飲食店や美容院の予約、保険や司法関係の相談など、ウェブサイト上で情報を探している際に、直接電話をかけて話したい場合がありますよね?電話問い合わせがビジネスの重要な指標となるようなサービスでは、ウェブサイト上の成果の把握だけでは広告の価値が十分に測れません。
Google 広告とYahoo!スポンサードサーチでは、モバイルサイト上で電話番号リンクをクリックした数を計測することができる機能があります。今回はこの機能「電話発信コンバージョン」についてご紹介します。
※YDNには電話発信コンバージョン用のタグの提供がありません。(2016年7月時点)
目次
電話発信コンバージョンとは
電話発信コンバージョンは、広告をクリックしてモバイルサイトを訪問したユーザーが、電話番号リンクをクリックした数をカウントする機能です。電話番号リンクのクリックを電話発信とみなして計測するため、実際の入電数とは異なる場合があります。
電話発信コンバージョンを計測することにより、どのくらい目標となる行動に繋がったのか目安ができ、キーワードや施策ごとの費用対効果を把握しやすくなるため、広告の成果改善に繋げることができます。その反面、誤って電話番号のリンクをクリックしてしまった場合なども電話発信コンバージョンとして計測されるため、実際の入電数と乖離する可能性があり注意が必要です。
電話発信コンバージョンの設定方法
Google 広告
①「運用ツール」タブをクリックします。
②「コンバージョントラッキング」を選択します。
③「+コンバージョン」をクリックします。
④「コール数」を選択します。
⑤「モバイルサイト上の電話番号のクリック数」を選択し、「続行」をクリックします。
「設定」という画面に遷移し、「名前」の入力や「計測期間」の選択などを行います。「名前」はレポート上に表示されるため、電話発信コンバージョンであることが識別しやすい名前をつけておくと良いです。次に⑥の「カウント」と⑦の「[コンバージョン]に含める」について補足します。
⑥の「カウント」には2種類のカウント方法があり、「すべて」を選択すると、1回の広告クリックから電話番号リンクがクリックされた全ての回数を電話発信コンバージョンとしてカウントします。(例:1回の広告クリックから3回電話番号リンクをクリックした場合、電話発信コンバージョンは3回とカウントされる。)
一方「1回」を選択すると、1回の広告クリックから電話番号リンクを複数回クリックしても1件の電話発信コンバージョンとしてカウントします。(例:1回の広告クリックから3回電話番号リンクをクリックした場合、電話発信コンバージョンは1回とカウントされる。)
多くの場合1回のクリックから複数回の電話発信があったとしても、発信数だけビジネスの価値が増えるケースはあまりないでしょう。特別な理由がない限りは「1回のコンバージョン」を選択しておくのが良さそうですね。
⑦の「[コンバージョン]に含める」ではコンバージョンデータを[コンバージョン]列に含めるか否かを指定する項目で、デフォルトでは含める設定になっています。「[コンバージョン]に含める」場合には管理画面の[コンバージョン]列に表示されるほか、自動入札戦略を使用する際に参照するコンバージョンデータに含めることができます。逆に言えば、電話発信の数は知りたいけどメインの目標ではない場合、や自動入札戦略による調整の基準にはしたくない場合、などは「いいえ」に変更しておく必要があります。「いいえ」を選んだ場合でも管理画面の[すべてのコンバージョン]の列には含まれます。
何のために電話発信コンバージョンを計測するのかを明確にし、必要に応じて設定しましょう。
入力が完了し、「保存」をクリックすると電話発信コンバージョン用のタグが表示されます。表示されているタグをコピーして、モバイルサイトに設置します。
Yahoo!スポンサードサーチ
①「ツール」タブをクリックします。
②「コンバージョン測定」を選択します。
③「+コンバージョン測定の新規設定」をクリックします。
「新規設定」画面に遷移し、必要項目の入力をします。「コンバージョン名」は前述のGoogle 広告と同様、レポート上に表示されるため、電話発信コンバージョンであることが識別しやすい名前をつけておくと良いです。「コンバージョン種別」は「電話発信」を選択します。「コンバージョン測定の目的」は任意で目的に合ったものを選びましょう。
入力が完了したら、「保存してタグを取得」をクリックします。表示されているタグをコピーしてモバイルサイトに設置しましょう。
電話発信コンバージョン計測用のタグの設置手順
電話発信コンバージョンを計測するためには、2種類のタグが必要になります。
- 管理画面上で取得したタグをモバイルサイトへ設置する。
