TrueView アクションのCPAが見合わないときにするべき3つのこと

TrueView アクションのCPAが見合わないときにするべき3つのこと

Googleが2018年にTrueView アクション(TrueView for Action)という、YouTubeでユーザーのアクションを促す動画広告を出稿できるキャンペーンタイプをリリースして以来、それまで動画広告の使い道を「ブランディングだけ」と頭の中で片づけてしまった広告運用者さえ、このフォーマットを導入しているケースをよく見かけます。コンバージョンベースで最適化が働くので、パフォーマンスを重視した広告ポートフォリオの中でもそれなりの位置を確立できるようになった動画広告タイプだと言えますね。

参考:Google、ユーザーにアクションを促す動画広告「TrueView アクション(TrueView for action)」

こうした意味で、動画広告の既存概念に小さな革命を起こしたTrueViewアクションですが、配信してしばらく走らせたらどうしてもコンバージョン単価(CPA)が見合わないことがあります。しかも、その状態が続くと最悪の場合に「やっぱり、良いパフォーマンスを求めたら動画は向いてないよね」などの思考に戻ってしまって、結局YouTube広告を断念する広告運用者もある程度いるはずです。

しかし、広告訴求自体に問題があったり、ランディングページが分かりづらくてユーザーがアクションを起こさずに大量に離脱してしまうケースを除けば、上手くいっていかなかったTrueView アクションキャンペーンを見る際に、実際に蓋を開けると共通する問題点がよく出てくるわけです。ノイズになっているユーザーに大量に配信してしまったり、キャンペーンをただ表面的に評価していたり、することは代表的なパターンと言ってもいいかもしれません。

では、TrueView アクション キャンペーンのCPAが見合っていないとき、まずどこを見るべきか、どんな対策をすべきかを3点ご紹介します。

①「動画を観ず、視聴目的と思われるユーザー」が多くないかをチェックしよう

YouTubeでは動画を視聴しているのに画面を見ていないシチュエーションは珍しくありません。特に音楽系のチャンネルを視聴する際によく起こることだと考えられます。しかもYouTubeの視聴の中で音楽が占めている割合を考えるとインパクトが大きい可能性があります。音楽と動画のアナリティクスプラットフォームのPEXが行った調査によりますと、YouTubeにアップロードされている動画の5%前後を占めているのは音楽なのですが、再生数ではそれが全コンテンツの20%を占めているようです。


参考:What content dominates on YouTube? – Pex.com
日本語:2018年、YouTube総再生数の20%を音楽が占めたとの研究報告 — Music Ally Japan(ミュージック・アライ・ジャパン)

しかも、特に再生時間が比較的長い「作業用BGM」系のチャンネルは再生開始後、画面を見ないでそのまま流される傾向が強いため、動画広告を挟んでも本当に見てもらえるチャンスを逃しやすいです。つまり、TrueView アクションでは、このあたりでロスをしていないか確認する価値はありますね。

そのためにGoogle 広告の管理画面の「プレースメント」レポートから「広告が表示された場所」を選び、広告が配信されたYouTubeチャンネルを見ていきましょう。チャンネル名に「BGM」「Music」などがよくつくことがあるため、そのような語句でフィルターをかけて配信ボリュームが多いのにパフォーマンスが良くないチャンネルから抑えるのがお勧めです。

ただし、実はBGM用のチャンネル経由でもコンバージョンを獲得できる場合もあるのも事実です。ですので、一律除外するのは避けた方がいいでしょう。例えば、個人事業主が作業中に聴くBGM中に税理士事務所のTrueView広告が流されたりすると、商材やシチュエーションが逆に合うことも想像できますよね。また、その場合に限らずですが、動画視聴中に画面を見ていないユーザーにも訴求が伝わるように、広告に使いたい動画の中でサービス名を音声で伝えることも機械損失防止につながりそうです。

②「子どもと思われるユーザー」に配信していないかもチェックしよう

この視聴パターンも実は結構多いと思われます。リサーチ事業のモニタスによる調査では、子どもに定期的にYouTube動画を観せている親が8~9割と大多数で、子どもという視聴者グループは無視できない存在だと言えます。

そして、幼い子どもには基本的に商品購入やサービス利用の決裁権がないので、広告を見せるだけ無駄なのは言うまでもないのですが、その上に(よっぽどのデジタルネイティブじゃなければ)広告をスキップしない可能性もかなり高そうなため、管理画面上では一見非常に良くみえるエンゲージメント指標が溜まってしまう傾向があり、YouTubeキャンペーンの問題に気づきにくくなりがちです。

さて、このトラフィックの識別方法ですが、上記の「BGM」系チャンネル同様にプレースメントから探して除外することはできますが「Kids」「Toy」などの特徴的なワードを含まない配信先も多いので、これだけでは痒い所に手が届かない状態になりやすいです。

