ワンダーファイ株式会社(ワンダーボックス)
ワンダーファイ株式会社
西 梨乃 さま

世界中の子どもが本来持っている「知的なわくわく」を引き出すをミッションに教材やコンテンツを開発・運営されているワンダーファイさま。
子どもの感性や思考力を育てるSTEAM教育(※)を取り入れた新しい通信教育サービスである「ワンダーボックス」の集客に運用型広告を活用されています。

(※)STEAM教育:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。

本記事では弊社へお声掛けいただいた経緯と取り組みの中で印象に残っていることについてお伺いしました。

このインタビューは、2023年7月に行われました。

聞き手:アナグラム株式会社
松尾 耕介
高倉 那緒(執筆者)

ご利用サービス: リスティング広告運用

御社のサービス内容について改めてご教示ください。

西:ワンダーファイでは世界中の子どもが本来持つ「知的なわくわく」を引き出すことをミッションに教材やコンテンツを開発・運営しています。

サービスの一つである「ワンダーボックス」はプログラミング・数理パズル・アート・理科実験など、“遊び”感覚で学べる現代型の通信教育です。教材は大きく分けてキット教材とアプリ教材の二種類があります。キット教材は、身近な素材を使い五感を刺激するアナログなトイ教材と、作問の楽しさも味わえる思考力ワークブックが含まれています。アプリ教材ではプログラミングなどデジタルならではのコンテンツが約10種類毎月更新。トイ教材とアプリ教材が連携しているコンテンツも含まれていて、ご家庭で思考力・創造力を育むことができる設計になっています。

西さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

西:ワンダーボックスにおけるプロモーション分野を主に担当しております。具体的には、毎月の施策立案や広告代理店さんとのやりとりの他、ユーザーさんへのインタビューやCRMなどといった内容です。

アナグラムに決めた理由は、担当者の圧倒的熱量

西さんがワンダーファイにジョインされたのが2022年の4月。その4月末にはアナグラムにお問い合わせ頂いてるのですが、そのときのお話を聞かせてください。

西:当初は代理店を急いで替える予定はなかったんです。ただ、入社して初めに当時の代理店さんとのやりとりやレポートなどを見せてもらった際に、代理店さん側からの提案が乏しかったり「パートナーとして一緒にこうしていきましょう」というのがなかったんですよね。せっかく依頼しているのに、これだったら替えたほうがいいと社内で話をしたところ、前向きに検討しようとなり、そこでアナグラムさんにお声がけをしました。

アナグラムをどこでお知りになったのでしょうか?

西:最初に知ったのはアナグラムブログです。私はワンダーファイに入社する前はウェブ広告代理店で広告運用をしている時期もあったんですが、何かわからないことがあって調べたときにたどり着いてよく拝見していました。そのときにこの会社は他の広告代理店さんにはないような取り組みや仕組みが多く、不思議な会社だなと思っていて、自分がいた会社とは違うという印象が頭に残ってたんです。

当時アナグラムに決めていただいた理由は?

西:実は他社さんにもいくつかお声がけしていましたが、最終的にアナグラムに決めたのは、松尾さんの熱量でした!最初に会社資料をいただいて話をしたときから、真剣にこの事業を伸ばすにはどうしたらいいのか、を考えてくれているんだなというのを強く感じました。結局、担当者次第で大きく成果が違ってくることもありますし、当時のワンダーファイは、投資できる広告予算が大きくないことを自覚していたので、どんな方が担当になるのかの不安があったんです。

松尾:KPIが売上や粗利になっている代理店さんだと、広告予算が限られているクライアントだとは新人さんがついたりすることもあったり、というのは時々耳にします。僕たちアナグラムは売上や利益目標が現場に降ろされていません。(※1)もちろん一定の基準はあるんですが、基本的には担当するメンバーの挙手によりプロジェクト開始が決まり(※2)、お問い合わせの対応から広告施策のプランニング、実行、レポーティングまでの工程を分業せずご支援しています。

西:そうですね。アナグラムさんは予算での評価じゃないんですっていうことを社内でも推していました。それも安心できる要素として大きかったです。

※1 参考:求める人物像|アナグラム株式会社
※2 参考:アナグラムはなぜ挙手制を採用しているのかの全貌

計測環境の整備という、複利が効く点を最初に改善するのが印象的だった

広告代理店さんとのコミュニケーション面以外で、アナグラムとの取り組み前にはどんな課題がありましたか?

西:当時はMeta広告がワンダーボックスの新規ユーザー獲得の重要チャネルになっていました。しかしながら、昨今のCookie規制に伴う対応に全く手が回っておらず、社内に知見もないため、課題感として認識してはいるものの、手つかずになっていました。松尾さんからは初回の問い合わせのときからここをご指摘いただいていましたね。

アナグラムさんとの取り組みではMetaの手動詳細マッチングの導入からご支援いただきました。まずはクリエイティブ作ったり、ターゲティングを再考してもらったり、というところからかなと思っていたので、かなり印象に残っています。私は数年インターネット広告の現場から離れていたこともあって、計測改善についてはほとんど土地勘がなかったのですが、うまく弊社のエンジニアと連携して進めてもらい、早い段階で実装まで完了いただけました。あれは本当にありがたかったです。

その後も広告周りについてはクリエイティブや新しい媒体への展開もどんどん提案があって、そのおかげで昔は成果が上がらなかった媒体がいつのまにか主力の媒体にもなりましたよね。とてもいい方向に進んでいるなと思っています。

