
みなさんの仕事も通常モードに戻ってきたのではないでしょうか。
このタイミングで、年末の慌ただしさのなかで見逃していたかもしれない12月の運用型広告のアップデートをあらためて確認してみましょう。これからの広告運用や広告戦略に活かせるヒントが見つかるかもしれません。


目次
Google広告の注目アップデート
Googleは12月に、2024年のアップデートを総まとめした記事を公開しました。その影響もあってか、12月のアップデートは主にポリシー関連が中心で数も少なめでした。それでは早速、内容を確認していきましょう。
新しい広告ポリシーで出会い系広告への規制を強化
2025年3月4日から、出会い系とコンパニオンサービスに関する広告ポリシーが新たに施行されます。
新しいポリシーの施行後、出会い系とコンパニオンサービスに関するサービスは、Googleの認定を受けた場合に広告掲載が許可されます。
まずは広告主のビジネスが規制対象となるかをヘルプと照らし合わせて確認しておくのがよいでしょう。もし対象となる場合は、早めに認定プロセスを完了しておくのがおすすめです。なお、認定を得ない場合は、対象となる広告を削除しておく必要があります。
ユーザーにとって広告とコンテンツの両方が適切なものになるよう、ポリシーを遵守してきたいですね。
対象 : 出会い系とコンパニオン サービスに該当するサービスを提供している事業主
公式ヘルプ : 出会い系とコンパニオン サービスに関する広告の新規ポリシーと広告主認定プログラム(2025 年 3 月) - Google広告ポリシーヘルプ
Yahoo!広告のアップデート
Yahoo!広告では、細かなニーズに応えるアップデートがいくつかあったため、注目の内容をピックアップしました。
※ここでは 「ディスプレイ広告」はYahoo!ディスプレイ広告(運用型)を指します。
【検索広告】キーワードをまとめて追加する際にマッチタイプを個別に変更可能に
これまで、キーワード作成画面でキーワードを追加する際、マッチタイプはまとめて選択する形式のみが提供されていました。そのため、マッチタイプの異なるキーワードを追加する際は、マッチタイプごとに分けて入稿する必要があり手間が掛かっていましたが、今回のアップデートにより、キーワードごとにマッチタイプを変更して追加が可能になりました。
対象 : すべての検索広告アカウント
公式ヘルプ :【Yahoo!広告】広告管理ツール改善内容のご紹介(2024年11月分)- LINEヤフー for Businessi
【検索広告】広告管理ツールで対象外キーワードの追加が簡単に
これまで、広告が表示された検索クエリーを除外キーワードを追加する際には、あらかじめ表示元のキャンペーンを選択する、あるいは追加時にキャンペーンを指定するという手間がありました。
今回の変更により、検索クエリーを対象外キーワードに追加する際に「引き当てられたキャンペーン・広告グループ」を選択すれば、キャンペーンを横断して検索クエリーを表示していても、表示元のキャンペーンや広告グループに簡単に除外キーワードを設定できるようになっています。
より効率的に除外キーワードの設定が可能になりますね。
なお、特定のキャンペーンや広告グループを選択した状態だと「引き当てられたキャンペーンまたは広告グループに追加」は選択できません。
対象 : すべての検索広告アカウント
公式ヘルプ : 【Yahoo!広告】広告管理ツール改善内容のご紹介(2024年11月分)- LINEヤフー for Businessi
【ディスプレイ広告】プレイスメントターゲティングで機能改善。LINEアプリの指定もより簡単かつ柔軟に
プレイスメントターゲティングで、LINEアプリのプレイスメントURL変更など5つのアップデートがあります。実施予定は2025年1月15日です。
- LINEアプリのプレイスメントURLが変更
- LINEアプリで、配信面単位でのターゲティングが可能に
- LINEヤフーのサービス全体を指定できるプレイスメントURLが提供開始
- プレイスメントリスト作成時に「主要配信先名」で検索できるように
- レポートに「配信先名」の項目が追加
1、LINEアプリのプレイスメントURLが変更
LINEアプリのプレイスメントURLが、OS共通のURLに統一されました。これまではOSごとに異なるURLを指定する必要がありましたが、変更により1つのURLで対応可能になるため、登録漏れのリスクも軽減されます。
なお、変更前のURLがプレイスメントリストに登録されている場合、システム側で自動的に変更後のURLへ書き換えられるため、編集する必要はありません。
2、LINEアプリ 配信面単位で設定可能に
LINEアプリ内で、配信面単位でのターゲティングや実績確認が可能になりました。これにより、トークリストやLINE NEWSなど、特定の配信面を指定して広告を配信できるようになります。
これまではLINEアプリ全体でのターゲティングや実績確認にとどまっていたため、今後はよりターゲットに適した広告配信が可能になるでしょう。