ウェブサイト内で電話番号のテキストリンクや画像、ボタンがあるページに、管理画面上で取得したタグをbodyタグ内(<body>~</body>)に貼付します。
(Google 広告、Yahoo!スポンサードサーチのタグともにbodyタグ内に設置します。)
- 電話番号のテキストリンクや画像、ボタン部分に「onClick」タグを設置する。
電話発信コンバージョンは、管理画面上で取得したタグをモバイルサイトに設置しただけでは計測できません。onclickタグを電話番号のテキストリンクやリンク付き画像に実装することで、ユーザーが電話番号をクリックした時にコンバージョンが記録されるようになります。
今回はテキストリンクの場合を例にします。電話番号の表示方法が画像やボタンの場合は、下記の公式ヘルプも合わせてご参照ください。
参考:モバイルサイト上での電話番号リンクのクリックをコンバージョンとしてトラッキングする - AdWords ヘルプ
参考:コンバージョン測定の新規設定(電話発信) - スポンサードサーチ - Yahoo! JAPAN マーケティングソリューション ヘルプ
■通常のテキストリンク
<a href=tel:01-2345-6789> 01-2345-6789 </a>
■「onclick」タグの実装例
・Google 広告のみ利用している場合
<a onclick="goog_report_conversion('tel:01-2345-6789')" href="#">01-2345-6789</a>
・Yahoo!スポンサードサーチのみ使用している場合
<a onclick="yahoo_report_conversion('tel:01-2345-6789')" href="#">01-2345-6789</a>
・Google 広告とYahoo!スポンサードサーチ両方使用している場合
<a onclick="javascript:goog_report_conversion('tel:01-2345-6789');yahoo_report_conversion(undefined);return false;" href="#">01-2345-6789</a>
Google 広告とYahoo!スポンサードサーチ両方を使用する場合は、片一方に「undefined」を設定します。これは、電話番号のポップアップが2回表示されてしまうことを防ぐためです。また電話を終えてモバイルサイト上に戻った時に、電話番号リンクをクリックした位置以外に戻ってしまうことを防ぐために「return false」を加えています。
※これらはサンプルのため、実施のウェブサイトに合わせて変更が必要となります。
管理画面で電話発信コンバージョン数を確認するには?
Google 広告
キャンペーン、広告グループ、キーワード、広告など確認したい単位のタブ内の「表示項目」から[すべてのコンバージョン]を選択し、すべてのコンバージョン列を表示させます。※「[コンバージョン]に含める」を選択している場合には[コンバージョン]でも可
①「分割」から「コンバージョン」を選択します。
②「コンバージョン名」をクリックします。
その他のコンバージョン指標とともに電話発信コンバージョンの数を確認することができます。この時に表示される「コンバージョン名」は、設定時に入力したコンバージョン名が表示されます。
Google 広告では「カスタマイズした表示項目」で特定のコンバージョン関連のデータのみを表示項目に追加することが可能です。分割して内訳を確認するよりスムーズですのでこちらも試してみてくださいね。
Yahoo!スポンサードサーチ
①「表示」をクリックします。
②「コンバージョン名」を選択します。
その他のコンバージョン指標とともに電話発信コンバージョンの数を確認することができます。Google 広告と異なりユニークコンバージョン数でも内訳が確認できますが、1回のクリックで複数のコンバージョンが発生した場合は2回目以降のコンバージョン数はカウントされないため注意が必要です。(例えば、電話で問い合わせをしてウェブサイトから申込をした場合と電話で問い合わせだけをした場合も両方電話発信コンバージョン1件としてカウントされます。)
まとめ
電話からの問い合わせや申し込みがもっとも重要な目的となる場合意外にも、電話問い合わせが広告主のビジネスへ与えている影響が大きいことも少なくありません。電話発信コンバージョンを計測することでキャンペーンやキーワードにおける傾向や効果を把握することができ、入札単価や広告の訴求を変えることでより効果的な運用を行うことも可能になります。
電話問い合わせがビジネスに対してどのようなインパクトを与えるのかを見直して、電話発信コンバージョンの計測を検討してみてはいかがでしょうか。