「CPA(顧客獲得単価)が高騰してしまった…。」「コンバージョン数が減少した…。」
何かしらの理由でリスティング広告のアカウントを乗り換えたり、担当者が切り替わった場合などでリスティング広告に関わる方々におかれましては、このような事象で悩むことも決して少なくないでしょう。しかし、それは必ずしもリスティング広告の価値が下がったのだと言い切れるものではありません。
ゼロックスは倉庫業務のノウハウをアウトドア用品のL・L・ビーンに学び、請求業務をアメリカンエクスプレスに学んだといいます。それと同様に、私たちはリスティング広告の新たな管理方法を模索する中、数年前に製造業の世界に飛び込み、多くの学びを得ることが出来ました。その結果、現在の運用の基盤はその時に得たメソッドが中心になっています。今回はその一部を共有します。
製造業ではValue(価値)を「Value(価値)=Function(機能)/Cost(コスト)」といった計算式で表します。更に、Value(価値)の向上には4つのパターンがある言われていますが、その考え方はリスティング広告にも当てはまりますので、1つずつ解説していきます。尚、リスティング広告においてのFunction(機能)とはコンバージョン数である、Cost(コスト)とはCPAであると定義して進めます。
また、わかりやすいように仮の数字として現状のデータが以下の状況であるとして解説していきます。
・CPA=5,000円
・コンバージョン数=100
・広告予算=500,000円
CPAが下がってコンバージョン数が現状維持
・CPA=3,000円
・コンバージョン数=100
・広告予算=300,000円
CPAが下がり、コンバージョン数が変わらないのであれば結果的に広告予算は減少します。これによりリスティング広告の価値は向上したと言えるでしょう。
CPAが下がってコンバージョン数が増加する
・CPA=3,000円
・コンバージョン数=200
・広告予算=600,000円
CPAが下がり、コンバージョン数が増加するという形はリスティング広告の成功例の最上級の状態だと言えるでしょう。これは一目瞭然にリスティング広告の価値は向上したと言えますね。
CPAが変わらず、コンバージョン数が増加する
・CPA=5,000円
・コンバージョン数=200
・広告予算=1,000,000円
CPAが変わらずに、コンバージョン数が増加するという形でもリスティング広告の価値は向上したと言えます。ただし、予め広告予算が定められていて柔軟に変更できな場合などは予算高騰のレッテルを貼られてしまう可能性もあるので、予めクライアントに相談しておくのがよいでしょう。折角の価値向上の機会ですから、出来る限り継続して行けるような体制づくりが重要と言えます。
CPAが高騰し、コンバージョン数が増加する
・CPA=6,000円
・コンバージョン数=200
・広告予算=1,200,000円
CPAが高騰し、コンバージョン数が増加するという形。一見、価値が下がったとみてもおかしくないケースですが、このケースでもリスティング広告の価値は向上したと言えるケースが存在します。例えば、本件の損益分岐点が8,000円であったとした場合の計算式は以下です。
例題
・CPA=5,000円
・コンバージョン数=100
・利益=300,000円例-「CPAが高騰し、コンバージョン数が増加した場合の例」
・CPA=6,000円
・コンバージョン数=200
・利益=400,000円
注意点としてこのケースではコンバージョン数と利益率によっては価値が向上したと言えない場合がありますので、前提条件などを十分に検証の上で利用しましょう。
まとめ
リスティング広告の価値を引き上げる基準は原則的に上記で紹介した4つの基準しかありません。リスティング広告ではどうしてもCPAで判断されることが多いため、本来の価値から目を背けてしまいがちですが、必ずしもCPAだけに依存する必要はなく、固定概念に縛られない思考で施策に取り組むことが重要といえますね。
歴史の浅いリスティング広告業界は換骨奪胎的な取り組みが必要不可欠です。その為、これからもさまざまな業種から多くのメソッドを取り入れる必要があると私たちは考えています。そしてそんな仲間を募集中です。