Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)、サーチターゲティングの仕組みと設定、考え方まで

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)、サーチターゲティングの仕組みと設定、考え方まで
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※2022年3月29日最新の情報に更新

Yahoo!広告のディスプレイ広告(以下YDA)で利用できる配信手法の1つであるサーチキーワードターゲティング(以下サーチターゲティング)は、ユーザーの検索履歴がトリガーとなり広告配信を行えるターゲティングです。ユーザーの検索語句の履歴を利用するため、精度の高いターゲティングが可能です。その検索語句での検索結果に表示された検索広告をクリックしなかったユーザーにも広告を配信できるため、上手く使いこなせば、ビジネスを大きく加速させられることでしょう。

今回はこのYDAのサーチターゲティングの仕組みと設定、考え方をご紹介します。


YDAサーチターゲティングとは?

Yahoo! JAPANで検索を行った際にユーザーが使った検索語句の履歴を利用してターゲティングを行う機能です。

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サーチターゲティングで広告の配信対象として設定したキーワード(サーチキーワード)と、あるユーザーが過去に検索に使った検索語句がマッチングされた場合に、広告が配信されます。

サーチターゲティングは、リーチ数などをもとにシステムで自動抽出され候補から選択する必要があるため、あらゆる検索語句を自由に設定できるわけではありません。

ただし、広告の配信対象となるサーチキーワードは随時更新され、以前は無かったサーチキーワードがいつの間にか追加されていることも少なくありませんので定期的なチェックをおすすめします。

サーチターゲティングを実施するメリット

サーチターゲティングには以下のメリットがあります。導入を検討する際の参考にしてみてください。

検索広告(YSA)と同じようにキーワード単位でディスプレイ広告を配信できる

確度の高いキーワードに対して検索のみではなくディスプレイ面でも広告表示が可能です。検索広告に加えて、ディスプレイ面でも同じ語句を検索するユーザーに広告を表示することができ、成果につながる可能性が上がります。

検索広告でクリックに至らなかったユーザーに広告を表示させることができるのもメリットの1つです。検索広告では広告表示されない場合や表示されてもクリックされない場合も考えられるので、検索広告とセットで配信すると顕在的ユーザーに多くアプローチできます。

潜在ニーズのあるユーザーに出稿できる

ターゲットとなるユーザーの人物像からキーワード候補を広げて潜在ニーズのありそうなユーザーに配信ができます。

たとえば、スーツやネクタイを販売する際、「就職活動をする人は、スーツやネクタイを探す可能性が高い」と連想でき、サーチキーワードに「就活」を登録することで、より配信範囲が広がります。

サーチターゲティングの設定方法

サーチターゲティングの管理画面設定方法を説明していきます。

1.サーチキーワードリストの作成

①広告管理ツール右上にあるスパナの形をしているアイコン「ツール」をクリック

②「共有ライブラリー」内の「サーチキーワードリスト」をクリック

③「+サーチキーワードリスト作成」をクリック

④[サーチキーワードリスト名]にわかりやすい名前を入力

⑤[サーチキーワードリストの説明]も後から分かる説明を入力※任意

⑥検索履歴の有効期間、サーチキーワードの検索回数をそれぞれ選択

⑦サーチキーワード候補の中から配信対象とするものを選択

最後に[作成]ボタンを押せば完了です。

キーワードまたはURLで検索して提示されるサーチキーワード候補は、すべてがビジネスの目的に合致しているものとは限りませんので、精査したうえで配信の対象とするサーチキーワードを選択しましょう。

2.キャンペーンを作成とターゲティング設定

①[+キャンペーン作成]をクリックし、それぞれ見合ったキャンペーン目的を選択します。[コンバージョン]、[アプリ訴求]、[サイト誘導]、[動画再生]、[ブランド認知]の中から選びます。

