
検索連動型広告においてターゲティングの範囲・精度はキーワード選びで決まるといっても過言ではありません。そこで本日は、検索連動型広告のキーワード洗い出し方をいくつか紹介します。


目次
メディア編
自社サイト(競合サイト)から洗い出す
まずは自社サイトの中からキーワードを洗い出していきましょう。サイト名はもちろんのこと、商品名やカテゴリー名、コンテンツの中身などから。キーワードのグルーピング等でもサイト構造を元に作成したりするので、まずは自社サイトからしっかり取り組んでいきましょう。また自社サイトだけではなく競合としているサイトも参考にすると良いと思います。
検索結果画面(SERPs)から洗い出す
いくつかのキーワードで検索してみて、表示されたサイトのタイトルやスニペットからキーワードを洗い出していく方法です。主力となりそうなキーワードであれば上位サイトを開いて、何ページか読み込んでみるのもおすすめです。
またSERPs下段などに表示される関連キーワードなどもぜひ抑えておきたいところです。
CGMから洗い出す
by GIRLY DROP
Q&Aサイトや口コミサイトなど、ユーザーの情報発信をコンテンツ化したサイトから洗い出します。CGMではユーザー自身の生の声で語られているため、関連するキーワードがたくさん転がっています。またQ&Aサイトではユーザーのリアルな悩みや課題を知ることができるので広告文の訴求を考える際にも役立ったりします。
※CGMとは、インターネットなどを活用して消費者が内容を生成していくメディアです。(Consumer Generated Mediaの略)
キュレーションメディア(バーティカルメディアなど)から洗い出す
by piervix
自身の商品・サービスと関連性のあるキュレーションメディアからキーワードを洗い出していく方法です。タイトルや記事の見出しをパラパラと読むだけでも、旬キーワードをいくつも発見していくことができます。特に美容商材や健康食品などのキーワード探しの時に便利です。
オールドメディア(TV/新聞/雑誌など)から洗い出す
by Travel faces
リスティング広告の運用者はインターネット上の情報に偏りがちですが、もしターゲットとなるユーザーの情報の主な入手先がテレビや雑誌だったとしたら、そうしたメディアからもキーワードを拾っていくことがとても重要となります。またインターネットなどは能動的に情報を探していく場合が多いため、どうしてもたどり着ける情報は自分に元々あった知識で制限されてしまうことが考えられます。
一方、新聞や雑誌などは、他のさまざまな情報も同時に接することができるので、これまで自分の頭になかった新しい軸のキーワードに出会えるかもしれません。セレンディピティってやつですね。
ツール編
AdWordsキーワードプランナー(Yahoo!キーワードアドバイスツール)から洗い出す
媒体が提供しているキーワードツールより洗い出します。Google アドワーズのキーワードプランナーは基本ですが優秀です。またキーワードの候補以外にもさまざまな情報を提供しているので配信設定の内容を決める際にも有用です。
参考:9つの機能が追加されたGoogleアドワーズのキーワードプランナー、その新機能解説と使用方法
Google サーチコンソールから洗い出す
Google サーチコンソールとはウェブマスター向けの管理ツールになります。サーチコンソールに設定・登録をおこない、既に一定数のオーガニックからの検索トラフィックがあるサイトであれば、こちらでサイトへ来訪したユーザーの流入キーワードのデータを見ることができます。現状の流入キーワードは漏れなくチェックし、そこから派生したキーワードを考えていきたいですね。
サジェストワードから洗い出す
サジェストワードとは検索窓に何かしらのキーワードを打ち込むと、予測されて出てくるキーワードのことを指します。検索ボリュームの多いものや関連性の高いキーワードが表示されるため、ぜひ取り組んでおきたい手法の一つです。また以下のツールなら実際に検索窓にひとつひとつ打ち込まなくても簡単に調べることができます。
