果的です。

そして類似オーディエンスは一度作成されれば、 ソースオーディエンスを参照して3日~7日ごとに自動的にリスト更新がされます。

そのため、たとえばソースオーディエンスの年代層バランスなどの変化があった場合には、その傾向も加味して類似オーディエンスを変更してくれるのです。

また、Facebook広告のターゲティングは登録したユーザーの性別や年齢、登録情報、趣味・関心などパーソナルな情報をもとに行うので、正確な傾向があります。

そのため、Facebook広告の類似オーディエンスはターゲティング精度が高いと言われています。

類似オーディエンスの作成方法

それでは、類似オーディエンスの作成方法を解説します。

Facebook広告マネージャを開き、左のメニューバーから「すべてのツール」上部メニューの「ツール」から「オーディエンス」をクリックします。(「ショートカット」部分に表示されるメニューはユーザーによって異なります)

遷移後の画面で「オーディエンスを作成」をクリックし、「類似オーディエンス」をクリックします。

また、広告セット作成画面からも「新規作成」をクリックし、「類似オーディエンス」をクリックする方法もあります。

クリック後は上図のポップアップが表示されますので、「元となるデータ」、「国」、「サイズ」の3条件をそれぞれ選択後、「オーディエンスを作成」をクリックすれば類似オーディエンスの作成が完了します。(広告マネージャでの広告作成時にも類似オーディエンスを作成することができます。)

類似オーディエンス作成の際に指定する3条件について

類似オーディエンス作成において、作成時に指定する3つの条件が効果的なターゲティングの肝となります。

どのような条件が指定可能か詳細を見ていきましょう。

1.元となるデータ (ソースオーディエンス)

類似オーディエンスのソースオーディエンスを、下記のオーディエンス種から選択します。

  • 既存のオーディエンスまたはデータソース
  • 新しいソースを作成

多くの場合、この項目で事前に作成した既存のオーディエンスまたはデータソース(例:コンバージョンページURL指定のオーディエンスリスト、既存顧客の電話番号・メールアドレス指定のカスタムオーディエンスリスト)を指定します。Facebookページを指定した場合、そのページのファン(いいね!をしているユーザー)の類似オーディエンスが作成されます。

また、「新しいソースを作成」を選択することで類似オーディエンス作成画面からカスタムオーディエンスを作成し、それをソースオーディエンスに設定することもできます。

以下は、類似オーディエンスのソースオーディエンス(カスタムオーディエンス)候補の一例になります。

  • サービス申し込み完了、サービス利用者
  • メールアドレス登録者
  • 無料診断実行者
  • 動画再生者(動画再生95%以上)
  • Instagramアカウント
  • カスタマー(顧客のメールアドレスや電話番号)リスト

2.国

指定した国を居住地としている(または位置情報から滞在していると判断される)オーディエンスの中で、ソースオーディエンスを元に類似オーディエンスが作成されます。ソースオーディエンスの中に指定した国のオーディエンスが100人以上いなければ類似オーディエンスを作成することができません。海外にいる人々へ配信をする場合を除き、「日本(JP)」を指定します。

3.サイズ

1.と2.を元に類似度が高いと判断される上位1%~10%までのオーディエンスを範囲指定し、リスト作成が可能です。ここで抽出され配信対象となる類似オーディエンスの人数は、指定した範囲でそれぞれ固定化された人数であるため、人数を指定することは出来ません。

ちなみに、この人数は上記の「2.」で指定した国のFacebookユーザー数やその他の指標により異なります。

日本では大体、1%=48万、2%=96万、3%=143万、4%=191万、~、10%=477万人と、選択できるサイズが約48万~477万人の範囲です。他国の例を見てみますと、日本の人口の半分程しかいないタイでは、人口に対してのFacebookユーザー率が高いため、選択できるサイズは日本を上回る約69万~690万人と大きくなります。(※)

※2022年10月時点での管理画面上での数値

最も類似し信憑性が高いと判断されるオーディエンス作成を望むのであれば、1%サイズの類似オーディエンスを作成します。1%サイズで成果が良くさらにリーチを広げたい、という場合には2%、3%とサイズを広げて広告配信を拡大していくのがいいでしょう。

ソースオーディエンス次第ですが、2%以上のサイズとなると精度が低くなるケースもあるので注意が必要です。

類似オーディエンスを広告のターゲティングに使用する

作成した類似オーディエンスを広告セットのターゲット設定で利用する方法ですが、設定画面最上部の「カスタムオーディエンス」欄にて指定するのみで、後は通常通り広告セット設定を確定すれば完了です。

1つの広告セットで複数の類似オーディエンスを同時に設定することもできます。その場合は、選択した類似オーディエンスのいずれかに属している人がターゲティングされます。

上図のように類似オーディエンスを指定した上で、年齢や性別も指定してオーディエンスを狭めることも可能です。しかし、ターゲットリーチを絞り過ぎないことをおすすめします。

以上で、Facebook広告の類似オーディエンスの作成からターゲティングへの設定が完了です。

類似オーディエンスを利用する際の注意点

自動的にビジネスに興味を持ってくれる可能性の高いユーザーへターゲティングできる類似オーディエンスの機能ですが、一方で利用する際には注意点もあります。

  • 類似オーディエンスはソースオーディエンスが100人以上でなければ作成することができない

一定規模のソースがないと共通する特性が把握できないため、ソースオーディエンスには最低100人が必要とされています。

また、一定数まではソースオーディエンスが多ければ多いほど、作成される類似オーディエンスの精度が高まります。媒体は1000~5000人のソースオーディエンスを推奨しています。

ただし、ソースオーディエンスが大きければいいわけではありません。例えば、目標によっては、顧客全員を含むオーディエンスよりも、優良顧客で構成されたオーディエンスを使用するほうが良い結果を得られる場合もあります。

  • 自動生成はされず、自ら作成する必要がある

特定のユーザー(オーディエンス)リスト作成後に自動的に作成はされることはなく、自らソースオーディエンスを指定することで作成が可能です。

  • 作成済みのコンバージョンピクセルから作成した場合は、ソースオーディエンスに含まれる人々は除外されない

通常、類似オーディエンスにはソースオーディエンスに含まれる人々は除外されます。しかし、作成済みのコンバージョンピクセルから類似オーディエンスを作成した場合は、ソースオーディエンスに含まれる人々は除外されません。そのため、ソースオーディエンスに対して広告を配信したくない場合は、配信対象からソースオーディエンスを除外する必要があります。

  • 1つのソースオーディエンスから作成できる類似オーディエンスは最大で500種類まで
  • 新しく類似オーディエンスを作成する場合、作成されるまでに6〜24時間かかる場合がある
  • 類似オーディエンスには広告セットの地域が使用され、その地域のユーザーのみが含まれる

ソースオーディエンスの属性が似ているほど高い成果が望める一方で、極端に少ないソースでは類似性が見いだせず、リストを作成することすらできないことには特に注意したいですね。

最後に

Facebook広告の類似オーディエンスはFacebookユーザーの正確な登録情報が前提でターゲティング精度が高いため、他の媒体以上に恩恵を得られる場面が多いと思います。

Facebook広告の類似オーディエンス配信の中でも、すでに商品を購入済みの方など既存顧客に類似する人々へのリーチはおすすめです。既存顧客のオーディエンスデータが十分にあるならば、ぜひお試しください。

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