広告運用だけでなくマーケティング全般の仕事をまかせてもらえるようになるには?

広告運用だけでなくマーケティング全般の仕事をまかせてもらえるようになるには?

という質問を先日いただきました。

参考:現在運用の代理を行っているのですが、運用だけでなくマーケティング全般からアドバイスしていけるようになりたいのです | Peing -質問箱-

運用型広告を担う私たちは戦術を実行する者という位置付けになる場合が多く、そのため「言った通りに動くこと」が求められている場合が多いですよね。往々にして「戦術的にいい案があれば欲しいな」くらいのスタンスで運用の依頼を受けることが多いのではないでしょうか。

しかしながら、弊社でも広告運用の枠に限らないご相談をいただけるケースも少なくなく、新たに「マーケティング支援」というサービスを立ち上げていたりします。

参考:マーケティング支援

今回は、広告運用だけでなくマーケティング全般の仕事をまかせてもらえるようになるには?について考えてみたいと思います。

まずは目の前の仕事で圧倒的な成果を出すこと

広告は即効性があります。理想は初月に成果を出すことです。そうすると、それはあなたの手柄。信頼されアドバイスを求められるでしょう。

しかし時間がかかってしまうと・・・他の人の手柄になってしまいます。なぜなら、他の施策、季節要因など色々な変数があって、比較がしづらくなってしまうからです。まずは初月に結果を出して信頼してもらうこと、これが第一歩です。

ビジネスを理解し、現状のマーケティングの戦略と施策を把握しておくこと

運用型広告はマーケティングの戦略を見たとき、戦術のひとつに過ぎません。それを理解することが第一歩です。今走っている戦略、すべての施策の中で運用型広告はどういう役割なのか。

  • LTVはどのぐらいか?どういうユーザーのLTVが高いのか?
  • 現状のCPAはLTVに対して適切か?(LTVがほんとうに正しいのか?)
  • 今ある指名検索はどの施策からの流入か?
  • ブランディングや自社メディアの育成など中長期的な施策に取り組めているか?
  • 広告の1チャネルに依存しすぎていないか?健全なバランスか?

こういった全体感を把握できると、あなたの提案も戦略のあるものになり、説得力を増すでしょう。

ところで、広告運用の担当としては「広告費をどんどん増やしましょう!」と言いたくなるところですが、実は戦略的に見ると「広告を絞りましょう」「止めましょう」に行き着くことは少なくありません。

なぜなら、多くの会社で最終的にはROIの最大化が重要ですから(もちろんスタートアップなどにおいてはROI度外視で広告を強化するフェーズもあります)、中長期で見ると広告依存度はむしろ下げるのが健全だからです。

ビジネスの末永く健やかな成長に寄り添う気概を持つこと。そのためには引きの一手も選択肢に入れられること。すると一歩、いち広告運用担当を超えた視点になれるのではないでしょうか。

自分でやった、あるいはそう言えるぐらい自分ごと化された経験・実績を積むこと

過去いた会社のマーケティング、過去持っていたクライアント、自分で育てたメディア、自分で作ったビジネス……なんでもいい。自分がやった、あるいはそう言えるぐらい自分ごと化された成功体験があるといいでしょう。

責任を持ってビジネスを伸ばした経験がないと、裏側の事情が汲み取れないので、発言が薄っぺらになりがちです。自信も無いので、横から口を挟めないですし、説得力も出ません。究極、経営者の悩みの本当のところは、経営者にしか分からないのは真実です。

とはいえ、自ら起業して、メディアを育てて……というのはすぐすぐは難しいですが、目の前の仕事からでも学べることは沢山あります。

今の立場で見れる情報をかき集め生の数字を見る。クライアントや上司が何を考えて仕事をしているのか、気になったことは突っ込んで聞いてみる。自分がその立場ならどうするか?で考える。そして、どういう結果になったかに目を光らせる。

そういった積み重ねが、手触り感のある体験につながっていきます。

広告管理画面は宝の山。戦略に活かせるデータが無いか考えてみること

広告運用自体は、経営から見るとあくまでいち戦術にすぎません。しかしそこから得られるデータは戦略に活かせるものです。なぜなら、最も重要なピースのひとつである「顧客」の動向が詳細に掴めるからです。