ページ下部[広告を配信するユーザー]内にあるサーチキーワードの、[サーチキーワードリストを指定して配信]を選択します。

※ひとつの広告グループには最大10個のキーワードリストの指定が可能です。

あとはその他のYDA同様に広告を作成すれば設定完了です。

3.既存のキャンペーンにサーチキーワードリストを紐付ける

メニューバーの[サーチキーワード]を選択し、[編集]をクリックします。

あとは該当のキャンペーンと該当のサーチリストを選択して終了です。

サーチターゲティングで検討しておきたい3つの設定

次にサーチターゲティングの成果をさらに高めるために検討しておきたい3つの設定を紹介します。

①有効期間の指定

サーチキーワードリストごとに、過去1日以内、3日以内、7日以内、14日以内、30日以内から選択して有効期間の指定が可能です。キーワードにより直近で興味関心を持って検索したユーザーに絞って広告を配信することができます。たとえば、「ホテル」というキーワードでは検討時間がある程度長くなる傾向が考えられるので14日や30日などを設定したほうがよいのではと、検索期間を区別できますね。

②検索回数の指定

検索回数を1回以上、2回以上、3回以上から選択可能です。2回・3回以上検索をした、何度も同様のキーワードを検索しているなど、興味関心の度合が高いであろうユーザーに絞って広告を配信することができます。なお、サーチキーワードリストごとに設定が可能です。

③キーワード選定機能で自動的にキーワードを選定

入力したURLをもとに、広告配信に使用できる「サーチキーワード候補」を検索できる機能です。

なかでも特に①の機能によるインパクトは大きいです。検索してからコンバージョンするまでの意思決定が早い商材やサービスでは有効期間の設定に注意したいですね。

この3つの機能を活用することで、よりニーズの高いであろうユーザーへ積極的にアプローチすることが可能です。

サーチターゲティングを成功に導くために必要な5つのこと

ここからはサーチターゲティングを運用成功させるために頭に入れておきたい5つのことを説明します。

1.サーチターゲティングと検索広告との違いを知る

サーチターゲティングは、高い費用対効果を誇る検索広告と同じく検索語句がトリガーになっているため、ユーザーの顕在化したニーズを捉えやすいターゲティングです。

ただし広告が表示されるのは検索直後ではない点に注意が必要です。サーチキーワードリストの「検索履歴の有効期間」と「サーチキーワードの検索回数」は、検索後からコンバージョンに至るであろう期間や行動を十分に把握し適切に設定することが重要です。

2.連想ゲームでサーチキーワードを漏れなく洗い出す

サーチターゲティングと検索広告では、広告表示のタイミングが異なるため、設定するキーワードの役割も異なります。

  • サーチターゲティング:見込み客が普段の生活で検索していそうな語句をターゲティングし、ユーザーのありそうなニーズに応えること
  • 検索広告:検索語句をターゲティングし、ユーザーが検索したその時のニーズに応えること

繰り返しになりますが、検索広告ではユーザーの検索直後に広告が表示されるため、検索語句から読み取れるニーズにダイレクトに答える広告を掲載できます。そのため、検索語句への直接の答えとなる広告を配信するのが正解となるケースが多いです。しかし、サーチターゲティングは実際に広告が配信されるのは、ユーザーがYDAの広告が配信されるウェブサイトを訪れた別の機会です。

そのため、設定するサーチキーワードの対象となるのは必ずしもユーザーの顕在化している検索語句を対象としたものでなくとも構いません。むしろ通常の検索広告ではとらえられないユーザーへもリーチするために「見込み客が普段の生活で検索していそうな語句」を想像し、ターゲットを見つけることが重要なのです。

それでは、「見込み客が普段の生活で検索していそうな語句」はどうやって考えればいいのでしょうか?そのためには、例えば顧客が「なぜその商品を購入したのか」、「他にどのようなことに興味を持って日常的に検索を行っているのか」をよく想像しながら、連想ゲームをしてみることが有効です。たとえば、ウォーターサーバーの申し込みを目的に広告を出す場合を考えてみましょう。以下のような連想ができるかもしれません。

