【運用型広告アップデートまとめ】2023年10月

【運用型広告アップデートまとめ】2023年10月

最近は夏のような気温かと思えば、非常に涼しい気温が訪れたりとなかなか安定しない天気で体調を崩してしまいがちですね。

つい先日気圧と気温のコンボで私も体調を崩してしまって、非常に辛かったです……。これから年末の準備に差し掛かり、忙しくなる方も多いと思いますので体調にはお気をつけくださいませ!

10月は9月に比べると数は少ないですが、注目度の高い内容もありますので今月もしっかりと見ていきましょう。


Google広告の注目アップデート

Googleは最近、検索結果にAIによる結果を表示するなど、AIの力を生かした多くのアップデートを行っています。そして今回も、AIを活用した新機能が発表されました。

そして、DemandGenキャンペーンが正式リリースされましたね!利用したかったアカウントも多かったと思うので、気になっていた方はぜひアカウントを確認してみましょう!

DemandGenキャンペーンが正式リリース

2023年8月のアプデ紹介記事でも案内していたDemandGenキャンペーンが2023年10月10日より全世界で正式にリリースされました。

参考:Demand more from social with AI-powered ads

機能やファインド広告との違いについては8月のまとめ記事で触れていますので、ご確認ください。

ファーストパーティデータの管理を簡素化する「Google 広告 データ マネージャー」の登場

画像引用元:Simplifying the management of your first-party data

2023年10月11日にGoogleは「Google 広告 データ マネージャー」を発表しました。Google 広告 データ マネージャーは2024 年初頭に Google 広告で一般提供される予定としています。

Google 広告 データ マネージャーではCRMやLyticsなどのCDPなどのデータソースに接続し、Googleタグを使用した顧客の行動やウェブサイト外での販売の測定ができるようになるとしています。

既にGoogleは2024年にサードパーティ製Cookieを完全に廃止すると発表していますが、ポストCookie時代に向けて企業が持っている顧客情報などのデータを、拡張コンバージョンやカスタマーマッチといった形でより活用しやすいよう簡素化するために今回の「Google 広告 データ マネージャー」を用意しています。

これまで扱うのがなかなか難しかったデータも、最小限のコードもしくはノーコードで活用できるようになるため、さらに活用しやすくなりますね。

参考:オンラインのプライバシーの保護をどう強化しているか - プライバシー サンドボックス。

P-MAX キャンペーンの検索テーマが登場(ベータ版)

P-MAXキャンペーンにて新しく「検索テーマ」がベータ版として登場しました。

顧客が何を検索しているか、どのトピックがビジネスのコンバージョンにつながっているかに関する情報を最大25個までGoogle AIに提供することで、すぐに学習できないようなビジネスの概要を検索テーマとして提示することができます。

また、検索テーマで設定した内容は検索キャンペーンのフレーズ一致、部分一致と同じ優先順位が適用されるとのことです。

非常に魅力的な機能ではありますが、ベータ版のため利用を希望する場合にはGoogleの営業担当者への連絡が必要です。

参考:P-MAX キャンペーンの検索テーマについて(ベータ版)

(米国向け)生成AIによる検索体験 (SGE) で画像を作成する機能が試験的に導入開始

画像引用元:New ways to get inspired with generative AI in Search

以前も紹介したAIを用いた検索体験(SGE)にて画像を生成する機能が、米国でSGEに参加している18歳以上のユーザーに向けて追加されました。

「シェフの帽子をかぶって朝食を作っているカピバラの絵を描く」といった検索を行うと、SGEが生成した画像を最大4つまで表示します。

Google検索の新しい使い方として、自動生成の画像を求める動きが追加されたため検索語句のバリエーションが更に幅広くなるでしょう。日本での登場は現時点では不明ですが、SGE自体は日本でも展開されているため登場する可能性はありそうです。

画像引用元:New ways to get inspired with generative AI in Search

また、SGEに下書き機能が追加されています。こちらも画像生成AI同様、米国のSGE参加者のみです。

例えば、ガレージを書斎にリフォームする方法などを検索していた際に、ウェブ上で対応してくれる業者を見つけた場合に、SGEに業者へ送る見積もりの下書きの作成をSGEに依頼ができます。

生成した下書きはGmailやGoogleドキュメントへエクスポートができるため、検索を起点とした新しい使い方が画像生成同様に生まれることでしょう。

(米国向け)Merchant Center NextのProductStudioがついに登場

画像引用元:New features to help merchants stand out this holiday season

Google Marketing Live 2023で紹介がされていた「Product Studio」が展開されると告知しました。11月頭より順次展開されており、米国内のアカウントが対象となっています。

