BtoBマーケティングに営業経験が活きる5つの理由

BtoBマーケティングに営業経験が活きる5つの理由

BtoBマーケターを育成したり、BtoBマーケティング組織のインハウス化の支援する中で、活躍してるBtoBマーケターには営業職を経験していたり営業経験がある方が多いという印象があります。私自身も約5年間の営業経験があり、その経験が現在のマーケティング業務に非常に役立っていると感じています。

営業とマーケティングは、本質的には人を動かすことが仕事であり、共通点が多いですよね。そこで今回は、BtoBマーケティングにおいて営業経験が活きる5つの理由について解説します。

BtoBマーケティングに携わっている方、営業職に従事しておりマーケターのキャリアを考えている人には参考になればと思います。


1. 自分を通して購入してもらう体験ができる

営業を経験すると、数多くの顧客と商談しセールストークをアレンジしながら、相手の反応を見て最適化していく経験ができます。これにより、買ってもらえるコミュニケーションの共通項や基本的な流れを理解できるようになります。まさにこの流れが、広告文やLP、記事LPを作る時と同じだと考えています。

マーケティングにおいても、顧客が何に困っていて、どんなコミュニケーションを取れば興味を持ってもらえるか、購入に繋がるかを考えることが重要です。営業での経験は、広告文やランディングページ作成時に、買ってもらえるコミュニケーションの流れを意識する上で役立つでしょう。

対面とWebとでは相手の状況が異なるため、営業トークそのまま使えばいいわけではありませんが、下手なリサーチをするよりも実際に売れている流れを参考にするので再現性も高いのではないでしょうか。

2. 顧客の言葉で語りかけることの大切さを学べる

マーケティングと営業において、「顧客の言葉で語りかける」ことは成果を出すための重要な考え方です。

営業時代、私は顧客が「営業改革して売り上げを上げたい」と話していたら、提案書のタイトルに「営業改革して売上を上げるご提案」と、相手の話していた言葉をそのまま盛り込むことがよくありました。顧客が実現したいと思って話していた言葉を用いて、実現できる未来を表現するとセールストークや提案が伝わりやすくなるのです。このように作成した提案書は受注率が高い傾向にありました。

BtoBの場合、顧客の言葉を前面に出した事例を活用した広告が効果的なケースが多いと私は経験上感じています。これは、BtoB顧客の購買動機がBtoCに比べると明確であることが多いためだと考えています。そのため「顧客の言葉で語りかける」ことが顧客の情報ニーズを満たすことに繋がります。

もちろん、業界や商材、ターゲット層によって最適なアプローチは異なります。自社の市場特性をしっかりと見極め、広告パターンを検証しながら最適解を追求することが大切だと考えます。いずれにしても、顧客視点に立ったメッセージ作りの重要性は疑いようがありません。その点で、営業経験で培われる顧客理解のスキルは、マーケターにとって大きな財産になるはずです。

3. 目標達成のためのコミュニケーション力が磨かれる

営業職では、どうやって伝えれば顧客に購入してもらえるかを常に考え、コミュニケーションの取り方を工夫します。その過程で自然とコミュニケーション力が磨かれていくのです。

広告やLP、メディアなどさまざまなものを媒介してのコミュニケーションが多いマーケティングに比べ、顧客とダイレクトにやり取りを行う営業では、受け取る情報の多さも大きく増えますし、その機会も多く得られるでしょう。

BtoBマーケターは特に自分たちだけでは顧客とのやり取りが完結しないため、営業やカスタマーサクセスなどリード獲得後の工程を担う部署と緊密に連携する必要があります。その点で、目的達成のためのコミュニケーション力は非常に重要だと言えます。

営業職の経験があれば、顧客の反応を見ながらコミュニケーションを最適化していく訓練を積んでいるはずです。その経験は、社内の関係部署ともスムーズにコミュニケーションを取る上で、必ず役立つでしょう。目標達成に向けて関係者を巻き込み、納得感を持って協力を引き出すスキルは、営業でもマーケティングでも共通して求められる資質だと言えます。

4. 数値を追う習慣、活かす習慣が身につく

営業職では目標の数字が設定されることが常です。その達成に向けて考え、行動します。マーケティングでも各種KPIを意識しながら施策を実施し、数値から課題を見出し改善につなげていきますよね。施策を実施して出てきた数値を元に目標までのギャップを考えて、改善案を実行していく流れは営業も同じです。

個人的な経験の話をすると営業職をしていた時は毎朝、保有しているリード数や進捗している商談、受注率などを様々な指標を数値にして管理していました。毎日見ていると、異常な数値や数値のトレンドに気がつきます。異常値に気づき分析して次のアクションに活かしたり、数値を見ているとアクションのアイディアが湧いたりと、様々な気づきがありました。

さらにこれらの数値をもとに自身が媒体となり顧客とのコミュニケーションを行えるため、改善に対するレスポンスもすぐさま得られます。オンライン以上にPDCAを回すサイクルが早い可能性すらあります。

数字を追う習慣、さらにはそうして得た数値をすぐに活かす習慣が営業経験では得られることが多いのではないでしょうか?

5. 最終目標を意識しながら仕事を進められる

当たり前ですが、BtoBではリードを取って終わりではなくその後に商談が発生し、うまく営業できれば受注し最終的にはアフターフォローし継続して利用して貰う必要があります。

営業を経験すると、営業側はアポイントが取りやすかったり、受注しやすいリードが欲しくなります。営業とマーケティングを経験していると、両方の観点から物事を考えることができるようになり、数を追うだけではなく、質も意識しながら仕事を進める意識も持ちやすいのではないでしょうか?

例えば営業経験があれば、自身が営業をやっていた時の経験を思い出して「こんな確度の低いリードが来ても対応しないな。だから確度の低いリードはメルマガなどのテックタッチでフォローして、確度の高いリードは営業で対応してもらおう。」というような考え方も持ちやすいです。

ビジネスは断片的ではなく、営業やマーケティング、CS(カスタマーサポート)と、一連の繋がりですので、それぞれの立場を理解していると良いアクションができるでしょう。その中でも営業職はマーケティング後の見込み客とやり取りするのでマーケティングと密接に関わるので活かせる経験がおおいのではないでしょうか。

未経験の方は営業を疑似体験しよう

営業経験が活きる場面がマーケティング職には多くありますが、営業経験がない場合はどうしたらいいのでしょうか?社内で営業を数ヶ月経験するのも良いと思いますが、なかなか難しいかと思います。

その場合は以下のようなアクションをとり、営業を疑似体験してみましょう。

  • 営業の録画を見る
  • 営業の方へのヒアリング

近年、Webでの商談が増えているので商談を録画していることも多いのではないでしょうか?録画を見ることで営業現場の解像度が一気に上がりますし顧客理解も進むでしょう。あるいは営業担当の方にどんな感じで営業しているのか?だったり、どんな質問や課題を顧客から聞くことが多いのか?など聞いてみると営業現場や顧客解像度が上がりますね。

BtoB商材の広告運用を行う際におすすめしているリサーチ方法をまとめている記事を以下に記載します。営業の方へのヒアリング項目などをまとめているので参考にしてみてください。

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