リンク:goodkeyword - Google/Bing/Yahoo関連キーワードツール
類義語(同義語)から洗い出す
他の言い回しはないか、似たような言葉はないか、類義語や同義語から洗い出す方法です。検索時にパッと思いつくキーワードは人によって変わってくるため、軸となるキーワードも、掛け合わせのキーワードも調べておきましょう。
こちらもツールで調べることができます。
共起語から洗い出す
共起語とは、ある言葉とともに使用される言葉のことを指します。SEOに携わっている方なら馴染みのある概念かと思います。関連性が高いキーワードとなりますので、主要となるキーワードの共起語は一通り調べてみることをおすすめします。
こちらもツールを使って検索上位サイトのコンテンツを元に共起語を調べることができます。
画像検索から洗い出す
画像検索で、画像とその先のサイトの情報からキーワードを見つけていく方法です。例えばイメージは思いつくけどその名称(キーワード)が思いつかない時などは、漠としたキーワードで検索し、目的の画像が見つかったらその掲載先のサイトを調べたりすることで名称がわかったりします。(画像はおしゃれなカフェで出てくるような小さいあの鉄のフライパンの名称を知りたいとき)また一般名詞で画像検索をかけ、固有名詞を拾っていく方法もあります。
人間編
人から洗い出す
周りの人に、そのシチュエーションではどんなキーワードで検索するか、を質問してキーワード選定のヒントとする方法です。検索されるキーワードというのは、ユーザー一人ひとりの語彙力やリテラシー、シチュエーションによって変わってくるので、自分以外の人に聞いてみることはとても有用です。特に女性商材や子育て、趣味性の高い商材などの場合、もし近くにターゲットとなる(だった)人がいればその人たちに聞いたほうが、門外漢の自分が一から考えるよりもずっと効率的にキーワードを洗い出すことができます。
自分の頭から洗い出す
自分の頭で考える方法です。メディアやツールなどから洗いだしたキーワードを整理し、俯瞰し、その上でさらに考える。筆者はマインドマップなどにキーワードをプロットして、ここ1本幹生えそうだなぁ、とか、この幹からはけっこう枝生えそうだなぁ、とか想像したりしてさらにキーワードを補強していきます。ここまで整理していくとユーザーの新たなニーズがおぼろげに見えてきたりするので、これまでまったく引っかからなかったキーワードもいけるんじゃないかと気づけたりもします。
こうしたツールなどからは思いつかないようなユーザーのインサイトをとらえたキーワードを発想していくことが運用者のバリューなのではないでしょうか。
除外キーワードも合わせて抽出
キーワードの洗い出しはターゲティングすべきキーワードを探すという目的がある一方、ターゲティングすべきでない(商品・ビジネスとは関係のない≒コンバージョンに至らない)キーワードを事前に当たりをつける目的もあります。明らかに危険なものはあらかじめ除外キーワードとして設定したり、やや危なそうなものは配信直後のパフォーマンスを注意して運用したりなどをして、予防線を張っておきましょう。
これだけやればもうキーワード洗い出しはバッチリだー!と思われるかもしれません。
しかし以前もご紹介した下記のデータにあるように、キーワードとは果てしのないものです。
“検索語句(検索クエリ)が3語以上で構成されている割合 54%”
“過去6ヶ月に検索されたことのない、新規検索語句の割合 20%“
参考:「部分一致」でまだまだ広がる!マッチタイプの特性を利用したキーワード拡張による検索連動型広告の可能性
運用開始後は検索語句レポートもチェック
これまでご紹介してきた13の方法は、主にアカウント構築時のキーワードのバリエーションを考える為に役立てることのできる方法です。
実際に広告の配信を開始した後であれば、検索語句レポートは必ずご確認を。検索語句レポートというのは最高のキーワード洗い出しツールとなります。そのため完全一致や絞り込み部分一致だけではなく部分一致を活用したり、検索語句レポートを定期的にチェックしたりなどをして、無限に広がるキーワードに常に向き合っていけるようにしましょう。