Google、ユーザーにアクションを促す動画広告「TrueView アクション(TrueView for action)」

Google、ユーザーにアクションを促す動画広告「TrueView アクション(TrueView for action)」
この記事は最終更新日から約2年が経過しています。

TrueView動画広告の新しいキャンペーンとしてTrueView アクション(TrueView for action)がリリースされ、全てのアカウントで利用が可能となりました。

これまでのTrueView動画広告は、ユーザーの動画視聴がおもな目的で商品やサービスの認知向上に向いている広告フォーマットでしたが、TrueView アクションは、動画の再生中や再生後にユーザーに広告のクリックやウェブサイト上での行動を促す機能が充実した広告フォーマットです。

今回はTrueView アクションの概要から設定方法、運用時の注意点やポイントまでを解説します。


任意のテキストで「行動を促すフレーズ」「見出し」を表示できる


画像引用元:Inside AdWords: New ways to harness the combined power of Google and YouTube in AdWords  (※アナグラムで一部加工済み)

TrueView アクションでは、動画の再生中と再生後に任意のテキスト内容で「行動を促すフレーズ」とテキストの見出しをオーバーレイで表示可能で、ユーザーに広告のクリックやウェブサイト上での行動を促すことができます。ユーザーに期待するアクションを提示できるので、これまでのTrueView動画広告よりも視聴ユーザーをウェブサイトへ誘導してコンバージョンにつなげやすくなりそうです。

入札戦略「目標コンバージョン単価」のみ利用可能

TrueView アクションで使用できる入札戦略は、これまでTrueView動画広告では設定できなかった「目標コンバージョン単価」です。目標コンバージョン単価を設定すると、指定した単価でコンバージョンを最大限に獲得できるようターゲットによって入札単価が自動調整されるため、今までは認知向け施策としての色が強かったTrueView動画広告ですが、TrueView アクションの登場で獲得向けの施策としても期待ができそうです。

参考:入札戦略ツールの使い方、徹底解説

ただし、入札戦略が目標コンバージョン単価であっても、費用が発生するのは通常のTrueViewインストリーム広告と同様、視聴ユーザーが動画広告を30秒以上視聴(30秒未満の場合は最後まで視聴)するか、Call-to-Action(CTA)オーバーレイ、行動を促すフレーズ、カード、コンパニオンバナーのクリックなどの操作を行った場合です。

参考:TrueView 動画キャンペーンの概要 – AdWordsヘルプ

TrueView動画広告でカスタムインテントオーディエンスが利用可能に

先日、Google アドワーズの公式ブログ(英語版)ですでに紹介されていますが、カスタムインテントオーディエンスが、新しくTrueView動画広告でも利用できるようになっています。(2018年4月現在ではベータ版のため一部の広告主のみへ提供)

参考:Inside AdWords: New ways to harness the combined power of Google and YouTube in AdWords

カスタムインテントオーディエンスとは、特定の商品やサービスを積極的に探しているユーザーが、その過程で接触していると思われるキーワードやサイトのURL、アプリ、YouTubeのコンテンツを入力することで、自由にカスタマイズしたインテント(購買意向の強いユーザー層)にアプローチできるターゲティング手法です。とくにキーワードを用いることで、Googleの検索エンジン上でのユーザー行動を動画広告のターゲティングに取り入れることが可能になります。

参考:Google ディプレイネットワークにて、購買意向の強いユーザー層を自由に設定できる「カスタム インテント オーディエンス」を追加

従来のターゲティングに比べ、ユーザーの一連の購買行動により則したかたちで、動画広告によるアプローチを図ることができますね。

TrueView アクションの設定方法

それでは、TrueView アクションの設定方法を解説していきます。TrueView アクションキャンペーンは、リニューアル版の管理画面からのみ作成が可能です。


まず、キャンペーンタブより「+」ボタンをクリックします。


①キャンペーンタイプは「動画」を選択します
②キャンペーンの目標は「見込み顧客の獲得」または「ウェブサイトのトラフィック」を選択し、「続行」を選択します

続いて、キャンペーン名やターゲティングを設定していきます。


③入札戦略は2018年4月現在「目標コンバージョン単価」のみ選択できます。


最後に、広告を作成していきます。広告に使用したいYouTubeにアップロードされている動画のURLを入力すると、最終ページURLなどを設定する画面が表示されます。

