Googleトレンドの落とし穴って?見落としがちな仕様と活用例とは

Googleトレンドの落とし穴って?見落としがちな仕様と活用例とは

Googleトレンドって、普段何気なく使っているけれど、意外と細かい仕様を知らずに使っていませんか?もし細かい仕様を把握していないのであれば、間違った使い方をしているかもしれません。

今回の記事では、Googleトレンドを利用する上で必ず理解しておきたい仕組みと、具体的にどのようにGoogleトレンドを活用できるのかをご紹介していきます。

Googleトレンドとは

Googleトレンドは、Googleの提供するキーワードの過去の検索傾向・人気度や、リアルタイムで数多く検索されている世界中の検索トレンドを確認できるツールです。

2006年から提供開始されており、過去の指標は2004年まで遡って確認することができ、誰でも手軽に利用できます。

https://trends.google.co.jp/trends/

ツールとしての使い方は大きく分けて以下3種類になります。

  • [調べる]リアルタイムの検索トレンドを確認して、期間や地域別に特定キーワードの人気を比較する
  • [急上昇ワード]特定の検索キーワードまたはトピックの検索ボリュームの推移を把握する
  • [Year in Search]特定の年を急上昇ワードで振り返る

Googleトレンドの仕組みと注意点

Googleトレンドに表示されるデータは「キーワード検索の絶対数」ではなく、「キーワード検索回数を正規化して処理された相対数」である点を理解しておきましょう。

Google トレンドは、検索データを正規化してキーワード間の比較を容易にします。検索結果は、クエリの時間と場所に応じて、以下のプロセスによって正規化されます。
- 相対的な人気度を比較するために、各データポイントを、場所と時間範囲における総検索数で割っています。この処理をしないと、検索ボリュームが最も多い場所が常に最も高くランク付けされてしまうためです。

https://japan.googleblog.com/2021/09/15trendtips.html

つまりGoogleトレンドで表示されるデータは、「当該キーワードの検索回数」を「同地域・同時間における総検索数」で割って算出されています。

  • 「Googleトレンドの相対数」=「当該キーワードの検索回数」÷「同地域・同期間における総検索数」

これによって、期間や地域による検索総数の差を無視して純粋に当該キーワードの人気度を比較することができます。

また、地域間での検索トレンドを比較する場合は以下の式になります。

  • 「Googleトレンドの相対数」=「指定地域での当該キーワードの検索回数」÷「同地域・同期間における総検索数」

例えば、「温泉」というキーワードのトレンドを東京都と熊本県で比較してみます。

検索回数の絶対数で考えれば東京の方が人口が約8倍多いわけですから、当然東京のほうが多いはずですが、グラフを見ると赤の熊本県でのグラフのほうが人気度が高いように見えます。

Googleトレンドでは指定エリア内の相対数で比較するため、母数に左右されずにその地域におけるキーワードの人気度を測ることができます。

期間の推移で検索トレンドを比較する場合は、以下の式になります。

  • 「Googleトレンドの相対数」=「特定期間での当該キーワードの検索回数」÷「同地域・同期間における総検索数」

例えば、「TikTok」というキーワードの過去5年間のトレンド推移を見てみます。

このグラフでは過去5年間の検索数の最高を100として表した場合、2021年8月8日から14日が100となり、その他の期間はその100に対してどのくらいの検索ボリュームだったのかという相対値で表されます。

あくまでこの期間内でのデータの相対値を示し、実際の検索数の推移ではない点に注意が必要です。

Googleトレンドの具体的な活用方法

では、実際に広告運用を行っている人間が、このGoogleトレンドをつかう場合どのように利用できるでしょうか?

使い方は人それぞれですが、以下に4つの具体的な利用例を挙げますので、参考にしてみてください。

  1. 突発的なアカウントの変化に対して、外部要因を調査する
  2. 対象となる商品の主要キーワードなどの季節性を把握する
  3. ベンチマークとする競合のブランドキーワードなどと人気度を比較する
  4. 毎日の検索トレンドをウォッチして世の中の動きを知る

1. 突発的なアカウントの変化に対して、外部要因を調査する

運用しているアカウントで、大きな変更をした訳でもないのに突然検索広告のインプレッションが急増した!

