運用型広告の配信をスタートする前に確認したい14のポイント

運用型広告の配信をスタートする前に確認したい14のポイント

広告のプランを決めて掲載スタート、実績を確認したら意図とは違った配信設定をしていて背筋が凍った経験がある運用者の方は少なくないのではないでしょうか。

筆者の経験上、広告の配信開始のタイミングが最もミスが発生しやすいと感じています。

せっかくのプランを設定ミスによって棒に振るわないように、できる限り完璧に確認はしたいものですよね。今回は新しくアカウントを作り掲載を始める場合や、新しくキャンペーンを追加したときに、押さえておくべき確認ポイントを時系列で紹介していきたいと思います。

まずは広告掲載を開始するまでの準備期間においてチェックしておくべきポイントを見ていきましょう。

スケジュール調整

いつからどのタイミングで掲載を開始するか、そこから逆算していつまでにどの工程を完了させておくか。スタートで躓かないためにもスケジュールを整えることが第一歩です。

1:可能であれば掲載開始日は週の前半を設定する

配信を開始する日は週始めが適しています。週初めに設定するメリットは、広告配信を開始してすぐに配信実績を確認できて、初動のチューニングにしっかり時間を当てることができるためです。

たとえば金曜日(週の後半)に掲載を開始すると、広告掲載を開始してから時間が経っていないので数字確認がしにくかったり、初動のチューニングの時間も十分に確保できていない可能性があります。そのまま土日に入ってしまった場合、広告主の判断を仰げなく、対応も遅れてしまうため、月曜日に肝を冷やすことになってしまうかもしれません。

この事態は、掲載開始日を週初めに設定するだけで避けられます。

その月の1日に広告配信スタートするケースも少なくないですが、月初の日付が木曜日・金曜日だった場合、週末に掲載開始するのは上記の通りリスクがあるのを承知の上で配信する必要があります。これらを踏まえ、掲載開始日を決定しましょう。

2:5営業日前までに入稿を完了させるスケジュールにする

5営業日前に入稿を終わらせるということを聞いて「ずいぶん余裕があるな」と思われるかもしれないですが、実際にそれくらい心に余裕があったほうがいいです。焦りは禁物。

5営業日前には理由があります。入稿した広告には必ず媒体の広告審査が入ります。Google 広告は、ほとんどの場合1営業日以内に完了しますが、スポンサードサーチとYDNは3営業日必要です。5営業日前に入稿完了させておくと、仮に審査に落ちた場合でも、広告の修正や再入稿の対応をして再度、媒体の審査にかけられますよね。また、掲載開始までに時間があることで、クールダウンした頭で設定内容を見直すことができ、ミスにも気が付きやすくなるという効果もあったりします。

参考:審査期間はどのくらいかかりますか? – Yahoo!プロモーション広告 公式 ラーニングポータル

特に審査項目が多い薬機法に関わる商材は、さらに余裕を持って早めの入稿と媒体審査をしておくことをおすすめします。

「なる早で掲載開始したい」そんな要望をもらうこともよくありますが、要望を叶えつつ、無理のないスケジュールを決めていきたいですね。

広告入稿時

運用型広告は、誰でもすぐに広告を出稿できる仕組みです。逆に言えば、ひとつ設定を間違えるだけで即、実際の広告配信へ反映されてしまいます。そのため広告入稿時には細心の注意が必要です。

3:アカウント・キャンペーン設定を必ずオフに

入稿するときに必ず確認してほしい設定です。管理画面から入稿する際には、キャンペーン設定を終えたあとに必ずキャンペーンステータスがオフになっているか確認してください。

アカウントの構造上、上位の階層のステータス状況が反映されるためキャンペーン単位でステータスをオフにしておけば、広告グループ・キーワード・広告のステータスがオンになっていても広告配信はされません。

エディターを使用して入稿した場合も同様に、キャンペーンステータスがオフになっていることを確認する癖をつけましょう。

また、スポンサードサーチとYDNは、アカウントレベルで配信設定を選べます。(Google 広告はこの機能はありません。)念には念を入れる場合にはこれを「オフ」にしておくと、万が一キャンペーン設定がオンの場合でも広告が配信されることはありません。

4:休日前に入稿しない

「来月から配信なのに、金曜日に入稿作業して配信されてしまっていた!(土日も気がつかず被害が拡大……)」 なんてことも休日前に入稿さえしなければ防げます。意図していない配信を避けるためには、入稿は必ず週の頭に終わらせて入稿した次の日にはアカウントの設定を見直すといいでしょう。

5:キャンペーン予算(日額)を必ず設定

すごく怖い設定なんですが、YDNはキャンペーン予算(日額)の設定をしなくても掲載ができてしまいます。しかもデフォルトの設定は、「設定しない」が選択されているのです。

YDNのアカウントへの入金方法はいくつかありますが、万が一アカウント残高が減少すると自動的に入金が行われる「自動入金」を設定していた場合にクレジットカードが停止するまで広告が掲載されてしまうリスクもあります。

参考:YDN お支払い方法と入金手順(銀行振込/クレジットカード)