3、LINEヤフーのサービス全体を指定できるプレイスメントURLが提供開始
LINEヤフーの主なサービス全体を指定可能なプレイスメントURLが提供開始されます。Yahoo! JAPAN、LINEアプリ、LINEファミリーアプリ全体が指定可能です。
なお、プレイスメント設定でサービス全体を指定した場合、どのURLが含まれているかはわからない仕様です。
4、プレイスメントリスト作成時に「主要配信先名」で検索できるように
プレイスメントリストの作成時、主要配信先名での検索が可能になりました。
これまでは「URLを検索して選択」または「手動でURLを入力」する方法しかありませんでしたが、今回の変更により、プレイスメント先の検索がより簡単になるでしょう。
5、レポートに「配信先名」の項目が追加
レポート項目に「配信先名」が追加されます。これまでは、配信先URLのみが表示されていたため、URLを確認する必要があり、配信先の特定にひと手間がかかっていました。今回の追加により配信先名での確認が可能となり、よりスムーズに確認できるようになります。
対象:すべてのディスプレイ広告アカウント
公式ヘルプ:【ディスプレイ広告(運用型)】プレイスメントターゲティングの設定機能改善について - LINEヤフー for Business
【ディスプレイ広告】アプリのコンバージョン価値が確認可能に
アプリ内で発生した「コンバージョンの価値」情報が広告管理ツールやパフォーマンスレポートで確認できるようになります。12月19日を予定していましたが、時期未定です。
本アップデートが適用されると、以下の項目の数値が増える可能性があります。
- コンバージョンの価値
- コンバージョンの価値/コスト
- コンバージョンの価値/コンバージョン数
アプリ内で発生したコンバージョン価値をより正確に評価することができるようになるでしょう。
対象:すべてのディスプレイ広告アカウント
公式ヘルプ:【ディスプレイ広告】アプリのコンバージョン価値の連携開始について - LINEヤフー for Business
【ディスプレイ広告】動的ディスプレイ広告「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」の提供終了
動的ディスプレイ広告のオーディエンスリストターゲティングにおいて、「商品閲覧履歴のないユーザーにも配信」と「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」の選択肢が、2025年2月13日をもって提供終了となります。
提供終了後は、「全てのユーザーに配信」または「オーディエンスリストを指定して配信」の2つの選択肢が利用可能です。
該当するアカウントには、広告アカウントの「通知」にお知らせが来ています。(1月8日時点で確認)
「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」設定をしている場合、提供終了後、配信対象が変わるため、変更内容を確認し対応が必要です。
「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」の提供が終了した後の配信対象
「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」に設定している場合、提供終了以降は、自動的に「オーディエンスリストを指定して配信」になります。
「オーディエンスリストを指定して配信」はオーディエンスリストに合致する全てのユーザーが配信対象です。そのため、配信対象が広がる可能性があります。
引き続き、商品閲覧履歴のあるユーザーを配信対象としたい場合は、商品閲覧履歴のあるユーザーを対象としたオーディエンスリストを作成し、そのリストを配信対象として設定することができますので、必要に応じて対応していきたいですね。
対象:動的ディスプレイ広告のターゲティングで「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」を使用しているアカウント
公式ヘルプ:【ディスプレイ広告(運用型)】動的ディスプレイ広告 「商品閲覧履歴のあるユーザーにのみ配信」の提供終了について - LINEヤフー for Business
Yahoo!広告 スクリプトの自動エラー通知メールが開始
Yahoo!広告 スクリプトは、Yahoo!広告のレポートの作成などの定期的に発生する業務を自動化できるツールです。このスクリプトが定期実行される際にエラーが発生した場合、翌日にメールで通知される機能が追加されました。2024年12月11日より開始されています。
エラー通知メールの内容は以下です。
送信先 : スクリプトの最終承認者のYahoo! JAPANビジネスIDに登録されたメールアドレス宛て
メールタイトル : [Yahoo!広告 スクリプト/Yahoo! JAPAN Ads Script] 定期実行スクリプトエラーのお知らせ (English follows Japanese.)
