未来の行動のきっかけになる広告をユーザーへ届けたい。TimeTree Adsの媒体資料には載っていない魅力とは?

未来の行動のきっかけになる広告をユーザーへ届けたい。TimeTree Adsの媒体資料には載っていない魅力とは?

2021年6月現在、登録ユーザー数3,000万人以上、とくに20代から30代の女性において高い利用率を誇るカレンダーアプリ「TimeTree(タイムツリー)」。

以前、本ブログでTimeTreeの中に広告が出せるTimeTree Adsについて説明しました。

(TimeTree Adsって何?という人はまずこちらをご覧ください。)

今回はご縁があり、株式会社TimeTreeの方々にインタビューする機会をいただきました。TimeTree Adsの媒体資料に載っていない魅力について迫っていきます。

話し手:
株式会社TimeTree
広告事業ビジネス責任者 香川 太司 さま
広告事業プロダクト責任者 新保 周 さま

聞き手:
アナグラム株式会社
二平 燎平


※このインタビューは2021年4月に行われました。


予定ターゲティングは検索広告とディスプレイ広告の中間

–他の媒体にはなくTimeTree Adsでユニークなのが「予定」をもとにしたターゲティング機能ですよね。予定をターゲティングするって、どういうことなのでしょうか?

香川:そうですね。予定ターゲティングができるのは当社だけだと思います。

予定ターゲティングとは、TimeTree内に特定のジャンルの予定を登録しているユーザーをターゲティングできる機能です。

画像引用元:「TimeTree Adsセルフサーブ(運用型広告)メディアガイド 2021.7-9」

例えば、予定ターゲティングの種類に「育児関連予定」というものがあります。これを利用することで、幼稚園の送り迎えなど育児関連の予定を登録している人にランドセルの広告を配信できます。

画像引用元:「TimeTree Adsセルフサーブ(運用型広告)メディアガイド 2021.7-9」

他にも、記念日関連の予定を登録している人には、お花のギフトやケーキ宅配の広告。引越し関連の予定を登録している人には、そのタイミングで必要となる引越し業者や家具、通信機器などの広告を配信可能です。

–なるほど!今までにはない切り口でターゲティングできますね。広告運用者としてはとても興味深い。

香川:予定ターゲティングとは従来型の運用型広告とは異なった軸からのターゲティングが可能となっており、検索広告とディスプレイ広告の中間のターゲティングだと考えています。

–検索広告とディスプレイ広告の中間のターゲティング?それってどういうことですか?

香川:例えば引越しで考えてみましょう。検索広告だと既に検索しているのでニーズが確実にありますが、皆さん出稿されているので競合が多いと思います。

一方、ディスプレイ広告だと常日頃、引越しのことを考えているわけではないのでターゲティングが難しい。必要なタイミングで検索して探すのが一般的かと思います。

しかし、予定ターゲティングだと実際に引越しの予定がある人に広告を配信できますので、従来の検索や興味関心の軸とは異なるアプローチができます。

検索ほど今すぐにというわけではないですが、将来的に予定が登録されているので確実にニーズがあり、興味関心のターゲティングより顕在化しています。検索広告とディスプレイ広告の中間のターゲティングになるかなと考えています。実際に利用されている方々からは、新規ユーザーの流入が多いといった評価をもらうことが非常に多いですね。

–予定という未来の行動をトリガーにしているので、ディスプレイの面でも興味関心より確度が高いイメージですね。ちなみにお話出来る範囲でいいのですが、ターゲティングのロジックはどのようになっているのですか?

香川:あまり細かくは言えないのですが、ユーザーが登録している予定を独自の機械学習にかけて、子育て関連の予定と判断したら、子育て予定のジャンルとしてターゲティングできるようになっています。ただ、結構予定をジャンル化するのが難しく苦労しました。

例えば、〇〇ちゃん散歩。という予定があったとするとその散歩が友人なのか?あるいは犬なのか?その文脈だけでは分からなかったり、絵文字しか予定に入れない人もいたり。

–あー!確かに。僕の友人もよくカレンダーに絵文字で予定を入れています(笑)

広告プロダクトを開発した当初は苦労しましたが、いまでは機械学習によってターゲティングの精度も向上してきていますね!

カレンダーを通してユーザー行動のきっかけになる

–予定ターゲティング以外にも他の広告プロダクトと違う部分はありますか?

香川:TimeTreeならではの広告プロダクトだともう一つ「予定作成型広告」というものがあります。

–予定作成型広告?とはどういったものでしょうか?

香川:予定作成型広告とは、広告をクリックするとTimeTree内に予定が追加される広告です。ドラマ放映日やセール開始日など、忘れてしまうとユーザーが参加できなくなる予定がありますよね?これらの予定は広告主側も覚えてもらい、参加してほしいと考えているでしょう。

–確かに。Amazonのセールとかいつだったかな?と思い、いつも検索しています(笑)

この両者のニーズを上手く満たすことができないかという発想で生まれたのが、予定作成型広告です。現在は主に映画公開日の告知や新店舗オープン、セール開始の案内などに活用されています。

「今日から新しいドラマが始まるから早く帰ろう」
「楽しみにしていた映画の公開日!友だちを誘ってみよう」

ちなみに、予定登録をした人のカレンダー内にいる家族や友人などにも共有されるため、広告によって登録した予定をきっかけに、TimeTreeのユーザー間で会話が生まれるといいなと思い、開発した広告フォーマットでもあります。

–なるほど!新しいドラマや映画などの予定を把握していれば、その予定について友達や恋人と会話する機会になりますね!

