Google広告でレスポンシブ検索広告(RSA)を配信する際に気を付けたい5つのポイント

Google広告でレスポンシブ検索広告(RSA)を配信する際に気を付けたい5つのポイント

設定した複数パターンの広告見出しや説明文を自動でさまざまに組み合わせ、機械学習を活用することによりユーザーごとに関連性の高い広告を表示できる、レスポンシブ検索広告。

見出しや説明文のことなる広告文を何パターンも入れていた過去の仕様からすると、非常に便利な機能ですが、注意するべきポイントを押さえていないと、思うような成果に繋がらないことも少なくありません。

この記事では、レスポンシブ検索広告を十分に活用するために気をつけておきたいポイントを5つご紹介します。

基本的な仕様や入稿の方法については、こちらの記事をご覧ください。


①「広告の有効性」は気にしすぎない

「広告の有効性」をご存知でしょうか。「未完了」「低い」「平均的」「高い」「非常に高い」という5段階で表示される広告に関する指標のひとつで、評価が低く不安になっている方も多いのではないかと思います。

結論から言えば、「広告の有効性」は気にし過ぎると意図しない広告運用を行ってしまい、パフォーマンスに繋がっていない可能性があるため注意が必要です。

Google 広告のヘルプページには以下の記述があります。

広告の有効性は、最適なパフォーマンスの実現のため、Google のおすすめの設定に広告クリエイティブがどの程度基づいているかを示すものです。

参考:広告の有効性について

– Ad Strength is a distinct diagnostic tool. And to reiterate, it’s not a factor in the auction. It simply helps indicate the diversity and relevancy of the assets available to maximize the number of ad combinations that may show for a query.

(広告の有効性はあくまで診断のためのツールです。オークションの要因ではありません。単に、検索語句に対して表示される可能性のある広告の組み合わせの数を最大化するために利用可能なアセットの多様性と関連性を示すのに役立つだけです。)

参考:AdsLiaison (@adsliaison) on X

「Googleおすすめの設定に基づいているか」が判断基準となっているため、広告アカウントのパフォーマンスや広告主の目的とは必ずしも一致しない可能性があります。実際に、成果の良い広告でも広告の有効性が低いということも珍しくありせん。

見出しや説明文を複数パターン設定でき、多様な検索語句に関連性の高い広告を掲載できるというレスポンシブ検索広告の特徴を活用できているか、というバロメータの一種でしかないため、むしろ、検索語句からユーザーの検索意図をていねいに読み解いて設計している広告アカウントこそ高い評価でなくても気にする必要はありません。

②「見出し1のみ」で表示される可能性がある

画像引用元:新たに変更されたアセットを活用して、AI による検索広告のパフォーマンスを高めましょう - Google 広告 ヘルプ 

レスポンシブ検索広告では最大15本の見出しが登録でき、ユーザーの状況に合わせて動的に組み合わされて表示されます。多くの場合では少なくとも2つの見出しが利用されますが、パフォーマンス改善が見込まれる場合、見出し1のみで広告が表示される仕様があります。たとえば指名検索の結果など、ユーザーが求めている情報がシンプルな場合には、広告文も簡潔なほうが見込める成果が高い状況がありますよね。

そのため、見出し1のみで表示されても違和感のある内容にならないかは十分に注意する必要があります。意味が通らない状態にならないように見直しを行うのがおすすめです。

なお、見出し1と2をセットで表示させないと意味が通らない場合や、法的な理由やブランド上の理由で広告に特定の見出しテキストを含める必要がある場合には「固定(ピン留め)」機能の利用することで「見出し1のみ」の表示を回避できますので、検討してみましょう。

③「自動作成アセット」には注意しよう

「自動作成アセット」は、レスポンシブ検索広告へ広告見出しと説明文を自動的に作成して追加するキャンペーン単位の機能です。ランディングページや既存の広告、広告グループのキーワードなどから、関連性と予想パフォーマンスを基に作成されます。なお、今後は生成AIによる作成も見込まれています。(現時点では英語のみ対応)

