【入門】コンバージョン率(CVR)って何?広告で使われる意味と扱い方

【入門】コンバージョン率(CVR)って何?広告で使われる意味と扱い方
コンバージョン率は、ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、コンバージョン(サイトでの成果)に至ったのがどのくらいの割合かを示す指標です。たとえば、インターネット広告ならクリック数が100回で、そのうちコンバージョン数が1件であれば、コンバージョン率は1%となります。

ウェブマーケティングに少しでも関わっている方であれば「コンバージョン率」という用語を一度は耳にしたことがあると思います。ただ、コンバージョン率の高い低いの判断ができない、コンバージョン率の上げ方がわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本記事では、コンバージョン率の計算方法や平均といった基本から、インターネット広告やSEOなどウェブマーケティングにおいてどう扱うべきなのかといった考え方までわかりやすく解説していきます。

そもそもコンバージョンの意味などが知りたい方は下の記事を参考にしてみてください。

参考:【入門】コンバージョン(CV)って何?広告で使われる意味と扱い方


コンバージョン率の概念と計算方法

コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)とは、広告やオーガニック検索などのサイト流入の数に対してどのくらいの割合でコンバージョンを獲得できたかを示す指標です。


仮にサイト流入数が「100」でコンバージョン数が「1」であれば、コンバージョン率は1÷100=1.0%ということになります。コンバージョン率はウェブ集客の効果の善し悪しやサイトの改善余地を確認する指標としてよく用いられます。たとえば、ページAはコンバージョン率が1%で、ページBは3%のとき、ページBの方が効率よくサイトの目的を達成できていることがわかりますよね。また、なぜページAはページBと比べてコンバージョン率が低いのか分析することで、ページAの改善を行ったり、集客先をページBに集中したりといった判断をすることができます。

リスティング広告におけるコンバージョン率の平均・目安と考え方

コンバージョン率の目安や平均がわからず、現状のウェブマーケティングの取り組みが上手くいっているのかどうか判断できないという方は少なくないかもしれません。しかし、一概にコンバージョン率の平均というのは決められず、たとえばリスティング広告では、検索語句や広告文、リンク先ページなどの要素が影響しあってコンバージョン率が決まっています。

それでも基準がほしい!という方は、WordStreamが発表した調査による、Google 広告(旧Googleアドワーズ)の業界ごとの平均コンバージョン率を参考にしてみてください。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry(データを元にアナグラムで加工)

平均コンバージョン率が最も高い「デート・出会い」業界は9%を超える一方、「擁護団体」業界などは2%を下回り5倍近い開きがありますね。このように傾向が大きく異なるのは、業界やサービスによってコンバージョンの定義が違うからです。「Eコマース」であれば購入がコンバージョンとして設定されることが多いですが、「不動産」であれば資料請求やお問い合わせが利益に繋がるアクションとしてコンバージョンとして定義されているかもしれません。

なぜディスプレイ広告のコンバージョン率は低いのか

上の表を見れば一目瞭然ですが、ディスプレイ広告は検索広告とくらべると平均コンバージョン率が低い傾向にあります。

検索広告に比べてディスプレイ広告のコンバージョン率が低い傾向なのは、ユーザーに広告が表示されるタイミングが関係しています。

検索広告はユーザーの知りたい・欲しいなどのニーズが顕在化した瞬間を捉えられますが、ディスプレイ広告はユーザーがニュース記事やアプリなどのコンテンツを閲覧・使用している、つまり広告の情報や商品とは別のことを考えているタイミングで表示されます。今まさに自分が欲しい情報や商品がタイミングよく表示されれば、そうでないときと比べて行動に移る可能性は高いですよね。この差がコンバージョン率の差として表れているのです。もちろん、検索語句やリターゲティング広告など、広告配信のターゲットによっても差は出てきます。

ただし、ディスプレイ広告はコンバージョン率が低いからといって効果がない、良くないというわけではありません。ディスプレイ広告はコンバージョン率が検索広告より低い傾向にありますが、クリック単価は検索広告より安い傾向にあるため、コンバージョンは検索広告と同じくらいの単価で獲得することも可能です。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry(データを元にアナグラムで加工)

ユーザーのインターネット行動の90%以上は検索以外のコンテンツ閲覧や使用などに費やされていると言われていますが、広告の表示機会が検索広告より多くなりやすい分、ディスプレイ広告はより多くのクリックを獲得するチャンスがあります。つまり、ディスプレイ広告を上手く使うことで、検索広告だけではリーチできなかったユーザーと接点をつくり、新しいお客さんを増やしていける可能性があるのです。もちろん、商品やサービスによってはディスプレイ広告が不向きなケースもありますので、あくまで目的達成の手段の一つとして頭に入れておきたいですね。

参考:ディスプレイ広告・ソーシャル広告で見込み顧客を集客!新規施策の広げ方・考え方のスベテ

リスティング広告のコンバージョン率を上げる方法

コンバージョン数はクリック数×コンバージョン率で計算できるので、効率的にたくさんのコンバージョンを獲得することが求められるリスティング広告の運用では、コンバージョン率の改善は重要な課題です。それでは、どうすればコンバージョン率を上げることができるのでしょうか。

因数分解思考でボトルネックを改善していく


リスティング広告におけるコンバージョン率は、コンバージョン数÷クリック数で計算できます。従って、シンプルに考えれば、コンバージョン率を上げる方法は、入り口を狭めるか出口を広げるかの2択です。

たとえば、入り口を狭めるのは「コンバージョンの獲得見込みがより高いクリックに絞る」ことが挙げられます。一方出口を広げるのであれば、「訪れたユーザーがよりコンバージョンしやすいようにサイトを改善する」などが考えられます。


また、方法は一つではなく要因によっていくつかの選択肢があります。上図のように因数分解して考えると、どの要素がコンバージョン率に影響を与えているのか一目でわかり、取るべきアクションが明確になります。この因数分解をおろそかにして、見当外れな施策を打ってしまっているケースは少なくありませんので、日頃から因数分解で考える癖はつけていきたいですね。

参考:全てのリスティング広告プレイヤーは因数分解思考を手に入れよう

リスティング広告はターゲティングの調整が柔軟にできることから、入り口部分を広げるのか狭めるのか、比較的たやすく調整ができます。逆に出口部分は、サイトの改修が必要な場合もあり、多くの場合に広告主の協力が必要で時間もかかりがちです。状況に合わせた手が打てるように、まずはそれぞれのケースでどんな打ち手があるか確認しておきましょう。

コンバージョン率の改善がすべてではない

コンバージョン率はあくまで結果としての数値で、目標とするべき数字ではありません。

たとえば、コンバージョン見込みのまだ低い、新規ユーザーの集客を増やすとコンバージョン率は下がりますが、これは当然の動きですよね。また、すでに出口の効率化が図れているのであれば、コンバージョン率の改善に囚われすぎず、サイトに流入するユーザーを増やす(入り口を広げる)ための施策を検討するのが良いケースもあります。

コンバージョン率の高い低いに一喜一憂せず、集客やサイトのパフォーマンスの状態を示す指標としてみていくのがオススメです。


お困りごとがあれば、些細なことでも気兼ねなくアナグラムの質問箱にどうぞ^^

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