そうならないように、必ずキャンペーン予算(日額)を設定しましょう。

なお、Facebook広告は広告グループ毎に予算の設定ができますが(2019年7月時点)、2019年9月にキャンペーン単位の予算設定に変更されます。Facebook広告でもアカウントの上限予算を設定できるので現実的な予算設定をしておくといいでしょう。

6:キャンペーン予算を現実的な金額に設定する

よくキャンペーンの予算を掲載が制限されないように大幅に金額を上げて設定しているアカウントがあります。

例えば、検索連動型広告でブランド名や商品名が検索されたときに、広告表示に予算上限による配信制限がかからないようにするため100万円のキャンペーン予算を設定したとしましょう。もしそのキャンペーンの掲載のネットワークが間違っていて、「検索ネットワークとディスプレイネットワーク」が選択された状態だったら…。検索連動型広告だけに配信設定したつもりが、ディスプレイ広告にも配信されて、一気に100万円分配信されてしまった!なんてこともあるかもしれません。


このようにキャンペーン予算を一気に使用してしまうケースも考えられるので、キャンペーン予算は、予算から逆算した費用を大幅に超えない設定、超えても大丈夫な範囲とするといいでしょう。

設定するキャンペーン予算は、月額予算の有無などアカウントの状況によって変動しますが、月額の予算が決まっている場合、大体3~5%程度に設定しておくと大きな予算超過を防げると思います。

7:一通り入稿し終えたら、管理画面を目視確認

入稿を終えたらとにかくすぐに管理画面で確認するクセをつけましょう。


管理画面のキャンペーンタブや、エディターで最新の状態を取得したあとのキャンペーンタブであればひと目でキャンペーン設定のオンオフやキャンペーン予算が確認できます。

掲載開始3日前

さて、一通り入稿が完了しましたね。でもここで安心してはいけません。作業を人間が行うからには必ずミスが発生する可能性がつきまといます。スタートで失敗するリスクを最小限に抑えるためには、入稿後の行動が大切です。

8:入稿した「次の日以降」に入稿した内容を確認する

入稿を終えた当日ではなく、必ず次の営業日以降に確認することをおすすめします。理由としては、入稿を終えた日は「丁寧に入稿したし、大丈夫なはず!」と謎の自信と達成感があるものです。ですので、入稿した日の自分を信じずに一晩置いてフレッシュな目で昨日の再度チェックすることにより設定の漏れやミスに気がつけます。

9:チェックフローは大枠から細部の流れで見ていく

入稿した内容をチェックするとは言っても、確認項目多すぎてどこから見ればいいのかわからなくなってしまいますよね。


そんなときは、入稿したときと同じように、アカウントを構成する大枠から詳細へと順番に見ていくことをおすすめします。アカウント構造はツリー形式になっているため、上位階層で設定した内容が、各広告グループにも反映されるためです。

ここでは特に漏れや設定ミスが起きやすい項目をいくつか紹介していきます。

キャンペーン設定
  • キャンペーン予算(日額)が、予算から大きく上振れていないか。
  • 配信ネットワークは意図通りになっているか。(検索連動型広告を設定したつもりが、ディスプレイネットワークも選択されていないか。)
  • キャンペーン開始日を設定している場合、キャンペーンステータスをオンにしているか。
  • キャンペーン開始日を設定していない場合、キャンペーンのステータスはオフになっているか。
広告グループ設定
  • 意図したターゲティングが設定されているか。(ノンターゲティングになっていないか。)
  • 入札単価は適切か。(「0(ゼロ)」が一個多いなんてことは起きていないか。)
キーワード・広告文設定
  • 設定したキーワードが意図したマッチタイプか。
  • 設定したキーワードの個数を確認。(追加予定のキーワードが全て入っているか。コピペミスがないか。)
  • 広告文に設定したブランド名・商品名に間違いはないか。エディターでダウンロードした内容にフィルタを掛けて、テキストフィルター→「○○○を含む」などの条件で検索。
  • 広告文の日本語に間違いはないか。(言葉の使い方や固有名詞は正しいか)
  • 広告文に設定したリンク先は機能しているか。
  • 広告文に設定したリンク先とパラメータは正しいか。(サイトへ遷移する途中でパラメータが消えないか)

最終すり合わせ

チェックも完了し、自分の中で準備ができたこのタイミングでやっておきたいのは、”念のため” オーダーの内容と相違がないかの最終確認です。準備を進めるうちに、当初の認識とズレが出てきていて、最後の最後で躓くこともしばしばあります。

10:広告担当者と掲載開始日や時間、広告費を確認

もしあなたが広告代理店の運用者であれば、クライアントに。インハウスの広告担当者であれば上司に、掲載開始の準備ができたことを報告しましょう。そして、下記の内容を口頭ではなくメールまたはチャットなどの文章で再確認します。文字でコミュニケーションを取ることでお互いの認識があっているかを確認できます。

  • 掲載開始日と掲載開始時間
  • 広告費の確認(手数料や税は含む?含まない?)