本文 : 対象の期間とエラーとなったスクリプトの一覧を記載
対象:Yahoo!広告 スクリプトを使用しているアカウント
公式ヘルプ:【Yahoo!広告】Yahoo!広告 スクリプト メールによるエラー通知開始のお知らせ - LINEヤフー for Business
LINE広告のアップデート
LINE広告でも、提供終了となるセグメントがありました。詳しく見ていきましょう。
詳細ターゲティング「購買経験」セグメントの提供終了
詳細ターゲティングの「行動」で「購買経験」内にある、ドラックストア、飲食店、家具・インテリアショップの3つのセグメントが提供終了となりました。
提供終了後にターゲティングを使用していると以下の影響が生じます。
ターゲティングに使用していた場合、設定内容によっては広告が配信されないケースもあるため改めてアカウントの設定を見直すことをおすすめします。
対象:詳細ターゲティングで「購買経験」ドラックストア、飲食店、家具・インテリアショップへの配信・除外設定を行っているアカウント
公式ヘルプ:LINE広告アップデート情報 2024年12月 SKAN広告グループで MMP計測でのCVの自動入札が利用可能に - LINEヤフー for Business
LINE Dynamic Adsで「価格」情報の表示が可能に
カタログに登録されている「価格」情報を表示できるようになりました。
広告グループページの商品セット内にある「価格情報」の項目で「表示」にチェックを入れると、商品フィードに登録した商品の価格情報を広告に表示できます。
商品の価格情報は、広告の[ラベル]と同じデザインで表示され、[ラベル]のデザインに対応していない配信先や広告フォーマットでは表示されません。表示方法をカスタマイズしたい場合、フィード内の「formatted_price」列に入力することで可能です。
対象:LINE Dynamic Adsを実施しているアカウント
公式ヘルプ:LINE広告アップデート情報 2024年12月 SKAN広告グループで MMP計測でのCVの自動入札が利用可能に - LINEヤフー for Business
Meta広告のアップデート
Meta広告では、クリエイティブを自動的にさまざまなフォーマットに調整する機能がリリースされました。
Advantage+ クリエイティブで「複数画像フォーマットを調整する」機能の提供開始
Advantage+ クリエイティブの機能で、「複数画像フォーマットを調整する」機能が提供開始されました。カルーセル広告でパフォーマンスを向上できる可能性が高いと判断された場合、複数画像をアニメーション付きの動画スライドショーとして表示する機能です。
この機能は、新規で広告を作成したり既存の広告を編集した際にデフォルトでオンになります。機能をオフにするには、Advantage+ クリエイティブの編集ボタンから「複数画像フォーマットを調整する」のトグルボタンをオフにします。
対象:カルーセル広告
画像や動画を様々な配置で使用する「フレキシブルなメディア」がリリース
1つの画像・動画アセットを複数の配置で使用する「フレキシブルなメディア」がリリースされています。
この機能を有効にすると、たとえば、フィード用の1:1サイズのクリエイティブが、自動的にストーリーズ広告やリール広告用の9:16サイズに調整されて配信されます。2025年1月8日時点で一部のアカウントのみ適用されています。
画像は、オブジェクトやテキストが切り取られていることが検知された場合、フレキシブルなメディアは適用されません。動画は、現時点でオブジェクトやテキストが切り取られているかどうかを検知することはできません。広告プレビューを使用して、動画がどのように表示されるかを広告の公開前に確認可能ですので、公開前チェックは欠かさず行いたいですね。
なお、広告設定のフォーマットにある「フレキシブル広告フォーマット」とは異なります。名前が似ているため注意が必要です。
対象:一部のアカウントで適用されています。
Microsoft広告のアップデート
Google広告などに対し後発となるMicrosoft広告ですが、Google広告からのインポートツールが利用できるキャンペーンタイプの充実や、引き続き機能の充実が図られています。
Google インポートツール P-MAX・ショッピングキャンペーンも対応
