運用型広告の広告クリエイティブを評価するときに気を付けたい5つのこと

運用型広告の広告クリエイティブを評価するときに気を付けたい5つのこと

運用型広告において運用者が操作できる要素は「入札」「ターゲティング」「クリエイティブ」の3つと言われています。ただし、そのうちの「入札」と「ターゲティング」は広告プラットフォームの進化によって自動化が進み、広告運用者が細かく調節するよりも機械学習に任せて配信したほうが成果が上がる場合も増えてきました。

そのような状況下で特に重要性を増しているのがクリエイティブです。※広告運用におけるクリエイティブの重要性については、下記記事で詳しく述べていますので、ぜひお読みください。

一方、広告クリエイティブが重要だと分かったとしても、「広告クリエイティブの良し悪しをどう判断したらよいかわからない」と悩んでいる広告運用者は少なくないと思いますので、今回はそのような方に向けて、広告クリエイティブを評価するときに気を付けたいことを5つご紹介します。


1. 最終的な目的に沿った指標で評価する

気を付けたいことの一つ目は「最終的な目的に沿った指標で評価する」ことです。

例えばクリエイティブの評価をする際、「AのクリエイティブはBのクリエイティブよりもクリック率が〇%高い」「Cのクリエイティブは他のクリエイティブよりもコンバージョン率が高い」など、クリック率やコンバージョン率を細かく見ていく場合もあるかと思います。

ただし、広告を配信する最終的な目的が該当のクリエイティブのクリック率やコンバージョン率を高めることではなく、獲得件数を伸ばしたり、CPAを抑えて獲得を目指したりすることである場合、「クリック率だけ」「コンバージョン率だけ」でクリエイティブを評価してしまうと、本来の目的を見失う恐れがあるため危険です。

そもそも広告のターゲティングや役割によって、クリック率やコンバージョン率などの指標は大きく変わることがあります。

例えば、潜在顧客に向けて広く配信しているクリエイティブAと、購入が見込める特定の層に絞り込んで配信しているクリエイティブBでは、Bのほうがクリック率やコンバージョン率が高くなることが見込まれます。しかし、Aは広範囲のターゲットに対して配信できることでインプレッション単価がBよりも安くなり、総合的なCPAは同じくらいで多くコンバージョンを獲得できる場合もあります。このような場合、クリック率やコンバージョン率ではクリエイティブの成果を測れないことは明らかでしょう。

また、クリック率を高くしようとして「〇〇の理由って?」というような興味をひくようなクリエイティブを作成した場合、クリック率は高くなるもののコンバージョン率が低くなり、最終的なCPAは高くなってしまう場合もあります。

これらを踏まえ、クリエイティブの評価をするときには配信の目的を明確にして、その目的に直結する指標を見ていくようにしましょう。

2. 統計的な有意性を考慮する

統計的に有意でないデータを鵜呑みにしてしまうと、広告クリエイティブの停止判断などを誤ってしまうことがあります。

例えば、広告Aと広告Bが下記のような成果だった場合に広告Aのほうがコンバージョン率が高いから広告Bを止めてしまう、という判断をしたとします。

しかし、この配信結果は統計的に有意なものでしょうか?

詳しくはこちらのブログで説明がありますが、この結果だと14%の確率で成果が逆転する可能性があります。よって、必ずしも広告Aがよいとは断言できず、広告Bを止めたことで機会損失を生んでいる可能性もあります。

運用型広告には、統計的に有意かどうかを判断してくれるテスト機能を備えている媒体も多いです。自分で判断するのが難しいという場合は、これらの機能を使ってみるのもよいでしょう。

3.データだけでなく定性的な理由も考える

また、統計的に有意な結果が出たとしても、単純に「広告Aの方が成果がよかった」では次の施策に活かすことができません。データは真摯に受け止めるべきではありますが、なぜ成果がよかったのかを深堀り、定性的な理由を考えることが重要です。

例えば、「広告Aはこのフレーズが顧客のこういうニーズに刺さったため成果がよかったのではないか」という仮説がある場合、「このニーズに対して別のフレーズで訴求してみよう」と考えたり、「広告Aは文字の視認性が高いため成果がよかったのではないか」という仮説を持った場合、「これからは文字の視認性を意識してクリエイティブを作成しよう」という風に次の施策に活かすことができます。

成果がよかった要因を抽象化して捉えることを意識すれば、そのクリエイティブの成果を確認して終わりではなく、継続的にクリエイティブの成果を改善していくことができ、安定したパフォーマンスを維持することにつながるでしょう。

