Google 広告の「広告バリエーション」機能でテキスト広告の変更を手軽かつ大規模にテストする方法

Google 広告の「広告バリエーション」機能でテキスト広告の変更を手軽かつ大規模にテストする方法
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テキスト広告の変更を手軽にテスト

Googleは2017年11月16日(日本時間11月17日)にテキスト広告の変更を手軽にテストできる機能「広告バリエーション」を提供開始したことを発表しました。こちらの機能はリニューアル版の管理画面ですでに利用が可能です。

参考:Inside AdWords: New AdWords innovations to drive better results for your business

参考:ビジネスの成果を高める Google AdWords の新たなイノベーション - Google 広告主コミュニティ

大規模アカウントほどちょっとした変更が難しい

例えばテキスト広告の言い回しちょっと変えてみたら良いかもしれないとアイデアがあって少しだけ変更したい時、律儀にA/Bテストを行うか、ひと思いに変更してしまうかのいずれかでしょうか。

それがアカウントのごく一部であれば全体におよぼす影響も大きくないですが(インパクトが小さいがゆえ有効かどうかの判断もできない)、変更が全体におよびかつ非常に多くの広告文が対象となる場合、その影響は良くも悪くも予想以上に大きくなる場合があります。入稿や設定変更にもそれなりの時間を割くことになりますし、大規模なアカウントであればあるほど下手に変更を加えないほうが良いという慣性の力が働き、ちょっとした広告テキスト変更さえ気軽に行えないというケースもありました。

今回リリースされた広告バリエーション機能を利用することで、大規模アカウントでもテキスト広告の一部を変更した場合の影響をごく簡単に検証することができます。

広告バリエーションの使い方


①すべてのキャンペーンあるいは検索キャンペーンを選択した状態で、左側のページメニューで 「下書きとテスト」 をクリックします。
②「広告バリエーション」タブを選びます。このとき個別のキャンペーンを選択した状態では広告バリエーションのタブは出てきません。


③広告バリエーションを実施するキャンペーンを選択します。すべてのキャンペーン(アカウント)を対象とすることもできます。現状、検索キャンペーンの拡張テキスト広告のみが対象です。
④「広告をフィルタ」で見出しや説明、パスのテキスト広告の文字列を使って変更対象を絞り込むことができます。


⑤次に「バリエーションを作成」で、広告に適用するバリエーションのタイプを選択します。タイプは以下の3つです。

  • 検索と置換: 広告内のテキストを検索して、別のテキストに置き換える
  • 広告文を更新する:既存のテキストの内容を変更
  • 広告見出しを入れ替える: 広告見出し 1 と 2 を入れ替える


⑥ バリエーションの詳細を設定します。広告バリエーションの名前、テストの開始日と終了日を入力します。
⑦「テスト用の分割データ」に、広告バリエーションに割り当てるキャンペーンの予算の割合と広告バリエーションで入札可能なオークションの割合を入力します。

「バリエーションを作成」をクリックして完了です。

広告バリエーションのテスト結果を検証


①上部には、広告バリエーションのみの掲載結果が表示されます。
②各指標の下部に「-A%[-B%、+C%]」と表示されます。

  • -A%…この広告バリエーションと元の広告との差異
  • [-B%、+C%]…信頼区間。広告バリエーションと元の広告との差異は 95% の確率で -B% から +C% の範囲に収まるという実際の差異のブレ幅を示します。

「*」が付いている指標は統計的に有意なデータであり、掲載結果に表れた影響が 95% 以上の確率でランダムな要素にではなく、加えた変更によって発生したものであることを示しています。統計的有意性は日による掲載結果の変動が少なく、データ量(表示回数)が多い、テスト結果の差異が大きければ大きいほど高くなるのが一般的です。


テスト結果が良好であれば、既存の広告を広告バリエーションの広告に置き換えたり、既存の広告にプラスして新パターンとして追加したりすることも可能です。

キャンペーンのテストでも同様のテストが可能では?

広告バリエーションと似た機能に「キャンペーンのテスト」があります。

参考:変更内容の影響を事前に確かめて元のキャンペーンの掲載結果と比較できる、Google アドワーズ キャンペーンテスト完全ガイド

同じことがキャンペーンのテストでもできるんじゃないの?と思った方も多いのではないでしょうか。広告バリエーションがキャンペーンのテストと異なり複数のキャンペーンを跨いだりアカウント全体をテスト対象とできたりすることを除けば、キャンペーンのテストでも同様のテキスト広告のテストを行うこともできます。

逆に言えば、広告バリエーションは対象がキャンペーン単位以上かつ対象が広告文に限られていることから、大規模なアカウントにおいて文字通り広告のバリエーションをテストすることに特化しています。テスト内容を変更として反映するだけでなく、新しいパターンとして追加できるのもそれゆえ用意されたうれしい機能ですね。

それまでとは異なる大きなインパクトをもとめて行う変更前提の広告文のA/Bテストでは、大規模なテストはかえって判断を誤らせる要因となることもあります。

テスト領域を無作為に広げすぎると、単純な訴求の良し悪し比較ではない、余計な変数(揺れ)が増加してしまい、2つの広告データの公平さが徐々に失われていってしまう

引用元:失敗しないA/Bテストのための心構え

その場合や特定の広告グループだけの限定された検証では、キャンペーンのテストあるいは、広告ローテーションの最適化に判断を委ねるのが良さそうです。

広告バリエーションは、ベースの広告訴求がアカウントやキャンペーンレベルでほとんど変わらないような、多品目通販など大規模アカウントでは特に重宝する機能だと思います!

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