Microsoft広告のGoogle インポートツールが、P-MAXやショッピングキャンペーンのインポートにも対応しました。
現在、Microsoft広告のGoogle インポートツールは、検索広告、P-MAX、動画広告、デマンドジェネレーションキャンペーン、ディスプレイキャンペーン、Merchant Center などほとんどのキャンペーンがインポート可能です。
加えて、より簡単にインポートができるよう、ツールもシンプルに使いやすくなっている点も注目です。
数クリックでインポートが可能な「クイックインポート」、Google Merchant Center を利用している場合には「スマートインポート」や、カスタマイズ可能な「高度なインポート」の3つのインポート方法から選択できます。
広告表示オプションの「プロモーション表示オプション」が利用可能に
広告表示オプションでプロモーション表示オプションが利用可能になりました。
プロモーション表示オプションは、オファー内容と有効期限を一緒に表示することができるため、セール情報や特別な期間に設定すると効果的です。例えば、広告に「ウィンターセール」の訴求として「開始日1月1日~終了日1月15日まで」を設定することができます。
設定は、広告と表示オプションから広告表示オプションを選択し、プロモーション表示オプションを選びます。新規追加から「オケージョン」など設定項目を入力していくことで登録可能です。
なお、開始日・終了日は、設定画面の「選択した日時」を開くと、設定項目があります。
対象:すべてのアカウント
公式ヘルプ:プロモーション表示オプション: さまざまな行事でスペシャル オファーを強調表示する - Microsoft広告 ヘルプ
SmartNews Ads のアップデート
利用規模も大きなニュースアプリ「スマートニュース」への広告配信ができるSmartNews Ads。広告管理画面の大幅なバージョンアップもあり、着実に使いやすさがアップしています。
カスタムオーディエンスのサイズ・ステータスが表示されるように
オーディエンスのサイズやステータスが表示されるようになりました。ターゲティングの設定をする際に参考にできる情報が増えます。
ステータスは以下の5つが表示されています。
ステータス名 | 説明 |
---|---|
利用可能 | オーディエンスが正常に作成され、広告配信に十分なサイズが確保できた |
進行中 | オーディエンスは現在マッピング処理中 |
ターゲットが狭い | オーディエンスは正常に作成されましたが、そのサイズが15,000未満のため、広告配信には十分でない可能性がある |
ターゲットが非常に狭い | オーディエンスは正常に作成されましたが、サイズがゼロのため、広告配信不可 |
失敗しました | オーディエンスを正常に生成できなかった |
対象アカウント:すべてのアカウント
公式ヘルプ:[広告マネージャー v2]カスタムオーディエンスのサイズ表示・ステータスのアップデート - SmartNews Ads ヘルプセンター
キャンペーンの情報(広告グループ・広告)がコピー可能に
キャンペーン全体(広告グループ、広告含む)をコピーできる機能がリリースされました。
これにより、キャンペーンをコピーして新しいキャンペーンが作りやすくなりました。
なお、広告グループや広告のみをコピーする機能はありません。キャンペーンをコピーして作成したあとは、広告審査があり審査承認後にキャンペーンを有効化できます。
対象:すべてのアカウント
公式ヘルプ:[広告マネージャー v2]キャンペーン全体(広告グループ、広告含む)のコピー機能リリース - SmartNews Ads ヘルプセンター
広告画像サイズ調整ツールの提供開始
静止画広告の入稿時に、広告管理画面上で画像サイズが調整できるツールが提供開始されました。
静止画広告の入稿規定(1.91:1 、 1:1)と異なるアスペクト比の画像をアップロードした場合でも、サイズの調整が可能です。
対象:すべてのアカウント
公式ヘルプ:[広告マネージャー v2]広告画像サイズ調整ツールのリリース - SmartNews Ads ヘルプセンター
まとめ
12月は全体的に大きなアップデートは少なかったように思いますが、細かなところでできるようになっていることや、メンテナンスが必要な事項がありました。1月中に振り返って広告アカウントに反映できるといいですね。
