LINE社が運用型広告配信プラットフォーム「LINE Ads Platform(以下、LAPと表記)」システムの大幅刷新を2018年8月20日より行うと発表しました。
今回の刷新内容は大きく分けて3つあります。
- アカウント構造の変更や管理画面のUI刷新
- 広告費用対効果(ROAS)の向上を図る機能の提供
- データ活用の促進
1.アカウント構造の変更や管理画面のUI刷新
- 広告配信の最適化に適したアカウント構造への変更
- 管理画面UIの刷新
現在は、自動最適化の設定がキャンペーンレベルでのみ可能となっており、一部の広告グループにのみ自動入札を適用することはできません。Google 広告やFacebook広告では、同一キャンペーン下の広告グループそれぞれに異る入札戦略を用いることができますが、これがLAPでも可能になる見込みです。広告配信の最適化がより柔軟に行えるようになりそうですね。
Google 広告のリニューアル版の管理画面しかりですが、ユーザーの使い勝手向上はサービス利用者にとって大きなファクターです。変更時には戸惑うこともあるかもしれませんが、わかりやすいUIを追求して改善が加えられていくのはうれしいです。
また、現在は広告代理店経由でのみアカウントの開設が可能ですが、2019年上半期を目処にセルフサーブ機能(広告代理店を通すことなく、広告主自身が広告の設定や運用管理を行える機能)も導入が予定されているそうです。Twitter広告のセルフサーブでの提供時がそうであったように、利用のハードルが下がり、SMB領域中小規模のビジネスへの展開も加速していくでしょう。
2.広告費用対効果(ROAS)向上を目指す改善を行う
- ダイナミック広告(DPA)の提供
- アプリ内の売上を最大化する自動入札最適化機能の提供
Google の動的リマーケティングやCriteoに代表されるダイナミック広告が、LAPでも配信可能となります。また、広告費用対効果(ROAS)を向上させるように自動入札による最適化の利用も可能となります。
3.データ活用の促進
- 利用データの計測などを行うLINE Tagを提供。ユーザーデータを最大限活用
- 登録会員数2000万人超の「LINEショッピング」の購買データなどの活用
- LINEの法人向けアカウント広告とのターゲティング連携。各ユーザーへの最適化を自動的に行える、マーケティングオートメーションを実現
これまでの「セグメントタグ」「コンバージョンタグ」に代わり「LINE Tag」の導入が発表されました。2のダイナミック広告の開始とも関連があると思われますが、他の広告配信プラットフォームと同様に、「閲覧した商品」「カートに追加した商品」などのようにユーザーのサイト上での行動をより詳細に把握できるようになるのではないかと考えられます。
広告配信プラットフォームとしての存在感を増すLAP
LAPの広告主は2018年8月現在6,000社ですが、セルフサーブ機能の導入により今後その数を多く伸ばすことは想像に難くありません。
LINEアカウントはコミュニケーション以外の用途でも利用が拡大していることから、その裏ではユーザーに関する膨大な行動データが蓄積されているでしょう。今回の大幅刷新はこれらのユーザーデータを効果的な広告配信に活用するために、LINE社として大きく舵をきるという方向性が示されたのではないでしょうか。
今後も広告配信プラットフォームとしてますます存在感を増すであろうLINE Ads Platformに注目していきたいと思います!