広告主のブランドワード、いわゆる指名検索は広告主のサービスを認知している見込みの高いユーザーが利用することの多い検索キーワードの分類です。
Googleは、検索キャンペーンおよびP-MAXにおいて、ブランド関連の検索トラフィックをコントロールするための機能「ブランドのリスト」を提供しています。
ブランドのリストを利用することで、検索広告では「ブランドの制限」として、選択したブランドの検索に対してのみ表示ができます。またP-MAXでは「ブランドの除外」として、そのブランドに関する検索結果に広告が表示されないようにすることが可能です。
参考:検索キャンペーンと P-MAX キャンペーンの新しいブランド設定 - Google 広告 ヘルプ
今回は、Google広告の検索におけるブランドキーワードのコントロールが可能となる「ブランドのリスト」の使い方を見ていきましょう。
目次
ブランドリストの作成方法
ブランドリストの作成方法は2つあります。
共有ライブラリから作成
作成から編集・削除まで、ブランドリストの管理は共有ライブラリを利用するのがおすすめです。
広告管理画面上部「ツールと設定」から「ブランドのリスト」を選択します。
作成したリストからキャンペーンに適用したいものにチェックを入れ「制限として適用」をクリックし、対象のキャンペーンを選択します。
キャンペーン設定から作成
キャンペーン設定から直接作成も可能です。
共有ライブラリでブランドリストを作成済みの場合、選択できます。新たに作成する場合には「+ 新しいブランドリスト」をクリックします。
ブランド名を入力すると候補が表示されますので、対象のブランドを選択します。
もしリストに該当するブランドがない場合には、「ブランドをリクエストする」をクリックして追加をリクエストできます。
ブランド名やカテゴリ、URLなどを入力してリクエストを送信すれば完了です。その後、4~6週間の審査を経て承認されれば、選択が可能になります。
検索広告、インテントマッチ(部分一致)の「ブランド制限」
Googleは、検索キャンペーンでブランド制限を適用することで、選択したブランド(関連する商品やサービスなど)の検索に対してのみ表示されるようになります。
「Google Marketing Live 2023」でも発表されていた機能です。
これまで、特定のブランドに関連する検索キャンペーンでインテントマッチを利用することは難しかったのですが、「ブランド制限」機能を利用することで、目的とするブランド関連の検索にのみリーチしながら、インテントマッチのメリットを活用することができます。
インテントマッチキーワードのキャンペーン設定を有効にする
ブランド制限の機能は、キャンペーン設定で「インテントマッチキーワード」がオンのキャンペーンで利用可能です。一部の広告主から提供が開始されていましたが、確認する限りすべてのアカウントへ反映されているようです。
インテントマッチキーワードを使用するには、コンバージョンまたはコンバージョン値に基づく入札戦略を利用している必要がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
キャンペーン設定より「インテントマッチキャンペーン」をオンにして保存すれば完了です。
なお、インテントマッチキーワードの設定がオフの場合、「ブランド制限」の設定を行うことで自動的に「インテントマッチキーワード」が有効になる仕様となっています。
参考:部分一致キーワードのキャンペーン設定について - Google 広告 ヘルプ
「ブランドの制限」の適用方法
次の2つの方法で適用が可能です。
共有ライブラリから設定
共有ライブラリで「ブランドのリスト」を選択し、適用したいブランドのリストにチェックを入れます。「制限として適用」から対象のキャンペーンを選択して適用が可能です。
キャンペーン設定から登録
キャンペーン設定の「ブランドの制限」より作成済みのブランドリストを選択する、あるいは新しいブランドリストの作成ができます。ブランドのリストは最大10個まで追加可能です。
P-MAX でのブランドの除外
インテントマッチキャンペーンではブランドリストを配信対象をブランド関連に限定するために利用できました。一方、P-MAXキャンペーンでは、対象のブランド関連の検索を広告配信対象から除外するために利用できます。
ブランドの除外を使用すると、誤って入力されたブランド名や外国語でのブランド関連検索など、不要なトラフィックを効果的にブロックできます。広告主は、独自のブランドキーワードや第三者のキーワードなどを除外するブランドのリストから選択できます。
これまでも「アカウント単位の除外キーワード」を利用してP-MAXキャンペーンでのブランド関連の検索語句への広告表示を除外可能でしたが、検索やショッピングも対象となるため、活用が難しいケースも多かったかと思います。
参考:アカウント単位の除外キーワードについて - Google 広告 ヘルプ
また、除外キーワードとは異なり、ブランドリストでは表記ゆれや言い換えなどを逐一設定せずとも対象になるというメリットがあります。
P-MAXキャンペーンへの「ブランドの除外」の適用方法
こちらも2つの方法があります。
共有ライブラリから設定
共有ライブラリで「ブランドのリスト」を選択し、適用したいブランドのリストにチェックを入れます。「除外として適用」から対象のキャンペーンを選択して適用が可能です。
キャンペーン設定から登録
キャンペーン設定の「ブランドの除外」より作成済みのブランドリストを選択する、あるいは新しいブランドリストの作成ができます。
まとめ
ブランド制限とブランド除外の機能は、ブランド関連のトラフィックを管理できるツールです。ブランド関連ワードのパフォーマンスの把握やコントロールが上手くできていないことが課題となっている場合には利用を検討するのがおすすめです。
一方、検索広告においてはキーワードがもっとも強いシグナルです。インテントマッチ(部分一致)を用いるべきかもいま一度考える必要があります。また「ブランドの除外」などを利用した際に、実際にはどのようにコントロールがなされるかあらかじめ分かりません。そのため機能能を導入したから良しではなく、利用する際には意図しない制限や除外がなされていないか、検索語句レポートなどを通して確認しておくのがよさそうです。