家族やライフスタイルに役立つ広告の効果が高い

–色んな用途で使えそうですけど主にTimeTree Adsはどのような用途で使われるのが多いのですか?

香川:2つあります。1つは家族向けにアプローチしたい広告主様や広告代理店様が活用されることが多いです。

業界だと、不動産、教育、育児、食品、家計簿やレシピなどのライフスタイルアプリなど。予定を登録しているひと自身というよりは、その家族に向けた商品やサービスに対する広告の効果が高い特徴があります。

広告主様だと、自社のユーザー調査をした結果TimeTreeの利用者が多かったことから、広告を出してみたいという声をいただくケースが多いですね。TimeTreeは家族や恋人での利用が多く、特に25歳から34歳世帯の4世帯に1世帯くらいの割合で利用されています。

–広く利用されているんですね。僕もTimeTree Adsを運用するようになってから詳しく知ったのですが、身近でも利用している人が思ったより多いなという印象です。

2つ目はライフスタイルに合わせてターゲティングしたいという用途です。

例えば、エステやネイルなどサロンへ通う予定やサークルなどのスポーツの予定が定期的にあるユーザーへは、そのライフスタイルに沿った広告を出したいと要望に応えることができます。

–なるほど、定期的な予定などはあらためて調べたりすることもないでしょうし、興味関心によるターゲティングでは捉えられない場面も少なくないですよね。

企業やコミュニティでの利用も広がっている

香川:子育てをされている方など家族関連の予定を共有し利用してる人が多いのですが、ユーザーが増えるにつれて使い方も多様化してきています。

–どのように多様化しているのですか?

例えば、好きなゲームイベントの予定やスポーツ、部活やコミュニティ、趣味の予定を友人と共有するといった使い方なども増えているんです。

参考: TimeTree みんなの使い方 ,TimeTreeのお知らせブログ

※ブログやサイトではユーザーのさまざまな使い方も紹介されている

企業・団体による公開カレンダーの活用も

香川:TimeTreeには「公開カレンダー」という機能があります。この機能は、カレンダー形式でだれでも簡単に無料でイベント情報を配信できるプラットフォームです。その公開カレンダーをフォローすると公開された予定を自身のカレンダーに簡単に登録することができるのですね。

–そんな機能があるんですね。知りませんでした!
埼玉西武ライオンズさんの公開カレンダー – TimeTree

たとえば、埼玉西武ライオンズさんでは、試合日や選手の誕生日をカレンダーに登録して共有しています。ファンの方が埼玉西武ライオンズさんのカレンダーをフォローすることで自分のカレンダーに予定が反映されるという仕組みです。

わざわざ、球団のオフィシャルサイトに行って試合日やイベントの日時を調べる必要が無く、任意のカレンダーをフォローするだけで、埼玉西武ライオンズのイベントを知ることができるのでユーザーからとても便利だという声をいただいています。

現在はスポーツチームだけではなく企業でも導入されています。企業側のメリットとしてはフォローしてもらえれば、予定を自動的にユーザーのカレンダーに反映できるので、漏れなく伝えられることです。スーパーなどであれば、セール日を記載した共有カレンダーを作成し、そのカレンダーをフォローしてもらえれば、ユーザーの予定に直接、反映することができるんです。

–なるほど!例えば、近所のスーパーの公開カレンダーをフォローすれば自動的に特売日やポイントアップデーがカレンダーに反映されるということですね。企業にとっては、伝えたい情報を予定というかたちで、あらかじめ登録しておいてもらえるのは大きなメリットですね!

そうですよね。このように個人に限らず企業での活用もでき、家族の予定共有だけでなく、さまざまな使い方をするユーザーが増えてきています。そのため、家族向け以外の商材の広告もユーザーのニーズに合わせて、徐々に増やしています。それぞれのユーザーにより合った広告を届けていきたいですね。

「ユーザーに喜んでもらえるようなプロダクトを作りたい」そんな思いで集まったメンバーが広告プロダクトを開発

香川:広告プロダクトに関わっているメンバーは、過去にTimeTreeのサービス開発に携わっていたメンバーが多く、「ユーザーが喜ぶプロダクトを作りたい」といった思想を強く持っています。そんなこともあり、広告プロダクトを作る時も「ユーザーが喜ぶ広告にしたい」といった思想で開発が進みました。

欲しいものと必要なものは違う

他の広告媒体だと過去の行動履歴から推測でターゲティングすると思いますが、基本的には欲しいと予測できるもの、興味関心を持って探しているものが広告として表示されますよね。