参考:自動作成アセットについて

手間をかけずに関連性が高いと判断された広告アセットを作成できるというメリットはありつつも、使用する際は本当に適切な表示がされているかは絶対に確認しておきましょう。

現時点では、新規キャンペーンの作成時には無効となっていますが、意図しない設定になっていないか念のため確認するのをおすすめします。

  1. Google 広告の管理画面で、[キャンペーン] アイコン キャンペーン アイコン をクリックします。
  2. [キャンペーン] プルダウン メニュー、[キャンペーン] の順にクリックします。
  3. 上部の [設定] タブをクリックし、編集するキャンペーンを選択します。
  4. [編集] をクリックして、[自動作成アセットの設定を変更] を選択します。
  5. 適用されているか否かが確認できます。

自動作成アセットは、レスポンシブ検索広告の見出しや説明文の上限にはカウントされずないため、利用する場合にも意図しないアセットとなっていないか、レスポンシブ検索広告の組み合わせレポートを必ずチェックするのがおすすめです。

④検索ニーズに応じた広告グループを分けを検討しよう

レスポンシブ検索広告は、見出しや説明文のパターンにバリエーションを持たせて、多様な検索ニーズに対応できるというメリットがあります。

一方で、ランディングページはひとつのみが設定できます。そのため、検索ニーズに応じた広告文が表示できても、いざランディングページに遷移した際に、ユーザーが求めていた情報が得られないことが起こり得ます。

たしかにデータを集約して機械学習をスムーズに進めることで自動入札の恩恵を受けられる可能性は高まりますが、ランディングページへ遷移した後も含めて一連のユーザー体験単位でキャンペーン構成を考えるのが大切です。広告を見てほしいのはユーザーで、機械学習が目的になっては本末転倒ですよね。

検索ニーズが異なれば、ランディングページに求められる情報が変わるため、基本的にはユーザーの検索意図に応じて広告グループを分け、広告文やランディングページを調整するのがよいでしょう。

検索語句のニーズや意図をどうやって汲み取るかについては以下の記事が参考になりますので、あわせてご覧ください。

⑤必要以上に広告グループを分けないための機能を活用しよう

ランディングページは同じだけど、広告クリエイティブを検索意図に応じて変えたい、という場面もあります。たとえば、店舗ビジネスにおける地域名や、サイズや種類にバリエーションのある商品などが挙げられます。

広告グループを分けることで広告文の出し分けは可能ですが、先に挙げた機械学習の効率や広告グループの乱立による管理の煩雑さなどのデメリットも出てきます。

そんなときには広告文を検索キーワードやユーザーの状況にあわせて動的に変更できる次の機能を利用するのがおすすめです。

  • キーワード挿入機能・・・広告表示につながった広告グループ内で設定したキーワードが、広告文に自動的に入力される機能

参考:「キーワード挿入機能」とは?設定方法から注意すべきポイントまで

  • 地域の挿入機能・・・ユーザーの所在地や関心のある地域に合わせて、レスポンシブ検索広告の広告文に該当する地域名を挿入できる機能

参考:レスポンシブ検索広告の地域の挿入機能について

  • 広告カスタマイザ・・・ユーザーの検索語句や場所、時間などに合わせて、広告見出しや広告の説明文などのテキストを動的に変更することができる機能

参考:Google広告の「広告カスタマイザ」の使い方|できることや設定方法を解説

一点注意が必要なのが、組み合わせレポートでは動的に変更される部分の一つひとつを確認できないことです。実際に検索したり、広告プレビューツールを使って、意図通りの広告表示になっているかまで必ずセットで確認するようにしましょう。

まとめ

レスポンシブ検索広告は多様な検索に柔軟に対応できる優れた広告フォーマットです。しかしながら、媒体の推奨する設定がすべての広告主にとってフィットするとは限りません。

もちろん、大きな目で見るとパフォーマンスの改善が見込めるから提供されている機能ですが、広告主の目的、もっといえば、広告をみて欲しいユーザーにどのように映るかがもっとも重要です。

ユーザーが欲しい情報にスムーズにアクセスにでき、商品やサービスの魅力を知ってもらえるよう、その広告の機能を使って、何ができて何ができないのか十分に理解することが重要ですね。

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