一方、子どもがYouTubeを視聴している環境から考えると、やはり親が渡したスマートフォンやタブレットで観ることがほとんどでしょう。

画像素材:PIXTA

そこへの広告配信が多いと、Google 広告の管理画面に下記のデータに偏りが出ることをよく見受けられます。

  • 「ユーザー属性」>「子供の有無」>「子供あり」
  • スマートフォンとタブレットというデバイス

YouTubeキャンペーンで属性やデバイス別のレポートを確認し、パフォーマンスの芳しくないところからテコ入れしていきましょう。特にスマートフォンのコンバージョン率がPCと比べてかけ離れるほど低いことや、タブレットがキャンペーンの全インプレッションの半数を占めながらも獲得には繋がらないことが決して珍しくないため、それらの入札単価調整比を引き下げるだけでTrueView アクションキャンペーンのパフォーマンス改善できたケースがよくあります。(スマートフォンへの広告配信が年々増加している時代の流れとは逆行しているように聞こえますが。)

ただし、こちらの話も商材によって例外はもちろん存在します。例えば、子ども向けの健康食品の広告なら、「歯磨きのうた」などのような親子で一緒にタブレットで観る動画を意図的に狙う施策が逆に上手くいきそうなので、サービスの特徴を加味しつつ改善策を講じることが重要ですね。

③間接効果を検証しよう

前述のように、ノイズになりやすい視聴パターンを除外していても、やはりコンバージョンの獲得に直接繋がらないこともあるでしょう。この場合は、反射的にキャンペーンを止める前に、まずTrueView アクションが別のキャンペーンに間接的に貢献していないかを確認することがお勧めです。本来、ユーザーのアクションを起こす目的で配信していたTrueView アクションキャンペーンでもやはり、ラストクリックでの評価だと検索広告のようなコンバージョンの一歩手前に接点を持ちやすいチャネルに劣ってしまいがちです。ただし、仮説としては、その時も動画広告を視聴後、サービス名で検索してコンバージョンに至ることは十分にあり得ます。

こちらは次のように検証できます。

最初は、そのTrueView アクション広告を見たユーザーのリストを作りましょう。    
※YouTubeの視聴者リストの作成は、Google 広告とYouTubeの両アカウントをリンクする必要があります。

参考:YouTube 視聴者へのリマーケティングについて – Google 広告 ヘルプ


Google 広告の管理画面でツールからオーディエンスマネージャを選びます。


そこから「+」のボタンをクリックするとオーディエンスの作成に入ります。


展開されるメニューから「YouTube ユーザー」を選択します。


チャンネルに登録されている全ての動画広告からまとめて視聴者リストを作りたい場合は「チャンネルの動画を広告として視聴」を選びますが、指定の動画を広告として視聴したユーザーからリストを作成したい場合は「特定の動画を広告として視聴」にします。後者の場合は1本から複数の動画を対象にできます。


リスト作成が完了したら、次はそのリストをキャンペーンに設定します。従来のリマーケティングリストと同様に、例えば検索広告のキャンペーンに紐づけて、動画広告の視聴者オーディエンスのパフォーマンスを個別にモニタリングしつつ、TrueView アクションの間接的な影響を可視化できるようになります。

仮説を立てつつ、データを複数の角度で見るのが必要

YouTube 広告に限らず、運用型広告の実績を見る際に返ってくるデータは今後の施策についての判断を助ける貴重な材料なのは間違いありません。一方、全てが直ぐに綺麗に且つ好きな粒度で管理画面に上がっているわけではないので、可視化には工夫が必要な時さえありますね。

また、数字は良くも悪くも結果論なので、データを深掘りして得られた数字が「何を意味しているか」までは教えてはくれないため、その部分を仮説で補足することが重要です。やりたいことが「CPAを下げたい」でも「新規の顧客を増やしたい」でも、結局仮説の精度に左右される部分が大きいからだと思います。

例えば、本記事の「子どもが動画広告を沢山見ている」ケースは、ユーザーが使っている「デバイス」から表面化したことですね。無論仮説ではありつつも、数字から実際の「ユーザー」を連想しない限り、なかなか出てこない答えだと言えます。これを数字だけで見て判断することはできません。

ある程度のデータ量が溜まっている前提の話ではありますが、何らかの改善策を講じる際に、データが一定のパターンにまとまったことを「似た属性を持つユーザーの行動による結果」と捉えた上に、そのユーザーの特徴を想像することは広告運用者にとって非常に大事な視点だなと思います。

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Jan Hugendick

Jan Hugendick

アナグラム株式会社 クルー。 ドイツの出版社で マーケティングやSEOに携わることをきっかけにリスティング広告に興味を持ち、 ドイツの某メディア大企業直属のWeb広告代理店に転職。そこで5年間、多国・多業界 のアカウントを担当することを経て、2016年にアナグラムに参画。広告運用の他、ブログ執筆と編集を行っています。

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