4. コンバージョンの先まで見据えて判断する

1つ目の項目でも記載した通り、「獲得件数を伸ばしたい」「CPAを抑えたい」」などの目標を持って広告を配信している場合、その目標に沿うクリエイティブを成果がよいとみなすのは重要なことです。しかし、資料請求や会員登録、お試しセットのお申込みなど、管理画面上のコンバージョンポイントが手前に設定されており、本申込みへの転換率や購入までの引き上げ率なども考慮する必要がある場合は、クリエイティブの成果を管理画面上のCPAとコンバージョン数だけで評価すると、思ったほど本申込みや購入が増えていなかったということもあるので注意しましょう。

また、本申込みや購入をコンバージョンポイントに設定している場合であっても、商品の実態に沿わないようなクリエイティブを使って獲得した場合、その後の継続購入につながらず、LTV(※)が低くなってしまったり、返品率の上昇やブランドイメージの棄損につながってしまうこともあるので注意しましょう。

※LTV…ライフタイムバリュー、顧客生涯価値。顧客から生涯にわたって得られる利益

法律や媒体審査によって規制されてはいるものの、商品の効果を誇張したり、人のコンプレックスを煽るようなクリエイティブは、管理画面上の成果がよいという理由で多く配信されてしまっているのが実情です。そもそも、そのような広告は倫理的に配信するべきではないですが、広告成果の観点から見ても、管理画面上では成果がよくても、LTVや返品率に悪い影響を与えてしまっている場合があり好ましくはありません。

毎日管理画面を見ていると、管理画面上のコンバージョン数を増やしたり、CPAを下げることに目が行ってしまいがちです。しかし、それだけを見ていると、管理画面上は改善していると思っていたら最終的な売上や利益は落ちていた、という事態になりかねません。

本申し込みや購入のデータは、タグで計測できなかったとしても基幹システムで確認したり、それらのデータをオフラインコンバージョンとして管理画面に取り込むことで配信に活かすこともできます。また、LTVや返品率の変化は細かな数値を定常的に取っていなかったとしても、顧客と接点のある方は肌感覚として変化を感じている場合もあるので、定期的に確認することをおすすめします。

管理画面上のCPAだけではなく、コンバージョンの先まで見据えることを意識していきましょう。

5. 「デザイン」と「訴求軸」のどちらに改善余地があるのかを見極める

配信結果をもとにブラッシュアップしていく場合、「デザイン」と「訴求軸」のどちらを改善すべきなのかを見極めることが重要です。たとえば、同じクリエイティブが何度も同じユーザーに表示されていて、反応が鈍くなっていると考えられる場合は、同じ訴求軸でもデザインを変えれば目に留めてもらうことができるかもしれません。

また、掲載面が小さく、ユーザーがクリエイティブの内容をしっかり視認できていない、などの理由が考えられる場合、シンプルなデザインで視認性を高めたり、カルーセルや動画フォーマットなどバナー1枚よりも多くの情報を盛り込めるフォーマットで表現することで成果改善につながるでしょう。

一方、広く知られていない商品の特徴をしっかり伝えないままに価格の安さだけを押し出しているなど、そもそも訴求内容がズレている場合に、デザインだけを変更していても成果は改善しません。訴求内容が刺さっている場合であっても、同じような訴求内容ばかりを配信しているとターゲット層が枯渇してしまう可能性もあります。

「成果がよくない」という定量的な事実に対して、「デザイン」と「訴求軸」のどちらを変更すべきなのか定性的な仮説をもとに考えることで、行き当たりばったりではない改善を続けていくことができます。

また、デザイナーさんにクリエイティブ作成を依頼している場合、上記を踏まえてフィードバックをすることも意識しましょう。

クリエイティブを作りっぱなしでフィードバックがないと「作ること」が目的化してしまいがちですが、作成してもらったクリエイティブのどこが良く、どこに改善余地があるのかを結果をもとにお伝えすることで、デザイナーさんと二人三脚で「成果につながるクリエイティブ」を作成していくことができます。

まとめ

広告クリエイティブ実績を正しく評価できるか否かで広告運用全体の成果にも大きく影響を与えます。

広告管理画面上の細かな数値を見ることも大切ではありますが、それだけに捉われていると間違った判断をしてしまう可能性があります。たとえば、商品の実態とかけ離れたクリエイティブを配信している場合、管理画面上は成果がよかったとしても、引き上げ率やLTVが低かったり、広告自体の信頼性も損ねてしまっていたりするかもしれません。また、統計的に有意ではない結果をもとに広告のオンオフを判断したり次の施策を練った場合、正しいと思っていたのに成果が悪化してしまう、という場合もあります。

表面的な数値だけで評価すると見えにくくなってしまうものにも目を向け、しっかりと仮説をもって本質的な改善を目指していくことこそが重要です。機械的な判断ではなく、人が介在する意味のある評価をしていきたいですね。

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