検索語句のニーズの汲み取り方と検索語句に隠されたウラの意図

検索語句のニーズの汲み取り方と検索語句に隠されたウラの意図
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「この検索語句で検索する(した)人はどんなことを思って検索したんだろう?」

検索連動型広告の運用者は常にこんなことを考えています。検索連動型広告はユーザーの検索結果画面に広告が表示されます。そのため、 ユーザーが何を思って検索しているのか、検索の意図やニーズを把握することはとても大事です。

これは極端な例ですが、「お中元」と検索する人は何を贈ろうかと考えている人だけではなく、お中元の起源であったり、時期だったり、マナーについて調べている人も多く含まれます。それらを加味すれば、「お中元」というキーワードを完全一致で高額入札してしまったとしたら大損害になりかねませんよね。そこで今回は検索語句からユーザーが何を思っているか、どんな意図で検索しているか把握する方法を紹介します。本記事は以下の検索語句を例にしてユーザーニーズは何なのか?を汲み取っていきたいと思います。


自然検索上位ページから読み取る

基本思想として、検索エンジンは検索ユーザーの役に立つことを目的としているので、その検索結果もなるべくユーザーの検索意図に沿った結果を出すように作られています。したがって、検索結果を見ることによって検索ユーザーの検索意図が読み取れることが多いです。

今回の「プリンター 故障」の検索結果は、「プリンターメーカーのサポートページ」、「プリンターが故障したんだけどどうしよう?といったQ&Aサイトページ」、「プリンターの故障原因や寿命の期間について書かれている記事コンテンツ」などが上位を占めています。

ここから検索ユーザーはプリンターの故障時にどうしたらいいか知りたかったり、同じ悩みを持った人の情報が欲しかったり、プリンターの故障の原因はなにか知りたかったりすることがわかります。

※自然検索の結果は、直近の検索行動によってパーソナライズドされる傾向にありますので、シークレットモードなどを活用して確認するのがベターです。

ここでわかったこと

検索ユーザーは、「プリンターが故障したのでどうしたらいいか知りたい」、「プリンターが故障した人ときどうしたかの情報が知りたい」、「プリンターの故障の原因が知りたい」といった状況に陥っていることが多いと言えます。

サジェストから読み取る

サジェストワードで予測され出てくるキーワードはユーザーのニーズが含まれているワードのことが多いです。今回は以下のようなサジェストキーワードがでてきました。

  • 「プリンター 故障 原因」
  • 「プリンター 故障 買取」
  • 「プリンター 故障 エプソン」

ここから検索ユーザーは、プリンターの故障した原因を知りたかったり、故障したプリンターを買い取って欲しかったり、エプソンのプリンターが故障したんだけどどうしたらいいか知りたかったりすることがわかります。

goodkeyword などのキーワードツールなどで、さらに多くの関連キーワードを洗い出すとより検索ユーザーのニーズが分かるかもしれません。

ここでわかったこと

検索ユーザーは、「プリンターが故障した原因が知りたい」、「プリンターが故障したので買い取ってほしい」、「エプソンのプリンターが故障したんだけどどうしよう」といった状況になっていることが多いと言えます。

検索ボリュームから読み取る

検索ボリュームは例外もありますが、概ねその検索ユーザーの顕在化しているニーズの大きさに比例すると考えていいかと思います。

検索ボリュームの大きい検索語句はその分ユーザーの顕在化しているニーズも大きくなります。今回は「プリンター 故障」を先ほど紹介した goodkeyword に入れて出てきた関連キーワードすべてをGoogle アドワーズのキーワードプランナーを使って検索ボリュームを確認しました。

参考:9つの機能が追加されたGoogleアドワーズのキーワードプランナー、その新機能解説と使用方法

結果、「プリンター 故障 原因」が検索ボリューム110と最もボリュームが大きく、次いで「プリンター 故障買取」で検索ボリューム50と大きい検索語句になっています。ここから「プリンターが故障した原因が知りたい」というユーザーが多いことが分かります。

ここでわかったこと

検索ユーザーは「プリンターが故障した原因が知りたい」という割合が多いと言えます。

共起語から読み取る

共起語とはある言葉と共に使われることの多い言葉のことを指します。共起語にはサジェストワードや関連キーワードツールでも洗い出せない関連キーワードが潜んでいる可能性がありますので、共起語検索調査ツールなどを使って一度チェックしてみてもいいでしょう。

今回は「リセット」、「ヘッド」、「エラー」、「手順」などのプリンターが故障した際の原因確認や、自分で修理する方法などを紹介するコンテンツに使われるような言葉が上位に現れています。

ここでわかったこと

「プリンターが故障した時の原因確認」や「故障したときの対処法」が自然検索で上位表示されているコンテンツらしい。


以上からここまでの話を総合すると、「プリンター 故障」で検索したユーザーは「プリンターが故障してしまったので、自分で故障の原因を把握してどのようにしたら直せるのかが知りたい」というユーザーが一番多いのではと仮説立てることができます。

「プリンター 故障」のウラの検索意図とは?

