
Facebookのバリュー最適化オプションを利用すれば、コンバージョンの価値(購入金額など)を対象にして広告配信を最適化することが可能です。
参考:Facebook広告でROASベースの運用を行う際に活用したい2つの機能
このバリュー最適化オプションを利用する場合に、新しく「最小のROAS」が設定できるようになりました。
※ROASの定義や考え方については、以下の記事をご参考ください。
参考:もっと知りたい、ネットショップを中心としたビジネスにおけるリスティング広告のROAS運用のこと


「最小のROAS」の概要
導入する際の判断基準
バリュー最適化オプションを利用することで、購入など獲得にかかる費用に対して、より大きな収益をもたらす購入を優先するように調整されます。これまでは、あくまで予算の範囲内で最も高いバリューが得られるコンバージョンを優先するように調整されるという仕様のため、たとえば予算設定によっては、得られた収益が広告費用を下回るなどのように、期待したROASを確保することが難しいケースもありました。
今回のアップデートにより、バリュー最適化オプションを利用する際に最小のROASを設定することで、広告費用に対して少なくとも得たい収益の割合を設定することが可能になりました。
たとえば最小のROASを1.00と設定した場合、これを下回ると予測される広告オークションへは入札をしないように自動的に調整されます。(右の図)
達成したいROAS目標を定めている場合には効率的にパフォーマンスを管理できます。
一方で、最小のROASを設定を行うことで失われるものもあります。上図の左では、制限なく収益につながるすべてのコンバージョンを獲得できていましたが、最小のROASを1.0にすることで、右図のように、獲得できないコンバージョンが出てきます。結果として、費用の削減に成功しROASは向上したものの、収益は減少となっています。
まずは収益のボリュームとROASの、どちらをより重視して広告配信を行うかを明確にした上での導入の検討をオススメします。
最小のROASの設定方法
広告セット編集画面にある「最適化と配信」項目の「入札戦略」にて選ぶことが出来ます。
※2018年8月現在、一部アカウントから順次反映となっているため、まだ設定いただけない場合があります。
現状、入札戦略自体は「最高値(予算内の合計購入金額を最大限に高めます)」しか選択できませんが、その中で追加のオプションとして「最小のROAS(消化金額に対し最低何%のコンバージョン値を得たいかに合わせるよう配信します)」を設定するかどうかを選択できます。
最小のROASは0.01~1000.00の範囲で設定可能です。
ただし、現在のROASが2,5であるのに対し、最小のROASを10などのように大幅に乖離のある値を設定するとで設定すると配信自体が劇的に減少することが考えられます。まずは過去の実績から現実的に達成できる可能性の高い数値から始めてみましょう。
まとめ
ROASを改善させたいアカウントではぜひ導入してみたい新機能です。しかし、ROASを優先するがあまり十分な配信が行えなければコンバージョン数および総売上高自体が下がる可能性もあります。
収益のボリュームやROAS、あるいは収益ではなくコンバージョンの数のどれを重視するかは、同じ広告主であってもそのとき目指す目標やさまざまな状況によって変わってきます。いまの目的を達成するためにどの管理方法がもっとも最適か、状況に合わせて柔軟に対応したいですね。