「部分一致」でまだまだ広がる!マッチタイプの特性を利用したキーワード拡張による検索連動型広告の可能性

検索連動型広告のキーワードマッチタイプには、「部分一致」「 絞り込み部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」という4種類があります。それぞれのマッチタイプの挙動を詳しく書いた記事は下記をご参照ください。

参考:最高のキーワードマッチ、絞り込み部分一致の徹底解説
参考:キーワードのマッチタイプについて – (Google アドワーズ 公式ヘルプ)

これまで様々な業種のアカウントを見る機会がありました。近年では、比較的運用コントロールが効きやすく、特定の検索語句に意図した広告を出しやすいという理由で絞り込み部分一致主体で作られているアカウントが増えた印象が強いです。絞り込み部分一致の台頭により、「意図しない広告掲載」が起こりやすい部分一致が敬遠されている傾向も見られます。

今回はそんな部分一致の有効な活用方法を再考する記事です。


「カバーできていない」検索語句があることを忘れてはいけない

検索語句完全対応の難しさ

絞り込み部分一致をトリガーとした設定では、指定したキーワードが検索語句に含まれる場合にのみ広告を掲載の可能性があり、意図しない類義語・関連語への掲載は行われないため運用コントロールが非常にしやすいというメリットがあります。旧来の部分一致をトリガーとした設定主体のアカウントで、日々丁寧に検索語句の除外キーワード精査に取り組んできた運用者であれば特に、一度でも絞り込み部分一致を使うとその扱いやすさにやみつきになったことでしょう。

ですがここで、忘れてはいけないGoogle発表のデータがあります。

  • 検索語句(検索クエリ)が3語以上で構成されている割合 54%
  • 過去6ヶ月に検索されたことのない、新規検索語句の割合 20%
  • 入札キーワードと完全に一致しない検索語句の割合 70%

※いずれも、2013年、Grow Bussiness with Google & Google Partnersでの発表より。
※スマートフォンの普及・利用加速により上記データが変動している可能性もあります。

前述のデータを加味すると、絞り込み部分一致を活用して抜け漏れのないようにキーワードへの入札を設定したとしても、検索語句を完全に対応することには限界があります。

さらに、先日開催されたGoogle I/OのキーノートでGoogleのCEOピチャイ氏が「モバイル検索のうち20%は音声検索によるもの」と述べており、検索語句の多様化は今後ますます拡大していくことでしょう。

参考:Google says 20 percent of mobile queries are voice searches

DSAとは別の使い方・担うべき役割が異なる

DSA(動的検索広告)で十分ではないか?という疑問に対しては、以下の仕様からDSAとは別の役割を持たせるために部分一致の活用が必要と筆者は考えます。

DSAの仕様上の弱点

  • 広告が表示される検索語句は、検索エンジンへのインデックス状況・ページ内容に依存する可能性が高い
  • 検索語句に対して任意のリンク先ページの指定が不可能

参考:ヒトの思考を凌駕する動的検索広告の解説と設定方法

拾いたい検索語句群に、広告掲載のリーチを広げられるかどうか・想定される検索語句群に、任意のリンク先を指定できるかどうかがポイントです。

スベりにくい部分一致の使い方

1.絞り込み部分一致主体でのアカウント構築ケース

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完全一致と絞り込み部分一致のみの構成になる場合、前述のように「過去6ヶ月に検索されたことのない、新規検索語句の割合 20%」「入札キーワードと完全に一致しない検索語句の割合 70%」を拾えない可能性が非常に高くなってきます。

「部分一致はほとんど使ったことがない」「部分一致は怖くて使えない」という方には、まずは下の使い方はいかがでしょうか。

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特定の検索キーワードで意図しない広告文を表示してしまうことを防ぐためにも、既存のアカウント構造を邪魔しない程度に低い入札単価で部分一致のキーワード群を入稿します。「これまで広告掲載ができていなかった検索語句から、コンバージョンが安くとれたらラッキーだな」という意図で使います。

2.ユーザーリストと掛けあわせて、特定のリストに含まれるユーザーの検索語句を広くカバーする

1.で作成した部分一致キーワードだけの広告グループをまとめたキャンペーンを複製し、RLSA用のユーザーリストを掛けあわせます。
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特定のユーザーリストへのみ配信を行うため配信範囲の設定を必ず、「入札単価と掲載範囲」に設定を変更しておきましょう。

詳しい設定方法については以下の記事もご参考ください
参考:「どのキーワードに出す?」から「誰に出す?」で大きく成果が変わる、検索広告向けリマーケティング(RLSA)の解説と設定方法

既に訪問してるユーザーや、特定のコンバージョンを達成しているユーザーに検索連動型広告が掲載できるので、以下の様な利点があります。

  • 訪問済みユーザーなので、部分一致である程度広い検索語句を強気で拾いにいける
  • 通常のユーザーには出稿できない、商材やサービスから少し遠い(直接的には関係ない)検索語句にも広告を出稿できる

まとめ

主要のキーワードマッチタイプとしては扱いづらいところもある部分一致ですが、考え方・使い方によっては限られた時間内で効率良く広告掲載の機会を拡大できるマッチタイプです。新しい機能や新しいDSPのトレンドを追いかけるのも楽しいですが、「温故知新」で既にある機能をもう一度調べたり、使い方を考え直したりして、活路を見い出すのも重要ですよね。

今回の記事で登場した用語のおさらい

「部分一致」

検索連動型広告のマッチタイプのひとつ。他のマッチタイプを指定しなかった場合、自動的にキーワードに割り当てられるデフォルトのマッチタイプである。類義語、誤字、表記ゆれ(例:「引っ越し」と「引越」)、関連する語句など、キーワードに関連する検索語句に対しても自動的に広告が表示される可能性がある。完全一致・フレーズ一致・ 絞り込み部分一致と比較すると、最も広範囲の検索語句に広告掲載が可能。

「DSA」

Dynamic Search Ads (動的検索広告)の略。DSAではキーワードではなく、ウェブサイトのコンテンツに基づいて自動的に広告が表示される。コンテンツ(商品)が豊富なウェブサイトや URL の構造が適切なウェブサイトで効果を発揮。
※2016年6月現在ではGoogle アドワーズのみで使用が可能な機能。

「RLSA」

Remarketing List for Search Ads(検索連動型リマーケティング広告)
の略。リマーケティング用のリストを検索連動型広告のキャンペーンに設定できる機能。
※2016年6月現在ではGoogle アドワーズ、Yahoo!プロモーション広告双方で使用が可能な機能。

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Masaru Takeuchi

Masaru Takeuchi

アナグラム株式会社の取締役。学生インターン1号として入社し、アナグラム株式会社の取締役に2016年4月より就任。「クライアント担当者様が社内で評価され、昇進していただくこと」もモットーに社内チームのメンバーを日々鼓舞する。ビジネスモデル・ネットマーケティング手法に精通しており幅広い提案が展開できるのが強み。マイブームは筋肥大。ベンチプレス120キロが当面の目標である。