どのようなオーディエンスをターゲットユーザーとするかは、広告配信のキモですよね。ただ、ご自身の場合を考えてみていただいてもお分かりの通り、ひとりの人間をひとつのカテゴリに押し込めることはできませんし、多様な興味・関心にもとづいてさまざまなカテゴリに属していることでしょう。
たとえば、購買意向の強いオーディエンスの「居住用不動産」というカテゴリのオーディエンスの中には、既婚の方もいれば独身の方もいます。家族の形態やライフスタイルが多様化する現在では、年齢や性別などのユーザー属性を利用しても十分なセグメントはできません。そのため、商材やサービスによっては特定のカテゴリのみを選択するのみでは、ターゲットユーザーを十分にセグメントすることが難しい状況がありました。
今回ご紹介するGoogle 広告の「組み合わせオーディエンス」を利用することで、複数のオーディエンスを組み合わせることで、これまでに比べてターゲットユーザーをより詳細にセグメントして広告を配信することができます。
参考:組み合わせオーディエンスの使用方法 - Google 広告 ヘルプ
なお、2019年12月時点で利用できるのは検索および動画キャンペーンとなります。
また、現在すべてのアカウントには反映しておらず徐々に適用となる見込みです。
組み合わせオーディエンスの使い方
設定方法は次のとおりです。
オーディエンスをクリックし、[組み合わせオーディエンス] メニューを開きます。
[+ 組み合わせオーディエンス] をクリックします。新しいウィンドウが表示されますので必要事項を入力していきましょう。
①[オーディエンス名] に組み合わせオーディエンスの名前を入力
②[次の条件に一致するユーザーを含めます] で、広告のターゲットとするオーディエンスを追加
「ユーザーの属性」、「興味や関心、習慣」、「ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画」、「お客様のビジネスを利用した方法」から探すことができます。語句やフレーズを入力して検索する、あるいは直接選択しましょう。
③ターゲット ユーザーに他のオーディエンス セグメントを組み合わせるには、[オーディエンスの絞り込み] をクリックし、ターゲットに含める別のオーディエンスを追加
④特定のオーディエンスを除外するには、[オーディエンスを除外] をクリック
サンプルとして、乳児のいるクリスマスの買い物を積極的に探しているユーザーのうち、まだコンバージョンしていないユーザーを作成してみました。
「クリスマスの買い物」は先日追加されたばかりのセグメントですね。
参考:Google 検索広告向けに「アフィニティカテゴリ」を追加、購買意向の強いオーディエンスで「季節限定イベントのセグメント」の選択も可能に
[保存] をクリックして組み合わせオーディエンスの作成は完了です。
あとは通常のオーディエンス追加と同様に、作成した組み合わせオーディエンスの横のボックスにチェックを入れて保存すればターゲティングとして設定ができます。
BtoBで役に立ちそうな「詳しいユーザー属性 > 就業状況 > 業種」と同カテゴリの「社員数」を利用すれば特定の規模の業界に就業しているユーザーへのセグメントも可能ですし、
「ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画 > 旅行」に「アフィニティカテゴリ > ライフスタイル、趣味 > 冒険好き」をかけ合わせれば、アクティブな旅行プランの提案もできるかもしれません。組み合わせ方はユーザーの多様性と同じく無限大に考えられます。
組み合わせオーディエンスの注意点
ユーザーのプライバシー保護の観点から、オーディエンスが1,000 人以下となるような組み合わせに対しては広告配信が出来ません。
また、組み合わせるオーディエンスが2つ以上となると、リーチできる対象も大幅に減少してしまい十分な配信ができない可能性もあるため、基本的には組み合わせるオーディエンスは1つまでがよさそうです。
まとめ
Googleのシステムによって自分がどのような属性だと認識されているかは、以下のページからご確認いただけます。ほとんどの方は非常に多くの属性が付与されていることでしょう。
参考:広告設定
また、広告管理画面のオーディエンスマネージャーを利用すれば、オーディエンスリストに含まれるユーザーが一般的なオーディエンスと比べてどのようなことに興味や関心の強いユーザーなのかを確認することもできます。
Google 広告の公式ヘルプでは、「アウトドアの愛好家(アフィニティ カテゴリ)」と「車の購入を検討しているユーザー(購買意向の強いオーディエンス)」を組み合わせることによって「車の購入を考えているアウトドア愛好家に SUV の広告を表示する」という例も示されています。
参考:組み合わせオーディエンスについて - Google 広告 ヘルプ
商品に興味があるであろうオーディエンスをセグメントできるメリットはもちろんのこと、車に興味のないアウトドアユーザーなどターゲットとならないオーディエンスを広告の配信対象から除外することも効果的に広告を配信できる可能性を高めます。
もちろん、ユーザーの属性情報の多くは推定によるものであるため必ずしも正確ではありませんが、広告主の商材やサービスに組み合わせオーディエンスによるターゲティングが活用できないか検討してみてくださいね。