–そうですね。関連商品など自分の興味関心に合わせて広告が出てきますね。

ただ、欲しいものと必要なものというのは違うのかなと考えています。本当に必要なものは普段は調べていないことも多いですよね。

TimeTreeであればカレンダーの予定というリアルな未来の行動を元にしたターゲティングができるので、必要としているものを必要なタイミングでユーザーに届けられるのではないか?という着想から広告プロダクトの開発が始まりました。

たとえば引越しなどのイベントが発生した時に、さまざまなものが必要になると思います。それらを一つ一つ調べるのは面倒くさいですよね。カレンダーに登録した引越しの予定に合わせて、必要なものが広告で表示されるような体験を届けられればTimeTreeの利用者側にとっても、広告主にとっても、双方良しの体験が得られるのではと考えています。

TimeTreeだと将来の予定を軸にライフステージの変化に合ったものを必要なタイミングでレコメンドできるのでその強みを活かした広告プロダクトとなっていると思います。

–僕も半年前に引越ししたんですが、準備したり調べるものが多くて苦労しました。その際に必要なものを提案してくれる広告はありがたいですね。

ユーザーにとって必要な広告を届けたい

香川:広告ビジネスを始めてからもユーザーに不快な広告にならないように細心の注意を心がけています。

例えば、TimeTreeの広告をTwitterなどのSNSでエゴサーチして見ています。TimeTreeの広告が良かったよね、悪かったよねなどつぶやかれているのを見てまとめて開発に活かしているんですね。

さらに、TimeTree内に出稿される商材もなるべく、トンマナが合うようなものを優先的に掲載しています。一方、先に述べたようにユーザーも増え、使い方も多様化してきているので家族向けの以外の商材も増やしていきたいですが、ユーザーにとって必要のない広告ができる限り目に触れないよう注意をしながら拡充していく予定です。

広告主や広告運用者にも、より効果的で使いやすい広告媒体へ

–今後TimeTree Adsはどのように進化していくのでしょうか?

新保:原則としてユーザーの体験に重きを置いて考えていますが、よりパフォーマンスを向上できるように開発を進めています。

例えば予定登録完了直後に広告が出る新しい広告枠が4月にリリースされました。

こちらの広告枠は今までのTimeTree内の広告と比べるとクリック率が3倍近く向上しています。予定ターゲティングでの利用も今後できるようになる見込みです。

たとえばTimeTreeにスポーツ関連の予定を登録完了した直後に、運動用のスニーカーやスポーツ飲料などスポーツに関わる商品やサービスの広告を出すようなことが可能になります。

–おお!それは良さそうですね。まさに必要になるタイミングで必要なものを紹介できそう。

その他にも、より広告を運用しやすくなるように開発を進めています。これまでは固定CPMの入札方式でしたが、他社の広告プラットフォームのように目標に合わせて自動入札ができるようになったり、管理画面を更に見やすくリニューアルしたりと、開発を予定しています。

弊社の広告システムはグローバルのアドテク分野で高い評価を得ているMOLOCO社と共同で開発を行っていて、より高い効果を実現できる広告プロダクトを目指しています。

–そうなんですね。自動入札も期待ですね!

まとめ

正直なところ、当初は配信面が「カレンダー共有アプリ」で、家族向けの商材に合いそうという配信先のひとつといった認識でした。

しかしながら、実際にお話を伺ってみると他の媒体にはないユニークさや、広告ひとつとってもユーザーにこれから必要になる情報を届けたいというユーザーファーストな姿勢を感じることができました。

過去の閲覧履歴や行動から分析される興味・関心をもとにターゲティングを行える広告媒体は非常に多いですが、予定を軸に「未来の行動」にフォーカスしてターゲティングを行えるのはカレンダーアプリならではです。広告主にとっても、貴重なタイミングでユーザーにアプローチできる魅力的な媒体ではないかと感じます。

広告運用者としても、検索広告とディスプレイ広告の中間とも言えるターゲティングを使い、どのようなコミュニケーションを設計するかは、腕の見せ所ではないでしょうか。

ユーザーの広告体験やプライバシー保護の観点から、外部データをターゲティングに利用していくことは今後、より困難になっていきます。

その中で、サービス自身が持っている価値をさらに高めていきたいと、広告プロダクトの開発にも取り組むTimeTreeのみなさんの考え方が非常に素敵でした。

サービスとしても、運用型広告のプラットフォームとしても、今後の進化がますます楽しみです。

香川さま、新保さま、貴重なお話ありがとうございました。

この記事のURLをコピーする
Ryohei Nihei

Ryohei Nihei

アナグラム株式会社 クルー。茨城県出身。大学3年まで野球一筋に打ち込む。あるきっかけから野球をやめ、ビジネスに興味を持ち、学生団体やメディア運営をする。大学を卒業し、起業家支援や基幹システムの販売をする会社に入社。マーケティングからセールス、CSを経験。その後、国内最大級のインバウンドニュースサイトにてライター兼営業として活躍。運用型広告を極めたいという思いからアナグラムに2019年に参画。

最近書いた記事