Facebook広告、ダイレクトレスポンスに活かす4つの心得

Facebook広告、ダイレクトレスポンスに活かす4つの心得
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先日、ソーシャルメディアのビジネス活用をテーマにした海外カンファレンス(「SocialPro 2016」)に参加し、オーガニックソーシャル・ペイドソーシャルともに、多くの先進的で有用な情報を得ることができました。ここで得た情報も取り入れつつ、日本国内ビジネスでも有効性のある、ダイレクトレスポンス目的でのFacebook広告運用に活かせる4つの心得を紹介します。

参考:海外ソーシャル先進事情に学ぶ!SocialPro 2016参加レポート


マイクロコンバージョンの計測

Facebook広告に限らず、ソーシャル広告でアクションのハードルが高いコンバージョンを獲得することはなかなか難しいです。これにより、コンバージョンデータの集積スピードが遅くなり、ターゲティングや広告クリエイティブの評価・判断が遅れてしまいます。答えを探ることができないまま、オーディエンスから広告が忌避されてパフォーマンスが悪化する…こんな経験はないでしょうか。

こういった事態を避けるためにも、理想を言えば検索連動型広告などの他チャネルとは別のランディングページを設け、ソーシャル向けのライトなコンバージョンを設定してこれを成果指標とすべきです。しかし制作コストやリソースの問題など、商材によっては対策できないケースも多々あるかと思います。その場合、例えば商品購入をコンバージョンとするECサイトなどでは、以下のようなハードルが下がるマイクロコンバージョンを計測し、判断指標とすることができるでしょう。

  • 会員登録
  • 商品の資料請求やダウンロード
  • 商品のカート追加
  • ECサイト内検索

計測方法は複数ありますが、Facebookピクセルを対象ページに設置していれば、「カスタムコンバージョン」設定によって容易に計測可能です。

例:
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また、これらのマイクロコンバージョンの類似オーディエンス配信も有力候補ですので、メインとするコンバージョンの類似オーディエンス配信が好調であるなら、ぜひトライしてみましょう。

そして、データ量が多いマイクロコンバージョンを広告セットのコンバージョンイベントとして設定し、コンバージョン最適化目標とすることで、最終的に商品購入などのメインのコンバージョン獲得数を伸ばすことのできるケースも大いにあり得ます。

オーディエンスターゲティングの重複を避ける

複数広告セット間でのターゲットオーディエンスの重複は、リーチ数のバランス含めコントロールが可能な限り避けましょう。これにより、複数のオーディエンス群それぞれから得られる広告クリエイティブの反応も適切に評価でき、今後のクリエイティブ改善も迷いなくスムーズに行えます。リターゲティングと新規(WEBサイト未訪問)配信の切り分けはもちろんのこと、属性や興味関心などのターゲティングでも、除外設定をすることで調整可能です。

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こうした除外設定含めた念密なターゲティングや、オーディエンスへ届けている広告メッセージの把握とコントロールをしない限り、長期的にパフォーマンスの高い広告運用を実現することは難しいでしょう。

エンゲージメント目的とコンバージョン目的、それぞれの広告を分別し、KPIも変える

前述したようにFacebook広告は、ハードルの高いコンバージョンの獲得が比較的難しいケースがあります。そこで、オーディエンスのモチベーションに合わせて、エンゲージメント目的とコンバージョン目的の広告を分別し、役割とKPIを変えて運用すべきケースもあるでしょう。分かりやすい例として、動画広告の配信はエンゲージメント広告として扱うべき代表格です。

■エンゲージメント広告
・目的:商品訴求は控えめにし、オーディエンスから認知や興味関心を得ること
・主なKPI:各種エンゲージメント関連指標、WEBサイト流入後の行動、マイクロコンバージョン関連指標 etc.

■コンバージョン広告
・目的:コンバージョンの獲得
・KPI:各種コンバージョン関連指標 etc.

もちろん、エンゲージメント広告でエンゲージメントを得られたオーディエンスやWEBサイト流入者に対し、リターゲティングによって再アプローチすることが大切です。Google アナリティクスの計測パラメータ設定により、Facebook広告のターゲティングによる濃度の高いWEBサイト流入者を、Google アドワーズのRLSAの対象とすることもできます。

参考:複雑なGoogleアナリティクスリマーケティングで簡単に成果を上げる5つの手法と設定方法
参考:「どのキーワードに出す?」から「誰に出す?」で大きく成果が変わる、検索広告向けリマーケティング(RLSA)の解説と設定方法

エンゲージメント広告で例とした動画広告は、日本での事例を見てもなかなか単体でコンバージョンを獲得できるものではありません。たしかに動画広告は短時間で多くの表現ができ強力なメッセージングが可能ですが、認知や興味関心を得てエンゲージメントオーディエンスを作るためのツールとして活用していきましょう。この動画視聴オーディエンスに対して、リターゲティングによってアクション獲得を目的としたコンバージョン広告を届けましょう(※)。

※Facebook広告のカスタムオーディエンス作成オプションの1つ、「Facebookでのエンゲージメント」によって実現可能です。キャンバス広告のキャンバス展開、リード獲得広告のフォームオープンといったエンゲージメントオーディエンスもリスト対象とすることができ、今後もその対象エンゲージメントは増える可能性があります。

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参考:Facebook広告のカスタムオーディエンス「Facebookでのエンゲージメント」が新たに利用可能に

エンゲージメント目的の広告は、もちろん静止画像によるWEBサイトリンク広告や、Facebookページ投稿の広告配信でも問題ありません。エンゲージメント目的、コンバージョン目的の広告それぞれで異なるKPIを定め、評価と改善を行っていきましょう。

サードパーティの分析ツールで、他チャネルも絡めたアトリビューション評価を行う

Google アナリティクスのようなサードパーティのアクセス分析ツールによって、Facebook広告の各流入を判別して計測し、他の流入チャネルも含めた全体でのFacebook広告のアトリビューション分析を行いましょう。ここでもマイクロコンバージョンの計測設定を行うことで、よりデータドリブンな改善に役立てることができます。

この際に、Facebook広告アカウントのレポートでみるコンバージョン実績よりも貢献度が低い実績が確認できるかと思います。これは、Facebook広告レポートで確認できるコンバージョンデータは、クリックスルーコンバージョンだけで見ても、クロスデバイスでのコンバージョン計測がされているためです。(各デバイスの各ブラウザで同一Facebookアカウントのログイン履歴があることが条件)

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画像引用元:Facebookのレポート機能がクロスデバイスコンバージョンに対応

この点も踏まえ、定期的に複数のツールによる実績評価を行い、チャネルを跨いだターゲット行動も鑑みてFacebook広告施策に反映していくことが大切です。

最後に

今回ご紹介した内容は、個々のビジネスの重要度に差はあれどどれも欠かせないことです。Facebookというソーシャルプラットフォームを利用するユーザーとその行動特性を考えれば考える程に、大切さを感じられます。実施ができそうなものから着手されてみてはいかがでしょうか。

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