商品の背景を削除したり、生成型AI搭載の「カスタム商品シーン」機能により、テキスト入力で商品画像のデザインを変更できるようになります。

(米国向け)AR (Augmented Reality)ビューティー広告に新カテゴリーが追加

画像引用元:New AR beauty tools for shoppers and brands

2020年に登場したARビューティー広告にリップ、アイシャドウ、ファンデーションに加え、新しい AR ビューティー カテゴリであるヘアカラーが追加されました。

画像引用元:New AR beauty tools for shoppers and brands

美容商品においてはファンデーションを実際に自分で試してみるオプションも搭載されています。こちらはGoogle アプリに加えて、米国内のモバイル ブラウザから AR ヘアおよびファンデーション ツールにアクセスすることで利用可能です。

Yahoo!広告の注目アップデート

先月のアップデートまとめにて、従来版のタグのサポートが終了する旨をお伝えしましたが、Yahoo!タグマネージャーのサービスも来年には終了します。

現在Yahoo!タグマネージャー利用中の方はタグ管理を今後どうするか早めに決める必要がありますね。

Yahoo!タグマネージャーのサービスが2024年6月30日(日)で終了

2023年9月30日付けで既に新規ユーザー登録、サイトの新規設定や一部有償サポートは終了しています。

見出しにもある通り来年2024年の6月末には提供終了となりますので、来年の終了前に代替先のサービスへYahoo! 広告のタグなどを移行できるよう準備を進めていきましょう。

Yahoo!広告とLINE広告の広告表現規制の一部で判断基準が統合されより明確に

2023年10月1日のLINE株式会社とヤフー株式会社の合併に伴い、Yahoo!広告とLINE広告の広告掲載基準(審査ガイドライン)の統合が進められています。

今回は最初の取り組みとして、2023年11月13日より以下の内容について判断基準がYahoo!広告とLINE広告が統合されました。

  • 人体の局部を強調しているもの
  • 人体のコンプレックス部分が露骨に表現されているもの
  • 視覚的に注意を引くことのみを目的としたようなもの
画像引用元:Yahoo!広告とLINE広告の判断基準統合について:ユーザーに不快感を与える表現(2023/11/13適用開始)|LINEヤフー for Business 内PDF P.5

上記画像の内容によると判断基準がより明確になり、実際の掲載基準に関するヘルプページもこれまでよりわかりやすくなった印象です。

参考:3. ユーザーに不快感を与えるような表現【第2章7.(1)(4)(5)(7)関連】 - ヘルプ - Yahoo!広告

「判断基準や掲載可否事例をクリアしているから広告配信ができる」という判断ではなく、配信したい広告・クリエイティブは景品表示法の有利誤認や薬機法に抵触していないかといった視点は常に持っておきたいですね。

LINE広告の注目アップデート

LINE Dynamic Adsでファイル形式のアップロードが追加されるなど、細かい部分で一部のビジネスの方にとっては嬉しいアップデートがありました。それぞれ見ていきましょう。

キャンペーンの目的「友だち追加」に新たな広告フォーマットの画像(アニメーション)が登場

キャンペーンの目的で「友だち追加」を選択した際の広告フォーマットに、新たに画像(アニメーション)が追加されました。画像(アニメーション)はトークリスト面にのみ配信可能です。

目を引くバナーをトークリスト面に掲載できるので、これまでとは違うリアクションを獲得できるかもしれませんね。

また、キャンペーンの目的「友だち追加」の動画フォーマットにて配信面の制限が撤廃され、以下の2箇所へ配信ができるようになっています。

  • LINE NEWS
  • LINE VOOM

 SKAdNetwork計測の再利用の期間が40日から14日間へ短縮に

画像引用元:LINE広告アップデート情報 2023年10月 友だち追加に新フォーマット、セグメントの追加など

SKAdNetwork設定を一度オンにした広告グループを、オフに切り替えて広告グループ件数を調整する場合の期間が短縮されました。これまで、広告グループ件数を調整する場合、40日間の期間制限がありましたが、アップデート後の期間制限は14日間になります。

