
コンバージョン数の増減の要因分析や、クリエイティブの成果検証のためのレポートダウンロードなど、アカウント分析業務は広告運用者が頻繁に行っている業務です。
グラフやレポートのダウンロードが少しでも使いやすくなればいいのにと思っている広告運用者も多いのではないでしょうか。
2022年9月、LINE広告の配信結果を管理画面上でより詳細に可視化・表示項目を使って簡単にレポート化できる新機能を発表しました。
本記事では、LINE広告の分析・レポートに関する2つのアップデートを含む、2022年9月にリリースされた4つのアップデートを紹介します。


目次
1.グラフの指標が最大2つから4つに
広告管理画面上のグラフの指標が、これまで2つまで選択可能だったものが、最大4つまで設定できるようになりました。
たとえば、コンバージョン数増加の要因分析をしたい場合、グラフの指標に「CV」「CVR」「CTR」「IMP」を追加すれば、各指標の相関関係をグラフで表せ、数値の変化を分かりやすく把握できます。
各指標の数値は、グラフにマウスオーバーすると確認できます。
なお、指標を2つ選択した場合と、指標を3つ以上選択した場合では、グラフの見え方が異なります。
指標を2つ選択した場合は、グラフの縦軸に指標名が表示されるのに対し、指標を3つ以上選択した場合は表示されません。
指標を3つ以上選択した場合は、相関関係の有無を把握したあと、必ずグラフをマウスオーバーして各指標の数値も確認するようにしましょう。
2.画面に表示している項目でレポートをダウンロード可能に
これまでレポートは、パフォーマンスレポート経由でしかダウンロードできませんでした。本アップデートより、キャンペーン・広告グループ・広告の画面に表示している項目でレポートをダウンロード可能になりました。
レポートのダウンロード方法
画面に表示している項目のレポートは、キャンペーンまたは広告グループ、広告の画面の「表示項目」の右側「ダウンロード」をクリックすることでダウンロードできます。
ダウンロード可能なレポートの種類
ダウンロードをクリックして開いたプルダウンから、レポートの種類を選択します。レポートは画面ごとにアセットが異なり、次の5つより選びます。
画面 | 種類 | 内容 |
キャンペーン | すべてのレポート (キャンペーン) | すべてのキャンペーンを対象としたレポート |
---|---|---|
キャンペーン・広告グループ | すべてのレポート (キャンペーン・広告グループ) | すべてのキャンペーンと広告グループを対象としたレポート |
選択済みのレポート (キャンペーン・広告グループ) | 選択したキャンペーンと広告グループを対象としたレポート | |
キャンペーン・広告グループ・広告 | すべてのレポート (キャンペーン・広告グループ・広告) | すべてのキャンペーンと広告グループ、広告を対象としたレポート |
選択済みのレポート (キャンペーン・広告グループ・広告) | 選択したキャンペーンと広告グループ、広告を対象としたレポート |
画面に表示している項目のレポートは、素早く広告管理画面の成果をダウンロードするのに便利です。
しかし、パフォーマンスレポートとは確認できる集計単位が異なるため、注意が必要です。
たとえば、年齢別で成果を分割して見たい場合はパフォーマンスレポートでしかダウンロードできません。用途に応じて使い分けていきたいですね。
パフォーマンスレポートと画面の表示項目経由のレポートで確認できる項目の詳細は、以下のリンクを参考にしてみてください。
参考:レポートをダウンロードする|LINE for Business
3.「小サイズの画像」が一括アップロード機能に対応
「小サイズの画像(※)」が一括アップロード機能に対応しました。
広告の作成やキャンペーンのさまざまな設定の一括変更を行いたい場合は、バルクシート(※)を用いた一括アップロード機能を利用すると便利です。
しかし、今までは「小サイズの画像」は広告管理画面上で選択できても、バルクシートでは設定ができませんでした。
「小サイズの画像」は、LINE広告で最も表示回数が多いトークリストを中心に広告配信できる広告フォーマットです。「小サイズの画像」がより柔軟に入稿できる仕様へとアップデートされたのはうれしいですね。
「小サイズの画像」を一括アップロードする方法
「小サイズの画像」を指定するには、バルクシートの項目「Image for smallsize ID」を使用します。IDの確認方法は、次のとおりです。
広告マネージャーのメニューアイコンから「メディア」を選択します。
IDの列に表示されている数列が「Image for smallsize ID」です。
一括アップロード機能について、詳しくはこちらの記事をご参考ください。
※小サイズの画像とは、LINEのトークリストやHomeTab、LINE NEWS面に配信する広告フォーマットです。Small Image Adsとも呼ばれます
※バルクシートとは、広告アカウント・キャンペーン・広告グループ・広告の設定情報を記入するためのCSV形式のファイルです。
4.新規キャンペーン作成時に「キャンペーン予算の最適化」がデフォルト設定に
キャンペーン単位で設定した予算を、パフォーマンスに合わせて広告グループ間で最適化する機能「キャンペーン予算の最適化」が、新規キャンペーン作成時にデフォルトでONの設定になりました。
キャンペーン予算の最適化は、キャンペーン配下の広告グループで自動入札を設定している場合に使用できる機能です。広告グループごとに手動で予算の設定や変更の必要がなく、パフォーマンスに応じて予算配分を最適に割り振ることが可能です。
ただし、広告アカウントの予算管理の方法によっては、「キャンペーン予算の最適化」が目的に合致しない広告アカウントもあると思います。その場合は「キャンペーン予算の最適化」をOFFにします。
例えば、広告グループを店舗別に分けて運用しており、店舗別毎に広告予算が決められている広告アカウントなどは、広告グループで1日の予算を設定するのがよいでしょう。
まとめ
グラフに表示できる指標数が増えたことで、直感的にどの指標が影響してコンバージョン数が増加したのかを最大4つまで見比べて分析できるようになりました。
また、画面に表示している項目でレポートが出せるようになり、すぐにレポートをダウンロードできるようになったのは分析の効率化につながりうれしいアップデートです。
業務の効率化につながるアップデートもしっかりキャッチアップして、広告運用の業務スピードアップを図っていきたいですね。
