Google広告、検索広告に除外キーワードのマッチングとブランドキーワードのコントロール性向上に関するアップデートを発表

Google広告、検索広告に除外キーワードのマッチングとブランドキーワードのコントロール性向上に関するアップデートを発表

Google広告は、2024年6月26日に検索広告の除外キーワードのマッチングとブランドキーワードのコントロールに関するアップデートが発表されました。

除外したい検索語句の誤字などへの意図しない広告の配信に悩まされていた広告運用者は確認しておくのがおすすめです。また、ブランドキーワードのコントロールも対象キャンペーンが広がりより利用しやすくなりました。

参考:Maximize performance on Search with updates to query matching - Google Ads Help

それではどのようなアップデートなのか、詳細を見ていきましょう。


1. スペルミスも除外キーワードのマッチング対象に

これまで、広告主はスペルミスごとに個別の除外キーワードを追加する必要がありました。新機能では、正しいスペルの除外キーワードを1つ追加するだけで、そのキーワードのすべてのスペルミスによるバリエーションも除外されるようになりました。

既存の除外キーワードリストからスペルミスを削除し、アカウントをさらに整理するのがおすすめです。

※余談ですが、紹介されていた「YouTube」について、150万種類以上のスペルミスのバリエーションがあるのは驚きです

2. 検索語句レポートの強化:スペルミスも集計対象に

これまで、スペルミスを含む多くの検索語句は、プライバシー基準を満たさないため検索語句レポートに表示されませんでした。新機能では、スペルミスを含む検索語句が正しいスペルとともに集計されて報告されるようになりました。この更新により、平均して9%多くの検索語句が「その他」カテゴリから可視化されるとのこと。

この改善により、広告主はより包括的な検索傾向データにアクセスできるようになり、キャンペーン最適化の精度が大幅に向上します。これは、より正確なキーワード戦略の立案や、ユーザーの検索行動の深い理解につながるでしょう。

3. 部分一致キャンペーンにおける「ブランドの制限」が「ブランドの登録」へ名称変更

以前は「ブランドの制限」と呼ばれていたこの機能は、フィードバックに基づいて「ブランドの登録*(Brand inclusions)」に名称変更されました。新機能では、部分一致キャンペーンにおいて、指定したブランド名に関連する検索語句にのみ広告を表示することが可能になりました。

参考:部分一致キーワードのキャンペーン設定について - Google 広告 ヘルプ

* 日本語の公式ヘルプでは現時点で未反映ですが、広告管理画面上では「ブランドの登録」との表記が確認できました

これまで、特定のブランドに関連する検索キャンペーンで部分一致を利用することは難しかったのですが、「ブランドの登録」機能を利用することで、目的とするブランド関連の検索にのみリーチしながら、部分一致のメリットを活用できます。

使用方法としては、共有ライブラリまたはキャンペーン設定からブランドリストを作成し、キャンペーン設定で「部分一致キーワード」をオンにした上で、「ブランドの制限」設定を適用します。ただし、部分一致キーワードを使用するには、コンバージョンまたはコンバージョン値に基づく入札戦略が必要である点に注意が必要です。

4. すべてのマッチタイプとDSAにおけるブランドの除外が可能に

P-MAXで既に利用可能だったブランドの除外機能が、検索広告のすべてのマッチタイプおよび動的検索広告(DSA)にも展開されます。この機能により、特定のブランド名やそのスペルミスに対する検索語句で広告が表示されないよう設定できるようになりました。

ブランドの除外を使用すると、誤って入力されたブランド名や外国語でのブランド関連検索など、不要なトラフィックを効果的にブロックできます。広告主は、独自のブランドキーワードや第三者のキーワードなどを除外するブランドのリストから選択できます。

使用方法としては、共有ライブラリまたはキャンペーン設定からブランドリストを作成し、キャンペーン設定で「ブランドの除外」を適用します。

今回のリリースでは実績例として、フランスの自動車ブランドCitroënは、ブランドの登録を部分一致と組み合わせて使用した結果、コンバージョンが50%増加し、リードあたりのコストが35%削減されたことが紹介されています。

まとめ

ブランドの制限とブランドの除外の機能は、ブランド関連のトラフィックを管理できるツールです。ブランド関連ワードのパフォーマンスの把握やコントロールがうまくできていないことが課題となっている場合には利用を検討するのがおすすめです。

画像引用元:Maximize performance on Search with updates to query matching - Google 広告 ヘルプ https://support.google.com/google-ads/answer/15070437

※注釈(赤字)はアナグラムによる

一方、検索広告においてはキーワードがもっとも強いシグナルです。そのため、ブランドキーワードに対して部分一致を用いるべきかはいま一度考える必要があります。また「ブランドの除外」などを利用した際に、実際にはどのようにコントロールがなされるかあらかじめ分かりません。そのため機能を導入したから良しではなく、利用する際には意図しない制限や除外がなされていないか、検索語句レポートなどを通して確認しておくのがよさそうです。(ただし、検索語句レポートではスペルミスも集計対象になったことにより、仮に意図しない挙動があっても気づきづらいというジレンマがあることは添えておきます。)導入前後の数値の変化には十分注意しておきましょう。

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