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このうち「赤ちゃん子育て中」という連想から、さらにキーワードを連想してみましょう。

「粉ミルク」と検索したユーザーは、毎晩3時間おきに沸かしたお湯を人肌に冷まして…の授乳を繰り返し疲れ切っているかもしれません。そんなとき、欲しいと思ったときにお湯やお水がすぐに出せる赤ちゃんに最適なウォーターサーバーの広告を目にしたらどうでしょう。

このように、ウォーターサーバーの「見込み顧客が普段の生活で検索していそうな語句」を探し当てることで潜在的なニーズを探し当てることもできますよね。まずは連想ゲームを、パワーポイントなどにマインドマップを描いて思いつく限りやってみましょう。登録するべきサーチキーワードが見えてきますよ。

3.ビジネスインパクトのある配信になるように、サーチキーワードを選び出す

サーチキーワードを選ぶ際には、ビジネスインパクトが出るようにまとまった配信ボリュームがあるかを意識すると良いでしょう。

検索広告では、検索数は多いものの検索意図が曖昧な、いわゆるビッグワードで費用対効果が合わないことも少なくありませんが、サーチターゲティングにおけるビッグワードは検索履歴という確かなデータをもとにニーズが顕在化したユーザーたちへ広くアプローチができるという強力な価値があります。

ただ、ニーズが顕在化しているユーザーに違いはありませんが、検索履歴の有効期間内での態度変容の度合いはユーザーにより異なり、より目的が明確なサーチキーワードの検索履歴をもつユーザーに比べ費用対効果が低くなることは想像に難くありませんので、まずは低い入札単価から始めてみることをおすすめします。

4.サーチターゲティング×他のターゲティングとの掛け合せでトライしてみる

もし商材の利用ユーザー層が絞れているときは、サーチターゲティングと他のターゲティングとを掛け合わせてコンバージョンの見込みの高いユーザーに絞ってしまうのは有効です。

「サーチターゲティング」×「デバイス:スマートフォン」 「サーチターゲティング」×「性別:女性」 「サーチターゲティング」×「年齢:25~29歳」など…

サーチターゲティングをそのまま配信しても費用対効果が合わないけれど、「性別:女性」との掛け合わせだと費用対効果が合うなど、掛け合わせのターゲティングのチューニングが撤退の分水嶺になるケースも少なくありません。サーチターゲティングは軌道に乗りさえすれば伸び幅は大きいので、ぜひ掛け合わせのターゲティングも合わせてねばり強く仮説検証を行うことをおすすめします。

5.いろいろなクリエイティブを検証する

検索広告ではキーワードを含む広告文が有効なケースが多いですが、サーチターゲティングでは必ずしも有効ではありません。

サーチターゲティングの広告が配信されるのは、検索直後ではなくYahoo!ニュースなどのコンテンツを見ている別の機会に配信されるため、ユーザーは別のことに興味が向いている可能性が高く、必ずしも過去検索したことに注意が向くとは限りません。ユーザーが別のことを考えているときに、ふと興味を持ってクリックして買ってくれるような魅力的な広告を見つけ出すことが、サーチターゲティングの成功には不可欠です。どんどん広告を考えてABテストを回し、効果の高い広告を見つけ出しましょう。

まとめ

サーチターゲティングは、検索語句をトリガーとして配信できる強力なターゲティングで、他のターゲティングにはない価値と使い方によっては大きな可能性があります。

しかし、「見込み顧客が普段の生活で検索していそうな語句」を連想するのは大変ですし、その中から使用できるサーチキーワード候補を探してリストを作成するのも簡単だとは言えません。ただ、考えることが多く難しそう、などの理由ではじめから敬遠してしまうのは非常にもったいないですよね。

皆様のアカウントにおかれてもぜひ、見込み顧客の普段の生活を頭をひねって想像しながら、サーチターゲティングに取り組んでみていただけると幸いです。

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