そんなときに、外部要因を探るために活用できます。

[急上昇ワード]タブの[毎日の検索トレンド]から、日毎に急増した検索キーワードとそれに関連するWEBページが表示されます。

急な変化が起こった日に、世の中で何が起こったのか、ユーザーの検索キーワードから把握し素早く要因特定と解決に向けたアクションを取ることができます。

2.対象となる商品の主要キーワードなどの季節性を把握する

[調べる]では、最大で2004年〜現在までの過去の検索ボリュームの推移を確認することができます。

これにより、プロモーションの対象となる商品・サービスのニーズにおける季節性を把握することで施策立案の助けとなるでしょう。

例えば、「おせち」という検索語句を調べた際には12月に大きく検索数が増加することがわかります。

そして、その前の10月月頃から徐々に数値があがるということは、広告やメディアへの露出を検討する場合には10月頃から配信や露出を少しずつ開始していくのがよいのではないかといったことも考えられます。

また、「キャンプ」という検索キーワードだと、例年4月末・8月半ば・9月半ばに3回上がる傾向があります。そのため、もし毎月均等に配信している広告予算を検索が増える時期に分配するのであれば、この時期に集中して広告配信をすると反響に良い変化があるかもしれません。

また、検索ボリュームが増えれば広告の表示回数・クリック数も増加し、他の時期よりも費用が上がる可能性が高いので、予算の管理に注意が必要です。

3.ベンチマークとする競合のブランドキーワードと検索トレンドを相対的に比較する

サービスのブランドキーワードを調べることで、そのブランドの認知度を推定することにも役立てることができます。ただし、この場合もあくまで競合ブランドとの相対値の比較であって、検索の絶対数ではない点に注意が必要です。

フリマECの「メルカリ」と「ラクマ」を比較した際にはかなり大きな検索数の違いがあります。メルカリは過去5年間で大きく伸びてきている一方で、ラクマはメルカリほど大幅な変化はグラフに表れていません。

自社と競合視するブランドで比較することで、認知度を相対的に比較できます。

4.毎日の検索トレンドをウォッチして世の中の動きを知る

明確な目的がなくても、毎日検索トレンドを確認しつづけるというのも、世の中のトレンドを把握する上で非常に役に立ちます。SNSなどでもトレンドを探ることができますが、Googleトレンドであれば実際に検索されたサービスや事柄が取り上げられますので検索需要の高かったものが具体的にわかります。

最近何が検索されているか?ということに敏感になれば、トレンドに絡めたプロモーション施策を思いつくことができるかもしれません。

検索ボリュームの推移や予測を調べるときはGoogleキーワードプランナー

Googleトレンドは前述の通りあくまで相対値での比較ですので、以下のような状況では適していません。

  • 検索広告のシミュレーション作成のため、特定の検索キーワードの検索ボリュームを把握したい
  • 出稿キーワードの選定のため、複数の検索キーワードの検索ボリュームを比較したい
  • 今後の検索広告の拡大を予測するために、特定の検索キーワードの実際の検索数の推移を調べたい

上記の場合には「Googleキーワードプランナー」の利用をおすすめします。Googleトレンドは検索ボリュームではなく、人気度を比較するためのツールであり、検索の絶対数を比較するためのツールではない点に注意です。

※キーワードプランナーの利用にはGoogle広告アカウントの作成、エキスパートモードへの切り替えと支払い設定が必要で、より詳細な数値を見るためには一定の広告配信実績が必要になります。

キーワードプランナーについての詳細は、以下の記事をご参考ください。

まとめ

Googleトレンドは無料でありながら、運用型広告、プロモーション全般において様々な場面で役に立てることができるツールです。

特にリアルタイムな話題の検索と、長期的なトレンド分析に強いので、突発的なトレンド変化に対応したり、中長期的なプランニングに活かすのがよいでしょう。

一方で使われているデータの仕組みを理解しておかないと、誤った仮説を建ててしまうリスクもありますので、Googleトレンドのデータは実数ではなく相対値であることを必ず覚えておきましょう。

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