「コレクション」が製品カタログ無しでも作成可能に
2017年6月8日(US時間)、モバイルでのショッピング体験をより良いものにするFacebook広告の「コレクション」が製品カタログを導入していなくても利用可能になることが発表されました。コレクションのリンク先として「キャンバス」を指定することで実現できます。
参考:Creating a Canvas Fullscreen Experience is Easier Than Ever
しかしながら、コレクションとキャンバスともに、まだまだ日本では広告利用が浸透しているとは言えず、冒頭のようなことを言われても「何を言っているのか分からない……」と感じる方も多いのではないでしょうか。ただでさえ利用の少ないコレクションとキャンバスの合わせ技である今回のアップデートについて、実現できることとその設定手順を分かりやすく紹介します。
※本機能は徐々にすべての広告アカウントに展開中です。
※本記事の内容は2017年6月27日時点での仕様を元にしているため、仕様変更により内容が異なる可能性があることをご了承ください。
目次
コレクションとは
まずは、今回のアップデートの基盤であるコレクションについて。コレクションは2017年3月にモバイルのショッピングを促進するためにローンチされた広告フォーマットで、下図のようにクリエイティブ画像または動画に4つのサムネイルがぶら下がっているのが特徴的です。広告をタップすることで、Facebookアプリ内で自社の製品を全画面で訴求できます。
上図の青枠で囲ってある箇所は、製品カタログ(データフィード)を参照しており商品の画像、名称、価格など動的に表示することが可能です。コレクションはモバイルでのショッピング体験をより向上させることにフォーカスした広告フォーマットであり、製品カタログの利用を前提として設計されておりました。。製品カタログ必須という条件は商材やリソースによっては大きな壁であり、そもそもデータフィードでの管理に向かない商材や、データフィードの作成・管理のリソースを持たない広告主にとっては作成ハードルの高い広告フォーマットだったといえます。
参考:Facebook広告にモバイル用の新広告フォーマット「コレクション」が追加
それが今回のアップデートによって「キャンバス」を利用することで製品カタログ無しでも「コレクション」を作成できるようになり、より多くの広告主がこの広告フォーマットを利用可能となります。
キャンバスについては弊社のブログでも過去に何度か触れているため、今回記事では紹介を省きます。
参考:元Webデザイナーが教える、Facebookキャンバス広告導入のメリットと制作のポイント
参考:Facebookキャンバス広告でビジネス目的ごとのテンプレートを提供開始
コレクションとキャンバスを組み合わせるとどうなる?
コレクションのリンク先としてキャンバスを指定した場合は下図のように表示されます。
コレクションのメインの画像もしくは動画は、リンク先のキャンバスの最上部に設置された動画または写真コンポーネントが利用され、変更することはできません。サムネイル部分は製品カタログの代わりに、リンク先のキャンバスの写真コンポーネント(最上部のものを除く)を参照してくれます。対象の写真が5枚以上ある場合は、サムネイルに使用する写真を変更可能です。なお、キャンバスの入り口としてコレクションを利用する場合は、最上部の画像または動画の他に最低でも4つ以上の「写真」コンポーネントがリンク先のキャンバスに含まれている必要があります。
サムネイルをタップでその画像の部分へ直接移動
コレクションのサムネイルをタップすると、リンク先キャンバスの先頭ではなくタップしたサムネイルに関する部分へ直接移動してくれます。興味を持ってくれた部分に辿り着くまでキャンバス内でスクロールをする必要がなく、オーディエンスは欲しい情報に一瞬でアクセスすることが可能です。キャンバス故に読み込みが早いのも活きていますね。
設定方法
ここまで紹介したコレクションとキャンバスの組み合わせについて、具体的な導入手順を紹介します。
管理画面での設定手順
キャンペーン目的は「コンバージョン」または「トラフィック」を選択してください。
広告セットの編集画面から、機器タイプを「モバイルのみ」、配置を「Facebookニュースフィード」のみに設定します。(コレクション、キャンバスともにFacebookのモバイルニュースフィードのみに対応しています)
広告の形式でコレクションを選択し「フルスクリーンエクスペリエンス」からリンク先となるキャンバスを作成または選択します。
※コレクションを選択後、フルスクリーンエクスペリエンスが表示されない場合、その広告アカウントにはまだこのアップデートが導入されていないと判断できます。
コレクションのカスタマイズ
コレクションのリンク先としてキャンバスを選択すると、そのキャンバスの内容から自動的にクリエイティブが生成されます。広告クリエイティブの画像比率は決まっているため、必要に応じてトリミングし調整を行ってください。
サムネイルも、キャンバス選択直後は選択したキャンバス内の上から順に選択されますが、任意の画像を選択したり並び順を変更することができます。「カスタマイズ」ボタンから設定可能です。
最後に
日本国内でのコレクションはキャンバスと同様に、まだまだ事例待ちというフェーズです。
対して、海外では既に多数広告利用されておりフルスクリーンによるリッチなユーザー体験が広告効果にも結びついていることが見て取れます。Facebookはユーザー体験を尊重しているため、コレクションやキャンバスのようなフルスクリーン体験を含めユーザー体験を向上させるためのアップデートが今後も続いていくでしょう。今回のアップデートによりキャンバスがあればコレクションが利用できるようになりましたが、キャンバス自体の制作ハードルがまだ高いと感じる人も少なくありません。
2017年6月8日にはキャンバスの制作ハードルをぐっと下げてくれるテンプレートの提供も開始されており、クリエイティブ制作のリソースの不足を解消するようなアップデートも続いています。コレクション、キャンバスともに以前よりも身近なものになってきています。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。