ここまでは「プリンター 故障」で検索したユーザーのオモテのニーズです。検索連動型広告の広告運用者としてはもう一歩先の検索ユーザーの「ウラ」の検索意図にも気づきたいところです。

今回の検索語句「プリンター 故障」ではオモテ向きの検索意図は「プリンターが故障してしまったので、自分で故障の原因を把握してどのようにしたら直せるのかが知りたい」というものでした。ではこの検索語句のウラの検索意図とはなんでしょうか。それを暴いていきたいと思います。

「この検索ユーザーはなぜプリンターを修理したいのでしょうか?」

この疑問を持つことが、ウラの検索意図を読み取るために必要な疑問です。

この検索ユーザーはプリンターが故障して困っていますが、なぜ困っているのかを考えたとき、「プリンターが故障してしまい印刷(またはコピー)ができなくなってしまったから困っていると考えることができます。

つまり、「プリンター 故障」と検索したユーザーのウラの検索意図は「印刷(またはコピー)したい」ということになります。

ここでわかったこと

検索ユーザーは「印刷(またはコピー)をしたい」

検索のウラの意図を理解することでできること

「プリンター 故障」=「印刷(またはコピー)がしたい」という点に着目すると、実はこのユーザーに対しては「印刷(コピー)サービス」と言ったビジネスがアプローチできるということがわかります。

さらに、このケースではそのニーズが緊急かそうでないかでユーザーのニーズを満たせるサービスが異なるということが想像できます。

緊急性が高い場合

写真であれば写真店や電器店のセルフを含むプリントサービスや、コンビニプリントなどで代用ができるはずです。対して大量の書類や名詞などビジネスドキュメントの印刷などですと、前述のサービスでは満たせませない場合もあるので、オンデマンド印刷ができる印刷所やサービスショップにデータを持ち込むということで解決が図れそうです。こういったビジネスは広告によるアプローチができそうですね。

緊急性が低い場合

年賀状や転居(移転)のお知らせと言ったハガキ印刷など緊急性は低いものがこれに当たります。

このような場合、オンライン印刷サービスなどはユーザーのニーズを満たすことができるでしょう。一見、プリンターの修理や新規購入しても良さそうに見えますが、プリンターを使う頻度によっては印刷サービスに全て任せたほうがお得なケースもあるので、このようなビジネスも広告によるアプローチができそうです。

これは余談ですが、プリンターは年末の年賀状印刷ぐらいにしか使わない場合を考えてみます。年賀状印刷は写真を使ったり絵柄をカラフルにしたりする分、インクの消費が思うより早くなったりするケースも少なくありません。それにインクの価格も安くないので、プリンターを購入してもインクに掛かるランニングコストが高く付くような場合は、オンライン印刷サービスにまかせてしまったほうが1枚あたりの印刷単価を抑えられるケースも少なくありません。それに、仕上がりも家庭用プリンターよりキレイです。

ウラの意図と広告とのミスマッチは戦術でカバーする

前述の例では緊急性で求められるビジネスが異なる例を紹介しました。確かに「プリンター 故障」だけでは緊急性をうかがい知ることは困難です。そんなときこそ、広告表示オプションや検索広告向けリマーケティング(以下、RLSA)、YDNのサーチターゲティングなどを活用しましょう。

サイトリンク・クイックリンクオプション

広告表示オプションの1つであるサイトリンクやクイックリンクは任意のページに誘導することが可能ですので、広告文の訴求と意図がずれていた場合でも、サイトリンク側でその他任意のページに誘導できます。

参考記事:サービスによって使い分けろ!Googleアドワーズ広告表示オプションのスベテ

検索広告向けリマーケティング(RLSA)

RLSAではサイトに訪問したユーザーに絞って広告を表示できるので、訪問ユーザーにだけ「プリンター 故障」やプリンターの型番などキーワードを設定したり、動的検索広告と組み合わせたりするのも効果が見込めます。

参考記事:「どのキーワードに出す?」から「誰に出す?」で大きく成果が変わる、検索広告向けリマーケティング(RLSA)の解説と設定方法

YDNサーチターゲティング

サーチターゲティングは検索連動型広告を避けがちなユーザーに対して、検索語句をトリガーにコンテンツ向け広告でアプローチできるので機会損失を防げます。

参考記事:YDN、サーチターゲティングの仕組みと設定、考え方までのスベテ

そのほか出来そうなこと

都市圏においてビジネスアワーであれば会社のプリンターが故障していて、平日夜間帯や休日であれば家庭用のプリンターが故障しているケースが多いのではないかと推察も出来ますので、ターゲットによっては時間帯配信やエリアの絞り込みなどを行っても良いでしょう。

最後に

検索連動型広告の運用者は検索語句に対して「検索ユーザーはなぜこの検索をしているのか?」と考えることが重要です。その上で、オモテ向きの検索意図はもちろんですがウラの検索意図まで考えることができれば、広告運用者としての幅が広がっていきます。

このように検索意図のウラ=検索目的の本質まで考えられるようになると、ビジネスを広げるチャンスも生み出せるようになりますので、この考えは常に頭の中に持っておきたいですね。

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