松尾:計測まわりの環境整備は、複利で効いてくるので、なるべく早く取り組みたかったんです。とはいえ、通常はエンジニアとの連携が容易でないことも多いのですが、貴社のエンジニアの方がとても優秀で、滞りなく、当初イメージしていたよりも遥かにスムーズに進めることができました。

「ここまで考えてくれるんだ」の連続だった

ご支援差し上げている中で印象的だったのは、私たちにも意見を求めるという貴社のスタンスです。施策の方針・内容、コンバージョン設計については自社で決めてしまって、その目標に向かっての広告運用におけるベストな打ち手を一緒に考えてほしい、というお客様も多数いらっしゃいます。ワンダーファイさんのそのあたりのスタンスについて、改めてお伺いしたいです。

西:アナグラムさんからのご意見は広告運用に留まらずお伺いしています。ワンダーボックスのような教育サービスは、購買の意思決定者と受益者が保護者さまとお子さまと分離する関係上、いったんご家庭での検討やお試しを挟んで、入会のお申込をいただくことがほとんどです。そのためアナグラムさんとご一緒し始める前から長い間、ずっと資料請求やお試しなどの施策について試行錯誤を繰り返してきました。

ただ、決定的な勝ちパターンを確立できていないことが事業上のボトルネックになっているという認識がありました。

そのような中で、アナグラムさんとのお取り組みが始まる前にすでに実施が決定していたアプリトライアルの実施をきっかけに、ご相談できる領域が広がったと思っています。

当初、社内では資料請求よりも低いハードルでサービス体験を提供すれば、入会の獲得単価も下がるという仮説を持っていました。最初の松尾さんへの相談はコンバージョンポイントの変更についてでしたが、個人情報の入力が少なくて済むアプリトライアルで、まずはワンダーボックスのよさをアプリを通じて体験してもらうことで入会につながるのでは、というワンダーファイ社内からの意見に対して、ハードルが下がる分、入会の引き上げ率も下がってしまうのではないかというご意見をいただきました。

このときに「松尾さんはここまで考えてくれていたんだ」という気付きがあって、今後広告だけでなく施策を含めた事業全体のことを相談していくきっかけになりました。実際にアプリトライアルを開始すると、松尾さんの指摘通り入会数が伸びませんでした。この経験を機に、社内での意見だけではなく、客観的かつ俯瞰的に事業を見た本質的なご意見をいただくことが大切だなと思うようになり、事業全体のことについてのご相談も増えていきました。

松尾:ウェブ広告を通じたご支援でありつつも、お客様によって広告以外の領域についてはこれ以上は踏み込まれたくないというケースも少なからずあるのですが、アナグラムから見て事業がもっと良い方向に進むためのことであればお伝えしていこうという想いでした。それ以降、毎週の定例会を中心に事業全体のお話が増えていきましたよね。

西:定例会の時間は広告の成果を改善するためというよりは事業のことを考える時間という位置づけで臨んでいます。社内のメンバーと話すときとは異なる視点で話すことができるのでとても有意義な時間です。

担当者に対する信頼がアナグラムに対する信頼に変わった。

提案からお取り組みが始まってからの半年は私がメインで担当をしていましたが、2023年12月頃にアナグラムの担当として高倉がジョインしました。担当が変わるとこれまでの進め方や考え方も変わってしまうケースもあると思いますが、なにか違いや不安はありましたか?

西:ありませんでした。時期としては広告予算の規模感が徐々に変わってきているタイミングでもあったので、フェーズが変わる上で必要なことと捉えていました。高倉さんがメインの担当になってからも、提案の当初から見ていただいている松尾さんが要所要所で入ってくれていましたし、お二人がチームでお取り組みを進めてくださっている印象でした。松尾さんに対する信頼がアナグラムさんに対する信頼になりましたね。

ワンダーボックスのよさは、対子どものプロダクト。価値の伝え方を整えていく。

ワンダーボックスは一括りに通信教材というよりは教育サービスの一つなので、世の中にその概念やサービスの価値を広めていく難しさがありますよね。これからの展望についてはどのようにお考えですか?

西:仰るとおり、ワンダーボックスはSTEAM教育やモンテッソーリ教育(※)、通信教材などの近しいキーワードはありつつも、これそのものずばりの言葉はないので、ユーザーにとってどこに価値があって、どういう言葉で伝えればいいのかをセットでプロダクトの改善をしていく予定です。

(※)モンテッソーリ教育:子どもには自分を育てる力が備わっているという「自己教育力」に注目し、その自己教育力を引き出すために大人が環境を用意していくことが大事という考え方に基づく教育法

ワンダーボックスの一番強いところは、子どもたちと真摯に向き合うことから得られる深い理解だと思います。プロダクトの設計やデザインは子どもたちの取り組む姿や反応を実際に見て落とし込まれているので、「こんなこともできるんだ」などの発見ができると思います。そしてご家庭でその環境がしっかりと再現できるように今後さらにプロダクトを強化していく予定です。そのときには広告やLPの在り方も変わってくるので、アナグラムさんの力も借りながらプロモーションにも力を入れていきたいなと思っています。

Voice Of AdOps担当者の声

広告以外のところでもご相談をいただいたり、今後のプロモーションについてもアナグラムの力を借りていきたいというお言葉を大変嬉しく思っています。

ワンダーボックスは子どもの持つ力を引き出すだけでなく、親にとっても見えていなかった子どもの魅力に気づくきっかけを作るステキなサービスですよね。

教育という概念を超えたワンダーボックスの魅力が、世の中に広まっていくための力になっていけたらと思っております。

西さん、お話しいただきありがとうございました!

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