アップデート前にSKAdNetwork設定をオフにしていた広告グループは、すでに14日が経っていれば制限が解除された状態になるようです。

ただし、1アプリあたりのSKAdNetwork計測を利用する広告グループ数は広告アカウントをまたいで25件までとなっているため、そちらは変わらず注意が必要です。

LINE Dynamic Adsでファイル形式のアップロードを追加

画像引用元:LINE広告アップデート情報 2023年10月 友だち追加に新フォーマット、セグメントの追加など

LINE Dynamic Adsにて、サーバー不要なファイル形式によるアップロードが新たに追加されました。

これまで、商品フィードをアップロードする際は、ファイルサーバーからアップロードする方法のみでしたが、アップデート後はファイルを直接アップロードできるようになります。

直接アップロードができないために断念していた広告アカウントは一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

詳細ターゲティングに新しいセグメントが追加

オーディエンスセグメントの詳細ターゲティングに新たなセグメントが追加されました。エンタメやゲーム、映画などサブカルチャー領域のカテゴリも目立ちますね。

第一階層 第二階層 第三階層 第四階層
エンタメ 舞台
ゲーム コンソールゲーム
スポーツゲーム
ブラウザゲーム
格闘ゲーム
スポーツ 野球 メジャーリーグ
ダンス、バレエ
バドミントン
健康 ランニング
デジタル機器・家電 AV家電 ビデオカメラ
ヘッドホン・イヤホン
テレビ バラエティー番組
ニュース・政治 サイエンス・テクノロジー
インテリア・生活用品 工芸
映画 アクションとアドベンチャー映画
アニメーション映画
コメディ映画
サスペンス・ミステリー映画
ドキュメンタリー映画
ドラマ映画
ファンタジー映画
ホラー映画
ミュージカルシアター
ロマンス映画
家族と子供向けの映画
音楽 ジャンル アニメソング
映画音楽
演歌
童謡
金融 ローン 学資・教育ローン
保険 損害保険
書籍・マンガ ノンフィクション ビジネス書
育児書
参考書
旅行ガイドブック
フィクション ミステリー
新聞
美容・コスメ 日焼け対策商品
不動産 購入 マンション 中古マンション
戸建て 中古戸建て
暮らし・子育て 食通
おもちゃ アクションフィギュア、プラモデル
ぬいぐるみ
人形
旅行 アジア旅行 台湾
スノーリゾート
ビーチリゾート
家族旅行

Microsoft広告の注目アップデート

今回オーディエンス広告のアップデートもあり、痒いところに更に手が届き始めているなと思うMicrosoft広告。

Google広告やYahoo!広告に目が行って見逃しがちですが、ここで確認しておきましょう!

オーディエンス広告の配信面が拡大

Windows コンピューターにデフォルトで搭載されているゲームのホーム、メニュー、ゲーム画面などの新しい配置にオーディエンス広告を拡張しました。

Microsoft広告のオーディエンス広告については以下の記事で詳しく解説しています。

現在は以下の2種に配信が実施されています。

  • Microsoft Treasure Hunt
  • Microsoft Jigsaw

2024年までにすべての Microsoft カジュアル ゲームで配信される予定とのこと。

また、Microsoft 365 モバイル アプリの無料コンシューマー バージョンにもオーディエンス広告の拡張を予定しており、Android では 10 月までに米国で、1 月までにEU市場で展開されます。

オーディエンス広告の配信先が増えるアップデートですので、キャンペーンの表示回数やレポートメニューの表示されたWebサイト別でどのくらい新しい配信先が増えているか、獲得にどれだけ繋がっているかは定期的に確認したいですね。

オーディエンス広告でコンバージョンの最大化やtCPA入札戦略が利用可能に

そして、オーディエンス広告にてコンバージョンを目的とした以下の自動入札がパイロット(ベータ)版として利用可能になりました。

  • コンバージョンの最大化
  • 目標 CPA

これまで手動の入札戦略しかありませんでしたので、パイロット(ベータ)版でも新しい自動入札が使えるようになるのは嬉しいですね。とはいえ、入札戦略を変更すると1日の予算の使い方など手動で運用していた場合とは違う動きをするケースも多いため、設定を変更した際には十分に注意しましょう。

参考:Audience Ads updates and other product news for October

バーティカル広告にクレジット カード広告と不動産プロモーション広告が追加

今回バーティカル広告に新しくクレジット カード広告と不動産プロモーション広告が追加されました。

将来的にはプロフェッショナル サービスの広告などが登場する予定とのことで、Microsoft広告独自のフォーマットなので今後に期待ですね。

参考:Audience Ads updates and other product news for October
参考:Keep performance high with Vertical Ads - Microsoft Advertising

今月もたくさんのアップデートがありました!
来月もお楽しみに!

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