『Notion(ノーション)』はプロジェクト管理、Wiki、各種ドキュメントの作成など、さまざまな用途に活用できるツールです。その機能の幅広さが支持され、グローバルで1億人以上に利用されています。
アナグラムでも、情報の検索性や連携をより効率的に行うために、2023年から社内のWikiとしてNotionを導入しています。また、私が所属しているクリエイティブチームでも、施策の管理や振り返り、チームMtgの進行用ツールとしてNotionをヘビーユースしています。
一方で、その多機能さゆえ手を出しにくいという人もいるのではないでしょうか。私自身もNotionを使い始めた当時は、何からスタートすれば良いのか分からず、迷ったことを覚えています。
この記事では「Notionは聞いたことはあるけど何がすごいのか良く分からないし、難しそう……」という方に向けて、Notionの特徴と、アナグラムでのプロジェクト管理での活用例も交えて魅力を解説していきます。
目次
Notionの魅力とは
Notionの特徴を以下4つの項目に分けて説明していきます。従来のツールでよくあるトラブルや不便さも、Notionなら解決できるかもしれません。
- 業務を一元化できるオールインワンツール
- 業務フローに合わせてカスタムできる柔軟性
- 多様な表示形式
- 情報の連携が得意
業務を一元化できるオールインワンツール
タスク管理、議事録、マニュアル……など業務ごとに複数のツールを使いわけるのは珍しいことではありません。しかし使用するツールの数が多くなりすぎると、情報が分散して何がどこに書いてあるか分かりにくくなったり、情報の同期が取れていないことによるミスが発生するリスクを増加させます。
ツールの数だけ学習コストが増加し、セキュリティリスクの増加も懸念されることを考えると、業務で利用するツールはなるべく減らしたいものです。
Notionであれば複数の業務を一元化できるため、作業効率が向上し、情報の整合性も保たれミスのリスクを軽減できます。
業務フローに合わせてカスタムできる柔軟性
Notionはユーザーが自由に情報を整理するための機能が充実しているため、さまざまな業務やタスクに対応できます。
従来ではツールの仕様に自分たちの業務を合わせることもしばしばでしたが、Notionであれば自分たちの作業スタイルや好みに合わせた環境を構築できるのがポイントです。
多様な表示形式
Notionの「ビュー」機能では、同じ情報を複数の異なる形式で表示できます。テーブル形式、カレンダー形式、写真が一覧できるギャラリー形式、チャート形式など、1つのツールでありながら7種類もの表示形式に対応しているのはNotionならではです。
情報の性質や用途に応じて最適なビューを選択することで、情報の表示や整理を直感的に行えるでしょう。
情報の連携が得意
Notionのデータベース連携機能を活用すると、1つの情報を入力するだけで必要な関連情報が自動的に紐づけられます。たとえば、担当者を設定することでその担当者の所属部署を自動的に引用して表示できます。この機能を活用することで関連する情報を見逃すことなく、作業効率も向上します。
また、関連付けられている情報に更新や変更があった際は自動的に同期されるため、情報漏れや不整合を防ぐことができます。
さらに、情報の検索やフィルタリング機能の柔軟性も優れているため、素早く目的の情報にアクセスできたり、さまざまな切り口で情報を整理することも容易です。
複数名で使用する場合は有償のプランを検討
Notionはフリープランでもほとんどの機能を利用できます。ただし、2人以上で共同編集する場合には、ブロック(Notionに保存できる情報)に上限が設けられています。法人で本格的に導入する場合には、プラスプラン以上を検討する必要がある点に注意が必要です。
アナグラムでのNotion活用事例
ここからはアナグラムが実際にNotionをどのように活用しているか紹介していきます。マニュアルや議事録の作成もNotion上でおこなっていますが、ここではとくにナレッジ共有や施策管理を目的とした活用方法について紹介しますね。
施策の管理から振り返りをまとめたドキュメントとして
アナグラムではNotionを施策の管理に活用しています。各施策の対象になるクライアントや、施策の担当者はもちろん、施策の結果や振り返りといった内容も管理できるようにしています。
Notionで施策管理を行うことで、結果の検索やフィルタリングも行いやすくなります。施策管理のデータベースでは「Meta広告」「バナー」「LPO」などのおおまかな施策の分類だけでなく、結果が良い場合もそうでない場合も、「なぜそうなったか?」「次の打ち手はどんなものがありそうか?」といった考察も記入できるように設計されています。
このような設計にしておくことで、たとえば「成果の良かったクリエイティブ」や「特定の案件で行ったLPOの施策」といった柔軟な検索が可能になります。考察のメモがあることによって、単なる横展開ではなく、施策管理データベースを見た人が自分の仕事に応用するヒントも得られることを期待しています。
また、クリエイティブのようにビジュアルが重要な施策では、Notionのギャラリー形式のビューも重宝します。
施策結果をまとめるドキュメントを別途作成して運用するのは大変です。しかしNotionであれば施策の概要から結果までを一元化でき、実務で役立つであろう情報の絞り込み方まで見越したデータベース構築ができます。所定のデータベース・テンプレートに情報を書き込みながらプロジェクトを進行していれば、自動的にナレッジも蓄積される仕組みを作れるのです。
情報交換の場を支えるツールとして
アナグラムでは個人の学びをチームの学びにするべく、広告運用者やデザイナー同士の情報共有の時間を設けています。
施策管理用のNotionデータベースを活用し、結果の振り返りや次のアクションを話し合っている。
チャットツールでやり取りしていると、メンションをつけた関係者しか読まないケースが多いですよね。しかし、Notion上で施策の結果と、その仕事を通して得た学びや教訓を共有し合うことで、自身が担当している案件以外からも疑似的に経験・学びを得ることができます。
施策の進行管理から結果の振り返り・議論まで一元化できるのはNotionならではです。
ブログの進捗管理ツールとして
アナグラムのブログはメンバーが書いており、常に複数の記事が同時進行しています。それぞれの記事が現在どのステータスなのか直感的にわかりやすいのはもちろんですが、「社内wikiとしてNotion内で困りごとを検索したときに、公開前の記事がヒットする」というのもメリットの1つです。
別々のツールで進捗管理していたときは、他の人が今どんな記事を書いているのかをあまり意識できていませんでしたが、議事録・マニュアル・施策・ブログなどをすべてNotionで一元管理しているからこそ、「ここで検索すれば何かしらの情報がヒットする」という状態をつくることができ、以前よりノウハウを得やすくなりました。
まとめ
Notionに対するマイナスの印象は「以前少し使ってみたけどピンと来なかった」「名前は知っているけど難しそうで手を出しにくい」などさまざまだと思います。
しかし一度慣れてしまえばこれほど使いやすいツールはなかなかありません。体感ですがクライアント側でも導入しているケースが増えてきていることもあり、支援会社の立場ならばある程度Notionに慣れておくと他社との連携で役に立つこともあるでしょう。
今回はNotionを使ったナレッジ共有や施策管理を目的とした活用方法を中心にお伝えしました。別の記事では、人事まわりでの活用事例やNotion導入時に注意しておきたいことを紹介しています。そちらもあわせてご参照ください。