④動画広告のフォーマットは「インストリーム広告」のみ選択できます

⑤最終ページURLを入力します

⑥表示URLを入力します

⑦行動を促すフレーズを半角10文字以内で入力します

⑧広告見出しを半角15文字以内で入力します

⑨コンパニオンバナーを設定します。(PCのみに表示)
※任意の素材(300×60ピクセル)を手動でアップロードする方法と、該当のYouTubeチャンネルの動画のサムネイルから自動生成する方法を選択できます。

⑩広告名を入力し、保存すればTrueView アクションの設定は完了です。

配信にあたっての注意点や運用のポイント

1. 動画の出来次第で成果は大きく変わる

動画広告の成果を決める一番の要素は動画です。入札戦略「目標コンバージョン単価」と行動を促すフレーズを設定できるとはいえ、ユーザーが興味を持ち、思わず買いたくなる動画でなくては、これまでのTrueView動画広告と同様なものにアクションボタンが付いただけでは、思うように獲得につなげることは難しいでしょう。

ユーザーの心をつかむ動画があってこそ、自動入札や行動を促すフレーズが上手く作用し、TrueView アクションは十分な成果を発揮できるはずです。

2. 行動を促すフレーズは取って欲しいアクションを明確に

ユーザーが何をすればいいか迷わないように、「購入」「会員登録」「資料請求」など、行動を促すフレーズは期待するアクションを明確に設定しましょう。また、不動産購入など、検討期間が長くなりやすい商材の場合は、資料請求など一歩手前のライトなアクションを促すのも、ユーザーにその場で行動してもらうのに有効です。

3. 目標コンバージョン単価のパフォーマンスが最適化される設定を意識する

TrueView アクションで使用できる入札戦略は「目標コンバージョン単価」のみのため、自動入札が上手くワークするための設定を意識する必要があります。具体的な推奨設定は発表されていませんが、まずはディスプレイ広告での推奨値を目標とするのが良さそうです。

オフィシャル解説書では最低15件のコンバージョン数ですが、その場合は初期の学習期間が4週間程度とされています。自動入札の精度向上や学習期間の短縮には一定の“量”が必要です。場合によってはマイクロコンバージョンの設定なども検討するのが良さそうですね。

参考:display_automated_bidding_guide.pdf ※PDF直リンク

その他、目標コンバージョン単価の設定金額がアカウントの平均と比較して低すぎないか、1日の予算が「予算による制限」ステータスになっていないかなどは最低限チェックしておきたいところです。

参考:目標コンバージョン単価制について – AdWordsヘルプ

4. 動画視聴ユーザーのオーディエンスリストをRLSAで活用する

直接的な獲得を狙うだけでなく、視聴ユーザーのオーディエンスリストを活用した施策もあわせて実施するのがオススメです。動画を視聴したユーザーは、動画を視聴していないユーザーと比較して、商材の認知度や理解度が高まっていると想定し、訴求を通常のものとは変える、などの活用が考えられます。また、モニタリング用に設定を行い、視聴ユーザーがどれくらい検索行動に移っているかを把握する助けにもなります。

参考:Google アドワーズ、動画リマーケティングリストのRLSA(検索広告向けリマーケティング)での使い方

まとめ

TrueView アクションは獲得向けの施策としても期待できるので、「動画って認知目的でしょ」「動画は獲得効率が悪そうだから…」と敬遠していた広告主の方も、この機会に動画広告にチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。

動画の作成は時間も費用もかかるため、簡単に用意できるものではありませんが、テキストや画像だけでは商品やサービスの魅力を十分に示せない場合は、十分検討の余地がありそうです。

参考:TrueView アクション キャンペーンを作成する - AdWords ヘルプ

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