主に掴みたいのは、「顧客がどういう気持でなぜ買ってくれるのか」と「現状の戦略」とのズレです。これが大きくズレていると、メディア選定やクリエイティブは適切か?プロダクト自体の見直しが必要でないか?それに伴いサプライチェーンの見直しが必要で無いか?こういった戦略の転換を迫られます。

運用型広告では配信を通じて多くのデータが見られて戦略にも活かせるヒントの宝庫です。しかも少額からも配信が可能です。

広告管理画面の検索語句データはユーザーの生々しいお困りごとが見れます。しかもコンバージョンのデータや、入札の競合性まで詳細に確認できます。

たとえば、女性向けを想定したプロダクトだけど、検索語句の「メンズ」掛け合わせでまとまった獲得が出ている。すると、セールスターゲットに男性も加え男性向けLP、場合によっては男性向けの商品も作ってみる……こういう展開も期待できます。これは検索語句データを戦略に転換した例ではないでしょうか。

また、ディスプレイ広告だと、どのメディアで獲得が出ているか?どういうクリエイティブの成果がいいか?商品の見せ方や売り方といった、戦略立案の参考になるデータもこれらも詳細に確認できます。

機動力高くデータを取りに行き、コスト・リソースを最小限に仮説検証ができるため、これを活かさない手はありません。

現状を正確に把握し、これまでの経緯にリスペクトを持つこと

これまでの経緯や予算・リソース状況も無視して、戦略の提案はできません。

「たしかにLPを新しく作ったほうがいいけど、今はデザイナーのリソースが空いて無いし、それってそもそも今月やるべきじゃないよね」ということになりかねませんよね。

また、これまでも誰かが戦略を考え段取りの旗を振って進めてきたわけです。ここへのリスペクトがなくして現場は動きません。理想を振りかざす頭でっかちになってしまいます。

まずはこれまでの仕事をリスペクトすること。

そのうえで、新しい戦略をよく分かっていただき、付随する施策の優先順位を付けて、誰が何をやるのかを決め、自分はどこを手伝えるのか線引きする。ここまで目配せができると、提案もスムーズになります。

未来を信じて実現させる熱意を持つこと

自分の提案の面白みに心からワクワクしていて、実現される未来を信じ切ることが一番大切です。

これがないとマネージャーも現場のメンバーも協力はしてくれません。

たとえば、「コンテンツマーケティングをやりましょう」だけ提案しても実現はできません。マネージャーに有用性を理解して旗を振ってもらい、詳しいメンバーにいいコンテンツを書いてもらい、結果が出なくても、社内から白い目で見られても、辛抱強くいい記事を書き続けないといけません。これは、未来を信じ切っていないと、かなり苦しい仕事です。

なので、それでもなお「やるべき」と言い切って巻き込む熱意が大事になってきます。そのためには、上記で述べてきた現状把握、自分ごと化された経験・実績はもちろん必要。そして何よりそのプロダクトが大好きでぜひ世に広めたいという愛が大事になってくるのではないでしょうか。

一流のマーケターはすべからく担当の商品を愛し大好きになるまで使って調べまくるものです。

ビジネス、マーケットの相談ができる「参謀」へ

戦術から戦略を立案できるスキルが身につけば、他のビジネスに横展開も可能です。そして、そのスキルこそ今後、運用者含め代理店やマーケターが目指すべき理想であり、求められている姿なのではないでしょうか。

しかし、最も忘れてはいけないのが今、あなたの任せられている領域を超えてマーケティングの相談をしてもらうには第一に信頼を勝ち得ないといけないということです。私たちはよく「頼もしい参謀であること」と表現していますが、その根底にあるのもクライアントからの信頼があってこそだと考えています。

「ビジネスの末永く健やかな成長に寄り添う」この気概を忘れず健全に、広告運用していきたいものですね。

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Junya Koyama

Junya Koyama

アナグラム株式会社 マネージャー。インターネット広告代理店にてリスティング広告の分析・運用を経験後、2014年8月よりアナグラムに参画。健康食品、アパレル、求人、士業、BtoBなど多岐にわたる商材の広告に携わり事業拡大に貢献。

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