掲載開始のタイミングや広告費は、たとえば代理店と広告主とでは認識が微妙に異なっているケースも少なくありません。以下はあらためて確認しておくことをおすすめします。

・掲載開始の時間(「○日のXX時」のように明確に。)
・運用代行手数料の料金体系は。(固定金額制?料率制?テーブル制?)
・「広告費」に広告管理費や税金は含まれているか。

11:掲載開始から1週間程度の調整イメージを共有

CHECK10と合わせて、掲載をはじめて1週間程度どのように広告運用していくかを共有しておきましょう。

運用型広告は決まった広告枠を購入するタイプの純広告とは違い、掲載を開始したところからが始まりです。特に掲載を始めた1週間程度は、細かなメンテナンスを要します。

上司やクライアントと運用のイメージを共有しておくことで、方向性が確認できて双方安心できると思います。そして、掲載を開始した次の日には速報値+次のアクションを共有することで、より方向性を両者で認識を合わせられるのでおすすめです。

広告掲載を開始してから

12:掲載開始日の設定とアカウントのオンオフを確認

いよいよ掲載開始です。どのような入稿を行っているかによってチェックの仕方は変わりますが、キャンペーン開始日を設定している場合には、キャンペーンのステータス設定がオンになっていないと掲載が開始できないので、キャンペーンステータスを確認してください。手動でオンにする場合には、キャンペーンステータスをオフ→オンに変更します。

スポンサードサーチとYDNは、アカウントで配信状況をオフにしている場合もあるので、キャンペーンをオンにだけするのではなく、アカウント設定も見直しましょう。(※CHECK3と合わせて確認)

13:実際に検索して掲載を確認する。広告プレビューで広告の掲載を確認する

掲載を開始したあとは、実際に検索して広告の掲載ができているか確認しましょう。もし、特定の地域・言語のみに掲載する広告だった場合には、Google 広告の広告プレビューの機能を使って確認します。

広告プレビューではデバイスや地域や言語、オーディエンスを指定して、特定のキーワードで掲載がされているか確認することができます。

参考:Google 広告、広告プレビューと診断ツールの2つのアップデート

14:数時間ごとにアカウントの動きをチェックする

取り扱う商品・サービスによって確認の頻度は異なりますが、もし、1日に10件程度コンバージョンが出るアカウントであれば、2~3時間で1件のコンバージョンが出てもおかしくないのでその位の頻度で確認できるようにしましょう。

掲載開始からのアクション例
  • 配信開始当日の実績をチェック
  • コンバージョンが正常に計測できているか
  • 1日の早い段階で一日の予算に到達していないか
  • 昨日までの実績を基に目標との乖離を確認
  • キャンペーン予算の調整、入札単価の調整、除外キーワードの設定、配信先の精査

掲載を開始したら目標や仮説との乖離を確認して、その乖離をできるかぎり素早く埋められるようにアクションを取っていきましょう。

最後に

ここまで、全14個のチェックポイントを紹介してきました。ご覧の通り掲載開始時には気を付けたほうがいいポイントが数多くあります。開始後には一息つく間もなく広告運用が始まるため、あとでやろうと思わず、きっちりと準備をしておくことが成果に繋がります。

紹介したものがチェックポイントの全てではないので、自分がミスしそうなポイントもこれらに追加してチェックしていけるといいですね。

「ミスを最小限で留めるために意識したいこと」も記事にまとめているので、ぜひ合わせて読んでみてください。

参考:運用型広告の業務でミスを最小限に抑えるために意識したいこと

※付録:配信前チェックリスト

■スケジュール調整
1:可能であれば掲載開始日は週の前半を設定する
2:5営業日前までに入稿を完了させるスケジュールにする
■広告入稿時
3:アカウント・キャンペーン設定を必ずオフに
4:休日前に入稿しない
5:キャンペーン予算(日額)を必ず設定
6:キャンペーン予算を現実的な金額に設定する
7:一通り入稿し終えたら、管理画面を目視確認
■掲載開始3日前
8:入稿した「次の日以降」に入稿した内容を確認する
9:チェックフローは大枠から細部の流れで見ていく
■最終すり合わせ
10:広告担当者と掲載開始日や時間、広告費を確認
11:掲載開始から1週間程度の調整イメージを共有
■広告掲載を開始してから
12:掲載開始日の設定とアカウントのオンオフを確認
13:実際に検索して掲載を確認する。広告プレビューで広告の掲載を確認する
14:数時間ごとにアカウントの動きをチェックする

この記事のURLをコピーする
Nodoka Furuta

Nodoka Furuta

アナグラム株式会社 クルー。広告代理店に入社後、運用型広告のコンサルタントとして、複数社を担当。経験業界は、美容・食品・冠婚葬祭・教育・旅行・人材・EC・アパレルなど。2015年より現職にて、運用型広告の全般の運用。新規提案などに携わっています。クライアントさんにとって頼りになる存在になれるように日々精進です。

最近書いた記事

カテゴリ

更新情報をお届けいたします!

メールアドレスを登録していただくだけで、あなたにおすすめの情報や更新情報をお届けいたします。ぜひご登録ください!アナグラムのブログ更新は公式Facebookページ、Twitterでも受け取れます。

  • メールアドレスと登録する
  • Facebookで更新情報を受け取るTwitterで更新情報を受け取る

関連記事